• イズムと責任


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    コンピューターはいくら発達しても責任は取りません。
    このことはITがいくら進んだとしても、決して代わることのないことです。
    責任は人間が取るのです。
    人類社会の未来は、この「人間による責任の自覚」にすべてが託されていると言って過言ではありません。

    20211010 家族
    画像出所=https://illust8.com/contents/8958
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    歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに
    小名木善行です。

    イズムというのは、「◯◯主義」のことを言います。
    よく語られるイズムに、個人主義と国家主義という言葉があります。

    個人主義は、いうまでもなく個人を中心に生きていこうという考え方です。
    国家主義は、国家意思を第一にする考え方ですが、実は両者は同じものです。

    どういうことかというと、人間の体と同じです。
    人の体は、およそ36兆個の細胞でできています。

    そのひとつひとつの細胞の健康と、その個々の細胞の集合体である人体全体の健康は、相等しいものです。
    いくらひとつの細胞が元気でも、人体が死ねば終わりですし、人体が元気であっても細胞が癌化すればやはり寿命は縮みます。
    国家とは、個人の集合体なのですから、どちらが大事というものではなく、どちらもが大切です。
    つまり、個人と国家は運命共同体です。

    ところが近年の日本や米国では、個人主義を「利己主義」と履き違えている人が増えています。
    利己主義は、自己の利益のみを重視し、他の利益を軽視する考え方です。
    個人も国家も利己主義に陥れば、あたりまえのことですが、その国も個人も環境不適合になります。
    不適合なものを生かすためには、非道や暴力が必要になります。
    日本の近くにある自称大国が、その良い例です。

    環境不適合だから非道に走り、非道に走るからますます環境不適合になるのです。
    この世は適者生存です。
    非道が環境になれば、人類そのものが淘汰されます。
    つまり、その自称大国が世界のリーダーになれば、人類そのものが淘汰の対象になります。
    13世紀のペストの大流行は、世界の人口を半分に減らしました。
    17世紀のペストの大流行のときも同じでした。
    そして21世紀のいま、同じことが起ころうとしています。

    その世界的に大流行して人口半減を起こした13世紀、17世紀のペストは、日本には被害をもたらしていません。
    理由は簡単です。
    当時の日本が非道の国ではなかったし、人々もまた非道を憎み、道理を大切にする高い民度を保持したからです。

    進化には、
     1 淘汰
     2 共生
     3 適合
    の3つの種類があります。

    淘汰は弱肉強食です。
    けれど歴史を振り返れば、強いものが必ずしも生き残るわけではない。
    むしろ、強さを誇るツワモノたちが必ず滅んできたのが歴史です。

    共生は、共に生きることですが、玉石混交、強者と弱者の共存は、実際には不可能です。
    弱者は一方的に食べられてしまうのが生物の世界です。
    だから子だくさんになって生存を図りますが、人間の世界では、むしろ強者の方が子だくさんです。
    これでは、共生は不可能で、弱者は完全に淘汰されてしまいます。

    以前にカンブリアの進化の爆発のことを書きましたが、結局、進化というのは「環境への適合」が果たすということができます。
    秦の始皇帝の時代は戦国期で、相次ぐ戦乱の時代に於いては、周囲の国すべてを敵に回しても勝つことができるだけの強さがものを言って、秦が中原を統一しています。
    けれどその秦が行った法治は、チャイニーズというわがままな人たちには結果として受け入れられず、つまり環境に不適合であったために、秦は統一後わずか15年で滅んでいます。

    利己主義は、周囲との共和を欠き、周囲の環境と適合しません。
    適合しないから利己主義と呼ばれます。
    つまり利己主義は、周囲の環境との適合性がないから、滅ぶことになります。

    利己主義であって、かつ滅びないためには、非道と暴力が必要になります。
    日本の近くにある自称大国が、まさにその域に入っています。

    米国の大統領選は、テレビCMの戦いであると言われています。
    そしてそのCMは、互いのネガティブ・キャンペーンに終始します。
    ネガティブ・キャンペーンとカタカナ英語にしたら、いっけんかっこいいかもしれませんが、中身はただの、ののしりあいです。

    一国の、しかも米国という世界にものすごく大きな影響力を持った国の大統領選が、次元の低いののしりあいだということは、世界の指導者は、単にののしりあいに勝利した者、もっというなら、ののしりかたが上手な人だということになります。
    そういうことで、一国の大統領を決めるというのは、あまりにもかなしすぎることです。

    なぜ米国の大統領選が、そうしたののしりあいになるのかというと、米国が「覇権国家」だからです。
    覇権国家では、権力は常に権力の拡大を求めます。
    これは国家最高権力者の意思の如何を問わず、国の成り立ちが覇権を求めるからです。
    そして覇権を得るためになら、何だってするようになります。
    そのために多くの人命が犠牲になろうが、ののしりあいが国是となろうが関係ない。
    これを定性進化といいます。
    サーベルタイガーの牙と同じです。

    筋力の増加を求める人が、ひたすら筋力の増加を図っていくと、その筋力に骨が耐えられなくなって筋力性の骨折を起こすのだそうです(そこまでの筋力になるためには、猛烈な特訓が必要ですが)。
    また、筋力がありすぎて、自立呼吸ができなるなる人もあるのだとか。

    時間をかけて筋力とともに骨の強化も図る、つまり全体をバランス良く成長させることで、そうした問題は起こらなくなるのだそうですが、いたずらに短期間での覇権ばかりを求めれば、最後は自滅してしまうわけです。

    我が国には、もともと○○主義というものはありません。
    ときに皇道主義などという言葉が用いられることもありますが、我が国は〇〇主義などという言葉が生まれるはるか以前からあった国であり、あくまでも民の幸せこそが国の幸せであるとし、その頂点にある天皇(すめらみこと)は、民の安寧を神に祈る御存在であり、国家最高権威です。

    では、日本は◯◯主義(イズム)の代わりを何が果たしたのかと言うと、それが「責任」です。
    責任は、ひとりひとりが自覚し、自分で感じるものとしてきたのが日本です。
    実は、そこが諸外国における責任論との違いです。

    諸外国では、責任は、他から与えられるものです。
    泥棒をしたら、捕まえられて手首を切り落とされます。
    それはクニが行うことであって、泥棒が自ら恥じて責任を取ることではありません。

    日本では、そうではなく、泥棒をしたら泥棒をした自分が、一生かかってでも責任をとるのです。
    若気の過ちは、生涯を通じて、別な何かで貢献することで責任をまっとうする。
    そういうことを「あたりまえ」の常識としてきたのが日本です。

    ですから我が国の歴史や、我が国のあり方を、歴史の浅い他の国と比肩したり、他の国を理想化したり、むやみに他国の文化ばかりを尊敬したりしても詮無(せんな)きことです。
    むしろ、長い歳月営まれてきた日本的な形を学び、身に付けていくところに、明日への希望があります。
    なぜならそこに「責任」があるからです。

    そして「責任」は、ITがいくら進んだとしても、代替できるものではありません。
    なぜならコンピューターはいくら発達しても責任を取ることができないからです。
    責任は人が取るもの。
    そして自分が取るものです。

    こうすることで人々は、究極の環境適合を得ることができます。
    つまり日本的思考は、環境に適合し、未来永劫、繁栄の継続を得るのです。
    人類社会の未来は、この日本的「人間による責任の自覚」にすべてが託されていると言って過言ではありません。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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