• あきこさん


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    遠く離れた異国の地で、最後まで死力を尽くした男たちがいました。女たちがいました。
    過酷な戦場に咲いた一輪の花のような恋もありました。
    こうした一つ一つの小さな物語の中に、決して忘れてはいけない私たち日本人の心があります。
    それこそが伝えていくべき日本の歴史です。

    紫蘭(シラン)
    花言葉:あなたを忘れない、変わらぬ愛
    20150622 シラン
    画像出所=http://blog.goo.ne.jp/kmitoh375/m/200706/1
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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    以下のお話は『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人!」の第二巻で「玉砕前の結婚式」としてご紹介したお話です。

    ******

    1 五十倍の敵に包囲された拉孟守備隊▼

    昭和19(1944)年6月から9月にかけて、ビルマ(現、ミャンマー)と中国の国境付近で壮絶な戦いがありました。
    拉孟の戦いと呼ばれています。
    この地を守る日本軍は最後の一兵まで戦い抜き、120日間という長期戦の末に玉砕しました。

    守備隊1280名のうち、三百名はほとんど体の動かない傷病兵でした。
    そのなかには、15名の女性もいました。襲いかかった敵は5万の大軍です。是が非でも援蔣ルートを確保したい蔣介石は、国民党最強といわれる雲南遠征軍を拉孟に差し向けたのです。
    それはアメリカのジョセフ・スティルウェル陸軍大将が直接訓練を施した、最新鋭装備の軍でした。

    戦いの末期に、偵察機三機で拉孟守備隊に弾薬を届けた小林中尉の手記があります。
    「松山陣地から兵隊が飛び出してきた。
     上半身裸体の皮膚は赤土色。
     T型布板を敷くため一生懸命に動いている。
     スコールのあとでもあり、
     ベタベタになって布板の設置に懸命の姿を見て、
     私は手を合わせ拝みたい気持にかられた。

     ......印象に深く残ったものにモンペ姿の
     女性がまじって白い布地を張っていた姿であった。
     思うに慰安婦としてともに従軍していった者であろうか。
     やりきれない哀しさが胸を塞いだ」

    上空からは、拉孟を死守する守備隊の周辺を、敵の大軍がびっしり取り囲んでいる様子がよく見えました。
    小林機は高度を30メートルにまで下げ、50キロの落下傘つき弾薬筒を二個投下しました。
    これに応えて守備隊の兵や女性たちが、ちぎれんばかりに手を振りました。

    小林中尉はこの何分か何十分後かに戦死しているかもしれない彼たち、彼女たちの顔を心に刻み込もうと、飛行機から身を乗り出すようにして目を凝らしました。
    けれど溢れる涙で目がかすみ、はっきり見えなかったそうです。

    「空中補給終了次第、ただちに戦場を離脱せよ」との命令だったのですが、熱い思いにかられた小林機は、敵の弾幕をくぐりながら、あらんかぎりの銃弾を敵陣に叩き込みました。
    愛機を敵弾が貫きました。
    体を弾がかすめました。
    それでも弾倉が空になるまで、撃ち続けたそうです。
    痛いほど、その気持ちが分かる気がします。



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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

《動画》「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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