• 人類の「原罪」のもう一つの解釈


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    初期条件をリセットすると、ガーハの皆さんのような、働かないで、何億もの人の年収相当額を、個人で得ているような人たちこそが、神を恐れぬ傲慢な人たちという意味になります。
    そしてこのことは、社会構造そのものを変革します。

    20211014 アダムとイブ
    画像出所=https://www.naminori.work/entry/2019/11/28/203457
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    小名木善行です。

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    旧約聖書の創成期の「アダムとイブ」による人類の「原罪」の物語は有名です。
    アダムとイブが、エデンの園で禁断のリンゴの実を食べることで、互いが裸であることに気が付いた。
    そこで二神は腰巻きを付けるのだけれど、これを神が見とがめます。

    神の問いにアダムは、
    「神が創られたイブに勧められたのです」と、神と女に責任転嫁し、
    イブは
    「蛇に騙された」と、これまた蛇に責任転嫁します。

    残念に思われた神は、
     イブに「産みの苦しみと夫からの支配」を
     アダムに「一生苦しんで地から食物を取ることと土にかえる」ことを命じた、
    というのが、この物語で、そこから女性の出産や、男性の労働は、人類の「原罪」であるとされます。

    ちなみに女性に与えられた原罪のもうひとつが「夫からの支配」で、
    これは英文では
    「Your desire will be for your husband, and he will rule over you.」
    と書かれています。

    つまり、神は「ルール(rule)」を書き換えた、と書いているわけです。
    聖書が書いていることは、単にそれまでの安閑とした楽園暮らしというルールを、苦痛を得、それによって大きな幸せを得るというルールに替えたわけです。

    ところが西洋の人たちは、およそ3000年の間、これを神に与えられた「原罪」だと解釈しました。
    神によるペナルティだというのです。

    古代ギリシャでは、ポリスと呼ばれた都市国家の人口の1%のおじさんたちが「自由民(エレウテロス)」で、今風に言うなら、都市国家のGDPの50%を独占しました。
    このおじさんたちが、なぜ「自由民」なのかというと、神から与えられた「原罪」である労働から開放されて、神に与えられたルールから自由になっているからです。

    残りの99%は、奴隷です。
    (厳密に言うと人口の5%が自由民なのだけれど、5%のうちの半分は女性であり、残りの2.5%の男たちのうち、現役を引退した老人と、若年層の子どもを除くと、いわゆる成人男子の人口は、全体の1%程度になります)
    この奴隷たちは、男が「ドエロ」、女が「ドエラ」と呼ばれました。

    おもしろいのは、ドエロやドエラであっても、支配層である自由民と普通に恋愛したし、結婚もしました。
    また奴隷階層であっても、真面目に働けば、城塞都市の中で土地や家を買うこともできました。

    と、ここまでお読みいただいたら、もう皆様、お気づきと思います。
    ギリシャ時代というのは、いまから2700年ほどの昔ですが、その社会構造は、現代の欧米の社会構造と、まったく同じです。

    たとえば米国なら、全米の1%の大金持ち層が、全米のGDPの5割を寡占します。
    そしてこのひとたちにとって、一般の米国民は、国民とか市民とかの名前だけは与えられているものの、実際にはギリシャ時代の奴隷たちと、身分も、生活環境も、まったく変わっていないのです。

    どうしてそのようなことが起こるのかといえば、これももうお気づきと思いますが、
    「働くことが、人類の原罪」
    だからです。
    そしてそのことが、すくなくとも欧米社会では、2700年にわたって、ずっと守られてきているわけです。

    ところが日本的思考では、これがちょっと変わります。
    人類の原罪というけれど、神は「命じた」とあります。
    これを「ルール」にしたのです。

    そして、よくよく考えてみれば、たとえば女性には出産の苦しみを与えたけれど、その苦しみの後には、苦しみに負けずに最後まで頑張って出産すれば、無上のよろこびである我が子を、その腕に抱くことができるのです。
    そしてそのときの母となった女性の幸福感、高揚感は、まさにこのうえのないよろこびとなります。
    そしてそんな我が子のためなら、睡眠時間が2時間程度しかなくなったり、夜中に起きてオシメを替えたり、乳をあげたり、女性はそのときに自分にできるすべてを子の成長のために捧げます。
    なぜなら、それこそが「幸せ」なことだからです。

    つまり神は、そんな人として、あるいは女性として生きる上での最高のよろこびを、人類に与えたのだし、またそのよろこびを最大にするために、あえて、出産に、痛み、苦しみを与えたともいえるのです。
    先に大きな苦痛や痛みがあるほど、そのあとのよろこびは大きいし、幸せ感が長く続くからです。

    このように考えると、神が与えたというお産の苦しみというのは、実は原罪でもなんでもなくて、むしろ適正かつ公正な、そして人類に与えられた無上のよろこびであるとみることができます。

    同様に、夫から支配される苦痛というけれど、これもまた原罪ではなくて、食料を得るために外に働きにでかける夫を気持ちよく送り出すようにすることで、単純な男たちは、がんばって外で働き、得た食料や富を必ず家に持ち帰るのです。むしろ、女性が威張っていて、男性が逃げ出してしまったら、食料を運んでくる人がいなくなってしまうのですから、女性にとっても、子にとっても、それこそ不幸です。

    このように考えますと、男性に与えられた「労働」も、罰ではなく、よろこびであると考えられます。
    「一生苦しんで地から食物を取る」ということは、覚悟のことです。
    最初から、畑を耕して、食料を得ることは、たいへんなこと、苦しいこととわかっていれば、腹も決まるし、そこにむかって挑戦していこうとする根性も生まれるのです。

    そもそも男性というのは、筋肉と同じで、筋肉痛が出るほどに鍛えれば鍛えるほど、太く丈夫になる生き物です。
    逆に女性は内蔵と同じで、やさしくいたわらないと故障します(笑)

    つまり神が与えた「労働の苦しみ」というのは、実は「苦しみだ」と覚悟させることで、収穫のよろこび、そして収穫された食べ物を家に持ち帰ったときの、妻の笑顔、子どもたちの笑顔という、無上のよろこびを神が与えてくれたという解釈も成り立ちうるのです。

    「そうか。おまえたち、知恵の実を食べて
     そういう知恵がまわるようになったのだな。
     ならば、こんどはお前たち自身で
     食べ物をつくり、
     子をつくり、
     自分たちで努力して生きて生きなさい。
     そうすることで、
     生きるほんとうのよろこびを、
     幸せを
     おまえたちも、その子たちも
     得ることができるであろう」

    旧約聖書の神による原罪は、実はそういう意味であったのではないでしょうか。

    このように考えるならば、国民の1%が、働かないで富を独占するなどというのは、むしろ神に対する冒涜であると理解できます。
    現場で、汗を流し、努力をかさね、苦痛があってもそれを乗り越えながら、強く生きていくことこそがよろこびであり、人類に与えられたルールだということになります。

    そしてもし、西欧の人たちが、神が与えた原罪なるものを、そのように解釈していたならば、おそらく西欧社会は、原罪とは180度違った社会になったでことでしょう。

    残念ながら、西欧社会では、ついに「労働しない人が自由人」という発想から逃れられずに現在に至っています。
    もしかすると、神様の目線からしたら、
    「おまえたちは、なぜこんな大事なことがわからんのだ。
     すこしは宮殿の中でみずから農業を行った
     マリー・アントワネットを見習いなさい」
    くらの感じになるかもしれません。

    言いたいことは、西欧の解釈が正しいとか、間違っているということではありません。
    このように、事実はひとつであっても、それについての見方や、ストーリーの解釈を変更することを、
    「初期条件の変更」
    といい、初期条件を変えることで、その後の人生や社会構造が変わるということを申し上げようとしています。

    たとえば、極貧の家庭に生まれて、子供の頃からすごく貧しい暮らしをしていました。だから私は不幸なんです、ということを初期条件にしてしまうと、その人の人生は一生不幸なままになります。
    なぜなら、不幸でいることを初期条件化してしまっているからです。

    ところが、「私は極貧の家に生まれました。最低の境涯でした。だからこそ、そこから這い上がることが楽しくて仕方がないのです」ということを初期条件にすると、その人の人生は、成長することをよろこびとする人生になります。

    旧約聖書の「原罪」も同じです。
    働くことが罪だ、ということを初期条件にしてしまえば、働かないことが幸せなことということになります。
    けれど人間、食べなければ死んでしまいますから、結果、誰か立場の弱い人を使役して食べ物を作らせて、これを奪うことが自由であることの証になります。

    けれど、実はそれは労働の喜びを命じたものであったのだ、と初期条件をリセットすると、ガーハの皆さんのような、働かないで、何億もの人の年収相当額を、個人で得ているような人たちこそが、神を恐れぬ傲慢な人たちという意味になります。
    そしてこのことは、社会構造そのものを変革します。

    日本を変えるとか、日本を取り戻すということも、実は同じことで、現在の延長線上で、文句ばかりを繰り返していても、実は何も変わらないのです。
    私たち一人ひとりが、「よろこびあふれる楽しいクニ」を目指し、霊(ひ)を大切にする意識に目覚め、シラスという古語を常識語に取り戻すことで、実は、戦後日本の初期条件がリセットされ、世の中が大きく進歩する原因となります。

    わたしたちは、そのために日々、勉強し、また語り合っているのです。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年生まれ。浜松市出身。上場信販会社を経て執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。またインターネット・ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。「歴史を学ぶことでネガティブをポジティブに」という理念を掲げ活動する。古事記・日本書紀・万葉集などの原文を丁寧に読み解き、誰にでも納得できる日本論を発信。

《著書》日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、その他執筆多数。

《動画》「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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