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憲法と国民主権という自己矛盾について

20191123 万葉集表紙1200
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「国民主権」という言葉と、「憲法で定めた」という言葉は、日本人にとっては、きわめて矛盾した概念です。
 国民主権=国民が国家における超法規的な最高にして至高な存在
 憲法  =万古不易な国家の最高法規
これは、「どんな盾(たて)でも絶対に貫(つらぬ)くことができる矛(ほこ)」と、「どんな矛でも絶対に貫くことができない盾」の対決みたいなものです。つまり、国民主権と憲法という言葉は、はじめから相互に自己矛盾を犯しています。


ダヴィッドによる『球戯場の誓い』(カルナヴァレ博物館)
20200202 フランス革命
画像出所=https://sekainorekisi.com/glossary/%E7%90%83%E6%88%AF%E5%A0%B4%E3%81%AE%E8%AA%93%E3%81%84/
(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています。
画像は単なるイメージで本編とは関係のないものです。)


「主権者」という言葉は、もともとはイタリア語の「Sovranità」やフランス語の 「souveraineté」を指す言葉です。
日本語に訳せば「超法規的な最高にして至高な存在」です。

ですから
「国家主権者」ならば「国家における超法規的な最高にして至高な存在」となるし、
「領土主権者」ならば「国家の領土における超法規的な最高にして至高な存在」ですし、
「国民主権者」ならば「国民が国家における超法規的な最高にして至高な存在」という意味になります。
これが「主権者」に関する国際標準(Global Standard)の考え方です。

「国家における超法規的」ということは、当該国の国法にさえ縛られません。
ですから「国民主権」であれば、交通違反で捕まっても、逆に捕まえた警察官の処罰を命ずることが(原則としては)可能ということになります。
そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、国民が「超法規的絶対権を持つ存在」なのですから、理論的にはそうなります。

戦後の我が国は「国民主権」を「憲法で定めた国」だということになっていますが、ここでいう憲法は英語の「constitution」を幕末に日本語に翻訳(ほんやく)した造語です。
もともと「constitution」は、フランス語と英語が同じ単語のもので、幕末には「律法」とか「律例」などと訳されていました。
ところがこれを明治6年に、元熊本藩士の林正明(はやしまさあき)が合衆国憲法の訳本を、また元津山藩士の箕作麟祥(みつくりあきよし)がフランス憲法の訳本を出すに際して「憲法」という用語を用いたことから、明治憲法がつくられる際にも、「憲法」という用語が用いられることになりました。

「constitution」という語は、フランス革命当時のパリ市民たちの手で作られた造語で、
Con《共に》、stitute《立てた》ion《こと》が組み合わさったできた語です。
フランス革命に際して、人々が集まって共同して打ち立てた決まり・規約と言った意味の言葉ですから、共同体のための基本条項みたいなものです。
ですから共同体の形が変化すれば、それに応じてどんどん変えていくのがあたりまえですし、そのことが言葉の上からも明確になっているわけです。



20191006 ねずラジ
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小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

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