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終戦内閣・鈴木貫太郎に学ぶ

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鈴木貫太郎は幼少のころから、何度も死にかけています。
そして海軍軍人となってからは、たえず死と隣り合わせの第一線に身を置きながら、生き延び武勲を立てています。
二・二六事件では銃弾を受け、実際に心停止までしています。それでも彼は息を吹き返し、八十歳近くになって大東亜戦争に幕を引くという、胆力と集中力を必要とする仕事を、見事にやってのけています。
真実は「神のみぞ知る」です。
しかしもしかすると貫太郎は、日本の終戦処理という重大使命を帯びて、この世に生を受けた人だったのかもしれません。
そう考えてみると、人はどんな人でも見えない大きな力によって「生かされている」存在で
あるのかもしれないと思えてきます。
孟子は「天が誰かに大任を委ねようとするときには、必ず「これでもか」というほどの艱難辛苦を与える」と書いています。
艱難辛苦に見事打ち勝った者だけが、天命を得る。
鈴木貫太郎の生涯を見ていくと、それは確かであるような気がしてきます。


20190219 鈴木貫太郎
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


▼目に見えない大きな力に守られて

私の家から車ですこし走ったところに、鈴木貫太郎記念館があります。
最近は、訪問者も減ってしまったそうですが、かつては小中高生の定番の社会科見学コースでした。

鈴木貫太郎は慶応三(1868)年に生まれ、昭和二十三(1948)年に亡くなりました。
第四十二代内閣総理大臣として、大東亜戦争を終結に導いたことは有名です。海軍大将、従一位、勲一等旭日桐花大綬章、功三級金鵄勲章を授章されています。
戦に立てば獅子奮迅(ししふんじん)、平時にあっても鬼貫(おにかん)と呼ばれ、老いては昭和天皇からたいへんな信頼を受けた方です。
遺体を焼いたとき、お骨から二・二六事件のときの弾丸が出てきています。
とにかくたいへんな人生です。
そして奥様が、またすごい方なのです。

その半生は、江戸から明治・大正・昭和の日本の歴史そのものといっていいでしょう。
鈴木貫太郎の人生を学んでいくと、人には使命があり、人は生きているのではなく、生かされている存在なのだということを強く感じずにはいられません。

若き日の鈴木貫太郎の生きざまは、まさに痛快であり、爽快であり、男の人生そのものです。
和泉国大鳥郡伏尾新田(現、大阪府堺市中区伏尾)の生まれですが、父親は関宿藩(千葉県野田市)の家老職であった鈴木由哲です。
鈴木家というのは、もともとは三河の渥美郡の出で、代々徳川直参旗本の家柄です。

貫太郎は子供の頃からやんちゃで、三歳のとき、暴走してきた馬の前に飛び出して転んでしまいます。
そして、その上を馬が駆け抜けていきました。
あっという間の出来事で、このとき近くで見ていた者全員が、貫太郎の死を覚悟したそうです。
しかし、たいへん不思議なことに、馬がとっさに膝を折り曲げたのです。
あり得ないことと言っていいかもしれません。
おかげで貫太郎は、幸いなことに無傷でした。




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