アクセスランキング

先人たちが目指した日本の姿。それは私達の国が常に「よろこびあふれる楽しい国(=豈国)」であり続けることです。


あやめと菖蒲とかきつばたの見分け方

20190225 伊勢修養団研修バナー
内容の詳細とお申込みは↑をクリック↑

人気ブログランキング応援クリックこちらから。いつもありがとうございます。

平成31年度倭塾動画配信サービス受講生募集中


今頃は美しいアヤメが、そこここで観られますが、
「アヤメ」と「ショウブ」と「カキツバタ」。
この3つ、なかなか見分けが付きにくい。
そんなことから「いずれアヤメかカキツバタ」などとも言われます。
そこでこの3つの簡単な見分け方をご紹介します。


"尾形光琳「燕子花図」
尾形光琳「燕子花図」


「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉は源頼政(みなもとのよりまさ)の故事に由来します。
頼政は、源三位(げんざんみ)とも呼ばれた人です。
保元の乱と平治の乱を勝ち抜き、平氏政権下でも中央政界にその地敷を固め、最後は以仁王と結んで平氏打倒の挙兵するけれど、宇治平等院の戦いに敗れて自害した人として知られています。

たいへんな剛勇の人で、第76代近衛天皇(このえてんのう)のご治世のとき、都に出た鵺(ぬえ)と呼ばれる妖怪を退治したという逸話があります。
鵺(ぬえ)というのは、猿顔で、胴体は狸に似て、手足には虎の爪があり、尾は蛇のような姿をしているという恐ろしい妖怪です。
この退治のあと、近衛天皇から恩賞として源頼政に下賜された刀が「獅子王」で、いまではこの刀は重要文化財に指定されています。
こういうものが、いまでもちゃんと残っているというのが、どこぞの下品な国とは異なる日本の凄みです。

源頼政、鵺退治の図
源頼政、鵺退治の図
獅子王刀


鵺退治のあと、源頼政がいただいた恩賞は、実は刀だけではありません。
鳥羽院(第74代天皇、後に上皇)からは、天下に名高い美女の「あやめ御前」を与えられることになりました。

このように書くと、日本の中世社会は男尊女卑で女性は差別され、まるでモノのように扱われていたのだとか、すぐに言い出す人がいますが、全然違います。
当時も、女性の側が「嫌だ」といえばそれまでの話で、要するにこの故事は、源頼政という当代随一といって良い教養人で、かつ剛の者である源頼政に、鳥羽院が院に勤める美しい女性に、今風にいうなら「お見合い」を薦めたというに近い。

このとき鳥羽院は美女二人に、あやめ御前と同じ服、同じ化粧をさせ、三人の美女を源頼政の前に出して、
「どれが本物のあやめ御前か、見ごと当てたら御前を譲ろう」と申されました。
三人とも、ものすごい美女です。
困った源頼政は、そこで即興で歌を詠みました。
それが次の歌です。


『ねずさんのひとりごとメールマガジン』
登録会員募集中 ¥864(税込)/月  初月無料!


20190317 MARTH





五月雨(さみだれ)に 沼の石垣水こえて
いずれかあやめ 引きぞわづらふ


こんな歌が即興で詠めてしまうのですから、すごいです。
歌の意味は、簡単に言ったら「あまりに美しくて感情がたかぶり、どの姫があやめ御前かわからず病になってしまいそうです」というものです。
鳥羽院はこの当意即妙の頼政の教養の高さにいたく感激され、あやめ御前を頼政に下賜されました。
この故事が講談などで語り継がれ「いずれあやめか、かきつばた」になりました。

百人一首には、源頼政の娘の二条院讃岐の歌が92番にあります。
父の源頼政は、世の中の平穏を取り戻したいという以仁王の情熱に打たれ、平氏の追討を計画し、敗れて自害しています。
つまりこの時代においては反乱者であり、娘の讃岐は、その意味では犯罪者の娘です。
けれど彼女はとても優秀で、頼政の人柄を惜しむ人も多かったため、なんと後鳥羽天皇の中宮任子(のちの宜 秋門院)に出仕を命ぜられています。
武家の女性としては、この上ない栄達です。
時代劇などでは、悪役として描かれることが多い源頼政ですが、どれだけ人望があったかということが、この一事でも分かります。

娘の讃岐は、
 わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
 人こそ知らね かわく間もなし

と詠みました。
「潮干に見えぬ沖の石」は、引き潮になってもまだ見えない海面下の石のことです。
平家全盛の時代にあって、隠れて見えなくなってしまっているシラス国の本来の姿を、讃岐はこのように詠み、世に平穏が戻らないことを、涙が「かわく間もなし」と歌ったのです。


さて、では「あやめと菖蒲とかきつばた」は、どのように見分けたら良いのでしょうか。
実は覚えてしまえば簡単なことです。

▼あやめ

まず、いちばんわかりやすいのが「あやめ」です。
「あやめ」は、漢字で「文目(あやめ)」と書きますが、まさに字のとおり、花の根元が「あみ目模様」になっています。
あやめ(文目)の編み目模様
文目の編み目模様


よく、「文子」さんと書いて、「あやこ」さんと読む方がおいでになりますが、「文(ふみ)読む子」ではなくて、あえて「あやこ」と読む名を付けた親御さんは、あやめ(文目)のように可憐で清楚、美しく育ってもらいたいという親心なのかもしれません。

最近では、アヤメもショウブも、どちらも漢字で「菖蒲」とも書いたりしますが、これはとてもまぎらわしいことです。
ショウブは「菖蒲」で良いですが、アヤメはやっぱり「文目」と書いてもらったほうが、花を見分けるにも良いように思います。

「あやめ」の背丈はだいたい60cm以下で、あやめ、しょうぶ、かきつばたの中では、花も背丈も、いちばん小柄です。
「小柄でも、その美しさは群を抜く。」
また花の根元の編み目模様も、女性の複雑な心をあらわしているかのような感じがして、可憐でとても美しいです。

▼しょうぶ

次に「菖蒲(しょうぶ)」です。
こちらは背丈が80〜100cmになります。
花も3種の中で、一番大きいです。
ですから、「大きいな、背が高いな」と思ったら、まずショウブである可能性が高くなります。

見分け方のポイントは、やはり花の根元です。
菖蒲は、花の根元に、はっきりした黄色いマークが付いています。
しょうぶ(菖蒲)の黄色いマーク
しょうぶの黄色いマーク


▼かきつばた

「かきつばた」は、漢字では「杜若」または「燕子花」と書きます。
背丈は60〜80cmと、文目と菖蒲の中間くらいです。
見分け方のポイントは、やはり花の根元のマークで、「かきつばた」のマークは、「白」です。
かきつばた(燕子花、杜若)の白いマーク
かきつばたの白いマーク



さて、今日の記事の冒頭にあるのは、尾形光琳の「燕子花図(かきつばたず)」です。
この絵がどうして「かきつばた」と特定できるのか。
みなさまには、もうおわかりかと思います。
花の根元が白色をしているからです。

それにしても、四季折々の花が咲く日本、長い歴史を持った国日本、本当に素晴らしいですね。

※この記事は2015年5月の記事のリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。

人気ブログランキング
↑ ↑
応援クリックありがとうございます。

講演や動画、記事などで有償で活用される場合は、
メールでお申し出ください。

nezu3344@gmail.com

【お知らせ】
<倭塾、倭塾ゼミ・他>
会場は都営新宿線船堀駅前にある「タワーホール船堀」です。
4月27日(土)13:30 第60回 倭塾(研修室)
5月11日(土)18:30 第37回 日本文化を学ぶ倭塾ゼミ(401会議室)
5月19日(日)13:30 第61回 倭塾(401会議室)
6月1〜2日 日心会10周年記念神話を体感する伊勢修養団研修 ※開催場所:伊勢市)
6月8日(土)18:30 第38回百人一首塾(402会議室)
6月23日(日)第62回 倭塾公開講座(307会議室)
7月6日(土)第63回 倭塾公開講座(307会議室)
7月20日(土)第39回 百人一首塾(407会議室)



動画【CGS ねずさん 古事記のセカイ】
はじめに
01-01 私達はなぜ神話を学ぶのか
01-02 古事記と日本書紀の違いとは
第一章
02-01 隠身と別天神
02-02 創生の神々と十七条憲法のただならぬ関係とは
03-01 諸命以と修理固成という重要語
03-02 見立てると成り成りて
03-03 ヒルコをめぐる三つの意味とは
03-04 神議(かむはか)り
03-05 国生みと神生み
03-06 イザナミの神避りと古代の葬祭


動画《大人のための修身入門》
01 修身教育とは
02 誠実
03 孝行
04 礼儀
05 博愛
06 公益
07 よい日本人
08 自立自営
09 我が郷土
10 人の名誉を重んじる
11 勇気
12 進取の気象
13 信義
14 国旗
15 慈善 





関連記事

コメント
見目形での見分け方
《文目/アヤメ》
花びらの根元に網目がある。
《杜若/カキツバタ》
花びらの真ん中が白い。
《花菖蒲/ハナショウブ》
花びらの真ん中が黄色い。


こういうテーマになると蘊蓄をご披露なさる方が大勢あらわれますが、高尚過ぎてとても憶えられません。
見目形での見分け方
ありがとうございます。
2019/05/08(水) 05:44 | URL | takechiyo1949 #-[ 編集]
No title
こんにちは!
今日も拝読させていただきました。シェアさせていただきました。
ありがとうございます。
2019/05/07(火) 14:56 | URL | 岡 義雄 #-[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
*引用・転載について
ブログ、SNS、ツイッター、動画や印刷物作成など、多数に公開するに際しては、必ず、当ブログからの転載であること、および記事のURLを付してくださいますようお願いします。
ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
最新刊
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』

スポンサードリンク
カレンダー
07 | 2019/08 | 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク
このブログをリンクに追加する
リンク2
スポンサードリンク
<
カテゴリ
月別アーカイブ
スポンサードリンク
解析
スポンサードリンク
ねずさん(小名木善行)著書
↓最新刊↓


↓好評発売中↓








ねずさんメルマガ
ご購読は↓コチラ↓から
ねずブロメルマガ
ご寄付について
ねずブロはみなさまのご支援で成り立っています。よろしかったらカンパにご協力ください。
【ゆうちょ銀行】
記号番号 00220-4-83820
【他金融機関から】
銀行名 ゆうちょ銀行
支店名 〇二九(店番029)
種目  当座預金
口座番号 0083820
口座名義 小名木善行
【問い合わせ先】
お問い合わせはメールでお願いします。
nezu3344@gmail.com

講演のご依頼について
最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
テーマは、ご自由に設定いただいて結構です。
講演時間は90分が基準ですが、会場のご都合に合わせます。
E-mail nezu3344@gmail.com

講演テーマ
<ご参考>
古事記に学ぶ経営学
古事記に学ぶ日本の心
百人一首に学ぶ日本の心
女流歌人の素晴らしさ
日本人の誇り
その他ご相談に応じます。
検索フォーム
スポンサードリンク
関連サイト
祝日には国旗掲揚を!
御国旗セット
¥2,190

大型御国旗セット
[ステンレス製3mポール付き]
¥4,800

御国旗伸縮ポールセット【大サイズ】
¥3,000

御国旗セット L
[ マンション設置用 Lタイプ テトロン 国旗 ]

台灣民政府
台湾民政府
サンフランシスコ講和条約で、日本は台湾に関して処分権は連合国に提供しましたが、領土の割譲は行っていません。条約以降、連合国も日本も台湾の処分先を決めていません。つまり台湾はいまも日本であり、台湾にいる1500万人の戦前からいる台湾人は、日本国籍を有する日本人です。私は台湾民政府を支持します。
お薦め書籍1

日中戦争-戦争を望んだ中国 望まなかった日本


江戸の自治制


幻の黄金時代


ドキュメント自衛隊と東日本大震災

スポンサードリンク
コメントをくださる皆様へ
基本的にご意見は尊重し、削除も最低限にとどめますが、コメントは互いに尊敬と互譲の心をもってお願いします。汚い言葉遣いや他の人を揶揄するようなコメント、並びに他人への誹謗中傷にあたるコメントは、削除しますのであしからず。
最新トラックバック
AdSense
コメントをくださる皆様へのお願い
いつもたくさんのコメントをいただき、ありがとうございます。
ほんとうに皆様のコメントが、とっても嬉しく、かつありがたく拝読させていただいています。

議論というものは、すくなくともこのブログのコメント欄が、国政や地方自治、あるいは組織内の意思決定の場でなく、自由な意見交換の場であるという趣旨からすると、互いに互譲の精神を持ち、相手を尊敬する姿勢、ならびに互いに学びあうという姿勢が肝要であると存じます。

私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

ましてや、自分で質問を発したものについて、それぞれお忙しい皆様が、時間を割いて丁寧にご回答くださった者に対し、見下したような論調で応対するならば、それは他のコメントされる皆様、あるいは、それをお読みになる皆様にとって、非常に不愉快極まりないものとなります。

従いまして、謙譲・互譲・感謝、そして学ぶという姿勢のない連続投稿、粘着投稿に類する投稿をされた方については、以後のコメント書き込みを、管理人である私の判断で投稿の禁止措置をとらせていただきますので、あしからずご了承ください。
エディタ・コミュニティ
edita.jp【エディタ】
amazon
通州事件の真実
通州事件を実際に体験された女性の手記です。
クリックするとテキストファイルが開きます。
https://docs.google.com/file/d/0B9Dh1-gISO9CZERHN2oxempSeEk/edit
ねずブロの拡散・転載について
当ブログの日本の心を伝えるための適法かつ前向きな拡散はおおいに歓迎です。 ただし適法な引用でないと、著作権侵害で処罰されることがありますのでご注意ください。
RSSリンクの表示
FC2ブックマーク

PING送信プラス by SEO対策

QRコード
QRコード
スポンサードリンク