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先人たちが目指した日本の姿。それは私達の国が常に「よろこびあふれる楽しい国(=豈国)」であり続けることです。


満州従軍看護婦実話(2)

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長春
長春


場所は、張春市内にあるミナカイデパート跡で、その地下のダンスホールに、ソ連陸軍病院第二救護所に送られた8名が生きてダンサーをしている、というのです。

堀婦長は、矢も楯もたまらず、その足でダンスホールに駈けます。


このダンスホールは、中は十畳ほどの広場になっていて、客はソ連人。働いているのはソ連人と中国人で、ダンサーは日本人、朝鮮人、中国人です。

入口から中に入ろうとすると、ソ連人がそこにいて、入室を拒みます。
けれどどうしても彼女たちが気がかりで会いたいと思う堀婦長の迫力に圧倒されたのでしょう。
その入り口にいたソ連人は、隅にある小さな部屋で待っていろ、という。

部屋にひとり待っていると、ガチャリと音がして、扉が開きます。

そして肌もあらわな派手なパーティドレスを着た女性たちが部屋に入ってきた。

「ふ、婦長・・・」
「婦長さん!!」

「みんな・・・」

もはや堀婦長にも、彼女たちにも言葉はありません。
互いと会うことができた。
それだけで涙があふれた。

しばらくして落ち着くと、堀婦長は言った。
「大島さんがね・・・」
「知っています。同僚たち22名が集団自決したことも聞いています。」
「だったら、こんなところにいないで、早く帰ってきなさい!!」

「・・・・」

「あなた達の気持ちは、痛いほどわかるわ。
だけど帰ってきてくれなかったら、救いようがないじゃないの」

8名の看護婦たちは、その婦長の言葉に、うつむいて黙ってしまいます。

そして堀婦長は気付きます。
自分の言葉が、あまりに一方的だった。
彼女たちからすれば、そんな単純なものではなかったのです。

眉を細く引き、口紅を赤くし、ひとりひとりの顔は、以前の看護婦に違いないのですが、8人とも、まるで生気が感じられない。
それどころか、目をそらして堀婦長の目から逃れようとさえする。

堀婦長は心を鬼にして言った。
「どうして黙っているの?どうして返事をしないの?
そう、あなた達は、そういうことが好きでやっているのね」

ひとりが答えます。
「婦長さん、そんなにあたしたちのことを思っていてくださるのなら、お話します。
私たちは、ソ連軍の病院に行ったその日から、毎晩7、8人のソ連の将校に犯されたのです。
そして気づいてみたら、梅毒にかかっていたのです。
私たちも看護婦です。
いまではそれが、だいぶ悪くなっているのがわかるのです。
もう、私たちはダメなのです。
もう、みなさんのところに帰っても仕方がないのです。

仮に、幸運に恵まれて日本に帰れる日が来たとしても、こんな体では日本の土は踏めません。
この性病がどれほど恐ろしいものか、十二分に知っています。

だから、だから私たちは、移したソ連人に、逆に移して復讐をしているのです。
今はもう、歩くのにも痛みを感じるようになりました。
ですからひとりでも多くのソ連人に移してやるつもりで頑張っている・・・」

もう何も受け付けない。
もう何を言っても、彼女たちには通じない。
彼女たちを覆っているのは、もはや完全な孤独と排他と虚無しかない。

彼女たちのその言葉を聞いたとき、堀婦長は流れる涙で、何も言えなくなってしまいます。
自分の人選です。
責任は自分にある。
彼女たちが負った傷の深さ、過酷さを思えば、彼女たちが選択したことに否定や肯定をするどころか、何の助言さえもしてあげれない。
ただただ、自分の無力さに悔し涙が止まらないまま、この日、さいごは、気まずい雰囲気のまま部屋を後にします。

けれど、このままでは済まされない。
なんとしても彼女たちを助けなければ!!

堀婦長は、その日の夜、ひっそりと静まり返って誰もいなくなった薬剤室に入り、梅毒の薬を持ち出します。

そして翌日、ふたたびダンスホールへと向かった。

通されたのは、昨日の部屋です。
女ばかり9人が、そこに集まった。

婦長はせいいっぱい元気よく明るく彼女たちに声をかけます。

「みんな!今日はお薬を持ってきてあげたわ。みんなの分、たくさん持ってきたから!
あなたたちは、まだ若いのよ。
復讐する気持ちはわかるけれど、それでは際限がないじゃない!
それよりも、この薬を飲んで、一日も早く体を治してちょうだい。
そしてね、気持ちを立て直して、生きることを目標に努力しようよ!」

「婦長さんのお心はありがたいと思います。
だけど婦長さん。
そのお薬は、日本人が作ったものです。
そんな貴重なものは、私たちには使えません。
私たちのことは、もういいんです。
本当に、もういいんです・・・・」

「そんなことを言ってはダメ!
お願いだからあきらめないで!
お薬、ここに置いていくわ。
それじゃ、帰るわね・・・」

「ふ、婦長さん。
そんなに私たちの気持ちがわからないなら、わかるようにしてあげます。」

彼女の中のひとりが、そう言ってスカートをたくしあげ、自分の性器を露出します。

梅毒は、性器全体に水泡ができてそこがただれて膿が出る。
さらに尿道口も膿が出て、排尿困難、歩行困難が起こり、性器が腐り始める。

広げた足の間に典型的な梅毒の症状があった。

あまりにむごい姿です。
もはや手遅れかもしれない。

けれど、病気は弱気になったら負けです。

堀婦長は、きっぱりと彼女たちに言います。
「この程度なら、時間はかかるけど、必ず治ります!
根気よ! 薬は十分あるのだから、あなた達も、絶対に良くなるんだという強い気持ちで治療するのっ! いいわね!」

「治らない、治りっこないなんて、勝手な思い込みはやめなさい!
もう商売はしてはダメよ。
良くなるのよ。
毎日お互いに声をかけあって、手抜きをしないで治療するの。いいわね!」

こうして彼女たちは、わずかでも「治る」という希望を持って、治療を受けると約束してくれます。

薬の調達は容易ではないです。
ただでさえ、日本人の医師や看護婦に扱える量は少ないのです。

それでも堀婦長は、彼女たちを助けたい一心で、薬をすこしずつ確保し、貯めた薬が一定量になる都度、彼女たちのもとに、お饅頭と一緒に、薬を届けるために通い続けた。

お饅頭と、堀婦長の誠意、そして日、一日と軽くなる体に、彼女たちの目にも少しずつ光が宿りはじめます。

このような彼女たちとの関わり合いは、帰国命令の出る昭和23年まで続いたそうです。
そしてまる2年越しの交流の中で、堀婦長は、彼女たちがひどい仕打ちを受ける以前よりも、彼女たちにたいしてより深い愛情を持つようになった。

「一緒に日本に帰ろうね」

その言葉を、彼女たちにどれほどかけたでしょう。
けれど、敗戦の混乱が続く日本に帰ったとしても、楽な生活など待っているはずはありません。
けれど、みんなと仲良くしながら、苦労をわかちあい、助け合って生きていくんだ。みんな、私が面倒みてあげるんだ。
堀婦長は、そう固く決意をします。

昭和23(1948)年9月、張さんが病院にバタバタと駆け込んできます。
長春にいる在留邦人に、帰国命令が出た、というのです。

そしてその日の午後7時に、一週間分の食料を持参で南新京駅に集合することになっている、といいます。

急な話です。
「時間がない。あの娘たちに知らせなければ」

堀婦長は、二人の子供たちに、とにかく準備をするようにと言い残し、自分の身支度も忘れて、彼女たちのもとに走ります。

「みんな一緒に日本に帰れるんだ」

走りながら堀婦長の目には涙が浮かんだ。

ダンスホールに着くと、婦長は、彼女たちに面会を求め、「午後7時に南新京駅に集まるように」と話します。

わーい、帰国命令だぁ、良かったぁ~!!
彼女たちは、満面の笑顔で答えてくれた。
ほんとうにうれしそうだった。

「きっと来てくれるわね?」
「婦長さん、ありがとうございます。7時までには準備して、必ず参ります」
「必ずよ! 準備をして、必ず来てるのよ」

婦長もうれしくてたまりません。

「みんな一緒に帰れるんだ」
こだわりはあることでしょう。ないはずなんてありません。
けれど、自分がなんとか彼女たちを立ち直らせてみせる。
絶対に立ち直らせてみせる!

堀婦長は子供たちと自分の身支度を整えると、心配でたまらず集合時間の2時間も前に南新京駅に行き、彼女たちを待ちます。

まさか・・・とは思った。
けれど、彼女たちは「時間までには行きます」と約束してくれたのです。
その言葉を信じよう。きっと来てくれる。

そのうちに貨車が到着します。

長春にいた日本人たちが、続々と貨車に乗り込み始めます。
堀婦長は、それでも彼女たちを待った。

もう出発の時間です。
来ないかもしれない。。。。そう思った時です。

「婦長さ~ん!!」と明るい声がした。

どこにいたのか、意外と近くに、ワンピースにもんぺ姿の細井、荒川、後藤の三人の姿が見えます。
とっても嬉しそうな顔をしています。

「こっちよ~~、早く~~!」

「あとの娘たちは?」
「大丈夫です。あとから来ます。
それより、これ、食糧のたしにしてください。」

「ええっ!こんなにたくさん?! こんなことしたらあなた達が困るじゃないの」
「いいんですよ、婦長さん。私たちの分は、あとからくる娘たちが持ってきます。
だから、これ、みなさんで。
それから、ほんの少しですけれど、何かに使ってください。」

「何なの?」
「アハハ、あとでですよぉ~。じゃあ、あたしたち、澤本さんたちを探してきますね」
「わかったわ。でも、もうあまり時間がないと思うから、早くしてね。急ぐのよ」
「はいっ!」

そのとき振り向いた、彼女たち3人の笑顔を、堀婦長は生涯、決して忘れない。
忘れようがないです。
三人とも、とても明るい、ほんとうに何事もなかったかのような、明るくてさわやかな笑顔だったのです。

堀婦長が、彼女たちが戻ると安心して、貨車に乗る順番の列に並んだ時です。

バン、バンと2発の銃声がした。
そしてすこし遅れて、バンと、3発目の銃声が響きます。

列車への乗車を待っている日本人たちが、騒ぎ始めます。

「おいっ!自殺だ」
「若い女3人みたいだ」

「!」

三人とも即死でした。
後藤さんと荒川さんの体を覆うようにして、倒れていた細井さんの右手にピストルが握られていました。

申し合わせのことでしょう。
細井たか子が先に二人を射殺し、最後に自分のこめかみを撃ったことがわかりました。

頭部からは、まだ血が、流れています。

わかる。わかるわ。あなたたち、こうするほかなかったのね。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。
はやく気が付いてあげれなくて。
もう、なにもかも忘れて、楽になってね。
今度生まれてくる時にはね、絶対に、絶対に、もっともっとずっと強い運を持って生まれてくるのよ・・・・・



「お母さん、お母さん!」

子供たちの叫ぶ声に我にかえり、堀婦長は汽車に乗ります。

結局、澤本かなえ、澤田八重子、井出きみ子の三人は、姿を見せませんでした。
このほかに二人、どこにいるのか行方知れずに終わりました。
ひとりは、ソ連将校が連れ帰ったという噂でした。

引き揚げ列車は南下し、それぞれの悲劇と過酷な過去から、まるで逃れるように、祖国日本へ向け鉄路を南へ向けて走ります。

こうして堀喜身子婦長が、長男静夫(5歳)と、長女槇子(3歳)を連れて、九州の諫早(いさはや)で日本の土を踏んだのは、昭和23年11月のことでした。

親子三人を待っていた日本の戦後社会は、想像を絶する混乱の社会です。
戦争に負けた。それだけのことで、人心が変わった。

それまでの日本は、まさに家族国家だった。
人々が地域ぐるみ、家族ぐるみで助け合い、支えあって生きることがあたりまえの社会だった。

それが、終戦によって180度変わった。
人の情けがなくなり、人情が消え、支えあうという考えが、人々からなくなっていた。

物語は、ここから青葉慈蔵尊誕生まで、さらに波乱が続いていきます。

≪満州従軍看護婦実話(3)へ続く≫

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※本稿は、日本航空教育財団の人間教育誌「サーマル」平成18年4月号に掲載された「祖国遙か」をもとに書かせていただきました。

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コメント
No title
戦前の軍部が暴走したという言い方は完全な左翼思想ですね。

戦争は国民の財産・生命・領土を守る上でやらなければならない最終手段です。
できるなら平和的外交手段で解決するほうが絶対にいいはずです。

当時の軍部もソ連と戦争を始めたいと考えていた人はいないでしょう。
日ソ不可侵条約を一方的に破棄して火事場泥棒的に背後から突然襲ってきたのは、日本にはもう戦う力が残っていなかったと見るほうが正しいと思います。

もし現在に日米同盟や自衛隊がなければいつでも遠慮なく北海道も占領してくるかもしれません。国連の常任理事国という立場なのでどんな非道な行為をしても国連も動けないですし、そんな非道な行為が平気で出来る人達ですし。
その国に国防の能力がなければ戦争にはならずに一方的に奴隷にされ殺されるだけです。

かつて白人国家と戦う力が無く一方的に殺害されたアメリカインディアンやアジア諸国は戦争という悲惨な行為を経験することはありませんでしたが、戦争以上の悲惨な行為を何百年以上も耐え続けなければなりませんでした。
2011/03/02(水) 01:29 | URL | 愛国主義 #-[ 編集]
相変わらず好きだなソ連兵と日本の看護婦の情事‥

そんな運命だったんだよ生まれる前から彼女達は!

この話しまだあと2回は書くと見た!(笑)

2011/03/02(水) 00:42 | URL | #B0Nyfkl2[ 編集]
【ロシア、北方領土に巡航ミサイル 軍高官が言明】
【ロシア、北方領土に巡航ミサイル 軍高官が言明】

http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030101000873.html

インタファクス通信によると、ロシア軍参謀本部高官は1日、北方領土
を含む千島列島(クリール諸島)に対艦巡航ミサイル「ヤホント」や
対空ミサイルシステム「トールM2」が配備されると述べた。 
ロシアのメドベージェフ大統領は2月9日、千島列島を「わが国の戦略
的地域」と述べ、現地での軍備増強を指示。ポポフキン国防次官は現地
に最新鋭の装備が配備されると述べていた。

【前航空幕僚長の国防問題タイトル一覧】はこちらをクリックして下さい。
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj10_hdir.cgi
2011/03/02(水) 00:22 | URL | 愛信 #EBUSheBA[ 編集]
No title
読むのも辛い事件です。しかし、こんな事件が起きたのも戦前の軍部が無謀な戦争を始めたせいだ、とサヨクに利用される事を危惧します。

どの様な悲惨な事件も全て戦争のせい、その戦争を起こした軍部と当時の天皇陛下の責任、これがサヨクの主張、戦争さえなかったらこんな事は起きなかった。

沖縄や原爆、各地で行われた米軍の空襲と同じ構図です。例えば子供達にの様な話をした後に「だから戦争はよくない、じゃあなんでこんな戦争が起きたのか?」と戦前の全てを否定し、捏造近代史を語りサヨク思想を植えつけていきます。

この現実の事件を利用して同列に語ることで、従軍慰安婦と言う嘘の補強に使われてしまう恐れは充分にあります。多くの人に知って頂きたい話ですが、サヨクに悪用されないように充分留意したいものです。
2011/03/02(水) 00:21 | URL | 禍福はあざなえる縄の如し #-[ 編集]
No title
こういう話を教科書に載せて啓蒙すべきですね。
2011/03/01(火) 23:46 | URL | OH #-[ 編集]
No title
ただただ悔しい。
本当に悔しい。

彼女たちを本当に守ってあげたい。
2011/03/01(火) 22:40 | URL | 20代日本男児 #-[ 編集]
嫌韓流 再び
マンガ嫌韓流 が文庫タイプになって 帰ってきました(1、2巻は竹島の日に発売)

約5年前 本屋に並んでいた時は よく分からなかったし、買いませんでした

でも、この本を読んだ 若い世代の方々が 目覚めて、必死に訴えてきて下さったのです

ありがとうございました

この 嫌韓ブーム で焦った韓国・朝鮮は TVで あからさまな 韓流 を捏造し始めた

今は 笑っていいとも で、キムチ鍋ばかりでなく、ピザでも プルコギ一位 など、見境なくやり始めたらしいですが…
これで益々、目覚める日本国民が増えるでしょう…

今月には 3、4巻も発売予定です

私は 電車で カバーせず、広げて読んでます(笑)

正しい歴史の勉強にもなります


ねずきちさん、いつもありがとうございますお体にはお気をつけてください
2011/03/01(火) 22:00 | URL | マカロン #-[ 編集]
今晩はで御座います。
PART?から読ませて頂きましたけど、歴史の裏側にはこんなことまでもがあったと知らずなのは、歴史好きな私にとっては自分自身情けなくなりました。

そしてソ連と悪しき所行に果てしなく怒りを感じ得ずには居られません!
これぞ鬼畜にも勝る極悪非道な国だと改めて、私の魂に重なりました。

約束を反故され毎晩毎晩、慰めにされ続けた先人達の魂は、現在は崇高なものと化していると、必ずしも思います。

この事実上、強制慰安婦は国法違反にも則ることもさながら、生命を投げ打ってでも映画化するぐらいの監督が現れませんかね。
彼女達崇高な先人達を歴史に埋もれさせては、決して成りません。
PART?~?を読ませて頂き、知識を与えて頂き、誠に有難う御座います。
追伸になりますが、メールマガジンはいつも楽しみにさせてもらい、様々な正しき事象を教えて頂かせてもらっております。
多忙な合間に、牝馬に送信して頂き非常に感謝しております、本当に有難う御座います。
2011/03/01(火) 21:50 | URL | 乾坤一擲 #-[ 編集]
米大使、記者拘束に抗議 中国で声明を発表
米大使、記者拘束に抗議 中国で声明を発表

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110228/amr11022820320003-n1.htm

勃発する第三次世界情報大戦争、日米英対中露独

【前航空幕僚長の国防問題の掲示板】
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj10.cgi
【前航空幕僚長の国防問題タイトル一覧】はこちらをクリックして下さい。

2011/03/01(火) 21:37 | URL | 愛信 #EBUSheBA[ 編集]
私の保守主義観 福田恆存
最初の自己認識は、言いかえれば自分を遮る障害物の発見は、まず現状不満派に生じたのである。革新の方が最初に仕来りや掟のうちに、そしてそれを守る人たちのうちに、自分の「敵」を発見した。

 先に自己を認識し「敵」を発見した方が、自分と対象との関係を、世界や歴史の中で自分の果す役割を、先んじて規定し、説明しなければならない。社会から閉めだされた自分を弁解し、真理は自分の側にあることを証明して見せなければならない。こうして革新派の方が先にイデオロギーを必要とし、改革主義の発生を見るのである。

(中略)

 進歩や改革にたいして洋の東西を問わず、保守派と革新派とが示す差異は、前者がただそれを「希望」しているだけなのに反して、後者はこれを「義務」と心得るということにある。

(中略)

 革新派はそれをつねに説明して見せなければならない。世界を空間的にのみならず、過去から未来にわたって整然と説明して見せなければならない。したがって、改革主義は合理主義の上に立たねばならないし、それに救いを求めなければならないのだ。

(中略)

 保守派が合理的でないのは当然なのだ。むしろそれは合理的であってはならぬ。保守派が進歩や改革を嫌うのは、あるいはほんの一部分の変更をさえ億劫に思うのは、その影響や結果に自信がもてないからだ。それに関するかぎり見す見す便利だと思っても、その一部を改めたため、他の部分に、あるいは全体の総計としてどういう不便を招くか見とおしがつかないからだ。保守派は見とおしをもってはならない。人類の目的や歴史の方向に見とおしのもてぬことが、ある種の人々を保守派にするのではなかったか。

 世界や歴史についてだけではない。保守的な生き方、考え方というのは、主体である自己についても、すべてが見いだされているという観念をしりぞけ、自分の知らぬ自分というものを尊重することなのだ。

 そういう本質論によって私は日本の保守党の無方策を弁護しようというのではない。むしろ逆なのである。保守的な態度というものはあっても、保守主義などというものはありえないことを言いたいのだ。保守派はその態度によって人を納得させるべきであって、イデオロギーによって承服させるべきではないし、またそんなことは出来ぬはずである。

(中略)

 大儀名分は改革主義のものだ。もしそれが無ければ、保守派があるいは保守党が危殆に瀕するというのならば、それは彼等が大義名分によって隠さねばならぬ何かをもちはじめたということではないか。

 保守派は無智といわれようと、頑迷といわれようと、まず素直で正直であればよい。知識階級の人気をとろうなどという知的虚栄心などは棄てるべきだ。常識に随い、素手で行って、それで倒れたなら、そのときは万事を革新派にゆずればよいではないか。
(「読書人」昭和三十四年六月十九日)
2011/03/01(火) 20:37 | URL | #-[ 編集]
よもぎさん、marinaluciaさんへ
よもぎさん、marinaluciaさん 

2011年02月24日の『南京攻城戦~(4)国際安全区内敗残兵掃討』 に投稿しましたので読んでください。


ねずきちさん、満州従軍看護婦さんたちの実話は怒りと悔しさで胸がはき避ける思いです。
2011/03/01(火) 14:25 | URL | 使命 #-[ 編集]
0時の時代の正確な認識
……敗戦時、我が国で0時(国家の非在)を体験したのは、満州など外地からの引揚者、復員兵、昭和天皇だけであり、国民は「リンゴの歌」と「青い山脈」の能天気なメロディーに慰められて、それ以降の教育とマスコミによるばかばかしさの再生産は、今もやむことがない。ドイツの敗北後の惨状はこの比ではない。

 真に必要なことは、0時の時代の正確な認識を取り戻すことである……
http://www.nishiokanji.jp/blog/?p=1022
2011/03/01(火) 12:55 | URL | #-[ 編集]
北朝鮮は和解の道を=「三・一運動」式典で韓国大統領
北朝鮮は和解の道を=「三・一運動」式典で韓国大統領
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011030100353

一方、「日本は昨年の(日韓併合100年に関
する)菅直人首相の談話を基に誠意ある行動と
実践をしなければならない」と強調。

自国民を騙して嘘で洗脳してきた罪は重大、
特に相手国がある時に相手がその事を認めな
い。
反日売国者韓直人が認めた事で嘘も本当に成
ると信じ込むのが彼等の資質

【マスコミ隠蔽の掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj4.cgi
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2011/03/01(火) 12:41 | URL | aixin #EBUSheBA[ 編集]
矛盾
戦争に負ける。
敗者に与えられるのは苦痛のみ。
かつての日本が間違っていたことは、戦争に負けたこと。
如何に高邁な理想を掲げようとも負けてしまえば
己の身のみならず、非力な女子供にも悲劇が起きる。

勝てない戦はしてはいけない、しかし、かつての日本のように、
勝てないとわかっていてもやらねばならない戦もある。
今僕らに問われているのは、その矛盾した命題を解くための覚悟と、冷静な判断力ではないだろうか。
2011/03/01(火) 11:54 | URL | #-[ 編集]
No title
ロシア人が憎い、もし目の前に現れたら唾を吐きつけたい。
私に出来ることはそれくらいです。
怒りが収まりません。
2011/03/01(火) 11:20 | URL | #-[ 編集]
民主16人造反、処分へ 11年度予算案が衆院通過
民主16人造反、処分へ 11年度予算案が衆院通過
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030101000015.html

【関連情報】
平成23年度総予算の採決の時の小沢一郎の
空席を明言する石原伸晃(自由民主党・無所
属の会)  2時 07分  25分
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=40816&media_type=wb&lang=j&spkid=19639&time=00:14:07.7

自民党幹事長石原氏が言明する小沢一郎他多
くの民主党議員の空席にも関わらず民主党
16人の造反議員が棄権する中、小沢一郎
が投票した映像を放映する反日売国テレビ
局これは捏造偽装映像なのか、それともこ
れが造反議員の「信」をも踏みにじる誠な
き小沢一郎の正体なのか。

【マスコミ隠蔽の掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj4.cgi
【マスコミ隠蔽のタイトル一覧】最新版はこちらをクリックして下さい。
2011/03/01(火) 10:37 | URL | #EBUSheBA[ 編集]
この話は良く知っています
青葉慈蔵尊の話は良く知っています。私は一昨年6月にこの慈蔵尊の慰霊祭に行ってきました。
元従軍看護婦の方も含めて30人ぐらいの人々が集まってお参りをしてきました。

まだこの後、ねずきちさんのお話が続くようですから最後まで読んでから、コメントしたいと思っています。
2011/03/01(火) 09:03 | URL | terag3 #KVPRtAI6[ 編集]
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
最新刊
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』

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台灣民政府
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サンフランシスコ講和条約で、日本は台湾に関して処分権は連合国に提供しましたが、領土の割譲は行っていません。条約以降、連合国も日本も台湾の処分先を決めていません。つまり台湾はいまも日本であり、台湾にいる1500万人の戦前からいる台湾人は、日本国籍を有する日本人です。私は台湾民政府を支持します。
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基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメントは、削除しますのであしからず。
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コメントをくださる皆様へのお願い
いつもたくさんのコメントをいただき、ありがとうございます。
ほんとうに皆様のコメントが、とっても嬉しく、かつありがたく拝読させていただいています。

議論というものは、すくなくともこのブログのコメント欄が、国政や地方自治、あるいは組織内の意思決定の場でなく、自由な意見交換の場であるという趣旨からすると、互いに互譲の精神を持ち、相手を尊敬する姿勢、ならびに互いに学びあうという姿勢が肝要であると存じます。

私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

ましてや、自分で質問を発したものについて、それぞれお忙しい皆様が、時間を割いて丁寧にご回答くださった者に対し、見下したような論調で応対するならば、それは他のコメントされる皆様、あるいは、それをお読みになる皆様にとって、非常に不愉快極まりないものとなります。

従いまして、謙譲・互譲・感謝、そして学ぶという姿勢のない連続投稿、粘着投稿に類する投稿をされた方については、以後のコメント書き込みを、管理人である私の判断で投稿の禁止措置をとらせていただきますので、あしからずご了承ください。
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