• 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな


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    昔から「人は、本当に好きな人とは一緒になれない」といいます。
    それもまた、神々が人に与えた試練なのかもしれません。
    これをお読みの方の多くが、右近とまではいかなくても、若いころの結ばれなかった恋や、悲しい別れの思い出をお持ちであろうと思います。
    そんな恋の記憶のある方なら、このときの右近の気持ちも、敦忠の仕事一途に打ち込んだ気持ちも、きっとわかっていただけると思います。


    冷泉為恭の描いた右近


    百人一首38番歌 右近
     忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
     人の命の 惜しくもあるかな

    右近(うこん)は、平安中期の女流歌人です。
    父親が右近衛少将だったことから、宮中では右近と呼ばれました。
    右近がまだ十代の頃、藤原敦忠という宮中の貴族と深い恋仲になりました。

    敦忠は、時の最高権力者である藤原時平の三男です。
    若い頃から楽器が得意で、その演奏は、聞く人の心をとろけさせるような妙味のある男性でした。
    楽器をよくする男性は、今も昔も女性に人気です。

    右近と敦忠は熱愛になるのだけれど、その敦忠はあるとき、第60代醍醐天皇の皇女である雅子内親王(がしないしんのう)に恋をしてしまいます。
    ところがこの頃の敦忠は、まだ身分は従五位下です。
    宮中での位が低い。
    いくら父親が大物であったとしても、息子に実力がなければ、そうそう簡単には出世はさせてもらえないことは、今も昔も同じです。

    そこで周囲の人たちは935年、雅子内親王を、京の都から伊勢神宮の斎宮(いわいのみや)に送ってしまいます。
    斎宮(いわいのみや)は、伊勢神宮において天照大御神の依代をする女性で、代々皇女から選ばれました。
    この時代の斎宮は、伊勢で500人の巫女を配下に持つ、とびきりのお役目で、当然、男性との恋愛は絶たれます。




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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
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