• エクゼターとエンカウンター(工藤俊作艦長物語)


    日本は、武士として戦いました。
    武士だから、みずから口からは、戦時中の多くを語りませんでした。
    だからといって、彼らの名誉ある行動を汚すようなことを許すのは、わたしたち現代を生きる日本人のすべきことではありません。
    悪とは、人の名誉を奪うことだからです。

    工藤艦長(「雷」艦上)と、フォール卿
    20170612 工藤艦長(「雷」艦上)と、フォール卿



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    2008年12月のことです。
    85歳になる元英国海軍中尉サムエル・フォール卿が来日しました。
    フォール卿は、埼玉県川口市に向かい、そこで工藤俊作(くどうしゅんさく)という日本人の墓にお参りをしました。

    フォール卿は戦後に英国外交官を務め、その功績によって「サー」の称号を贈られた人物です。
    外交官を定年退職した後、1996年に自伝『My Lucky Life』という本を出しました。
    その本の巻頭には、
    「元帝国海軍中佐工藤俊作に捧げる」
    と書いてありました。

    時は、来日の日から66年ほどさかのぼります。
    昭和17年(1942年)3月1日、ジャワ海からの脱出をしようとして出港した英重巡洋艦
    「エクゼター」(13,000トン)
    「エンカウンター」(1,350トン)
    の二隻が、日本海軍と交戦して撃沈されました。
    両艦艦長を含む約450人の英海軍将兵は、海上を漂流の身となりました。

    南方の暑い日差しの中です。
    翌3月2日の午前10時ごろには、彼らはもはや生存と忍耐の限界に達していました。
    そして一部の将兵が自決のための劇薬を服用しようとしていました。

    そのとき、たまたま単艦でこの海域を哨戒していた日本の駆逐艦「雷(いかづち)」が、漂流している英国乗組員を発見しました。
    「雷(いかづち)」の乗員は220名です。

    敵兵とはいえ、その時点ではすでに漂流民です。
    しかも漂流している英国兵は450名余います。
    平時の感覚としてなら、これを救助するのは、海の男たちにとって当然の責務です。
    しかし戦時では情況が異なりますし、あらゆる価値観は逆転します。



    20200401 日本書紀
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    20191006 ねずラジ
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小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
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