• 「モンゴロイド」は「ジャパノイド」


    次回倭塾は9月18日(土)13時半から富岡八幡宮婚儀殿。
    テーマは「ご先祖から預かった大切な日本」です。
    詳細は→https://www.facebook.com/events/453891059222691


    モンゴロイドという言葉は、18世紀のドイツの人類学者のヨハン・フリードリヒ・ブルーメンバッハ(Johann Friedrich Blumenbach)が考案したものです。彼はコーカサス(黒海とカスピ海にはさまれた平原)出身の白い肌を持つコーカソイド(白人種)が、最も美しくてすべての人類の基本形であるとしました。そして他の人種はコーカソイドが「退化した」ヒトモドキにすぎないとし、なかでもモンゴロイドは、13世紀にモンゴルの大軍がモンゴル平原からヨーロッパに攻め込んできたから、モンゴルのゴビ砂漠のあたりを根城にする人々という意味でネーミングしています。つまりモンゴロイド説は、実は人類の始祖とか万年の昔とは何の関係もないものであり名称です。

    20210913 モンゴロイド
    画像出所=https://commons.wikimedia.org/wiki/File:LA2-Blitz-0263_crop.jpg
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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    我々日本人が「モンゴロイド(Mongoloid)」であるという言い方には、非常に抵抗があります。
    なぜなら「モンゴロイド」という言葉は、18世紀のドイツの人類学者のヨハン・フリードリヒ・ブルーメンバッハ(Johann Friedrich Blumenbach)が、様々な人種のなかで、コーカサス(黒海とカスピ海にはさまれた平原)出身の白い肌を持つコーカソイド(白人種)こそが、最も美しくて、すべての人類の基本形であって、他の人種はコーカソイドが「退化した」ヒトモドキにすぎないということを述べるために造った造語だからです。

    このときブルーメンバッハは、世界の人種を古くからの言い伝えにある五色人の分類を模倣して、人種を5種類に分けています。
    それが、

    ・コーカソイド(白人種)
    ・モンゴロイド(黄色人種)
    ・エチオピカ(黒人種・ニグロイド)
    ・アメリカ―ナ(赤色人種・アメリカインディアン)
    ・マライカ(茶色人種・マレー人)

    で、アメリカーナも、マライカもかなり怪しい分類ですが、とりわけ「モンゴロイド」は、単にモンゴルの大軍がモンゴル平原からヨーロッパに攻め込んできたから付けられた名前にすぎません。

    要するに「モンゴロイド」というのは13〜14世紀の支配者たちのことを言ってるのですから、人類の起源とは何の関係もない単語です。

    ところが、どういうわけか日本では、その「モンゴロイド」が黄色人種、なかでも日本人の源流であって、その「モンゴロイド」たち、つまりモンゴル帝國のモンゴル人が、北方が陸続きだった2万年ほど前に日本列島にやってきて、同じく南方から来た海洋族と混血していまの日本人になったと、多くの人が信じ込まされています。

    冗談じゃありません。
    万年の歴史を持つ日本人と、13世紀のモンゴル帝国が一緒くたになっているのですから、これはもう学説でもなんでもない、ただの暴論です。

    日本の歴史は、モンゴロイドなどという18世紀の言葉より、もっとずっと古いものです。
    島根県の砂原遺跡からは、12万年前の旧石器時代の石器が出土しています。
    長野県飯田市の竹佐中原遺跡から発掘調査された800点余りの遺物は、3万数千年前〜5万年前のものです。

    しかもこのなかには、舟を使わないと往来できないはずの伊豆諸島の神津島でしか産出しない黒曜石が発見されています。
    つまり3万8千年前の日本には、船で神津島まで往来する技術があったということです。

    そして3万年前には、群馬県みどり市の岩宿遺跡から磨製石器が出土しています。
    日本における磨製石器は、3万年前のものだけが単独であるのではなくて、
    昭和48年に東京・練馬区石神井川流域の栗原遺跡で2万7000年前の地層から磨製石斧が発掘され、
    同年、千葉県の三里塚からも磨製石斧が出土、
    以後、秋田から奄美群島まで、全国135箇所から400点余の磨製石器が発掘されています。

    その中で、長野県日向林遺跡から出土した60点、長野県の貫ノ木(かんのき)遺跡から出土の55点の磨製石器に用いられている石は、竹佐中原遺跡の石器同様、伊豆の神津島から運ばれてきた石です。

    世界では、神話の登場は磨製石器の登場の時代に始まるとされています。
    なぜなら時間のかかる磨製石器をつくるためには、人類が村落共同体を形成し、かつ、その共同体内部において、社会的分業が行われなければならない。
    そしてそれだけの規模を持つ共同体を維持するために、自分たちがどうしてそのような共同体を形成しているのかを示す具体的な物語、すなわち神話が必要とされると考えられるからです。

    およそ7300年前の古代シュメール文明が注目を集めるのは、そういう理由があるからです。
    共同体の維持のためには、自分たちがどこからきて、どのような文化や生活を求めようとしているのかを明確にしなければならないのです。

    自分たちがどこに向かおうとしているのか、という未来の夢を語るには、実は同時に自分たちがなぜここで共同体を維持しているのか、という共同体の原点が不可欠なのです。
    これを失うと、共同体は崩壊します。
    このことは企業も同じです。
    会社がどこに向かおうとしているのかを明確にするためには、同時にその会社が何を、あるいはどこを出発点にして誕生したのかを明確にする必要があるのです。
    なぜならそれは、会社という共同体の構成員の「共通の出発点」となるからです。

    現下の日本の混迷は、まさに日本建国の原点を失ったことによります。
    与野党の攻防や議論、あるいは高市早苗議員の自民党総裁選出馬会見を見ても、会見終了後に、だみ声で怒鳴り声をあげてヤジを飛ばしている、日本人としてみっともなく恥ずかしいマスコミのおじさんがいましたが(いや、ほんとうにみっともない)、そのような下品な振る舞いが、高給取りのエリートのメディアの、しかもこれから総裁選に立候補しようとする人物、もしかすると我が国の顔になるかもしれない人物に対して傲慢に行う品位のなさは、これはもう、完全にその人物が日本人としての誇りも自覚も失ない、ヒガミと嫉妬とお金のことしか頭にない痴れ者に堕ちていることを示しているのではないか。

    要するに、共同体であれば、それが村であっても、会社であっても、任意団体であっても、郷土であっても、そして国家であっても、これを維持するためには、そこに必ず、
    「共同体の出発点に関する共通認識」
    が必要なのです。

    とりわけ日本のように古い歴史を持つ国においては、日本の何を出発点にするかは、極めて重要で、8世紀初頭に書かれた日本書紀も、まさにその時代に、日本の出発点を共通認識にするために書かれた書であり、その書が1200年以上、日本で使われ、学ばれ続けたことによって、高い民度の日本人が形成されたということができます。

    このことは、逆に言えば、神話に限らず、民族の歴史を失ったり、あるいは改ざんされて貶められたりすると、その民族は崩壊していくということを意味します。
    日本の危機の原点が、まさにここにあります。

    4万年前には、海水面がいまよりも80メートルほど低く、日本列島は、台湾と朝鮮半島を直線で結ぶラインが海岸線となっていました。この頃の日本列島にはナウマンゾウも居たんですよ^^

    2万5千年前には、海水面がいまより140メートルも低くなり、日本列島は北と南が大陸と陸続きでした。
    日本海は、おおきな塩水湖となり、朝鮮海峡にはいまの朝鮮半島と日本との間に、わずかばかりの水路で隔てられているだけの状態となります。

    1万7千年前には縄文時代が始まるのですが、縄文遺跡のほぼすべてには貝塚があります。
    そこから貝を拾って食べていたということがわかるわけで、人は食べなければ生きていくことができませんから、要するに、大昔の人々は、概ね沿岸沿いに住んでいたであろうということがわかります。
    すくなくとも、ゴビ砂漠の真ん中よりは、沿岸部の方が、人が原始生活を営むには適しています。

    それに寒冷化が進めば、土地の所有なんてないのですから、いまよりももっとずっと南にその多くが生息したであろうということができます。
    ところが温暖化が進むと、それまで住んでいた土地が、海に沈んでしまう。
    人魚じゃあるまいし、人は海中では生活できませんから、当然、陸が後退すれば、それに従って、人々の生活の場も、移動していかざるをえません。

    6千年前の最温暖期には、日本列島のいまの平野部はほぼ全部水没して海の中です。
    北海道さえも、石狩平野は海の中で、北海道は2つの大きな島に分かれていました。
    九州、四国、中国地区は、いまの山間部が海上に露出しているだけで、ほかは海の底です。

    要するに万年の歴史を考えるときには、現代の海岸線だけ見ていても、まともな結論は出ないということです。

    ちなみに、モンゴロイドといえば、赤ちゃんの蒙古斑がありますが、日本人の場合、ほぼ100%近く、この蒙古斑が出ます。
    黒人にも蒙古斑がありますが、肌全体が黒いので見分けがつきにくい。
    黄色人種では、現代モンゴル人でも8割くらいには蒙古斑が出るのですが、出ない人も2割ほどあります。
    そしてもしかすると蒙古斑は、世界最古の古人類の痕跡であるのかもしれない。

    そういう意味では、歴史的にも明らかに間違っている「モンゴロイド」という呼称はもう返上して、これからは「ジャパノイド」とでも名付けたほうが良いのかもしれません。
    というか、実際、そうであったのではないかと思います。
    太平洋を駆け回った海洋民族・倭人が、万年の昔に、世界の文明のあけぼのを拓いたというのが真実でしょう。

    けれどいま、そのような主張をしても、おそらく世界には受け入れられないし、誰もよろこばない。
    なぜなら、いまの日本が「弱い国」だからです。
    日本の正義、日本人の生真面目さは工作員によって貶められ、日本の文化は否定され、ありもしない捏造によって、日本人は悪者にされています。
    つまりいまの日本には、正義もパワーもないと見られている。

    世界が本当に平和を望むなら、そして人類社会が公正を望むなら、未来のために、それらを実現してきた過去の日本を学ぶべきです。
    そうすることで、力だけに頼らない、まったく異なる権威と正義と公正と力を兼ね備えた、世界最強の日本が、これは必ず誕生します。
    それが神々の望みなのだと、私は思います。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

《動画》「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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