• 「ウシハク」を考える


    4月17日(土)13時半から第82回 倭塾を開催します。
    詳細は↓から。
    https://nezu3344.com/blog-entry-4847.html


    「シラス」と「ウシハク」は対立概念ではありません。
    シラス統治を行うにあたって、人々の集合体である国家などの機構には必ず秩序が求められます。
    そして秩序を維持するために「ウシハク」は必要なことです。
    ただし、ウシハクが頂点にあってはいけません。

    20210318 王冠
    画像出所=https://www.pixiv.net/artworks/23016801
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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    古事記の中で「ウシハク」という言葉が最初に出るのが、大国主神の国譲り神話です。
    そこでは、シラスとウシハクが、会話として出てきます。

    出雲の国の伊那佐(いなさ)の小浜(をはま)に降りたった建御雷神は、十掬剣(とつかのつるぎ)を抜き、その剣を切っ先を上にして波の上に立て、その剣の切っ先の上に大あぐらをかいて坐ると、大国主神に、次のように問うのです。
    「汝のウシハクこの葦原の中つ国は、
     我が御子のシラス国と(天照大御神が)仰せである。
     汝の心やいかに」

    ここにあるウシハクは以音(こえをもちいる)と注釈があります。
    ですから、使っている漢字には何の意味もなくて、その読みが大事ということになります。

    本居宣長によれば、「ウシ」とは主人のことで、「ハク」は刀を腰に佩(は)くというように身につけることを意味するとあります。
    そして、そこから派生して「ウシハク」は、私的に領有し支配することを意味します。

    これは所有と被所有の関係です。
    あるいは支配と隷属の関係と言っても良い。
    権力者が、その権力の及ぶ範囲を私有するのが「ウシハク」です。
    私物にされた側は、権力者によって殺されようが、服役させられようが、文句は言えません。
    なぜなら私的な所有物、つまり私物だからです。

    昔の西洋において、貴族の妻は貴族の所有物(私物)でした。
    けれどその貴族は、国王の所有物(私物)です。
    従って国王が、その貴族の妻を横取りしても、どこからも苦情は来ません。
    なぜならすべては国王の所有物(私物)だからです。

    このことを国王を独身の王子様に、貴族の妻を独身の美しい若い女性に置き換え、両者が両思いにしたら、シンデレラの物語になります。
    けれど現実は、頭の禿げた中年のヒヒ国王に、愛する夫を持つ人妻が蹂躙されることが常識だったわけです。
    現実は決してお伽噺のような素敵な世界ではなく、穢れに満ちているのです。

    西洋の中世の王朝文化(これを文化というならですが)に、あこがれを持つ女性は日本において多いです。
    女性たちが美しく装い、宮殿でダンスをし、美しい家具や調度品に囲まれ、食卓の上には、食べきれないほどの料理が並び、気品ある貴族の若い素敵な紳士が、女性たちを誘い、白馬に乗った王子様が迎えに来る。
    まるで夢のような世界をイメージし、それがひとつのカルチャーとしておおいに戦後の日本で宣伝されましたから、本気でそのような西洋社会を想像し、そこに生まれ変わりたいくらいに思う女性は多いと聞きます。

    しかし、現実には、そのような生活ができる女性は、人口でいえば最大0.5%程度。
    しかも、捨てられ殺されることもしばしばですから、女性に人権もない。

    さらにいえばギリシャ神話によれば、人間の女性はゼウスが何でも作れる鍛冶屋の神のヘパイストスに命じて人間の男性を破滅させるためという目的を持って作られた存在であり、ゼウスによって「美しさ、歌と音楽、賢(かしこ)さと狡(ずる)さと好奇心」を、さらにアテナから「機織りや女のすべき仕事の能力」、「アプロディーテから男を苦悩させる魅力」を、ヘルメスから「犬のように恥知らずで狡猾な心」を与えられ、ゼウスをして「「これは人間(男)にとっての災(わざわ)いだ」として誕生した存在であると本気で信じられていたわけです。
    とてもじゃないけれど、人権どころの話ではない。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
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