• 敬神の詔と大調和の精神


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    「古来わが皇祖の天皇たちが、世を治めたもうのに、
     つつしんで厚く神祇を敬われ、山川の神々を祀り、
     神々の心を天地に通わせられた。
     これにより陰陽相和し、神々のみわざも順調に行われた。
     今わが世においても、
     神祇の祭祀を怠ることがあってはならぬ。
     群臣は心をつくしてよく神祇を拝するように」

    推古天皇
    20200602 推古天皇



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    第30代敏達天皇の即位14年春2月24日のことです。
    この日、蘇我馬子が流行病に倒れました。
    そこで占い師に問うと、
    「父のときに祀った仏を放置した祟り」との卦が出たのです。

    蘇我氏は大臣(おほおみ)ですから、この結果は天皇に奏上されます。
    すると天皇は
    「卜者の言葉に従って、父の神(=稲目が祀った仏)を祀りなさい」と詔されました。

    このときの病は、実は国中に広がって、多くの民が亡くなっていました。
    そのような情況の中で、天皇が仏を祀れと詔されたと聞いた物部守屋大連(おほむらじ)は、3月1日、中臣勝海とともに禁裏にまかり、主上に
    「なにゆえ我らの言葉を用いないのでしょうか。
     父天皇であられる欽明天皇から、
     陛下(敏達天皇)の時代に至るも病が流行して、
     国の民の命が絶たれています。
     それは蘇我臣が仏法を興しているからでございます」と奏上します。

    天皇は
    「それが明らかならば、仏法を止めよ」と詔されました。

    こうして3月30日には、物部守屋は自ら寺に詣出て、床几(しょうぎ)に座ると、寺の塔を切り倒し、これに火をつけ、仏像と一緒に焼き払いました。
    さらに焼け残った仏像を取って、難波の堀江に捨ててしまいます。

    この日は雲が無いのに風が吹き、雨が降っていました。
    物部守屋は雨衣を被りながら、蘇我馬子に従う仏僧らを詰問しました。
    さらに蘇我馬子が供えた尼たちを呼び寄せると、彼女たちを牢屋に預けました。
    牢番たちは、尼たちの三衣(さむえ)を奪い、縛り上げて市販の馬を叩く棒で、楚撻(そうち=鞭打)ちました。
    (便奪尼等三衣、禁錮、楚撻海石榴市亭)

    ところがそうまでしたのに、一向に疫病がおさまる気配がない。
    蘇我馬子は、
    「これは物部氏が仏像や仏僧らにひどい仕打ちをしたから、仏罰が下ったのではないか」と言い出します。

    こうして、6世紀の日本は、蘇我氏と物部氏の相克の時代となっていきました。。。。。

    と、以上は日本書紀にある物語です。

    結局、587年の丁未の乱で物部氏は滅ぼされ、この対立に決着が付きますが、それでも仏教と古来の神道との間には、その後も軋轢がきしみ続けます。

    そうした時代下にあって、593年、推古天皇が御即位され、聖徳太子を摂政に起きました。
    聖徳太子は、翌年2月1日に、三寶興隆の詔(仏教興隆の詔)を推古天皇の御名で発します。
    「三寶」とは仏法僧のことです。

    そして聖徳太子は、飛鳥寺、法隆寺(斑鳩寺)、中宮寺(中宮尼寺)、橘寺、蜂岡寺(広隆寺)、池後寺(法起寺)、葛木寺(葛城尼寺)、叡福寺、野中寺、大聖勝軍寺などを次々に建立していきます。
    こうして仏教界に完全に安心を与えた後に、聖徳太子は、

    607年2月、「敬神の詔」を推古天皇の御名で詔するのです。
    それは、
    「古来わが皇祖の天皇たちが、世を治めたもうのに、
     つつしんで厚く神祇を敬われ、山川の神々を祀り、
     神々の心を天地に通わせられた。
     これにより陰陽相和し、神々のみわざも順調に行われた。
     今わが世においても、
     神祇の祭祀を怠ることがあってはならぬ。
     群臣は心をつくしてよく神祇を拝するように」
    (朕聞之、曩者、我皇祖天皇等宰世也、跼天蹐地、敦禮神祗、周祠山川、幽通乾坤。是以、陰陽開和、造化共調。今當朕世、祭祠神祗、豈有怠乎。故、群臣共為竭心、宜拝神祗。)
    とするものでした。

    こうして我が国は、ご皇室は神道と仏教を見事に大調和させていくのです。
    この大調和の精神は、それから1400年以上経過した我が国において、いまなお生きている精神です。


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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

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