• 弁慶の勧進帳


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    20200512 勧進帳
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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    弁慶の「勧進帳」は、歌舞伎の定番演技です。
    あらすじは次の通りです。

     *

    源頼朝の怒りを買った源義経一行が、北陸を通って奥州平泉へ落ち延びようとするのですが、頼朝はその義経を捕えるために街道筋に多くの関所を設けます。
    義経の一行が加賀の安宅(あたか)の関(石川県小松市)に差しかかったとき、関守の富樫左衛門(とがしさえもん)は、通ろうとする山伏の一行が変装した義経たち一行ではないかと怪しみます。

    弁慶は「自分達は東大寺修復のための寄付を募る勧進をしている山伏である」と主張します。
    富樫は「勧進のためならば勧進帳を持っているであろう。ならばそれを読んでみよ!」と命じる。
    弁慶は、たまたま持っていた白紙の巻物を勧進帳であるかのように装い、朗々と読み上げます。
    これが「勧進帳読上げ」のシーンで、実にかっこいい。

    なおも疑う富樫は、弁慶に山伏の心得や秘密の呪文について問い正します。
    弁慶は間髪をいれず問いに淀みなく答える。
    ここが「山伏問答」のシーン。
    この問答の掛け合いが淀みなく続くなかに、会場から大きな拍手が沸き起こります。

    富樫は、この時点でそれが義経の一行だと見破っているのですが、一方で弁慶の堂々とした振る舞いに心を動かされます。
    ところがこのとき、富樫の部下のひとりが「そこにいる小男が義経ではないか」と申し出る。
    場に緊張が走ります。

    富樫もこれを無視するわけにいきません。
    富樫は弁慶に「そこにいる小男が義経ではないか」と問う。
    すると弁慶は、やにわにその小男を
    「お前が愚図だから怪しまれるのだ」と、金剛杖で殴りつけるのです。
    金剛杖というのは、いまでもお遍路さんなどで使われる、六角形、または八角形の木の杖です。
    これで殴られたら、そりゃ、痛い!

    しかし家来が主君を棒で殴るなどありえないことです。
    富樫は義経主従の、その振舞に心を動かされます。
    そして一行の関所通過を許可する。
    これは、第一に頼朝からの恩賞を放棄するということでもあるし、第二に関守としての職務違反です。

    それでも富樫は、義経一行の通行を許可します。
    そして同時に、自分が義経に気付いたことを周囲に悟らせないように振舞います。
    知られたら自分だけでなく、主君を棒で叩いた弁慶の名誉すらも傷つけることになるからです。

    弁慶もその富樫の心遣いに気がつかないふりをします。
    感謝などしたら富樫の立場を失わせることになるからです。

    二人は眼と眼でわかりあいます。
    この間、歌舞伎は、ずっと無音です。
    笛や太鼓や歌などにぎやかな演出が多い歌舞伎ですが、この「勧進帳」では、最後の弁慶が花道を立ち去るシーンまで、無音の中でのやりとりが続きます。

    高度な緊迫感がただよう。

    最後に富樫は、「失礼なことをした」と一行に酒を勧め、弁慶はお礼に舞を披露します(延年の舞)。
    弁慶は舞ながら義経らを逃がし、弁慶は富樫に目礼して後を急いで追いかける(飛び六方)。

    ちょうどこのシーンで弁慶が花道を踊りながら去ってゆくのですが、観客はその姿に盛大な拍手喝采を送ります。



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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

《動画》「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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