アクセスランキング

先人たちが目指した日本の姿。それは私達の国が常に「よろこびあふれる楽しい国(=豈国)」であり続けることです。


七五調で読む古事記(3)成り成りて

締切間近!平成31年度倭塾動画配信サービス受講生募集中
↑↑↑クリック↑↑↑


人気ブログランキング ←いつも応援クリックをありがとうございます。

婚礼の儀を経ずに身だけを結ぶなら獣と同じです。
それは、せっかく人間に生まれるという稀有な機会を得ながら、自らを獣に落としてしまうことと同じです。
世間には獣になることを好む民族もあるようですが、私達日本人は、常に御魂の存在を意識している民族であることを、あらためて確認していきたいものだと思います。


20190102 成り成りて

神谷宗幣「古事記紙芝居」より
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


七五調で読む古事記
1 天之御中主神
2 諸命以
3 成り成りて
4 しほみつるたま


今回お届けするのは、結魂の儀は「成り成りて」つまり完全に完璧に成長してから執り行うべきものであるというところです。
肉体を合わせるだけなら昆虫も動物も変わりません。
人間だけが婚礼の儀をあげることによって、魂と魂の結(ゆ)いを行います。
そのことの大切さが説かれたところです。

そのしまに あまくだり ましまして
於其島天降坐而
あめのみはしら みたてまし
見立天之御柱
やひろのとのを みたてまし
見立八尋殿

ここにそのいも いさなみの みことにいわく
於是、問其妹伊耶那美命曰
なれのみは いかになれるや
「汝身者、如何成。」

こたへていわく
答曰
わがみなりなり なりあわざるの ところあり 
「吾身者、成成不成合処一処在。」

いざなきみこと のらさくは
尓伊耶那岐命詔
わがみなりなり なりあまれるの ところあり
「我身者、成成而成余処一処在。
ゆへにわがみの なりあまる ところをもちて
故以此吾身成余処、
なれがみの なりあわざるの ところもちては さしふさぎ
刺塞汝身不成合処而、
くにつちを うまむとするが いかなるや
以為生成国土、生奈何。」訓生、云宇牟。下効此。

いざなみみこと こたへていはく しかりよし
伊耶那美命答曰「然善。」

いざなきみこと のらさくは
尓伊耶那岐命詔
しかるなら われとなれとで あめのみはしら ゆきめぐり 
「然者、吾与汝行廻逢是天之御柱而、
みとのまぐはひ なすべしと
為美斗能麻具波比此七字以音。


最新動画《大人のための修身入門》


『ねずさんのひとりごとメールマガジン』
登録会員募集中 ¥864(税込)/月  初月無料!
https://www.mag2.com/m/0001335031.html


<背景と要約>
本抄は、神界から淤能碁呂島(おのごろじま)に天降ったイザナキ、イザナミの二柱の神が、結魂の儀を行うことが描かれた抄です。
ここで人の結婚の儀は、単に肉体を結んで子をなすだけでなく、神様の前で御魂を結ぶという重要な儀式であることが述べられています。

<現代語訳>
伊耶那岐命、伊耶那美命は、淤能碁呂島に天から降られますと、まず天之御柱(あめのみはしら)を見立て、八尋殿(やひろのとの)を見立てました。そして妹(いも)の伊耶那美命(いさまみのみこと)に問いて言うには、
「汝(いまし)の身はどのように成っているのですか」
「吾(あ)の身は、成り成りて成り合はざるところがひとところあります。」
そこで伊耶那岐命が、
「我が身は、成り成りて成り余れるところがひとところあります。ついては、この吾(あ)が身の成り余れるところをもって、汝(いまし)の身の成り合はぬところに刺しふさいで、国土を生み成(な)そうとおもいます。生(う)むことは、いかがですか。」
伊耶那美命が、
「然(しか)り。善(よ)いでしょう」と答えますと、伊耶那岐命は、
「では、吾(われ)と汝(いまし)とで、この天之御柱(あめのみはしら)を行(ゆ)きめぐり逢って、みとのまぐあひをしましょう。」とおっしゃられました。


<解説>
▼見立天之御柱 見立八尋殿
(あめのみはしら みたてまし
 やひろのとのを みたてまし)

「みたてる」というのは、一般には、見て選び定めたり、選定したり、別なものになぞらえることをいいます。
ですから「天之御柱を見立てた」ということは、たとえば大木などを神の依代に選定したといった意味です。
「八尋殿」に「みたてたる」ですが、ここは注意が必要です。
一般に「八尋殿」は「広大で立派な御殿」と訳されますが、御殿なら「建てる」と言っても、「見立てる」とは言いません。
では八尋殿とは何かと言うと、「殿」という字はもともと床几(しょうぎ)に座った偉い人を意味する象形、「八尋」は広大かつ無量無辺を意味しますから、「八尋殿」は、「広大かつ無量無辺の偉い人」という意味であり、つまり創生の偉大な神々を指しています。

イザナキとイザナミは、この世界に最初に降り立った偉大な男女神です。
しかしその偉大な男女神であってさえも、それ以前のさらに偉大な創生の神々の前で謙虚であるのです。
古事記は何事も「諸命以(もろもろのみこともちて)」が最大のテーマです。
ですから創生神の一角であるイザナキ、イザナミ神でさえも、さらに偉大な神々の前で謙虚であると書いているのです。
まして私達は人の身です。
なおのこと神々の御心の前で謙虚であらねばならない、ということです。

▼成成不成合処 成成而成余処
 わがみなりなり なりあわざるの ところあり 
 わがみなりなり なりあまれるの ところあり

ここでは男女の身の違いが述べられています。
違いのあるところを合わせることで子が生まれます。
ですから、一緒に子を生みましょうと誘います。
誘うことを「いざなう」、古語で男性のことを「き」、女性のことを「み」と言います。
「おきな(翁)、おみな(嫗)」も同じ用法です。
ですからいざなう男、いざなう女で、イザナキ、イザナミです。

男女は、成り成りて結合し、子を生みます。
ここで大事なことは、イザナキ、イザナミという偉大な神様であっても、「成り成りて」つまり、完全に完璧に成長して、はじめて身を合わせようとしていることです。
まだ成長途中の、親のスネをカジッている状態のことを完全に完璧に成長したとは言いません。
ちゃんと勉強し、武道を学び、学業を終えて仕事を持って働く(はたを楽にする)ようになって、はじめて一人前のオトナとして、結婚をすることができるのです。

では完全に完璧に成長したら、すぐに身を合わせても良いかというと、これまた違います。
まず、先に男女相互の合意が要ります。
だからこの場合もイザナキの側からちゃんと誘っています。

そのうえで、結魂の儀が執り行われます。

▼吾与汝行廻逢是天之御柱而、為美斗能麻具波比」
(われとなれとで あめのみはしら ゆきめぐり 
 みとのまぐはひ なすべしと)

身を結ぶだけなら、昆虫でも動物でも、およそ雌雄に分かれている生き物なら、すべて身を結合して子をなします。
しかし人だけは結魂の儀をあげます。
これは神様の前で御魂を結ぶ儀式です。
だから、まぐあひの前に「あめのみはしらを ゆきめぐりましょう」と述べられています。

天の御柱は創生の神々との交信施設であるということが前段で明かされていました。
その交信施設をめぐるということは、神々の前で御魂の結びを誓い合うということです。
そして人だけが、御魂を結ぶことができます。
だから「魂を結ぶ」と書いて「結魂」です。

「魂を結ぶ」と書いて「結魂」です。
後に「結魂」は、結婚という字に置き換えられましたが、「婚」という字は、日暮れ女性が目を閉じている象形ですから、漢字文化における結婚は、身を結ぶだけの意味になってしまいます。
「婚」の訓読みは、いまではまったくつかわれない言葉ですが、「くながひ」といいます。
「くながひ」は、「来る+長居しに」で、要するに女性のもとへの通い婚を意味します。
ただ、日本語は同音異義語を多数持つこと、および我が国最初の男女神であられるイザナキ、イザナミも創生の神々の前で魂を結ぶ儀を行っているという古事記の記述からするに、男女が結ばれるに際して、結婚の儀が上古の昔から行われてきたであろうことは間違いないと思われます。
ですから意味合いとしては結魂なのですが、「魂」という字は中に「鬼」を含むため、お祝いの席にこの字はないだろうということから、文字としては「婚」、意味としては「御魂の結び」として「結婚」文字が使われるようになったものであろうと思います。
いまでも神社など、神様の前で婚礼の儀を挙げるのは、神様の前で魂を結ぶためです。

神様の前で魂を結ぶのですから、一度結んだら、二度はありません。
ですからたとえば平安時代の和泉式部は、初婚の相手が和泉守だったから、再婚しても和泉式部と呼ばれたのです。

婚礼の儀を経ずに身だけを結ぶなら獣と同じです。
それは、せっかく人間に生まれるという稀有な機会を得ながら、自らを獣に落としてしまうことと同じです。
世間には獣になることを好む民族もあるようですが、私達日本人は、常に御魂の存在を意識している民族であることを、あらためて確認していきたいものだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

人気ブログランキング
↑ ↑
応援クリックありがとうございます。

講演や動画、記事などで有償で活用される場合は、
メールでお申し出ください。

nezu3344@gmail.com

【お知らせ】
<倭塾、倭塾ゼミ・他>
会場は都営新宿線船堀駅前にある「タワーホール船堀」です。
1月6日(日)14:30 ねずさん&太夫さんと行く靖国正式参拝
1月14日(月・祭日)13:30 第58回 倭塾公開講座
1月26日(土)18:30 第33回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ
2月2日(土)13:30 第59回 倭塾公開講座
2月23日(土)18:30 第34回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ
3月9日(土)18:30 第60回 倭塾公開講座
3月16日(土)18:30 第35回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ
4月13日(土)18:30 第36回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ(407会議室)
4月27日(土)13:30 第60回 倭塾(研修室)
5月11日(土)18:30 第37回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ(401会議室)
5月19日(日)13:30 第61回 倭塾(401会議室)


動画【CGS ねずさん 古事記のセカイ】
はじめに
01-01 私達はなぜ神話を学ぶのか
01-02 古事記と日本書紀の違いとは
第一章
02-01 隠身と別天神
02-02 創生の神々と十七条憲法のただならぬ関係とは
03-01 諸命以と修理固成という重要語
03-02 見立てると成り成りて
03-03 ヒルコをめぐる三つの意味とは
03-04 神議(かむはか)り
03-05 国生みと神生み
03-06 イザナミの神避りと古代の葬祭


動画《大人のための修身入門》
01 修身教育とは
02 誠実
03 孝行
04 礼儀
05 博愛
06 公益
07 よい日本人
08 自立自営
09 我が郷土
10 人の名誉を重んじる
11 勇気
12 進取の気象
13 信義
14 国旗 




関連記事

コメント
ねずさんの記事をいつも拝読させて頂いてます。日本神話については、最近ねずさんのひとりごとを見つけてから勉強しはじめました。倭塾でも日本神話を勉強したいですが、中々行く機会がありません。突然失礼ですが、もしよろしければ中国地方で倭塾を開いて頂けないでしょうか?
2019/01/14(月) 23:16 | URL | 中今 #-[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
*引用・転載について
ブログ、SNS、ツイッター、動画や印刷物作成など、多数に公開するに際しては、必ず、当ブログからの転載であること、および記事のURLを付してくださいますようお願いします。
ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
最新刊
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』

スポンサードリンク
カレンダー
11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク
このブログをリンクに追加する
リンク2
スポンサードリンク
<
カテゴリ
月別アーカイブ
スポンサードリンク
解析
スポンサードリンク
ねずさん(小名木善行)著書
↓最新刊↓


↓好評発売中↓








ねずさんメルマガ
ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ
ご寄付について
ねずブロはみなさまのご支援で成り立っています。よろしかったらカンパにご協力ください。
【ゆうちょ銀行】
記号番号 00220-4-83820
【他金融機関から】
銀行名 ゆうちょ銀行
支店名 〇二九(店番029)
種目  当座預金
口座番号 0083820
口座名義 小名木善行
【問い合わせ先】
お問い合わせはメールでお願いします。
nezu3344@gmail.com

講演のご依頼について
最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
テーマは、ご自由に設定いただいて結構です。
講演時間は90分が基準ですが、会場のご都合に合わせます。
E-mail nezu3344@gmail.com

講演テーマ
<ご参考>
古事記に学ぶ経営学
古事記に学ぶ日本の心
百人一首に学ぶ日本の心
女流歌人の素晴らしさ
日本人の誇り
その他ご相談に応じます。
検索フォーム
スポンサードリンク
関連サイト
祝日には国旗掲揚を!
御国旗セット
¥2,190

大型御国旗セット
[ステンレス製3mポール付き]
¥4,800

御国旗伸縮ポールセット【大サイズ】
¥3,000

御国旗セット L
[ マンション設置用 Lタイプ テトロン 国旗 ]

台灣民政府
台湾民政府
サンフランシスコ講和条約で、日本は台湾に関して処分権は連合国に提供しましたが、領土の割譲は行っていません。条約以降、連合国も日本も台湾の処分先を決めていません。つまり台湾はいまも日本であり、台湾にいる1500万人の戦前からいる台湾人は、日本国籍を有する日本人です。私は台湾民政府を支持します。
お薦め書籍1

日中戦争-戦争を望んだ中国 望まなかった日本


江戸の自治制


幻の黄金時代


ドキュメント自衛隊と東日本大震災

スポンサードリンク
コメントをくださる皆様へ
基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメントは、削除しますのであしからず。
最新トラックバック
AdSense
コメントをくださる皆様へのお願い
いつもたくさんのコメントをいただき、ありがとうございます。
ほんとうに皆様のコメントが、とっても嬉しく、かつありがたく拝読させていただいています。

議論というものは、すくなくともこのブログのコメント欄が、国政や地方自治、あるいは組織内の意思決定の場でなく、自由な意見交換の場であるという趣旨からすると、互いに互譲の精神を持ち、相手を尊敬する姿勢、ならびに互いに学びあうという姿勢が肝要であると存じます。

私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

ましてや、自分で質問を発したものについて、それぞれお忙しい皆様が、時間を割いて丁寧にご回答くださった者に対し、見下したような論調で応対するならば、それは他のコメントされる皆様、あるいは、それをお読みになる皆様にとって、非常に不愉快極まりないものとなります。

従いまして、謙譲・互譲・感謝、そして学ぶという姿勢のない連続投稿、粘着投稿に類する投稿をされた方については、以後のコメント書き込みを、管理人である私の判断で投稿の禁止措置をとらせていただきますので、あしからずご了承ください。
エディタ・コミュニティ
edita.jp【エディタ】
amazon
通州事件の真実
通州事件を実際に体験された女性の手記です。
クリックするとテキストファイルが開きます。
https://docs.google.com/file/d/0B9Dh1-gISO9CZERHN2oxempSeEk/edit
ねずブロの拡散・転載について
当ブログの日本の心を伝えるための適法かつ前向きな拡散はおおいに歓迎です。 ただし適法な引用でないと、著作権侵害で処罰されることがありますのでご注意ください。
RSSリンクの表示
FC2ブックマーク

PING送信プラス by SEO対策

QRコード
QRコード
スポンサードリンク