• 植民地の意味を理解する


    第83回 倭塾 5月23日(日)13:30より開催
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    植民地支配は、単に王の権力欲でばかり説明されがちですが、そうではなく、そこに「そうする必要があった」からこそ、そのような体制が生まれたということも、私たちは把握しておく必要があります。

    20160507 アジアの植民地
    画像出所=http://wherearewenow2.com/archives/906
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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    私たちは「植民地支配」と聞くと、15世紀中ば頃から始まる大航海時代以降、西欧の強国が有色人種国家を支配し収奪したものであると、きわめて図式的、簡単に理解しています。
    ところが植民地支配国側の立場に立ってみると、そうとばかりはいえない側面もあるというお話です。

    どういうことかというと、仮にも国家を標榜する以上、自国内で起きた事件や事故については、当該国はちゃんと国として責任をとらなければなりません。
    それは下々がしたことであって、当国政府は関係ないでは済まされないのです。

    たとえば、イギリス人がフランスで殺されたとします。
    その犯人の捜査から被害者への賠償まで、フランス政府は当然にイギリスに対して責任を負います。
    イギリス政府は、その殺害された被害者のイギリス国民に国家として責任を負っているのだし、当然にイギリス国として、フランス国に対して、事態の究明から賠償責任についてまで、国としてキチンとした対応の申入れをするし、フランスも国家として、その申入れにちゃんと答えなければなりません。
    だからこそ国家なのです。

    ところが被植民地となった地域では、こうした国家としての常識が通用しません。
    当該地でイギリス人が殺害され、その問題について事態の究明と被害遺族への倍賞を請求しても、「それは民間がやったことで、当王朝は預かり知らないことである」という反応にしかならないのです。

    これでは、安心して国民が国外に出て行くことができません。
    そこで欧米列強が相談し、どこどこのエリアについては英国が、どこどこについてはフランスが、どこどこはオランダがというように、担当エリアをキチンと定めて、そのエリア内で起きた事件や事故については、当該宗主国が全責任を持つという体制が生まれました。
    これが支配者(宗主国)側からみた植民地の姿です。

    つまり支配された側が、国家としての責任をとれる体制になっていないから、植民地化されたわけです。
    逆に日本が「植民地支配されなかった」のは、国家としての責任体制が古くから整っていたからということもできます。
    武力だけの問題でもないのです。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

《動画》「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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