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先人たちが目指した日本の姿。それは私達の国が常に「よろこびあふれる楽しい国(=豈国)」であり続けることです。


西洋社会 vs 日本社会

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三万年の日本の歴史文化伝統は、たかだか数十年の教育や政治ごときで変えられるような底の浅いものではないものです。

20190409 三十年戦争
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


「三十年戦争」は、1618年から1648年にあったカトリックとプロテスタントによる最後にして最大の宗教戦争です。
ドイツ、フランス、スペイン、デンマーク、スウェーデンなどの各国が参戦しています。

この三十年戦争を描いた本に、グリンメルスハウゼンの『阿呆物語』(岩波文庫)があります。
戦災孤児となった主人公の半生を描いた小説ですが、その中に、まさに三十年戦争の時代の傭兵たちの様子が詳細に描かれています。
引用してみます。

*******
それからはどの兵隊もそれぞれとんちんかんなことをやり始めたが、そのどれもが落花狼藉といった感じを与えた。
これからはすばらしい酒宴を始めるかと思われるほど何頭もの家畜を刺し殺し、それを煮たり焼いたりする兵隊があるかと思うと、1階から2階を風のように駆けめぐって、便所のなかまで探しまわり、コルキスの金羊皮でも捜し出そうとするような兵隊もあった。

一部の兵隊は布地や衣類やさまざまな家具を包みこんで大きな包みをつくり、どこかで古物市でもひらこうとするつもりに見えた。
失敬して行くほどのものでないと考えたものは、たたき壊し、ばらばらにした。

一部の兵隊は敷布団から羽根をふるい出し、そのあとへベーコンをつめこんだりしたが、そのほうが羽根布団で寝るよりも寝心地がよいとでもいうようだった。
また、これからは常夏がつづくとでもいうように、ストーブと窓をたたき壊す兵隊もあった。



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20190317 MARTH





銅の器物や銀の器物を打ち砕いて、折れ曲がった器物を包み込む者もあった。
寝台やテーブルや椅子やベンチを燃やす者もあった。
とにかく最後には鍋と皿が一つのこらず割られてしまった。

私たちの下婢(かひ)のアンは厩でさんざんな目にあい、厩から出る気力もないほどであった。
それをここで語ることさえ恥ずかしいほどである。
下男は手足を縛られて地面にころがされ、口へ木片を立てられて口をふさがらなくされ、臭い水肥(みずごえ)を乳搾りの桶から口へ注ぎこまれた。
兵隊たちはそれをスウェーデン・ビールと称したが、下男にとってはありがたくないビールであったらしく、百面相をしてもがいた。

それから兵隊どもは短銃の撃鉄から燧石(ひうちいし)を取り外し、そこへ百姓たちの手の拇指をはさんで締めつけ、憐れな百姓たちを魔女でも焼き殺すかのように責めたて、捕えてきた百姓の一人などは、まだなんにも白状しないうちからパン焼き竃の中へ放りこまれ、火をつけられようとしていた。

他のひとりの百姓は頭のまわりに綱を巻きつけられ、その綱を棒切れで絞られ、口や鼻や耳から血が流れ出た。
要するにどの兵隊もそれぞれ新工夫の手段で百姓を痛めつけ、どの百姓もそれぞれお抱えの拷問者に傷めつけられた。

しかし当時の私の眼に誰よりも運がよいと考えられた百姓は、私のちゃんであった。
他の百姓たちは痛めつけられ、ひいひいと悲鳴をあげて白状しなければならなかったが、ちゃんはげらげら笑いこけて白状させられたからである。
ちゃんがその家の主人であったので、そのように敬意を表されたのにちがいない。

兵隊どもはちゃんを火のそばへ坐らせ、手も足も動かせないように縛り上げ、水でぬらした塩を足の裏へすりこみ、私たちの年取った山羊にそれを舐めさせたので、ちゃんはくすぐったがって、身をもがいて笑いつづけた。
私はちゃんがそのように長く笑いつづけるのを見たり聞いたりするのは初めてだったので、それがとても楽しい結構なことにちがいないと考え、お相伴するつもりで、もしくはほかに知恵も浮かばなかったので、一緒にげらげら笑いつづけた。

ちゃんは口を割り、隠してあった虎の子を取り出してきたが、それは百姓などには身分不相応なたくさんの黄金や真珠や宝石であった。
連れてこられた女や下婢や娘がどうされたかは、兵隊どもが私にそれを見せようとしなかったから、私にもよくわからない。
しかし、あちらの隅やこちらの隅から悲鳴がきこえたことは、今もよく覚えている。

【望月市恵訳『阿呆物語』岩波文庫・上巻】

******

この三十年戦争が行われていた時代というのは、日本では江戸時代の初期にあたります。
日本では風神雷神図屏風が描かれたり、井原西鶴や松尾芭蕉が活躍していた時代のことです。
それと同じ時代に、西洋ではかかる蛮行が日常として行われていたのです。

近世の西洋社会というと、映画やドラマなどで紹介される華麗な宮殿や、美しくドレスアップした女性たち、背筋を伸ばした貴族たち、着飾った紳士淑女や、白馬に乗った王子様など、多くの日本人の女性たちの憧れの世界のように描かれます。
最近のは知りませんが、我々の世代ですと小中高生の女子たちが読むマンガは、まさに理想の西洋社会が描かれたものが多かったように思います。

「もし次に生まれ変わるとしたらどの国、どの時代?」などと聞かれると、一昔前ならフランスとかドイツ、あるいは北欧などと答える人がたいへん多かったものです。

けれども、それらは人口のわずか5%の貴族たちの世界でしかありません。
しかもその5%という数字さえ、奴隷を含まない市民たちの中での数ですから、奴隷を含めれば実際には人口の0.1%くらいの人たちだけの贅沢な暮らしでしかないのです。

ところがおもしろいもので、最近では、同様に「もし次に生まれ変わるとしたらどの国」というアンケート調査の結果を見ると、次に日本に生まれたいと答える人が86.4%に達するものとなっています。
これはアサヒグループホールディングスが実施しているネット調査の結果ですが、推移を見ると、
 2007年=74.3%
 2013年=80.3%
 2017年=86.4%
と、この10年で12.1ポイントも「日本に生まれたい」と答える人の割合が世代を越えて上昇しているのです。

理由は
・海に囲まれて山もあり四季もある。(女性30代、大阪府)
・治安の良さ、社会保障の充実、身分差別がないなど、どれをとっても不条理がないのは他国にはない日本の良さだと思う。(女性20代、福岡県)
・仕事でヨーロッパに住んでいましたが、やっぱり日本が一番!食べ物が美味しい。(女性50代、神奈川県)
・生水が飲めるし清潔だから。(女性40代、大阪府)
・素晴らしい歴史や文化伝統がある。(女性40代、大阪府)
などで、四季折々の美しさや、均質的で互いを大切にする社会構造、食べ物の美味しさ、歴史や文化、食、安全、住み易さなどで、日本に勝る国はないと考える人が、年々増えているのです。

70年前にGHQが敷いたレール、つまり日本が嫌いで欧米に憧れる日本人を生産するという積年の努力と、それに沿った政治や教育、そしてメディアの努力の成果が、まったく逆に日本を愛する日本人を増産させ、その勢いが、すでに8割を超えるものになっている。
このことの持つ意味は大きいです。

つまり、普通なら政治と教育とメディアを奪って洗脳を行えば、その国の国民は頭の中が別なものになるはずなのです。
とりわけ日本の場合、漢字や文字の表記のしかたまで、当面用いる漢字(当用漢字)や、漢字の筆順まで変えて、日本文化の伝統性を破壊し、日本人の弱化を図り、それを70年以上続けてきたわけです。
その結果が、逆に日本を愛する日本人を量産するという、まったく逆の結果になったということは、日本人をアホにするための工作に手を貸していた人たちには、「全員クビ」を言い渡さなければならないところです。

なぜこのような結果になったのか。
三万年の日本の歴史文化伝統は、たかだか数十年の教育や政治ごときで変えられるような底の浅いものではないからです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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はじめに
01-01 私達はなぜ神話を学ぶのか
01-02 古事記と日本書紀の違いとは
第一章
02-01 隠身と別天神
02-02 創生の神々と十七条憲法のただならぬ関係とは
03-01 諸命以と修理固成という重要語
03-02 見立てると成り成りて
03-03 ヒルコをめぐる三つの意味とは
03-04 神議(かむはか)り
03-05 国生みと神生み
03-06 イザナミの神避りと古代の葬祭


動画《大人のための修身入門》
01 修身教育とは
02 誠実
03 孝行
04 礼儀
05 博愛
06 公益
07 よい日本人
08 自立自営
09 我が郷土
10 人の名誉を重んじる
11 勇気
12 進取の気象
13 信義
14 国旗
15 慈善 





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コメント
3万年の大食らい
日本破壊工作の失敗の一因は神語の禁止にあるのだと思います。
神語を禁じられた日本人はその代償行為として膨大な数の創作物を生みだしたのではないでしょうか。

今回のエントリに関した部分で言えば、創作物の貴族社会的なものは少女漫画から始まり様々な媒体、漫画の他にもゲームやアニメ、ライトノベル等々・・・日本人の心の中で70年の時をかけ咀嚼(ローカライズ)されていったのだと思います。

”貴族社会”で言えば「悪役令嬢モノ」などその最たるもので、完全にその物語世界は欧米貴族風な”日本”そのものです。

この様に多くの日本人にとってそのような”貴族社会”はおおよそ食べきったとの認識になっているのではないでしょうか。
そもそも3万年の土台がある日本人にとっては、押し付けられた欧米の価値観など”目新しい娯楽”程度にしか認識されていなかったのかもしれません。

さて、こうして欧米社会を咀嚼(ローカライズ)した成果物たる様々な創作物は現在続々と海外へ輸出されています。
3万年の背景を持つ”大食らい”はまだまだ食べ足りないんじゃないですかね?
2019/04/16(火) 22:16 | URL | #-[ 編集]
私もかつては西洋崇拝者だった
 こんにちは。

 タイトルと重複しますが、私もかつては西洋崇拝者でありました。
 まあ、確かに近代科学や近代法などの概念を成立させた功績は認めざるをえないと思います。で、自動車はドイツ、料理はフランス、デザインと文化はイタリアが私の崇拝対象だったものです。
 今でもイタリアのデザインは好きだったりしますよ。
 しかし、いつの間にか私もかつてほど西洋崇拝ではなくなりましたね。原因はよく分かりませんが、ネットを見ていてその内何となく西洋って意外と薄っぺらいなと思うようになったのかもしれません。
 でもって、かつての世代が憧れた西洋とはねずさんも語っているように西洋そのものというより西洋の優雅な貴族文化だったのではないでしょうか。要は自分たちもそんな生活がしてみたい、優雅な人生を送ってみたいという憧憬でしょうね。
 しかし、ネットの普及に従って皆さん実は西洋の生活って大したことないと思うようになったことや、西洋の意外な実態、更に優雅な生活=幸せ=良い人生が実は錯覚に過ぎないことなどに気付いたのではないでしょうか。
 まあ、実態を知れば虚礼虚飾、権謀術数渦巻く世界に生きるなんて日本人からすれば御免蒙りたいですし。その上当時の世代が憧れた18世紀辺りのフランスなんか、日本ではあの時代既に下水道なども整備され世界で最も衛生的な都市を築いていたのとは対照的にベルサイユ宮殿にはトイレがなく庭はプ~ンと悪臭が漂い、その上貴族も庭の端で立ちション当たり前、女性のあの優美なドレスのデザインも実は……だったり、当時の日本人だったら庶民層と言えどもコレってヤバいんじゃね?という程に風紀の乱れた時代でしたし。
 ええ、あんなの知ったら幻想なんて粉々になるでしょうねえ。
 見せ掛けに拘る点ではヨーロッパもかの国を笑えたものじゃないかもしれません?
 まあそういう認識の一方で今でも西洋のものは嫌いではないのですけどね。ただ、最近の西洋から発信されるものに何故か惹かれるものがあまりないというか、それも日本人の西洋離れの一因だと思います。
2019/04/16(火) 19:32 | URL | kinshisho #eYj5zAx6[ 編集]
No title
こんにちは!
今日も拝読させていただきました。シェアさせていただきました。
ありがとうございます。
最近は、メディア各社が強引な半島礼賛を演じています。
相当追い込まれていると思いますが、情弱者はその演技に踊らされています。うっかり見過ごし聞き過ごしてしまうと、上辺だけの情報に振り回されます。
自分の周囲には、未だに左翼思想に侵された人がいますが、ここ一番は、やっぱり日本人なんですねえ。ご皇室のことや日本の歴史文化などに関しては明確に正しい判断をします。おかしなものです。
2019/04/16(火) 15:29 | URL | 岡 義雄 #-[ 編集]
大和民族の心得
三曰、承詔必謹。
君則天之。
臣則地之。
天覆臣載。
四時順行、萬気得通。
地欲天覆、則至懐耳。
是以、君言臣承。
上行下靡。
故承詔必愼。
不謹自敗。

十七条憲法「三に曰く」です。
『詔を承りては必ず謹め、君をば天とす、臣をば地とす』
国家最高権威は天皇。
臣民は國の歴史伝統文化を守る。
伝統文化を踏まえた法や憲法や道徳や国家観。
これらは全部ねずさんから教わったことばかりです。
曲学阿世の徒にだけはなりたくない…そう思っています。
それにしても…ねずさんは何年経っても変質しない!
正に大和民族そのものですね。
2019/04/16(火) 10:01 | URL | takechiyo1949 #VCU7f5e.[ 編集]
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
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『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』

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