• モンゴロイドという言葉


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    モンゴロイドという言葉は、18世紀のドイツの人類学者のヨハン・フリードリヒ・ブルーメンバッハ(Johann Friedrich Blumenbach)が考案したものです。
    彼はコーカサス(黒海とカスピ海にはさまれた平原)出身の白い肌を持つコーカソイド(白人種)が、最も美しくてすべての人類の基本形であるとしました。
    そして他の人種はコーカソイドが「退化した」ヒトモドキにすぎないとし、なかでもモンゴロイドは、13世紀にモンゴルの大軍がモンゴル平原からヨーロッパに攻め込んできたから、モンゴルのゴビ砂漠のあたりを根城にする人々という意味でネーミングしています。
    つまりモンゴロイド説は、実は人類の始祖とか万年の昔とは何の関係もない名称です。

    20180917 大昔の海岸線

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    小名木善行です。

    我々日本人が「モンゴロイド」であるという言い方には、非常に抵抗があります。
    なぜなら「モンゴロイド」という言葉は、18世紀のドイツの人類学者のヨハン・フリードリヒ・ブルーメンバッハ(Johann Friedrich Blumenbach)が、様々な人種のなかで、コーカサス(黒海とカスピ海にはさまれた平原)出身の白い肌を持つコーカソイド(白人種)こそが、最も美しくて、すべての人類の基本形であって、他の人種はコーカソイドが「退化した」ヒトモドキにすぎないということを述べるために造った造語だからです。

    このときブルーメンバッハは、世界の人種を古くからの言い伝えにある五色人の分類を模倣して、人種を5種類に分けています。それが、
    ・コーカソイド(白人種)
    ・モンゴロイド(黄色人種)
    ・エチオピカ(黒人種・ニグロイド)
    ・アメリカ―ナ(赤色人種・アメリカインディアン)
    ・マライカ(茶色人種・マレー人)
    で、アメリカーナも、マライカもかなり怪しい分類ですが、とりわけ「モンゴロイド」は、単にモンゴルの大軍がモンゴル平原からヨーロッパに攻め込んできたから付けられた名前にすぎません。

    要するに「モンゴロイド」というのは13〜14世紀の支配者たちのことを言ってるのですから、人類の起源とは何の関係もないものです。

    ところが、どういうわけか日本では、その「モンゴロイド」が黄色人種、なかでも日本人の源流であって、その「モンゴロイド」たち、つまりモンゴル帝國のモンゴル人が、北方が陸続きだった2万年ほど前に日本列島にやってきて、同じく南方から来た海洋族と混血していまの日本人になったと、多くの人が信じ込まされています。

    冗談じゃありません。
    2万年前の地形と、13〜14世紀のモンゴル帝国が一緒くたになっているのですから、これはもう暴論を通り越して、ほとんどお笑い草です。

    日本列島に住む人の歴史は、そのようなものよりも、もっとずっと古いものです。
    島根県の砂原遺跡からは、12万年前の旧石器時代の石器が出土していますし、長野県飯田市の竹佐中原遺跡から発掘調査された800点余りの遺物からは、3万数千年前〜5万年前のものであることが確認されています。
    しかもこのなかには、舟を使わないと往来できない伊豆諸島の神津島でしか産出しない黒曜石が発見されています。
    つまり3万8千年前の日本には、船で神津島まで往来する技術があったということです。

    そして3万年前には、群馬県みどり市の岩宿遺跡から磨製石器が出土しています。
    その日本における磨製石器は、3万年前のものだけが単独であるのではなくて、昭和48年に東京・練馬区石神井川流域の栗原遺跡で2万7000年前の地層から磨製石斧が発掘され、同年、千葉県の三里塚からも磨製石斧が出土、以後、秋田から奄美群島まで、全国135箇所から400点余の磨製石器が発掘されています。
    その中で、長野県日向林遺跡から出土した60点、長野県の貫ノ木(かんのき)遺跡から出土の55点の磨製石器に用いられている石は、竹佐中原遺跡の石器同様、伊豆の神津島から運ばれてきた石です。

    世界の歴史のなかで、いわゆる神話と呼ばれるものは、おおむね磨製石器の登場と期を一つにするとされます。
    なぜなら、時間のかかる磨製石器をつくるためには、村落共同体における社会的分業が行われなければならず、そのためには順番として、まず村落共同体を維持する物語が必要だからです。
    つまり、自分たちがどこからきて、どのような文化を持つのかは、共同体の維持に欠かせないのです。

    逆にいえば、神話を失うということは、共同体を失うということにつながるということです。
    このことは、神話に限らず、民族の歴史を失ったり、あるいは改ざんされて貶められたりすると、その民族は崩壊していくということを意味します。
    それだけに歴史や神話は、実は私達の生活に欠かせないものだし、国家という共同体を保持するにあたっての重要事なのです。

    さて日本列島の海岸線ですが、4万年前には、海水面がいまよりも80メートルほど低く、おおむね台湾と朝鮮半島を直線で結ぶラインが海岸線となっていました。
    それが2万5千年ほど前になると、海水面がいまより140メートルほど下がり、日本列島は北と南で大陸と陸続きになっています。
    日本海は、おおきな塩水湖となり、朝鮮海峡にはいまの朝鮮半島と日本との間に、わずかばかりの水路で隔てられているだけの状態となります。
    そして台湾は完全に大陸の一部となり、台湾から長崎を結ぶラインが、いわゆる海岸線となっていました。
    トップの図はネットから拾ったものですが、うまくまとまっていると思います。

    1万7千年前には縄文時代が始まるのですが、縄文遺跡というのは、そのほぼすべてが貝塚を持ちます。
    そこから貝を拾って食べていたということがわかるわけで、人は食べなければ生きていくことができませんから、要するに、大昔の人々は、概ね沿岸沿いに住んでいたであろうということがわかります。
    すくなくとも、ゴビ砂漠の真ん中よりは、沿岸部の方が、人が原始生活を営むには適しています。

    それに寒冷化が進めば、土地の所有なんてないのですから、いまよりももっとずっと南にその多くが生息したであろうということができます。
    ところが温暖化が進むと、それまで住んでいた土地が、海に沈んでしまう。
    人魚じゃあるまいし、人は海中では生活できませんから、当然、陸が後退すれば、それに従って、人々の生活の場も、後退していきます。

    6千年前の最温暖期には、日本列島のいまの平野部はほぼ水没して海の中です。
    北海道さえも、石狩平野は海の中で、北海道が2つに分かれていましたし、九州、四国、中国地区は、いまの山間部が海上に露出しているだけで、ほかは海の底です。

    要するに日本列島には、万年の単位の歴史があるわけで、そうであれば、現代の海岸線だけを見て歴史を考えても、まともな結論は出ないということです。

    ちなみに、モンゴロイドといえば、赤ちゃんの蒙古斑がありますが、日本人の場合、ほぼ100%近く、この蒙古斑が出ます。
    黒人にもありますが、肌全体が黒いので見分けがつきにくい。
    黄色人種では、現代モンゴル人でも8割くらいには蒙古斑が出るのですが、出ない人も2割ほどあります。
    仮にもし蒙古斑が、古代から続く東洋系民族の特徴であるとするならば、もしかすると日本人は、そんな古代の東洋人の特徴を最も多く残す民族であるのかもしれません。

    そういう意味では、モンゴロイドという名前よりも、ジャポノイドとでも名付けたほうが、実態に合っているように思います。


    ※この記事は2018年9月の記事の再掲です。
    お読みいただき、ありがとうございました。
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

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