• 一隅を照らす、照らし続ける


    ■□■━━━━━━━━━━━━━■□■
    新年最初の倭塾は、1月21日(土)13:30から江戸川区タワーホール船堀 401号室で開催です。
    参加自由で、どなたでもご参加いただくことができます。
    皆様のふるってのご参加をお待ちしています。

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    ひとりひとりの力は小さいけれど、みんなが集まり、それを続ければ、必ず巨大な事業を為すことができる。

    20230117 伝教大師童形像



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    小名木善行です。

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    「一隅を照らす」という言葉があります。
    伝教大師が桓武天皇に宛てて記した「山家学生式(さんげがくしょうしき)」にある言葉です。

    「径寸十枚
     是れ国宝にあらず。
     一隅を照らす
     是れ即ち国宝なり」

    意味は、
     直径3センチもある宝石十個(金銀財宝)が国の宝なのではない。
     世の中の一隅で暮らす人々が、その場所で精一杯努力して光りを放つこと。
     それこそが国の宝である。
    といったものとされています。

    原文は
     照于一隅此則国宝
    となっています。

    「一隅を照らす」と書きたいだけなら、「照一隅」で良いのです。
    けれど原文では、なぜか「照【于】一隅」と「于」の字が入っています。

    「于」という漢字は、長い刀の象形で、ここから長い、永いを意味するときに使われる文字です。
    ですから「于」にウカンムリが付けば「宇」になります。
    地球から観たら傘か屋根のように見える大空、星空は、じつは果てしない。
    だからウカンムリに「于」と書いて「宇」です。
    つまり「于」は、果てしなく続くことを意味します。

    ということは、伝教大師が「照【于】一隅」と、あえて「于」を入れて書かれたということは、
    単に「一隅を照らす」だけでなく、それを「照らし続ける」、「永遠に照らし続ける」と述べていることになります。

    よく講義などで、
    「ねずさんの話を聞いて感動したけれど、
     自分でどうしたら良いのか、
     何をしたら良いのかわからない」
    といったご質問をいただきます。

    答えは、「一隅を照らす」です。
    何か大きなことをするとか、世直しをするとか、そんな大きなことではないのです。
    それはあくまで結果であって、我々が日々すべきことは、その日その日に自分なりにできる一隅を照らすこと、しかもそれを、「照らし続ける」のです。
    結局の所、継続は力なり、なのです。

    すごい人、と呼ばれる人がいます。
    そうした人たちの、何がすごいのかといえば、それは「続けた」ことです。
    続けたからすごいのです。

    1億円の宝くじに当たったというのは、ただの偶然か運です。
    そのような僥倖を得ることができる人も、世の中にはあるのでしょうけれど、そのような人は、1億人にひとりなのです。

    そうではなく、日々コツコツと善行を積み重ねる。
    それをひとりではなく、みんなで行う。
    一億人が1円ずつ持ち寄れば、1億円になってしまうのです。
    それを30日続ければ、30億円です。
    10年で300億、100年で3000億円です。

    続けるのです。
    ほんのちょっとで良い。
    続けることが、実は「照于一隅」の意味です。

    現状を憂いても、すぐには何も変わりません。
    けれど憂いているのなら、一隅を照らす、照らし続ける。

    比叡山に、伝教大師の童形像があります(トップの画像)。
    この像は、全国の小学生が、当時のお金で1銭(いまの1円)を出し合うことで建てられた像です。
    小学生の1円が、これだけ立派な像になるのです。
    大人たちが力を合わせれば、どれだけのことができるのか。

    全国の大型一級河川には、広大な堤防があります。
    その堤防のほとんどは、まだ建設重機のなかった江戸時代に、地域の人々が力を合わせて、人力でモッコを担いで築き上げたものです。
    ひとりひとりの力は小さいけれど、みんなが集まり、それを続ければ、必ず巨大な事業を為すことができるのです。

    一隅を照らすは、「照于一隅」です。
    一隅を照らす、照らし続ける、のです。

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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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