• 稲むらの火と浜口儀兵衛


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    20160114 稲むら


    明治36(1903)年のことです。
    浜口担(になう)という青年が、ロンドンに招かれ、The Japan Society で講演を行いました。
    その席上、ある若い英国人の婦人が立ち上がり、
    「皆さんの中には、ラフカディオ・ハーンが書いた『生神様』と題する物語を読んだ方もおられるでしょう。
    私は、それを読んで、津波から村人の命を救った浜口五兵衛という人の智恵と勇気に深い感銘を受けました。
    あなたは浜口というラストネームですが、何かつながりがおありでしょうか。」

    彼は、浜口儀兵衛の息子でした。
    思いがけず遠い地で父の名前をイギリス婦人の口から聞いた担は、激しい感動のため胸がふさがり、一言も発することができなかったそうです。
    司会者が近づいて小声で問いただし、そしてうなづき、担に代わって言いました。
    「今夜の講師、浜口担氏こそ、ハーンの物語の主人公、浜口五兵衛のご子息です。」
    会場の人々は、拍手と歓声で応えました。
    (出典:平川祐弘著『小泉八雲-西洋脱出の夢』)

    平成11(1999)年、皇后陛下が、宮内記者会の質問に対するご回答の中で、次のように述べられました。
    ********
    子供のころ教科書に、確か『稲むらの火』と題し、津波の際の避難の様子を描いた物語があり、その後長く記憶に残ったことでしたが、津波であれ、洪水であれ、平常の状態が崩れた時の自然の恐ろしさや、対処の可能性が、学校教育の中で具体的に教えられた一つの例として思い出されます。
    ********
    その12年後、東日本大震災が起こりました。

    その東日本大震災では、まさに潮が沖合に引くという現象が目撃されています。
    もし、たとえ皇后陛下のお言葉のあとであっても、学校や町内会等で、この『稲むらの火』が学ばれ、常識化していたのなら、死者の数はもっとずっと少なかったかもしれないし、復興が外国人利権者に委ねられることもなく、これほどまでに長引くことにはならなかったのではないかと、つくづく残念に思います。

    今日は、その『稲むらの火』をご紹介します。
    昭和12(1937)年から、昭和22(1947)年まで、小学校5年生の国語の教科書に掲載された物語です。
    いつものように、ねず式で現代語訳しています。

    ********
    「稲むらの火」

    この事件が起こった頃、五兵衞はかなりの老人でした。
    五兵衞の家は、村での物持ちでした。
    長い間、村の庄屋を勤めたので、五兵衞は村の人々から尊敬されていました。

    村の人たちは、いつも五兵衞を「浜口のおじいちゃん」と呼びました。
    村いちばんの金持なので、「浜口のお大尽(だいじん)」ともいっていました。
    五兵衞はいつも小作人や貧乏漁師のためになることばかりしていました。
    喧嘩の仲裁から、困った時のお金の立替え、ときには貧乏人にタダ同様に売ってやりもしていました。

    五兵衞の大きな草葺(くさぶき)の家は、一つの湾を見おろした小さな高台の上に建っていました。
    この高台は、小さい段々の水田が浜の方へと並んでいて、三方は山に取り巻かれていました。
    この土地は、海に向って、その山の腹から浜辺まで、えぐりとったようになっていて、五兵衛の家は、その中程の高台にありました。


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小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

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『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

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