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先人たちが目指した日本の姿。それは私達の国が常に「よろこびあふれる楽しい国(=豈国)」であり続けることです。


一罰百戒

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わが国は神話の時代から、早期対処、一罰百戒を地でやってきた国です。
そうすることで、みんなが安心して安全に豊かに暮らせるようにしてきたのです。


20190529 天宇受売
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


天宇受売(あめのうずめ)といえば、天の岩戸を開くときに激しいダンスを踊られた神様であるとして有名です。
ところがこの天宇受売、天孫降臨のところにも登場します。

天孫降臨の際に、猿田毘古(サルタヒコ)が迩々芸命(ににぎのみこと)の道案内をしてくれるのですが、その猿田毘古が、迩々芸命が新たな治世を始めようとする矢先、月見貝(つきみがい)に手を挟(はさ)まれて海で溺(おぼ)れてしまうのです。

このことを知った天宇受売は、すぐに海の生き物たちに招集をかけると、
「迩々芸命に仕(つか)えるか?!」と問います。
そしてそのとき黙っていたナマコに、
「この口が答えぬ口かっ!」
と言って、刀でナマコの口を斬り割いたというお話が古事記にあります。

この逸話は、現代法に馴れた私たちには行き過ぎ感があるように思われるかもしれませんが、実は、みんなが豊かに安心して安全に暮らせる世の中を作るために、とてもたいせつなことです。

まず猿田毘古に噛み付いた月見貝、つまりテロの実行犯は、テロの組織の中では、末端の構成員でしかありません。
音頭を取っている悪者は他にいるわけです。
けれど初動段階では、その悪者が誰かまではわかりません。

迅速な対策が採られなければ、テロはエスカレートします。
はじめは、たいして害にもならない軽微な事件であっても、オウムがはじめは役所に集団で怒鳴りこむ程度だったものが、次第に坂本弁護士一家殺害をしたり、果ては東京の上空からサリンをばら撒こうとしたりの例にあきらかなように、犯罪は必ずエスカレートするわけです。

これは困ったことです。
主犯がわからない。末端を処罰してもたいした罪にもならない。
処罰することが、かえって「甘い」という認識をテロ集団に与え、以後のテロをエスカレートさせることになります。
けれど主犯がわからない。

ではいったいどうしたら良いのでしょうか。



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20190317 MARTH





世論を味方につけるしかありません。
世間に警鐘を与え、施政者の目だけでなく、市民の目が、テロを見張ることができるようにしていく必要があります。
そのためには、施政者側の明確な意思を示す必要があります。

そこに「一罰百戒」の意義があります。

この段では、もしかするとナマコは、
この日たまたま風邪をひいて声が出なかっただけかもしれないし、ナマコはテロと無関係の冤罪(えんざい)であった可能性もあります。

しかし新たな統治の実現のためには、反乱の芽を、とにかく早期に取り除かなければならないのです。
このときに、下手な人道主義は、かえって混乱を助長させることになることは、日華事変の始まる前に、大陸でChineseたちがさかんに日本に悪さをしかけ、それが次々とエスカレートしていって、しまいには通州事件のような、悲惨が巻き起こされ、さらには第二次上海事変のように、日本の軍人さんが多数死亡するようなおおごとにまで発展してしまった歴史を見てもあきらかなことです。

初動段階で生半可な態度をとるのではなく、ごく初期の段階で、迅速に厳しく果敢に対応する。
このことは学校や会社、組織などにおいても同じです。
小さな反乱の芽が起きたとき、これを、「まあまあ」で済ませていると、最後にはとんでもなくおおきな事件や事故や反乱にまで、悪が育ってしまうのです。
おおごとになってから対処するのでは、あまりに遅いのです。

昨今では、学級崩壊という言葉をよく聞きます。
授業中に生徒たちが教師の話を聞かない。
横を向いておしゃべりに興じている。
授業そのものが成立しない。
そんな悩みをよく聞きます。

これらは、ふた昔前には、日本の学校では考えられないことでした。
それどころか、授業中は背筋を伸ばし、肩さえも揺らさない。
それが日本の江戸時代の寺子屋や藩校、あるいは私塾の時代から続く日本の学校の伝統でした。

なぜそれができたかには理由があります。
入学早々から、授業態度について、先生から厳しく指導されたのです。
ちゃんとできなければ、バケツを持って廊下に立たされました。
学校に来るなと言われました。
罰が与えられました。
幼いうちから、そうして授業態度を叩きこまれました。
だから、ちゃんと背筋を伸ばして、静かに先生の話を聞く態度が、常識だったし、あたりまえだったし、ごく普通のことだったのです。

実際私が小学校に入学したての頃、いまでもはっきり覚えていますが、担任の先生は教鞭を持っていて、授業中に隣の生徒に話しかけたり、教科書を読む時の姿勢が正しくなかったら、「鞭で叩きます」と言われたことを今も覚えています。
私は、小学校1年生の2学期から転校して別な小学校に入ったのですが、そのとき、新しい担任の先生から、みんなの前でそのように言われたことを、いまもはっきり覚えています。
こわいので、授業中、じっとおとなしくしていました。
そしてそれは習慣になりました。

ただ「言われた」だけです。
けれど、その「ただ言われただけ」で、ひとクラス42人が、6年生になるまで、みんな授業態度が良かったのです。
その先生は、名教師と言われた女性の先生でしたが、いま思い返しても、素敵な先生でした。
もっとも私の場合、休み時間の態度があまりに悪くて、親を呼び出されたりしていましたが(笑)

これが一罰百戒です。
火事は、ボヤのうちに消すのです。
大火災になってからでは、被害者が出てしまうのです。

最近ではどうでしょう。
一罰百戒どころか、新入社員も、新入生も、まずは甘やかすことからはじまります。
周りも、下手に恨みなど買いたくないから、誰も注意しない。
いつのまにか上司と部下はタメ口で、世間知らずの身勝手な部下に舐められた上司が、しきりに部下にごまをする。
そうやって育って肩書を持ったアホが、こんどは新入社員から舐められる。

国家の統治も同じです。
いい若いものが、国会前で仕事もせずに、ありもしない「戦争反対!」、「ヘイト反対!」とシュプレヒコールをあげる。
挙げ句の果てが、刺青を入れた極道者と国会議員と暴力団員が並んでヘイト反対と座り込みをする。

オウムの事件もそうですが、教団があれだけの大きなものとなり、あと一歩で東京中にサリンがばらまかれるという状況にまで至って、ようやく逮捕です。
あの事件では、上九一色村のサティアンに警官隊が突入する歳、麻原がサリンを持ってヘリで逃げることを想定して、自衛隊まで出動する騒ぎになっていました。
もし、ヘリに乗って飛び立っていれば、戦後初の、国内でミサイル使用の事件にまでなっていたかもしれない。

わが国は神話の時代から、早期対処、一罰百戒を地でやってきた国です。
そうすることで、みんなが安心して安全に豊かに暮らせるようにしてきたのです。

もちろん行き過ぎは禁物です。
しかし、足らないのもいけないのです。
そのバランスをどこにとるか。
打つ手は、早ければ早いほど良いのです。

そのことを古事記は、女性であるアメノウズメに、ナマコの(あるのかないのかわからない口を裂いたという逸話で、私たちにその意味するところを考えるようにと教えてくれています。

そういう、大昔から日本社会の根底にある大切なものを、私たちはいまいちど見なおすべきときにきているのではないかと思います。

天宇受売神のことが出てきましたので、ひとつ追加しておきます。
天宇受売が天の岩戸の前で踊ったダンスについて、これをヌードダンスのように誤解して描写しているものが少なからずありますが、古事記にはそのようなことは書いてありません。
書いてあるのは、「裳緒(もひも)を陰(ほと)に押し垂れき」で、「裳」というのはハカマのこと、「緒」は、そのハカマの腰紐のことを言います。
つまり天宇受売のダンスは、腰紐を前に押し垂らして踊ったと書いてあるだけで、大事なところを見せて踊ったという描写はどこにもありません。

まして天宇受売という御神名にあきらかなように、天宇受売は、天照大御神のお言葉を皆に伝え、また皆の上奏を天照大御神にお伝えするという重要な役割の神様です。
だからこそ、天照大御神は岩戸からお出ましになられる際に、天宇受売に「なぜ表では皆があのようにさわいでいるのか」とお問いになられているのです。

加えて天宇受売神は、地上に降臨後、猿田毘古神と結婚あそばされ、名を猿女君(さるめのきみ)と変えています。
そしてこれが我が国の女性が結婚後に姓が替わる事始めになります。
つまり天宇受売神は、現代にまで大きな影響を与え続けている偉大な神様なのです。

お読みいただきありがとうございました。
※この記事は2016年6月の記事のリニューアルです。


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コメント
見えてくるもの
私の今は亡き祖父は、昔戦争に行って、戦争が終わった後、大したお金も貰えなかったと愚痴っていたそうです。

恐らくですが、祖父も学校できびしくされていたと思います。それでもお金というワードが出てきているという事は、本質的な部分は教育できていないという事です。

私だったら国の為に戦争に行って、その後お金が少ないなどと愚痴らないと思います。ちなみに私は厳しい授業など受けていません。学級崩壊と言っていいぐらいの乱れた学校生活でした。

つまりは、厳しく押さえつければ良い訳でもなく、甘やかせば良い訳でもなく、一人一人にちゃんと向き合って教育が出来る環境を作る事が大事なのだと思います。

昔こうだったからだとか、皆がやっていた、やっているだとか、そういう予定調和に流されると見えるものも見えなくなってしまいます。

現在は1クラス40人位のところもあるでしょうか、そんなに多い子供達を一人で管理し教育するのは難しいと思います。勿論能力のある教師ならばできるかもしれません。ですが人それぞれキャパシティーが違います。

また、私は教師に必要なものは、記憶力よりも指導力だと思っています。もっと大事なのは真心です。私は真心は愛と同義だと思っています。また正しきを見定める眼でしょうか。これも大事です。これは真心があればいずれ解ってくるものです。

他にも教師に必要なものは色々あります。それらを備えぬまま、教師という職業に就くから全ての子供達を導いてあげれないのだと思います。かろうじて巧くいったように見えても、どうしてもこぼれ落ちてしまう子が出てくる。

その後どう転ぶかはその子達次第ですが、そんな博打のような教育の仕方をしていては国は成り立たないでしょう。国は人です。人の集まりが国です。その人を育てるという行為が博打ではどうにもなりません。

本来ならば教師はまず教師たる資格を測って就かせるべきなのです。記憶力や試験の結果ではなく。今の学校教育は単に経済を潤す為に人を洗脳していると言っても言い過ぎではないと思います。勿論義務教育で学べるとても大事な内容の授業もあります。

見えてくるもの、それは状況次第で何が正しくて何が間違っているかは変わってくるということです。これは人それぞれの価値観の違いがあるからという意味ではありません。

同じ人でも状況次第で正しかった事が間違いになったり、間違いだった事が実は正しかったり、そういうモノの見方が出来る様になる事が教師に必要なものなのです。教師と言いましたが、おおよそ重要な役割に就く人に必要な認識です。

何故それが今できていないのか。もしかしたら今だけでなく昔からなのかもしれませんが、ひとえに欲を抑えられていないからではないでしょうか。

原子爆弾を生み出した人達もそう、それ以外の色んな技術もそう、扱う人達がちゃんと扱えない状態なのに、生み出したいという欲を抑えられなかったから。その結果が広島や長崎、その後の色んな国が行う核実験、原ばつ事故。

欲はあっても良いものです。何をするにも欲がなければ何も生まれないでしょう。ただ、その欲が行き過ぎるから様々な問題が起こるのです。

見えてくるもの、結果として、人を育てるのに最も大事なものは、一つではなく色んな事が絡んでいるという事を解っていなければならないという事。皆さんには見えていますか。
2019/06/07(金) 09:29 | URL | 通りすがり #-[ 編集]
「令」を徹し「律」の執行を抑える
子供の頃…先生方は戦争経験者ばかりでした。
習字や計算は書かねばなりません。
しかし「聞く授業」もありました。
『帳面に書いて後で見ればいいなどと思うな!今すぐ全部頭に叩き込め!』
先生の眼をしっかり見つめながら聞く…必死でした。
余所見してると机の蓋が飛んできましたからね。

ねずさんの講演会では、今もメモを取りません。
ひたすら一所懸命に聞く!
同じ様な方が何人かはいらっしゃいますね。

さて、世の中には魑魅魍魎も湧いて出ます。
似た理不尽が次々と起きます。
一罰百戒も死語なのか?

「令」を徹し「律」の執行を抑える…やはり「明察功過」ですね。
民族の構成員は、自分自身を高める努力を怠ってはダメだと思います。
2019/06/06(木) 11:37 | URL | takechiyo1949 #-[ 編集]
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
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私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

ましてや、自分で質問を発したものについて、それぞれお忙しい皆様が、時間を割いて丁寧にご回答くださった者に対し、見下したような論調で応対するならば、それは他のコメントされる皆様、あるいは、それをお読みになる皆様にとって、非常に不愉快極まりないものとなります。

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