• 秋の七草と貧窮問答歌


    「トントントンガラリっと隣組」という発想は、何も隣近所のことだけでなく、大名同士、国司同士で、国を越え地域を越えて助け合いを行なっていこうという、我が国の国柄を示すものです。それこそ、災害列島で生き抜く生活の知恵であり、古くからの日本の知恵であったわけです。
    従って、国司は税を取りたてますが、税を払う側からしてみれば、これは災害保険のような意味を持ちます。災害や、これによる凶作などのとき、自分たちが払った何倍ものお米を支給してもらえるからです。その意味では、昔の国司というのは、災害対策保険事務所の所長さんみたいなものとさえ、いうことができるのです。

    20200830 秋の七草
    画像出所=https://ochirato.com/1164.html
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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    七草(ななくさ)といえば、「春の七草」、「秋の七草」があります。
    「春の七草」は、雑煮に入れて食し、無病息災を祝います。
    「秋の七草」は、眺めて楽しみます。

    「秋の七草」には、万葉集に次の歌がありあります。

    【原文】
     [題詞] 山上<臣>憶良詠秋野花<歌>(山上憶良 万葉集 巻八)
     [其一] 秋野尓 咲有花乎 指折 可伎数者 七種花  [1537]
     [其二] 芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花 [1538]


    【訓読み】
     [其一] 秋の野に咲きある花を指折りて
         かき数へれば七種(ななくさ)の花
     [其二] 萩の花 尾花葛花 なでしこの花
         をみなへし また藤袴 朝顔の花


    【かな】
     [其一] あきののに さきあるはなを ゆびおりて
         かきかぞへれば ななくさのはな
     [其二] はぎのはな をばなくずはな なでしこのはな
         をみなへし またふぢはかま あさがほのはな



    現代語に直訳すると
    [其一] 秋の野に咲いている花を指折り数えると
        七種の花がありますな
    [其二] その七種とは萩の花、尾花(をばな)葛花(くずはな) なでしこの花 おみなえし、ふじばかま、あさがおの花です。

    といった感じになります。

    これが「秋の七草」で、特徴としては、山上憶良は花を、ただ植物ととらえているのではなく、人とともにある「生きた友」としてそれぞれの花を鑑賞していることです。

    花は「めでる」といいます。
    漢字で書いたら「愛でる」で、意味は「目で愛(め)でる」、つまり眺めて楽しみ、かつ「愛」は「おもひ、いとし」ですから、いとしく思う。
    花へのそんなやさしい気持ちや言葉遣いをしてきたのも、古くからの日本人の感性(かんせい)です。

    さらに山上憶良は、それらの花を「野に咲く花」と詠んでいます。
    つまり、自然の中で力強く咲き、生きている花と解しています。
    そこにある思いは、秋の花を通じて、いろいろな花がある、いろいろな人がいる。
    そのひとつひとつが美しいと感じる心です。



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    20200401 日本書紀
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  • 天智天皇・天武天皇・額田王三角関係説を斬る


    日本を取り戻すためには、日本人が日本文化を知る必要があります。
    その日本文化は、日本が古い歴史を持つ国だけに、やはり同様に古い歴史を持っています。記紀しかり、万葉集しかり、もっとずっと後世のお能もまた然りです。ところがそのいずれもが、内容をものすごく歪めて伝えられています。しかも学者さんたちの手を経て、です。そのため、日本文化を取り戻そうとすれば、必ず学者さんたちが呼ばれますが、呼んで話を聞いても、よくわからない。
    コロナの有識者会議と同じです。
    学者さんたちが、常に破壊することにしか向かわない。

    20200613 額田王
    画像出所=https://www.jvcmusic.co.jp/-/News/A026554/6.html
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    天智天皇・天武天皇・額田王といえば、戦後、美しい女性の額田王をめぐって何やら三角関係にあって、あたかもこれが原因で壬申の乱が起こったかのように宣伝されました。
    このような下劣な説がまかり通るようになったのは、明治期に正岡子規らが「文明開化の時代なのだから、古典和歌からもっと自由になろうよ」という運動を興すに際し、古典和歌は決して高尚なものとはいえないという、ひとつの見方を示したことがそもそものきっかけです。
    明治の文学界は、江戸期の文化否定から始まったわけです。

    その、いわばひとつのゆがみから見た古典和歌への認識が、戦後、こんどは日本文化そのものが否定されるという風潮に乗っかって、日本の歴史をさらに歪めるという酷い考え方が、まともな学者が公職追放された後の学会の主流になり、さらに近年では、そうした歪みのなかで力を握って教授職にまで上り詰めた、日本に住んで日本国籍を持ち、日本語を話しながら日本人ではないという、やっかいな人達によって、さらに大きく歪められるようになりました。

    この歪みによって、近年ではまともな時代劇や歴史ドキュメンタリー番組さえも作れなくなりました。
    例えを数え上げればきりがありませんが、今回はその中で、天智天皇・天武天皇・額田王に焦点をあててみたいと思います。



    20200401 日本書紀
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  • 熟田津(にぎたづ)に 船乗りせむと 月待(つきまて)ば


    この歌が詠まれた「後岡本宮馭宇天皇七年」というのは、斉明天皇7年、つまり西暦661年のことです。日本人の心、そして天皇の大御心は、1400年前の昔も今も、ずっと変わっていないのです。

    20200612 にぎたづに
    画像出所=http://thetimes.seesaa.net/article/442478330.html
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     熟田津(にぎたづ)に 船乗りせむと 月待(つきまて)ば
     潮(しほ)もかなひぬ 今はこぎいでな


    この歌は百済有事による朝鮮出兵に際して、額田王が詠んだ歌として、学校の教科書でも数多く紹介されている歌です。
    万葉集を代表する一首といえるかもしれないし、美人と言われる額田王を代表する和歌ともいえるかもしれない。
    歌の解釈にあたっては、初句の「熟田津(にぎたづ)」がどこの場所なのかが議論になったりもします。
    それほどまでに有名な和歌といえます。

    けれど、そうした見方は、実は、この歌の本質を見誤らせようとするものでしかありません。
    どういうことかというと、この歌の原文は次のように書かれています。

    【歌】熟田津尓 船乗世武登 月待者
       潮毛可奈比沼 今者許藝乞菜

    【補記】右検山上憶良大夫 類聚歌林曰 飛鳥岡本宮御宇天皇元年己丑九年丁酉十二月己巳朔壬午天皇 大后幸于伊豫湯宮後岡本宮馭宇天皇七年辛酉春正月丁酉朔壬 寅御船西征始就于海路 庚戌 御船泊于伊豫熟田津石湯行宮  天皇御覧昔日猶存之物。当時忽起感愛之情所以因製歌詠為之 哀傷也 即此歌者天皇御製焉 但額田王歌者別有四首。


    現代語訳すると次のようになります。
    特に「補記」のところが重要です。


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  • あかねさす紫草野行き標野行き


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    コロナ禍の乗り越え方を歴史から学ぶ ねずさん・小名木善行先生


    《はじめに》
    現在市販されているどの万葉集の本を読んでも、ちょっと考えたら誰でもわかりそうなものなのに、「君が袖振る」と「君の袖振る」の違いをちゃんと読み込んで解説したものはありません。
    ないから自分で書くしかなかったのですが、日本文化というのは、巷間説かれているよりも、もっとずっと深いものです。
    是非、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』をお読みいただければと思います。お薦めです。


    20200416 森田春代
    画像出所=https://meisuta.jp/2017/07/24/%E6%98%A5%E4%BB%A3%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88-%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89-%E3%83%90%E3%83%A9%E5%A3%B2%E3%82%8A-%E5%85%A8%EF%BC%91%EF%BC%95%E7%A8%AE-11/
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     あかねさす紫草野行き標野行き
     野守は見ずや君が袖振る

    (原文)茜草指 武良前野逝 標野行
        野守者不見哉 君之袖布流

    万葉集にある有名な、額田王の歌です。
    ところがこの歌、よくみると原文の4句目のところが、

    「君袖布流」

    と書かれています。
    どうみてもこれは「君袖振る」です。
    早い話、「君袖を振っている」と、「君袖を振っている」では、まるで意味が違います。

    この歌は、天智天皇と、弟の大海人皇子(後の天武天皇)、そして額田王との三角関係を証明した歌だというのが通説です。
    額田王は、その弟の大海人皇子と結婚して一女を産んでいます。
    つまり幸せな結婚をして、娘までもうけているのに、夫の兄と不倫関係にあったというわけです。

    「だから古代は性がおおらかだったのだ」
    などと、おバカな解説をしているものもあります。
    常識で考えてもらいたいのです。
    女性が愛する人を大切に思う気持ち、あるいは大切な我が子を思う気持ちは、いつの時代も同じです。

    それにそもそも万葉集は、日本の文化・・・つまり日本の国柄を良い方向に築くための書として編纂された歌集です。
    そういう目的をもって編纂された万葉集に、ご皇室の不倫関係のような歌を、果たして登場させるのでしょうか。
    もちろん、和歌をどのように解釈するかは、読む人の(ある意味)勝手です。
    お楽しみとして読もうとするときに、なるほど古代の人もエッチだったんだなあ、と読むのも自由です。

    けれど、その理由が、天智天皇の妾(めかけ)となったのに、前の旦那の大海人皇子が野原で額田王に手を振って求愛してきたので、額田王が「もう、ばかね」と詠んだのがこの歌だと言うのでしたら、どうして「君の袖振る」なのでしょうか。


    20200401 日本書紀
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  • 新型コロナウイルスの時代だからこそ読む舒明天皇御製


    新作動画です。
    日本と台湾の絆


    「民こそが国の宝」です。
    「富を持つ者だけが国の宝」ではないのです。
    新型コロナウイルス問題は、いま人類社会に、そうした根源的となる社会のあり方の再考を、人類に突きつけています。
    時代は変わります。


    舒明天皇陵(段ノ塚古墳)
    20200319 舒明天皇陵
    画像出所=https://74589594.at.webry.info/201409/article_5.html
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    拙著『ねずさんの奇跡の国日本がわかる万葉集』で、一番最初にご紹介した歌が、舒明天皇(じょめいてんのう)の御製です。

    実は、万葉集では、この舒明天皇の御製は巻一の二番目に紹介されている歌です。
    一番は、雄略天皇の御製が掲載されています。

    ものを書くときというのは、誰でもそうですが、はじめに何を書くか、歌集であれば、最初にどの歌を持ってくるかは、たいへんに頭を悩ませるものです。
    ですから、本当なら、万葉集の本編に沿って雄略天皇の御製を最初に拙著でも掲載すべきだったのかもしれませんが、本書では、あえて雄略天皇の御製は、本の末尾のシメとして掲載し、最初に冒頭でご紹介する歌は意図して舒明天皇の御製としました。

    理由は、舒明天皇のこの御製が、現代日本と同じ、ほんとうにいまでいうなら新型コロナウイルス問題で右往左往し、経済もこれから大幅な冷え込みとなるであろうとされるような、まさに混迷する時代にあって、新たな、そして本来あるべき日本の姿を明確に示された歌であるからです。

    舒明天皇の時代というのは、蘇我氏が専横を極めた時代です。
    現代の世界もそうですが、世界では1%のお金持ちが、残りの99%の人々から収奪して贅沢な暮らしをしている社会構造になっています。
    舒明天皇の時代も、蘇我氏が富を独占し、大金持ちとなって政治さえも裏から動かし、みずから「みかど」を名乗ったりしていた時代でした。
    「みかど」という呼称は、天皇にだけ許された呼称です。
    それを自ら、「俺を『みかど』と呼べ」と周囲に命じた、あるいは周囲が蘇我氏をよいしょしてそのように呼んでいた、そういう時代であったわけです。


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  • 万葉集のまえがきから一部をご紹介


    20191123 万葉集表紙1200
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    「ねずラジ」シーズン2が始まりました。
    ねずブロの音声版です。単にブログを読むのではなく、ブログに書ききれなかったことや、その記事についての思いをお話させていただいています。ご登録はコチラから。


    『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』は、間違いなく、人生を支える良書となる本です。いまはまだ一握りの人の支持しかいただけないかもしれませんが、20年後、30年後には、必ずこの本で解き明かした日本の真実が、世間の常識になります。時代は変わろうとしているのです。


    20191123 万葉集表紙1


    おかげさまで昨年12月に刊行した『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』は、予約開始以来4週連続でAmazonでベストセラー1位(万葉集)となり、その後、別な万葉集の新刊書が出ることで、何度か1位の座を譲ったりもしましたが、いまもなお、おかげさまで1位を続けさせていただいています。

    個人的に思うのは、すでに世に出ている解釈で間に合うのなら、あらためて本にする必要はない、ということです。
    これを「屋上屋を架す」といいます。
    屋根の上に屋根をつくるようなもの、つまりする意味がない。

    万葉集をあらためて本にしたのは、従来の解釈がまるで間違っているからです。
    さらに悪いことには、その間違った解釈に基づいて、そこからさらに妄想を広げて、万葉の歌人たちを貶(おとし)める馬鹿者まであらわれている。
    万葉の歌人たちといいますが、1300年以上も前の人達というのは、生粋の日本人なら、全員が、いまを生きている生粋の日本人に共通するご先祖さまたちです。

    大昔は、○○家のご先祖の枠を越える、4〜500年以上古い時代の人たちのことを、各家のご先祖を上のほうにさかのぼった共通のご先祖という意味で、「かみ(神)」と言いました。
    つまり万葉の歌人たちというのは、現代を生きる我々から見れば、まさに共通のご祖先であり「かみ」であるわけです。
    その「かみ」たちの歌を、平気で軽んじたり馬鹿にしたりすることは、天に向かてツバを吐くのと同じです。

    これでは、本来の日本の文化を取り戻そうとしても、その原点を間違えて解釈しているのですから、まともな日本ができようはずがありません。

    万葉集の歌を、自然体で音読してみれば、普通の日本人なら、そこから感じ取れる何かがあるはずです。
    その何かと、いま一般に解釈として流布しているものとの間に違和感があるなら、どこかが間違っているということです。
    間違いは正さなけれなりません。

    人間というのは、一度読んだ本は、覚えていなくても、記憶の奥底にしっかりと蓄えられているのだそうです。
    ということは、人生において、どのような本に縁したかは、自分の人生において、ものすごく重要なことだといえます。

    『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』は、間違いなく、人生を支える良書となる本です。
    いまはまだ一握りの人の支持しかいただけないかもしれませんが、20年後、30年後には、必ずこの本で解き明かした日本の真実が、世間の常識になります。
    時代は変わろうとしているのです。

    またすでにお読みいただいた方は、できればAmazonに一行で構わないので、レビューを書いていただけたらありがたいです。




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  • あえて書かなかった『貧窮問答歌』の解説とは


    20191123 万葉集表紙1200
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    万葉集にある山上憶良の『貧窮問答歌』の解説は、内容的にあまりに過激なので、新刊の『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』からは解説を削除したものです。が、私個人としては、本日書いた内容が、この『貧窮問答歌』に関する真実であると確信しています。


    20191206 貧窮問答歌2
    画像出所=http://blog.livedoor.jp/hirohiko24-bokepuri/archives/18343825.html
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    山上憶良の有名な歌に『貧窮問答歌』があります。
    実はこの歌の解説を、もとの『万葉集』の原稿には書いたのですが、いろいろ考えて、本の原稿からは削除しました。
    あまりに世間の抵抗が強いと思ったからです。
    けれど、このブログは、私の個人的思いを書くところなので、ブログ用に文体を書き直して、お届けしようと思います。

    『貧窮問答歌』は、『万葉集』の巻五に載録されている長歌です。
    上の絵にもありますが、おそらくみなさんも一度は、
    「この歌は律令体制下の民衆の貧窮ぶりと
     里長による苛酷な税の取り立ての様子を
     写実的に歌った万葉集の有名な歌です」

    などと、教わったことがあろうかと思います。

    日教組系の教師になりますと、この『貧窮問答歌』を子供たちに全文暗証させることまでしていた教師もあると聞きます。
    要するに、日本が昔、どれだけ庶民からひどい搾取をしていたかの、これが証拠だから暗記しろ!というわけです。
    実は、私も、暗記させられた組です。
    ところが不思議なことに、古典の成績は決して悪くはなかったのですが、この暗記だけはまったくできない。
    結局テストでは、その問題だけ白紙答案で、学年順位を下げた遠い記憶があります。

    ところが、いまあらためてこの歌を読み返してみると、どうにも不思議なことがあるのです。
    というのは、まず、この歌が成立したのは、山上憶良が筑前の国司をしていた天平3〜5年(731〜733)頃のことです。
    筑前(いまの福岡県)の国司ということは、筑前の全行政に責任を追う者であるということです。
    そして民衆が貧しい生活を強いられているとするならば、その責任は当然、全責任を負う国司の責任問題となります。
    筑前の国司が、わざわざ、「ウチの国はこんなに庶民が貧乏です」と自慢するかのような歌を読むでしょうか。
    またそのような歌を万葉集が掲載するでしょうか。



    20191006 ねずラジ
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
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