• トイレが個室であることの幸せ


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    日常の、あたりまえに思っていることが、実は世界の視点、歴史の視点から見たら、とんでもなくすごいことであったりします。
    そのひとつが、日本のトイレ事情です。
    トイレが個室であるという、ほんのあたりまえの常識が、世界では非常識であったりするのです。

    20190528 家光公の厠



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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    この記事は2016年にアップして以来、5年間、毎年、アップし続けている記事です。
    私達は、日常のほんの些細なこと、空気のようにあたりまえと思っていることに、実は先人たちのおもいやりや、やさしさ、あるいは小さな努力の積み重ねがあることを、忘れてはいけないと思うのです。

    馬上枕上厠上(ばじょうちんじょうしじょう)といって、良いアイデアが浮かぶ場所は、馬に乗っているとき、寝ているとき、厠(かわや)、つまりトイレにいるときだと、いいます。
    この言葉は、北宋の文学者・政治家であった欧陽脩(おうようしゅう)の『帰田録』にある言葉です。
    つまりチャイナ発の言葉です。
    けれど、現代チャイナに、馬上枕上厠上のゆとりはあるでしょうか。
    ゆっくりとトイレに入って考え事をしている、そのような余裕はあるでしょうか。
    逆に日本はどうでしょうか。

    日本人にとって、いまではトイレは清潔で、ゆっくりとくつろげる空間とされます。
    もちろん、そうでないトイレもあるでしょうけれど、すくなくとも、多くの日本人が、トイレを清潔で居心地の良い空間にしたいと思っていることは事実だし、実際に清潔にしているご家庭やオフィスも多いことと思います。
    けれど、そういうことが維持され、継続され、安定的に社会に溶け込むことができた社会というのは、世界を見渡したとき、非常に少ないのです。

    もちろん北宋がそうであったように、時代によっては、それが実現できた国もあったことでしょう。
    ちなみに北宋は、日本とたいへんに親交があった国で、商業が活発であり、チャイナの歴史のなかにおいては、たいへんに豊かな国を実現できた国として知られます。
    ただし、そんな北宋も、金儲けに走り、あまりに軍事を軽視したために、北方遊牧民によって、またたく間に滅んでしまいました。

    我々は、歴史からなにを学ぶのでしょう。
    ただ昔はひどかった、昔は遅れていた、昔は権力者が、まるで児戯のように、まるでおバカそのものように威張っていた、そんなことを子供たちに教育して、何のメリットがあるのでしょう。

    たとえば、徳川五代将軍といえば、徳川綱吉です。
    その綱吉といえば、生類憐れみの令という馬鹿げた法を出して、犬公方と呼ばれたというのが昨今の常識(?)です。
    そしてこの虚構をもとに、教科書が書かれ、また、さまざまなドラマが描かれたりしています。
    しかし綱吉は、ヒゲを伸ばして武威を張り、酒を飲んで腹を立てたら目の前の人を公然と斬り殺す、そのような文化というか、悪弊をいかになくすか、という壮大なテーマに挑んだ将軍であり、だからこそ生類憐れみの令は、綱吉以後も、歴代将軍によって繰り返し発布されています。

    武士は刀を常時携行します。
    酒を飲んで、腹がたてば、つい抜いてしまうことは、普通にあることです。
    それは世の中を殺伐とさせます。
    しかし同時に、世の不条理を刀は正す力を持っていますし、それこそが武士の役目です。
    この両者を、どこでバランスするか。
    世の平和と、社会の秩序という、相反する2つの政治課題を、実は綱吉は、見事に実現してみせた、後の世からみれば、まさに天才将軍といえる大将軍であったのです。
    そういうことを教えようとしない。

    だいぶ以前のことになりますが、テレビで埼玉県川越にある喜多院の徳川家光公誕生の間を紹介していました。
    番組スタッフが見学に行き、お寺のご住職が案内するのですが、驚いたのが「厠(かわや)」の案内です。
    それが↑の絵の厠(かわや)です。



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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
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最新刊
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