• 国語力の低下は思考力の低下


    1月16日(土)倭塾開催します。

    意味がわかって会話をするのと、意味がわからずに会話するのとでは、雲泥の差があります。昨今では、英語教育のために、国語教育のための授業時間を短縮するという動きになっていますが、もったいないことです。

    20201229 国語
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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    日本人が日本人としての誇りを取り戻し、日本の再生を図ろうとする取り組みにあたり、歴史を重要視する方は多いと思います。
    もちろん筆者もそのように思います。
    けれど、もうひとつ、大切なファクターがあります。
    それが「国語力」です。

    当然のことです。
    我々は日本語で考え、日本語で判断し、日本語で人に伝えます。
    ですから日本語力(国語力)の低下は、思考力の低下、判断力の低下、伝達力の低下を招きます。
    これはたいへんなことです。

    思考力も判断力もなく、伝達力も足りないとなれば、何が起きるのか。
    せっかくの人生を怠惰と享楽のみで過ごし、人とのコミュニケーションもできずに自分の殻(それもかなり柔らかい)に籠もり、ただ大手メディアに操られるだけになります。
    また、自分で考えて決める力がないから、誰かに決めてもらわなければならなくなります。
    論理的にあきらかにおかしい、あるいは不合理なものであっても、簡単に騙される。
    かつて、優秀だとされた主に理系の若者が、オウムに騙されたのも、この構図です。

    あるいは判断が論理でなく、感覚的になりますから、好きか嫌いかだけでしか物事の判断ができず、三高(高学歴、高身長、高収入)が良いとか、中身のない空き缶流とかに簡単にハマり、騙されることになります。

    近年では国語よりも、英語を教えるべきだなどといった議論が盛んですが、これもまた怪しいものです。
    肝心の思考力や判断力といった人が生きる上で必要な技術を教えず、多国の人たちとのコミュニケーション力を優先するというのですけれど、そこに大きな錯誤があります。

    たとえば、日本語で平等と対等は、まったく異なる概念ですが、英語ではどちらも「イコール(Equal)」です。
    つまり平等と対等の意味の区別がつかなくなる。
    あるいは「天皇」のことを「エンペラー(Emperor)」と訳すけれど、エンペラーは、王の中の王、つまり中国的な皇帝を意味する言葉です。
    皇帝は絶対の「権力」を持つ存在です。
    しかし我が国の天皇には、「権力」はありません。
    天皇は国家最高の「権威」です。
    つまり、英語圏の一般的通念である「エンペラー(Emperor)」とは、まったく次元の異なる存在です。
    こうした違いをわきまえずに、天皇を「エンペラー」と訳したら、天皇があたかも帝王や皇帝であるかのような錯覚をしてしまうし、またそうした単語でコミュを図れば、相手に大きな誤解を与えてしまいます。

    ちゃんと物事を理解しないで、ただ翻訳したところで、きちんとしたコミュニケーションは成立しません。
    やみくもに、天皇をエンペラーと訳すのではなく、天皇とエンペラーの違いを明確に認識するための思考力を養うのが国語教育です。
    日本語がわからないのに、英語を中途半端に学習したら、頭の中がおかしくなるのはあたりまえです。

    私達は日本語で生活し、日本語で思考し、日本語でコミュニケーションをするのですから、先ずは日本語をしっかりと身につける必要があるのです。
    では、現代の国語教育について、文科省の学習指導要綱はどのように書いているのでしょうか。

    ********
    言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
    ⑴ 日常生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。
    ⑵ 日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。
    ⑶ 言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語の大切さを自覚し,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。
    ********

    つまり国語教育の範囲を「日常生活に必要」な範囲に限定し、その日常生活における「用語の良さ」を自覚させようというわけです。
    そして国語の「技術を伸ばす」ことに重点が置かれています。
    このことは、ものすごく簡単に言えば、現代の国語教育では、上の人に対して適切に敬語で話せる技術を教えているだけ、ということになります。
    なにしろ思考力さえ、日常生活に限定してしまっているのです。

    では戦前戦中の学習指導要綱では何と書いているのでしょうか。

    ********
    国語科学習指導の目標は、児童・生徒に対して、聞くこと、話すこと、読むこと、つづることによって、あらゆる環境におけることばのつかいかた熟達させるような経験を与えることである。
    ところが、これまで、国語科学習指導は、せいまい教室内の技術として研究せられることが多く、きゅうくつな読解と、形式にとらわれた作文に終始したきらいがある。今後は、ことばを広い社会的手段として用いるような、要求と能力をやしなうことにつとめなければならない。それを具体化すると次のようになる。

    一 表現意欲を盛んにし、かっぱつな言語活動をすることによって、社会生活を円滑にしようとする要求と能力とを発達させること。
    二 自分を社会に適慮させ、個性を伸ばし、また、他人を動かす手段として、効果的に、話したり、書いたりしようとする要求と能力を発達させること。
    三 知識を求めるため、娯楽のため、豊かな文字を味わうためというような、いろいろなばあいに応ずる読書のしかたを、身につけようとする要求と能力を発達させること。
    四 正しく美しいことばを用いることによって、社会生活を向上させようとする要求と能力とを発達させること。
    ********

    「せいまい教室内の技術、きゅうくつな読解、形式にとらわれた作文」とは、いつの時代の教育のことでしょうか。
    文中では、欧米の学制を真似たばかりの明治初期の頃の国語教育を指していますが、これって、そのまま現代における国語教育そのものです。

    国語は、日本社会が共通して持つ社会的交流の手段であり、かつひとりひとりが人生をひらくための思考ツールです。

    「国語なんて、習わなくたって、会話はできる」などという人もいますが、では「愛」とは何でしょうか。
    音読みで「あい」と読んでも、意味はわかりません。
    けれど訓読みで「愛(め)でる、愛(いと)し、愛(おも)ひ」と読めば、自ずと日本における愛の意味がわかります。

    意味がわかって会話をするのと、意味がわからずに会話するのとでは、雲泥の差があります。
    昨今では、英語教育のために、国語の授業時間を短縮するという動きになっていますが、もったいないことです。


    お読みいただき、ありがとうございました。
    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行でした。


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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』
最新刊
『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』
『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』

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