修身・道徳・倫理の違いのこと



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筆者は、修身教育の復活を何より望んでいます。
修身というと、すぐに戦前の軍国教育復活だとか言って騒ぐ人たちがいますが、それはきわめて無責任な意見というべきです。
子供たちの未来に、すこしでも豊かで安全で安心できる社会を提供していくことは、大人たちの責任だからです。

20190530 修身教科書
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小名木善行です。

修身・道徳・倫理の違いについて書いてみようと思います。

修身は、「身を修(おさ)める」ための科目です。
「修」という字は、もともと髪を洗う姿の象形です。
そこから「洗い清める→正しく整える」といった意味を持つようになりました。
つまり修身とは「立派な人になるために身を修めること」です。

ですから修身教育は、明治のはじめの学制の開始のときから、終戦まで、我が国の教育の柱でした。
その学校は、いまでは、小学校の次は中学、高校と一直線しかありませんが、戦前戦中までは小学校を卒業すると、生徒それぞれの適性に応じて、普通の中学、専門技術学校、師範学校、陸海軍予科など、様々な進路が用意されていました。

その子の気質というのは、小学校くらいで出てしまうものです。
たとえば、皆さんのお住まいの地域に幕府をつくるとします。
みなさんは、そのとき何をして幕府つくりに貢献されるでしょうか。
真っ先に思い浮かぶものです。

それは、ひとによっては、町の街区つくりであったり、将軍のお住まいをどのように建設しようか、将軍の料理をどうしようか、将軍や武士たちの服装をどうしようか、みんなの食事をどうしようか、どのような鎧や兜をつくろうか、掃除はどのようにしようか、決まりや規則をどのようにつくろうか、食品や建設用資材をどのように運搬しようか等々、幕府作りには様々な職種があり、そのなかで、自分はこれをしよう、あるいはこれなら出来る、といったものが自然に浮かぶことと思います。

大人になれば、自分の適性にあっていようがあっていまいが、それを行うことができます。
けれど、自分の気質や適性にあっていないことは、やると疲れるものです。
たとえば、外で飛び回ったり、人と接するのが好きな営業肌の人に、経理の帳面付けを延々とやらせたら、たぶん、疲れます。

それは要するに、人には持って生まれた適性がある、ということです。
その適性(あるいはその人の気質)は、小学校も高学年になると、くっきり出てきます。
むしろ、中学高校の年頃になると、後天的な知識から、自分を偽装しはじめてしまいますので、その人の本来の姿が出にくくなります。
これは年頃の女性がお化粧をするようなもので、男性でも「オレはかくあらねばならぬ」などと思い込みはじめますので、その子が持っている本来の姿が埋没してしまうのです。



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不思議なもので、そうして社会人となり、無理やり職場の適正に自分を合わせて長年暮らし、リタイヤしたあと、「ああ、オレは本当はこれがしたかったんだな」と、むしろ歳をとってから、小学校時代の自分に戻る・・・もちろん年齢を重ねていますから、小学生のままではありませんが、ただ小学校の頃に自分が好きだったこと、やりたかったことを、あらためて「したい」と思うようになったりするわけです。

そういう意味では、昔は小学校卒業時点で、その子の適正が判断され、この子を上級の学校に進ませてもっと勉強させるべきなのか、手に職を身に着けさせるべきなのか、あるいはすぐにでも実社会に出させて商売をさせるべきなのか等々が判定されたわけです。
つまり、素のままのその子の姿を、そのまま職にも活かしていこうとしたわけです。

これは理に適ったことといえます。
昔の日本には日曜日という概念がなく(日曜日がおやすみという概念は、明治以降の洋風化のなかで育った概念)、仕事をする者は、24時間365日、仕事でした。
ただし、労働時間そのものは、現代と比べるとはるかに短くて、いわゆる作業時間は1日3時間程度。
それ以外は、主に人間関係やコミュニケーションのために時間が使われていたといわれています。

24時間365日です。
好きなこと、適性のあることでなければ、続かない。
だからこそ、社会の害毒というか、おかしな教養というとか、そういうものに侵されていない、小学生のうちに、その子を見極めるということが行われていたわけです。

よく昔の古い人で、「俺は小学校しか出ていないんだ」という人が、社長さんとして大成している姿にお目にかかりますが、これもまた、小学校の先生が、「この子は勉強よりも、実業の方が向いている」と判断したから、進学よりも働くことを勧めたのです。
そしてそのとおりにその人は人生をひらき、栄達されているわけです。

逆に大学卒業くらいになると、自分を誤魔化すことを覚えます。
もちろん自分に向いていない仕事でも、生きるためにと、その仕事に打ち込み、人一倍努力することで、その仕事で成功することもありますが、そういう人であっても、やはり定年退職後には、やはり自分のもとの気質のもとに戻っていくのです。

戦後、学校キライな若者が増えたといいますが、これはある意味当然のことで、勉強がキライなこどもに無理やり勉強を教えても、身につきません。
それを、高校に入ってもアルファベットを最後まで言えないような子と、勉強が好きで、知識を得ることが大好きで、もっと勉強したいという子どもたちと一緒にするから世の中がおかしくなるのです。

そもそもいまでいう学校は、本来は「學校」です。
「學」という字は、ひとりの子供を複数の大人が、立派な大人に育てるために引き上げる、という意味を持つ漢字です。
そして立派な大人というのは、常に周囲の状況を考え、洞察し、ちゃんとした判断と行動ができる人です。
判断をするためには、判断のもとになる価値観が必要です。

そしてその価値観のもとになる知識を學ぶのが修身教育です。
修身は、その子の価値判断の元になる材料を提供することで、子供たちが自分で考え、正しい行動ができる子に育つように考えられて教育に使われていたものです。
学制は明治のはじめに敷かれましたが、そもそも初期の頃の小学校では、国語・算術・修身の三科目しかありませんでした。
それくらい、実は修身教育は大切なものなのです。

修身教育を「価値観の押しつけだ」とわめく人たちがいますが、馬鹿げた話です。
野球をするには、野球のルールを知らなければなりません。
社会人となるには、社会人としてのルールが必要なのです。
それが修身教育です。

 *

その修身が、戦後は道徳と名前を変えました。
修身教育が否定されたから、やむなく道徳と名前を変えたのですが、
道徳の徳という漢字は、「彳」+「悳」で成り立つ字です。
徳という字は、四のようなところが「横目」と言って、目を表します。
目という漢字は、それを「縦目」で書いたものですがが、「悳」と書くと、真っ直ぐな心を意味するとすぐにわかります。
「彳」は「行」という漢字の省略形ですから、「徳」というのは、真っ直ぐな心で進むこと。
別な言い方をすると、「美しい心で進む」ことが「徳」の意味です。
つまり道徳とは「真っ直ぐな心で生きる道」を意味します。

ということは道徳の授業では、何が真っ直ぐな道なのかを明らかにすることになります。
まさに「価値観の押し付け」になってしまうのです。
その子が生まれながらにして持っている霊(ひ)の持つ方向性。
そういうものを育むのではなく、最初から一定の枠に子を嵌めていくことになってしまうのです。

修身は、簡単にいえば、お風呂の時間のようなものです。身を清めるのです。
ですから修身教育は、GHQが強制的に禁止にしましたけれど、本来、禁止しにくい科目です。
身を清めることを否定することは誰にもできないことだからです。

けれど道徳は、「生きる道を示す」のですから、いわば服の着方を教えるようなものです。
すると、その服は嫌いだ、という親や子が現れますから、そうすると収集がつかなくなります。
実際、子供たちに特定の価値観を強制するな、といわれると、身動きがつかなくなる。

 *

では倫理はどうでしょうか。
「倫」という字は、筋道をたてることを意味し、「理」は玉を磨くことを示します。
つまり筋道を立てて玉を磨く、すなわちカントはこう考えた、デカルトはこうだった、ソクラテスはこう説いた等々を学ぶのが倫理です。
そこに価値判断はありません。
判断をするのは、あくまで学んだ生徒自身です。


さて、筆者は、修身教育の復活を何より望んでいます。
修身というと、すぐに戦前の軍国教育復活だとか言って騒ぐ人たちがいますが、それはきわめて無責任な意見というべきです。
子供たちの未来に、すこしでも豊かで安全で安心できる社会を提供していくことは、大人たちの責任だからです。

現実に毎日のように凄惨な犯罪が報道されています。
社会を安全で安心できる社会にするためには、もちろん犯罪者を逮捕したり処罰したりすることも大切ですが、それと同時に、社会そのものの質を向上させていく努力が必要です。
そして社会というものは、社会を構成している人々がつくるものです。
ということは、社会全体の質を向上させなければならないのです。
そうすることで凄惨な犯罪が減るのです。

学校の平均点と同じです。
学校全体の平均点を上げるには、方法は3つです。
ひとつめは、成績の上位者に、より成績が上がるように特別な教育を施す。
この場合、成績下位の者は、そのまま滞留します。

ふたつめは、成績下位の者を退学処分にすることです。
しかし世の中は分布なのです。
学校から不良を追放すると、残りの生徒の何%かが、不良になります。
つまり、何の解決にもなりません。

みっつめは、全体の平均点を上げるです。
全体のレベルを上げると、トップ集団はもっと成績が良くなり、下位の集団も全体に底上げがなされていきます。

このことは国単位でみればより一層明確です。
日本人は全体に民度が高いと言われますが、逆に民度の低い国では、日本社会では極道の世界にしかないような現実が、普通の家庭の現実になります。
もっとも近年では、日本人も民度が下がり、まるで八つ墓村のような奇怪で残酷な事件が起こるようになりました。
これは国を挙げて、民度の底上げを図らなければならない事態です。
もし国会にそのようなことができる機能がなく、メディアにもないとするなら、国の形そのものをあらためてつくりなおす必要があります。

修身は全体の平均レベルを上げるためのものです。
道徳ではないのです。
修身だからできることです。


※この記事は2019年5月の記事のリニューアルです。
お読みいただき、ありがとうございました。
日本をかっこよく!! むすび大学。


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コメント

かっつん

 今日、このブログとともに結び大学の「日本人の精神性」という動画を改めてみました。その動画では「神道=人が人生の困難を乗り越え神となる道」とおっしゃっていました。神というのがピンとこなければ、自分の本来性を最大限に発揮するということだと思います。

 人生様々な困難、試練は襲ってくるものだと思いますが、いかにそれを乗り越え、人としての成長に結びつけるか。試練を自身の成長につなげるために、判断基準となるのが日本の伝統的な価値観、哲学、教養といったものだと思うし、特に修身を通じて身に着ける価値観は、自分を大成するうえで必要不可欠なものではないかと考えました。

 しかし、僕の世代は修身は当然習いませんし、道徳教育も軽んじられてきました。僕の学校では、道徳の授業はいつも他教科の補修として使われたり、自習、事務作業の時間になったりしていて、非常に軽視されてきました。その結果、ただ自分の欲を満たしたり、自己満足的に生きることを是とする人がとても多いと感じます。

 自分も、大学のうちに、そうした人生を充実させるための価値観を、日本史、日本の一貫した価値観、古典といったものから学んでいきたいと改めて感じました。
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
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