• 師道の確立 谷時中


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    20170127 谷時中の墓
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    谷 時中(たに じちゅう)のことを書いてみたいと思います。
    戦国時代、我が国の価値観は混乱し、人を殺したり怪我をさせてもとにかく強ければ良い、強ければ赦されるという、不可思議な道徳観が蔓延しました。
    人々の欲望が刺激され、人は己の欲得のために生きるものという気風が高まり、周辺国からやってきた人々が国内でありえないような犯罪を犯して逃げていくことが日常となった時代でもありました。

    お伊勢様の式年遷宮は、太古の昔より国費をもって営まれてきましたが、これがされなくなった時代が、日本の長い歴史の中で二回だけあります。
    一度目が応仁の乱に始まる戦国時代の100年。
    二度目が大東亜の敗戦後の71年です。
    つまり、戦国期は、戦後の日本によく似ているということです。

    そうした時代にあって谷時中は、日本における「師道」を確立しました。
    どんなに社会的に身分が高くても、学問の場では師匠が上です。
    たとえ相手が大名であり、師匠が農民の出であっても、学問の場では師匠が平気で殿様を呼び捨てにする。
    同様に、社会においても上長の前では、部下は常に平伏する。

    童子教にいわく、
    1 夫貴人前居 夫(そ)れ貴人の前に居ては
    2 顕露不得立 顕露に立つことを得ざれ
    3 遇道路跪過 道路に遇ふては跪(ひざまづ)いて過ぎよ
    4 有召事敬承 召す事有らば敬つて承れ
    5 両手当胸向 両手を胸に当てて向へ
    6 慎不顧左右 慎みて左右を顧みざれ
    7 不問者不答 問はずんば答へず
    8 有仰者謹聞 仰せ有らば謹しんで聞け

    まさにこれを確立したのが、谷時中であったわけです。

    20161026 倭塾バナー


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

《動画》「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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