• 法より慣習が優先する国とは


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    日本の持つ道徳性を堂々と日本国内にとりもどし、むしろ世界中の善良な人々をその日本的な道徳や価値観、そして慣習にまきこんでいく。
    それこそが日本企業を強くするし、かつまた日本社会を安定させるのです。
    「法律の抜け穴集」みたいな本が売れたり、ネットページのアクセスが増えるような社会ではだめなのです。

    20211206 法律
    画像出所=https://www.hellocybernetics.tech/entry/2017/02/03/063338
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    小名木善行です。

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    以前、イシキカイカク大学の開講式で、危機管理専門コンサルタントの平塚俊樹(ひらつか としき)先生から、気になるお話がありました。

    要約しますと、
    「いま日本企業は海外の裁判で全敗である。
     負けるたび日本企業は
     数千億円の倍書金を取られている。
     いまや日本企業は競争力を失い、
     海外ではJAPANという名さえ聞かなくなった。
     なぜ日本企業が負けるのか。
     それは、法に対する考え方が、
     海外と日本ではまるで異なるからである。
     日本人は、法に書かれていることが守るべきすべてと思いこんでいる。
     しかし海外では、法より慣習が優先する。」

    たいへんショッキングな内容ですが、このお話を伺って、私なりに感じたことを書きます。

    実は、「法に書かれていることが守るべきすべてという思いこみ」というのは、戦後の日本にだけ通用している非常に歪んだ思考です。

    『ナニワ金融道』というマンガがありますが、お読みになられたことのある方ならおわかりかと思いますが、このマンガには、金貸し業者が、「法に民事の取り立て行為に規制がなければ、金貸しは取り立てのために刑法に触れる暴力行為以外なら、何をやっても許される」という思考のもとで行動する様子が描かれています。

    警察には民事不介入の原則がありますから、少々乱暴な取り立て行為が行われても、金銭の貸し借りをめぐるトラブルであれば、それは民事なのだから、警察は介入できないというものです。
    金融業者が、これをたてにとって、まさにやりたい放題の悪行を重ねるというのが、このマンガの特徴で、似たようなマンガに、テレビドラマ化された『極悪ガンボ』というものもあります。

    実は、こうした道徳や慣習よりも法が優先する。
    法に書いてないことならば、何をやっても許されるという思考は、いま日本人の生活をもたいへんに脅かしています。
    先般、慶応大学医学部の学生が女子大生を集団レイプした事件があり、証拠のビデオまでありながら、犯人たちは不起訴処分になりましたが、実は、これもまた道徳や慣習よりも法が優先するという、戦後の日本の誤った思考のもとに起きた不起訴処分です。

    強姦罪は今年7月に刑法改正があり、強制性交等罪となり、従来の親告罪から、非親告罪となり、執行猶予もつかない厳しいべナルティが課せられるようになりましたが、この事件はその改正前に起きた事件であったわけです。
    すると強姦罪が成立するためには、法的には、それが膣性交であること、被害者が13歳以上であること、本人の意思に反した強制性があること等が、構成要件となっていました。

    したがって、
    1 被害女性が警察に被害届を出さなければ、罪に問われない。
    2 膣以外の口腔、肛門での性交は罪に問われない。
    3 本人の意思に反していることが確固として証明されなければ罪に問われない。
    ということとされていたわけです。
    この慶応大医学生の事件の場合は、12の条件は満たしますが、3について本人の同意があったということが、加害者側から複数の証言等が出ることによって、強姦罪の適用がなされなかったわけです。

    被害女性はひとり、加害者側は複数で集団レイプしているわけですから、証言はいくらでもごまかせるわけで、そういう虚偽の証言があっても、虚偽かどうかが証明できなければ、裁判所は証言に基いて判決を出さざるをえない。

    このように、法の構成要件に該当しなければ、つまり法律に書いてなければ、何をやっても構わないというのが、戦後の日本の常識です。
    けれど、そのようなものは、世界中、どこの国に行っても通用しないのです。

    なぜか。
    「法より道徳や慣習が優先する」というのが、世界の常識だからです。
    女性が嫌がっているものを、無理に強制したのなら、レイプを横で制止せずに見ていた者も含めて、全員有罪です。
    あたりまえのことです。
    いやがる女性を強姦しても許されるなら、そんなものは、法の名にさえ値しない。
    それが世界の常識です。

    たとえ、民事の取り立て行為であったとしても、常識を越えた取り立ては処罰されてあたりまえです。
    むしろ、非常識な取り立て(金銭の回収のために女性をソープに売り飛ばす等)をするような業者を野放しにしておいたら、市民の平穏な生活そのものが破壊されるのです。

    ところが戦後の日本では、世界の植民地支配のセオリーに従って、原住民(日本人のことです)の言葉がわかる、現地の少数民族(在日のことです)に特権を与えて、その少数民族を経由して白人たちが当該国当該民族を間接統治するということが、戦後の占領政策の中で行われました。

    ところがその在日の本国では、自国の文化を破壊し、自国民を自国の政府が殺しまくるという不祥事が起きるし、日本国内では、戦勝国占領軍を気取った彼らが、調子に乗ってGHQの白人将校の子女まで強姦するという事件が相次いて起こりました。
    結果として、この政策は、占領統治期間の最初の3年だけで方向転換となるのですが、ところがその最初の3年間で力をつけた彼らは、あらゆる手段を使って自分たちを正当化し、かつ正当化のために、法をたてにとって、法に書いてなければ何をしても良いという非文化的な行動によって、様々な権益に手を伸ばして行ったわけです。

    いちばんわかりやすい例が、パチンコです。
    賭博の景品を、金銭に換えるという行為は、賭博喫茶がすぐに検挙される例を持ち出すまでもなく、あきらかに違法なものです。
    にも関わらず、パチンコ業界だけは、景品両替を行っても処罰されません。
    パチンコ店自身が両替をしているわけではないというのが、彼らの言い分ですが、それによって日本国内で累計で2百万人近い自己破産者が出ていながら、いまだ野放しになっているのは、パチンコの景品両替を取り締まるという法がないからだとされています。

    法があるとかないとかの問題ではないのです。
    道徳的にどうなのか、慣習的にどうなのかが問題なのです。
    それによって、悲惨な状態に追い込まれる人が現にでているのなら、それは処罰すべきことなのです。
    そして、それこそが世界の常識です。

    このことは、そもそも論として、何のための国なのか、何のための法律なのかを考えれば、すぐに結論が出ることです。

    日本企業が海外で惨敗しているのも、実はこの点の誤解が原因です。
    たとえば、日本製品や日本のキャラクター、あるいは意匠が、某半島国で模倣されたとします。
    これはあきらかな著作権違反行為です。
    そこで裁判になる。
    日本人は、著作権保護が当該国の法律にちゃんと書かれているから、当然裁判に勝てると思っている。

    ところが裁判で日本企業が負けます。
    なぜか。
    当該国の道徳や慣習では、他国の製品や意匠を真似ることは、むしろ自分たちの発展のための当然の行為と考えられているからです。

    たとえば原動機の動力によってクルマを走らせる自動車を最初に作ったのは、オーストリアのジークフリート・マルクスで、これをいまの自動車の形にしたのは、ドイツのダイムラーで1885年のことです。
    ところがいまでは自動車は、世界中で造られるようになりました。
    それらはすべて、模倣からはじまり、その模倣を自国内で発展させることによって行われているわけです。
    したがって日本発のゲームであれ、キャラクターであれ、それを真似て、人気を得、そこからさらに工夫して自国の文化になじませることは、国民生活向上のための当然の行動であって、日本側企業等の訴えは、訴権の濫用に他ならないというのが、彼らの主張であり、実際、裁判では、それが通用してしまうのです。

    そんな馬鹿なと思われるかもしれませんが、道徳や慣習の上に法が成り立っているのですから、むしろそうした考え方の方が、世界の趨勢であり、正しい法律認識というべきなのです。

    逆にいえば、道徳や慣習よりも、法が優先するなどという、お馬鹿な半島思考に日本人が染まってしまっている段階で、日本人は、すでに国際性のみならず、日本人としての文化性そのものを失ってしまっているのです。

    昔、金嬉老事件というものがありました。
    繁華街でライフル銃を乱射して2名を殺害した後、旅館に立てこもって宿泊客ら13人を人質に立てこもるというとんでもないことをやった犯人ですが、その犯人は「自分が在日二世として差別されたからだ」という主張をしました。
    これによって日本では、どんな悪辣な非道を行っても、差別された被害者を装えば、行為が正当化されるという、あきらかに反道徳的なおかしな慣習が生まれました。
    これなどは逆の意味で、おかしな慣習が法を凌駕しているケースです。

    いずれにせよ、戦後の日本における半島マインドに汚染された様々な歪みが、結果として日本企業の海外における活力まで削いでしまっているという現実は、私たちは直視しなければならないことだと思います。

    契約は守られないものなのだから、守らせるように常に脅しを監視をし続けなければならないとか、仕事をさせるためには、ショットガンを手にした見張りを付けておかなければならないとか、あるいは強姦致傷や殺人を犯しても、わずかな法の盲点をつけば、不起訴処分になるとか、そのような世の中は、実は、極悪人でもない限り、世界中の誰もが望んでなどいないものです。

    互いに助け合い、互いに信頼しあて、誰もが豊かにくらせるようになっていくこと。
    そういう社会こそ、実は人類普遍の、そして世界中の人々が求める理想社会の姿です。

    ならば、私達自身が、日本の持つ道徳性を堂々と日本国内にとりもどし、むしろ世界中の善良な人々をその日本的な道徳や価値観、そして慣習にまきこんでいく。
    それこそが日本企業を強くするし、かつまた日本社会を安定させるのです。
    「法律の抜け穴集」みたいな本が売れたり、ネットページのアクセスが増えるような社会ではだめなのです。


    ※この記事は2017年12月の記事のリニューアルです。
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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