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先人たちが目指した日本の姿。それは私達の国が常に「よろこびあふれる楽しい国(=豈国)」であり続けることです。


心の系譜

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日本人全員が「家族」なら、私たちの先人たちも、みんな身内です。家族です。
その家族の歴史を学ぶことは、私たち自身の心の系譜を学ぶことです。
その系譜の線上に、私達の未来もあります。


20190719 アッツ島
画像出所=http://nippon-pride.com/taiheiyou/90.html
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


アッツ島の戦いは、山崎保代大佐(没後中将)が、2650名の守備隊のメンバーとともに、圧倒的な火力を持つ1万2000人の米軍を迎え撃った戦いです。
17日間の激しい攻防の末、全員玉砕されました。

戦いの最後の日、山崎中将は、その時点で生き残った守備隊の生存者を司令部前に集めたそうです。
その時点で生き残っていたのはわずか150名です。
全員傷だらけでした。
満身創痍の全員を引き連れて、山崎大佐は米軍陣地に最後の突撃を敢行なさいました。

突撃に際し、山崎大佐は、右手に軍刀、左手に日の丸を持ち、攻撃隊の先頭に立たれました。
そして山の斜面を駆け上ると、猛烈果敢な攻撃で、米軍の哨戒線をまたたく間に突破しました。
米軍の本体へと迫るまでに、機関銃の餌食となって、仲間たちが次々と倒れていきました。
そしてついに全員が帰らぬ人となりました。

戦後、遺骨収集が行われたとき、兵たちのいちばん先頭で遺品・遺骨が確認されたのが、山崎大佐でした。
このことが意味していることは重要です。
なぜなら、山崎大佐は、最後の突撃部隊の先頭に立って敵弾の前に飛び出しているのです。
当然、敵の砲火は、先頭の山崎中将に集中したことでしょう。
なにせ刀を振り上げ、日の丸を持っているのです。

何発もの銃弾に撃たれる。
撃たれれば、人は倒れます。
けれど山崎大佐は、それでも立ち上がり、また撃たれ、また立ち上がり、最後は這ってでも敵陣に向かって突き進み・・・だから息が止まったときは、自軍の先頭にいたのです。



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20190317 MARTH


その敢闘精神がどこからきたのかといえば、祖国を守るという強い使命感と、守備隊の長としての猛烈な責任感だったのではないでしょうか。
「戦争はよくないことだ」、もちろんそうでしょう。
「命は何よりも大切なものだ」、もちろんそうでしょう。
けれど、その大切な命を守るため、自らの命を顧みず、最後の最後まで勇敢に戦い、散っていかれた人が、私たちの国にいたこともまた事実なのです。

そしてその人たちは、いまを生きる私たち日本人ひとりひとりの祖父の若き日であったことを、私たちは決して忘れてはならないし、その心は、私たちの家族への心として、たいせつに学ばなければならないことなのではないかと思うのです。

アッツ島の戦いの戦法がどうだったのか、戦術がどうだったのか、そんなことは軍事の専門家にでも議論していただければ良いことです。
そういうことが好きな人達や、そういうことをしっかりと考えなければならない人達で、すきなだけ議論していただけば良い。

けれど、いまを生きる私たちにとって大切なことは、歴史から何を学ぶかです。
なぜなら学ぶことによって、未来が拓かれるからです。
否定や批判からは何も生まれません。
生まれるのは破壊だけです。
謙虚に学び、そこから何かを得、今を生きるに活かし、未来を切り開く糧とする。
歴史はそのためにこそあります。

山崎中将は、昭和18年5月29日に亡くなられました。
けれど、山崎中将の勇気を、祖国への愛を、部下を思う気持ちを、私たちが謙虚に学ぶならば、山崎保代中将は、私たちの心の中に、永遠に生き続けるのではないでしょうか。
人は二度死ぬといいます。
ひとつは肉体が滅んだとき、いまひとつは人々から忘れられたとき、です。
ですから忘れないこと、謙虚に学ぶこと。
それが大切な命を散らして辛い戦いを勇敢に戦ってくださった先人達への最大の感謝だし、山崎中将がいちばん望まれることであろうし、私達日本人が決しておろそかにしてはならないことなのだろうと思います。

歴史上に現れるさまざまな出来事について、それが是か非か、正か邪か、そんなことを百万遍議論したところで、何の役にもたちません。
早い話、信長が比叡山を攻撃したことは是か非かなどと、百万年議論したところで何の意味もない。
そうではなく、そこから私達が何を学び、何を得るかが大事なのではないかと思います。

ある先生が、「日本神話は史実ではないのだから、歴史教科書でとりあげること自体が疑問」とおっしゃいました。
「そうでしょうか」とお答えしました。
企業研修などにおいても、事例を元にしたケーススタディは、きわめて重要な研修事項です。
そしてケーススタディを行う際に、社員として研修生たちにとってもっとも大事なことが、判断の基準となるべき価値観の共有化です。

早い話、悪人が窓口で「金を出せ」と言ってきた。
そのとき、個人主義で自分がお金が欲しいために仕事をしているなら、悪人と結託して大金を懐に入れるという選択もあるわけです。
絶対にそんなことは許されることではないと思うのは、ケーススタディの前に、やっていいことと悪いことの区別を付ける価値観が先にあるからです。

歴史を学ぶに際しても、まずは神話を通じて、日本人として何が必要なのかを学ぶ。
その本流がなけば、その後の歴史が見えてこない。
なぜそのとき歴史が動いたのかを考えるに際して、歴史を動かした精神の源流がどこにあるのかを理解していなければ、なぜ、そのときその判断がなされ、その行動がなされたのかを理解することができないのです。
だから日本神話は、「史実でないから学ぶ必要がない」のではなくて、「史実を理解するために学ぶ必要がある」のです。

日本人は、みんながひとつ屋根の下に住む「家族」になろうよ、として2700年前に建国されたのが日本という国です。
日本人全員が「家族」なら、私たちの先人たちも、みんな身内です。家族です。
その家族の歴史を学ぶことは、私たち自身の心の系譜を学ぶことです。
その系譜の線上に、私達の未来もあります。

もうひとつ申し上げます。
江戸は良かった明治は悪かった、明治は良かったが江戸は暗かった、戦前は悪い時代だった戦後は良い時代になった等々、我が国の歴史を対立的に捉える論調があります。
違うと思います。
江戸時代があったから明治があったし、戦前があったから戦後があるのです。
その延長線上に、これからの未来もあります。

我が国の歴史は、どこかの国のようなスクラップ・アンド・ビルドの歴史ではありません。
同じ国民がいつの時代も国民が一体となって次世代の子供達のためにより良い未来を築こうと努力を重ねてきた歴史です。
その祖先の思いを、先人たちの真心に、私達は私達の子や孫のために、しっかりと答えていかなくてはならないのだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。


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コメント
No title
こんにちは!
今日も拝読させていただきました。シェアさせていただきました。
ありがとうございます。
我が父祖たちが、なぜ鬼神となって戦ったのか? 戦うことが出来たのか? それを知ることこそ大切ですね。
2019/07/20(土) 12:00 | URL | 岡義雄 #-[ 編集]
学ぶというスタンス
世の中は「◯やX」ばかりでは無く、必ず「かも知れない」があります。
鵜呑みや批判非難や否定では無く「学ぶ」というスタンスはとても大切だと思います。
2019/07/20(土) 11:13 | URL | takechiyo1949 #-[ 編集]
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小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

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私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

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