• 愛と青春の旅だち 松崎慊堂物語


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     日本人は、どのような社会的立場にあっても、あるいはどのような職業に就いていても変わらない「人としての矜持(きょうじ)」を大切にします。職業には貴賤があっても、その職業を行う人の魂に貴賤はない、というのが日本人の古来の思考です。
     だから、どのような職業であれ、どのような社会的立場でれ、魂を高貴なものに保つことこそを、大切にしてきました。それが、「日本人が日本人であることの、人としての矜持(きょうじ)」です。

    20200119 森田春代
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    渡辺崋山に、高野長英といえば、ともに江戸時代後期の蘭学者として有名です。
    そしてこの二人は、ともに儒学者松崎慊堂(まつざきこうどう)の弟子でもあります。
    なかでも渡辺崋山は、天保十(一八三九)年の蛮社の獄で逮捕されたとき、師匠の松崎慊堂が、老中水野忠邦あてに建白書を出し、そのおかげで死罪を免れています。
    渡辺崋山にとって松崎慊堂は、師匠であるとともに、命の恩人でもあったわけです。

    松崎慊堂は熊本の農家の出身で、幼名を松五郎といいます。
    家が貧しく寺に預けられていましたが、勉強好きだった松五郎は、学問で身を立てようと十三歳で江戸に出ました。
    江戸では浅草の寺の住職に拾われ、寛政二(一七九〇)年には設立されたばかりの、江戸湯島の昌平坂学問所(いまの東大)に入りました。
    さらに江戸一番の儒学者である林述斎のもとで学んで、寛政六年には林塾で塾生のトップである塾生領袖になっています。
    領袖というのは、要するにトップということですが、単に成績が良いというだけでなく、人格識見指導力などにおいても、最高の人材ということを意味します。
    たいへん優秀で、かつ勉強熱心で、人柄も良い、そんな若者だったわけです。

    さて松五郎が、林塾の領袖時代のことです。
    ある日、考え事をしながら歩いていて、町のならず者たちにドスンとぶつかってしまいました。
    そして、彼らが手にしていた酒徳利を割ってしまいました。

    彼らは「ごめんなさい」と松五郎がいくら謝っても、許してくれません。
    それどころか、酔ったならず者たちは、「酒代を出せ!」と大金を迫ってきます。
    ところが松五郎は、書生の身ですから貧乏です。
    「そんな大金はありません」としきりに謝るのだけれど、ならず者たちは、ますます激昂して脅しをかけてきます。

    この様子を、すぐ近くで旅籠の飯盛り女をしていたおすみという女性がみとがめました。
    そしてならず者たちに近づき、
    「あんたたち、よってたかって何やってんのさ」
    と間に割って入ります。

    そして彼らが要求した額を、おすみはその場で全額立て替えて支払いました。
    松五郎は恐縮してしまいます。
    「必ずお金は返します。
     しかしいまはお金がないから、
     分割にしてください」
    とおすみに申し出ました。

    ところが話を聞けば、月二分の生活費でやりくりしているといいます。
    いまでいったら、月三万円です。
    着ているものもみすぼらしい。
    その少ない生活費から払うというのだから、おすみは同情して、
    「分かりました。
     では、月二分を
     私があなたに
     払ってあげましょう」
    と約束してくれたのです。

    それからのこと、毎月毎月、おすみから松五郎のもとにお金が届けられました。
    頂いているうえに、届けてもらうのは申し訳ないからと、途中からは松五郎が自分でもらいに行きました。

    月日がたったある月のこと。今月に限って松五郎が現れません。
    松五郎の住む長屋に行っても不在です。
    それっきり、松五郎から音沙汰がなくなりました。

    おすみは、周りの女性たちから、
    「バカねえ。
     あんた、騙されたのよ」
    と言われてしまいます。

    松五郎は日本を代表する私塾の塾生です。
    おすみは宿場の飯盛り女です。
    飯盛り女というのは要するに、私的売春婦です。
    あまりにも身分が違うのです。

    さらに何カ月かたった、ある日のことです。

    おすみの住む宿屋に、立派な身なりをしたお侍さんが駕籠に乗ってやって来ました。
    そして、宿屋の主人に、
    「おすみさんはいますか?」
    とたずねました。

    呼ばれて奥から出てきたおすみは驚きました。
    あのみすぼらしかった松五郎が、見違えるような立派な姿で、そこに立っているではありませんか。

    松五郎は、懐から六両のお金を出しました。
    「いままでお世話になりました。
     これはお借りしたお金です」
    そう言って、おすみにお金を渡しました。
    「ようやく塾を卒業し、
     掛川藩に教授として
     召し抱えになりました。
     これから掛川に向かいます。
     いままで本当にお世話になりました。
     ありがとうございました」

    そしておすみに、こう言いました。
    「あなたさえよければ、
     私の妻になってください」

    その後、二人はめでたく祝言をあげました。
    まるでリチャード・ギアが主演したハリウッド映画『愛と青春の旅立ち』そのもののようなストーリーですが、こちらは実話です。

    ここで大事なことが二つあります。
    ひとつは、掛川藩にお抱えになったばかりの松五郎が、売春婦であるおすみを妻に迎えているという点です。
    もし日本人が、売春婦を卑しい職業と考えていたのなら、松五郎がおすみを妻にすることはありえません。
    これから藩の若侍たちに学問を教える人物が、卑しい職業の女性を嫁にするなど、許されることではないからです。

    ところが掛川藩は、松五郎の妻のことを全く問題にしていません。
    それどころか藩の重要な任務となった朝鮮通信使の通訳兼交渉役にさえ、松五郎を抜擢しています。

    もうひとつの大事なことは、おすみが宿屋の売春婦でありながら、松五郎に仕送りしたり、ならず者にからまれてカツアゲされたときに、そのお金を代払いしている点です。
    戦後の時代劇などで、売春婦たちは子供の頃に女衒(ぜげん)によって連れてこられ、売春宿の主人に借金漬けにされ、年季があけるまで無理やり働かされたという設定がなされています。
    要するに、そういうのは全部噓っぱちだ、ということです。

    女衒に買われてきたのは事実です。
    仕事ですから、つらいこともあったでしょう。
    けれど経済的には、彼女たちは実に豊かでした。

    当時の売春婦というのは、十七歳から二十七歳くらいまでしか働かせてもらえません。
    それ以降は、それまでに貯めたお金で、自分で小さなお店を開いたりしました。
    売春婦たちには、それくらいの稼ぎと経済的余裕が、実はあったのです

    お店に買われてきたのは六〜七歳のときです。
    店に出るまでの10年は、お店がその娘に徹底した教育を施しました。
    和裁、着付け、三味線に小唄に長唄、読み書きそろばん、日本舞踊、太鼓、琴、小料理など、女性が生きるのに必要なあらゆる分野の教育が行われました。
    幼い頃から雇い入れ、申し訳ないけれど商売に使わせていただく。
    その代わりに、彼女たちが一生食うに困らないだけの貯えと、教養と技能を、しっかりと身につけさせようというのが日本の風俗の伝統であったのです。
    そのために、店に出るまでの10年間、店のお金で徹底した教育が施されたのです。

    商売以上に、人を大事にする。
    それが、私たちの日本です。
    これを可能にしたのは、権力者の上位に、天皇というありがたい存在です。
    権力者は天皇の民である私たち民衆を私物化することができない。
    これが日本古来の国のカタチ(構造)なのです。

    その後、松五郎は、松崎慊堂(まつざきこうどう)と改名して、日本を代表する学者になりました。
    その弟子が、渡辺崋山や、高野長英など、江戸後期の名だたる学者たちです。
    その学者たちが、まだ学生だった頃、その子達の生活の面倒の一切をみたのが、おすみでした。
    おすみは、育った学者たちから、一生を通じてまるで母のように慕われ、この世を去りました。

    日本人は、どのような社会的立場にあっても、あるいはどのような職業に就いていても変わらない「人としての矜持(きょうじ)」を大切にします。
    職業には貴賤があっても、その職業を行う人の魂に貴賤はない、というのが日本人の古来の思考です。

    だから、どのような職業であれ、どのような社会的立場でれ、魂を高貴なものに保つことこそを、大切にしてきました。
    それが、「日本人が日本人であることの、人としての矜持(きょうじ)」です。


    ※この記事は拙著『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人・第二巻』でご紹介した記事のリニューアルです。
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    【開催を予定しておりました1月22日(土)の倭塾は、都合により2月に延期になりました】
    2022年2月23日(水・祝)13:00〜16:30 第89回倭塾 タワーホール船堀4F401号室
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  • むすび大学WEBセミナーのお知らせ


    次回倭塾は9月18日(土)13時半から富岡八幡宮婚儀殿。
    テーマは「ご先祖から預かった大切な日本」です。
    詳細は→https://www.facebook.com/events/453891059222691


    20210906 WEBセミナー
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    令和3年9月12日13時から、3時間のWEBセミナーを行います。
    今回、そのお知らせです。

    Youtubeの「むすび大学」の講座は、毎回、高評価、高再生回数をいただいていますが、567以降、Youtubeの言論検閲は厳しく、なかなか正直なところは言えません。(言うとチャンネルに制裁をされる)

    そこで、Youtubeでは語れないお話を、別な動画配信システムを用いて行ってしまおうというのが、このWEBセミナーです。
    リアルタイムの放送ですが、およそ1ヶ月の間、アーカイブ視聴もできます。

    3時間の講義というと、長いとお考えになられるかもしれませんが、倭塾でもそうなのですけれど途中で寝てしまわれる方は、毎回、まずおいでになりません。
    終わると「あっという間だった」と、お感じいただけると思います。
    知的刺激というのは、それだけ面白いものだからです。
    ぜひ、ご体験いただければと思います。

    このむすび大学のWEBセミナーは高額・有料です。
    理由は2つあります。
    ひとつは会社が行うからです。
    専用のスタジオ、大勢のスタッフが関与します。
    いまひとつは、低級低俗な工作員の介入を防ぐためです。
    ご理解を賜りたいと存じます。

    このWEBセミナーは、これまで3回実施してきましたけれど、毎回、たくさんの方のお申込みと、たいへんな高評価をいただいています。
    今回4回目は、「神話から紐解く古代日本の姿」をテーマにします。
    チャイナやコリアとの関係の中で、日本がいかにして日本の国柄を維持しようとしてきたのか、古代の人たちが、どのような日本を後世の日本人に贈ろうとしたのか。
    その動機は、そのきっかけは、その意志はどこにあったのか。
    私たちと血のつながった祖先からのメッセージを、皆様とともに、しっかりと学んでいきたいと思います。

    質疑の時間もあります。
    放送日時は2021年9月12日(日)13時〜16時半
    当日リアルタムでの視聴を見逃しても、1ヶ月間、アーカイブ視聴が可能です。

    詳細は↓の案内ページから。
    http://musubi-ac.com/blog/open-seminar/

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  • 第86回 倭塾 開催のお知らせ


    ◆◆ニュース◆◆
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    20210904 秋の嵐山
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    小名木善行です。

    今回の倭塾のテーマは、
    「ご先祖から預かった大切な日本」
    です。

    7世紀の日本は稲作農業国家としての道を選択し、
    19世紀には工業化の道を歩み始めました。
    そうしたご先祖様たちが望んだ日本の姿。
    それは、日本という国号のなかにもしっかりと現れています。
    これまで語られることのなかった、古代の天皇が希求した日本の姿。
    そんな日本の原点を、いまあらためて解き明かすことで、
    皆様とご一緒に、本来の日本を取り戻していきたいと思います。

     *

    今年から、倭塾の講義は録画していず、またネット公開もしていません。
    「ここだけ、いまだけしか聞けない話」を皆様とともに行うことが目的です。

     *

    倭塾は、大人から子供までどなたでもご参加いただける、ねずさんの私塾です。
    塾生となることを強要されたり、何らかの会員になることを求められたりすることもありません。
    常に参加自由です。
    これで、かれこれ8年続けてきました。
    そして毎回、定員の2倍から3倍のご参加をいただいています。

    また倭塾は、女性の方や、ご夫婦、お子様連れでのご参加が多いのも特徴です。
    どなたでも、安心してご参加いただくことができる。
    それが倭塾です。

     *

    コロナ対策として、会場には、体温計、アルコールの消毒液、マスクをご用意します。
    また会場では、
    ・会場では、2箇所以上の窓開けを行い換気をします。
    ・またマスクの配布、入り口でのアルコール消毒を励行しています。
    以上、必要な対策を取りながらの開講になります。

     *

    開催場所は東京・江東区の富岡八幡宮、婚儀殿です。

     ***

    1 日 時 令和3年9月18日(土)
          13:00 開場
          13:30 倭塾開講
          16:30 終了
    2 場 所 富岡八幡宮・婚儀殿
          〒135-0047 東京都江東区富岡1丁目20−3
    3 テーマ ご先祖から預かった大切な日本
    4 講 師 小名木善行
    5 定 員 25名
    6 参加費
     ☆参加費
      (1) ご新規      2500円
      (2) 倭塾参加経験者  2000円
      (3) ご夫婦で参加 お二人で2000円
      ※事前振込は必要ありません。当日会場でお支払いください。
      (4) 未成年者       無料
      (5) ご家族お友達招待特典
       これまでに一度でも倭塾にご参加されたことのある方が、倭塾初参加となるご家族・ご友人などをお連れの場合、そのお連れの方を人数に関わりなく初回参加のみ無料とします。

    7 参加方法
      直接会場にご来場ください。

    8 Facebook参加ページ
      Facebookご利用の方は、お手数ですが下のURLから、
      「参加」ボタンをクリックしてください。
     https://www.facebook.com/events/453891059222691

    9 主催 小名木善行
      協力 日本の心をつたえる会



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  • 「この国」ではなく「わが国」


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    日本列島は龍の形をしています。
    私達日本人が日本のことを「この国」と呼べば、龍は他人事になります。
    私達日本人が日本のことを「わが国」と呼べば、龍は我が命(いのち)の一部となります。
    これはとても大事なことです。

    20210616 日本列島龍
    画像出所=https://fusui-fudosan.jp/column/knowledge/2016/06/%E9%BE%8D%E3%81%AE%E5%BD%A2%E3%82%92%E3%81%97%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%88%97%E5%B3%B6%E3%80%82/
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    小名木善行です。

    戦後のGHQが仕掛け、朝日が普及したた悪しき日本語の代表的な言葉に、
    「この国」
    という呼称があります。
    これは、私達現代人と、わが国を築いてきてくださったご祖先との絆(きずな)を断ち切る、たいへんに悪しき言葉です。

    GHQに多くいた、そして戦後の日本で、なかば天下をとったような気でいた左翼主義者にとっては「この国」です。
    なぜなら彼らの思想の基礎をなす共産主義史観は、いわば文明進化論ともいうべきものであり、過去は現在よりも常に「遅れている」というものだからです。

    どうしてそのような思想になるかは、きわめて単純明快です。
    マルクスの書いた共産主義史観が、マルクスの生前当時にあっては、「もっとも新しい思想」であったからです。
    ですから古代ギリシャ・ローマ以来の伝統的権威や、ルネッサンス運動、近代市民革命における自由博愛平等思想などは、マルクス以前の遅れた思想であり、すべて、カビが生えた過去の遺物であって、新しく生まれた共産主義思想のみが正しいとされたのです。

    けれども、常に「新しい思想」が「正しい」というのなら、オウム真理教の麻原思想は、すくなくともマルクスよりも新しいのですから、マルクス思想を越えた「正しい」思想ということになります。
    これはまったくもっておかしな思想です。

    こうしたおかしな思想背景の上に立つ左翼主義者が戦後の日本で説いた思想が、「八月革命論」です。
    これは日本が先の大戦で破れたあと、まったく別な国に生まれ変わった・・・つまり大戦前の日本と、大戦後の日本は、まったく別な国である、とする思想です。



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  • 張作霖と張学良に学ぶ個人主義と国家主義の違い


    次回倭塾は7月17日(土)13時半から富岡八幡宮婚儀殿、テーマは「幻の極東共和国と古代の日本」です。
    詳細は→https://www.facebook.com/events/884676452313311


    日本を護るということは「庶民の幸せこそ国家の幸せである」という人類共通の理念を護るということです。このことは、万古不易の、人類が希求してきた最も偉大な行為です。
    私たちは、わたしたちの手で、この日本を護りぬかなければならない。そうしなければ、この国を、そして「民の幸せ」を希求して亡くなっていかれた英霊たちに申し訳ない。

    山海関
    山海関



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    もともと「清」という国は、現在のChinaの東北省、昔の満洲国のあたりに住んでいた女真族の王のヌルハチ(努爾哈赤、太祖)が、1616年に明から独立して建国した「後金国」が前身です。
    ヌルハチは満洲文字(無圏点文字)を制定し、八旗制を創始する等、満洲人が発展する為の基礎を築き、1619年にサルフの戦いで明軍を破りました。

    1636年、女真族、モンゴル族、漢人の代表が瀋陽に集まって大会議を開き、そこで元の末裔であるモンゴルのリンダン・ハーンの遺子から元の玉璽を譲られて、ヌルハチが大清皇帝として即位して「清」は建国されました。
    そして女真の民族名を「満洲」に改めました。

    「満洲」という民族名は“文殊菩薩(もんじゅぼさつ)”に由来たと言われています。
    文殊菩薩というのは、梵名をマンジュシュリー(मञ्जुश्री [maJjuzrii])といいます。
    智慧を司る仏で、武力ではなく「智慧」で国を治めようとした建国の理念が、そうした名称にも表れているといえます。
    もっとも清王朝で独自に考えたわけではなくて、どうやらチベットから、いわゆる「よいしょ」された文殊菩薩から、満洲の名が生まれているようです。

    清をChina全土の王朝にしたのは第四代皇帝である康熙帝(こうきてい:在位1661年~1722年)です。
    康熙帝は、清代のみならず、唐の太宗とともに、中国歴代最高の名君とされいます。
    自ら倹約に努め、明代の1日分の経費を1年分の宮廷費用として遣ったり、使用人の数を1万人以上から数百人にまで減らすなど国費の無駄遣いを抑え、さらに治安の維持を図って、China全土の物流を盛んにし、内需を拡大し、民の生活の向上を図ったとされています。

    また「康熙字典」、「大清会典」、「歴代題画」、「全唐詩」、「佩文韻府」などを編纂し、「古今図書集成」の編纂を命じて文学の興隆を図り、また朱子学を尊重し、自ら儒学者から熱心に教えを受けて血を吐くまで読書を止めなかったともいわれています。
    「朱子全書」、「性理大全」など、朱子に関する著作をまとめ、明史を編纂し、イエズス会宣教師ジョアシャン・ブーヴェらを用いて、Chinaで初の実測によるChina全土の地図「皇輿全覧図」を作成させたりもしています。

    要するに、歳費の無駄を省き、自ら質素倹約を旨とするとともに、国内経済の振興を図り、民を豊かにし、文化の興隆を図った立派な皇帝だったわけです。



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  • 『米百俵』と教育の大切さ


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    『米百俵』の記事は2015年3月から毎年掲載し、毎度、その主張内容を更新しています。今回も事実の記述については(変えようがないので)同じですが、主張の書き方は、全部更新しています。ただし、言わんとすることは毎度同じです。日本は必ず正気を取り戻してよみがえる、ということです。

    20210303 米百俵
    画像出所=https://youtu.be/kn7I1ViPLVE
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    教育の大切さは、これは誰も否定できないことであろうと思います。
    ただ、「何をどのように教育をするのか」となると、多くの方が教育の大切さという総論には賛成であっても、各論になると賛否両論。しまいに感情的な対立まで生まれてしまいます。
    そこで幕末に活躍した小林虎三郎(こばやしとらさぶろう)の逸話から、教育についてあらためて考えてみたいと思います。

    小林虎三郎(1828年〜1877年)は、幕末を駆け抜けた天才・佐久間象山の門下生の中でも「二とら」と讃えられたうちのひとりです。
    「ニとら」というのは、吉田松陰と小林虎三郎のことで、吉田松陰の通称が「寅次郎(とらじろう)」、小林虎三郎もまた「虎」であることから、そのように言われたものです。
    佐久間象山は、この二人について、
    「義卿(松陰)の胆略、
     炳文(虎三郎)の学識
     稀世の才」
    と褒め称えています。

    「義卿、炳文」というのは、それぞれ松蔭、虎三郎の「諱(いみな)」です。
    寅次郎や虎三郎というのは「通称《字(あざな)》とも言う」で、普段はこちらの名を名乗ります。

    ちょっとだけ脱線すると、この時代の武士の名には、「諱(いみな)」と「字(あざな)」があるのが一般的でした。
    「諱(いみな)」に使われている「諱」という漢字は、訓読みが「かくす」で、要するに普段は隠していて名乗らない名前です。
    普段、使わない(名乗らない)なら、そんな名前など必要ないではないかと思われるかもしれませんが、人間の肉体は魂の乗り物だというのが、この時代の普通の考え方です。
    ですから、当然のことながら、自分の魂にも名前があると考えられたし、死ねば肉体は失われ、肉体が名乗っていた名前も失われるけれど、魂は永遠のものだから、ちゃんと魂にも名前を付けたわけです。

    そういわれてみれば「字」という漢字も、家の中の子というつくりです。
    要するにこの世で生を受けた(親から肉体をもらった)、その肉体の名前が「字(あざな)」であるわけです。

    さて、こうして吉田松陰と「二とら」と並び称された小林虎三郎ですが、新潟の長岡藩の武家の出です。
    幼い頃に疱瘡を患って、片目が失明していましたが、その分、たいへんな努力をして、長岡藩では若くして藩校の教授を勤めるほどになっていました。
    そして23歳のときに、藩命で江戸で洋学を教える佐久間象山門下生となるわけです。

    この頃、黒船が来航するのですが、このとき幕府の老中であった長岡藩主の牧野忠雅(ただまさ)に横浜開港を建言したのが小林虎三郎です。



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  • 初等科国史が描く元寇から600年の歴史


    「ねずラジ」は、筆者が12年にわたって書き綴ってきたブログの記事4000本の中から、選りすぐりの記事をベースに対談形式でお届けするラジオ番組です。もちろん、ただ過去記事を読み上げるだけでなく、その都度補足しながら、より理解が深まるように話しています。意外と人気で、リスナーが多いのでびっくりしています。
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    今日の記事でご紹介した戦時中の歴史教科書の記述は、それが正しいとか、今の歴史解釈が間違っているとか、そういうことを問題にしているのではありません。
    そうではなくて、多様な認識を受け入れ、物事を本質にまでさかのぼって考えるときに、これまでとはまったく異なる次元の新しい思考が生まれてくる、そこが大事なのだということを申し上げようとしています。
    時代の端境期に、従来の価値観や解釈に拘泥(こうでい)していたら、新しい時代に進むことはできないと、そういうことを申し上げているのです。

    映画「ワンダーウーマン1984」より
    20201225 wonderwoman1984
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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    いま上映中の「ワンダーウーマン1984」、まるでスーパーマンのような圧倒的な戦力を手に入れながら、最後は限りない愛によって世界を救うという、とてもおもしろい映画でした。
    それにしても、ハリウッドへの中華資本の浸透は激しいですね。
    かつてバブルの頃に日系資本がハリウッドに進出したときには、「アメリカの魂を売るのか!」と、ものすごく日本が叩かれました。
    けれど中華資本によるディズニーランド買収から、ハリウッドへの中華資本による様々な要求などについては、まったく世間は騒ぎません。
    これが何を意味しているのかというと、要するにかつてあったハリウッドや日本製品ボイコットなどの日本叩きの背景にあったのは、いま勢力を得ている国による工作活動の結果であった、ということです。
    そういう洞察とそれに対するカウンターができる人材が、日本にも必要です。

    さて、戦時中に使われた国民学校(いまの小学校)の初等科国史より、上巻から一話、下巻から1話をご紹介したいと思います。
    【1 初等科国史上・第七「八重の潮路」二「八幡船と南蛮船」より】
    【2 初等科国史下・第九「江戸と長崎」二「日本町」より】

     ***

    【1 初等科国史上・第七「八重の潮路」二「八幡船と南蛮船」より】

    元寇を打ち破った後の時代のことです。
    特に西国の人々は、元寇における元や高麗の非道な仕打ちに怒り、これを懲らしめる日を待っていたといわれています。

    ただし、日本人は何事も正々堂々と行う民族です。
    ですからその進出は、まず交易から始まりました。

    弘安の役から10年ほど経った第92代伏見(ふしみ)天皇の御代には、はやくも九州の商人たちが、元の沿岸に押し渡りました。
    元では、海の守りを固めるやら、交易に高い税をかけるやらして、我が国の商人の進出を食い止めようとしました。
    けれど日本の商船は、かまわず大陸へとでかけました。
    もちろん高麗へも渡り、高麗もたいそう慌てました。

    元も高麗も、我が国の商人をはばかり、しきりに交易の邪魔をしました。
    また同じ商人同士でも、約束を破ったり、品物の代金を支払わなかったりしました。
    そんなとき我が国の商人たちは、付随する水軍が刃を振るって相手を懲らしめました。


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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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