• 世界的に有名な、ただの門番の詩


    門番の兵士は言った。
    地上のあらゆる人間に遅かれ早かれ死は訪れる。
    ならば、先祖の遺灰のため、神々の殿堂のため、強敵に立ち向かう以上の死に方があるだろうか。


    20231203 門番



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    英国のマコーリー男爵といえば、初代トーマス・マコーリー(Thomas Babington Macaulay)のことを言います。
    政治家であり、歴史家であり、詩人でもある人でした。
    この人が書いた有名な詩に、『橋の上のホラティウス』という詩があります。
    ご紹介します。

    『橋の上のホラティウス』
    Thomas Babington Macaulay作

     門の守り手であった勇敢なホラティウスは言った。
     「地上のあらゆる人間に遅かれ早かれ死は訪れる。
      ならば、先祖の遺灰のため、神々の殿堂のため、
      強敵に立ち向かう以上の死に方があるだろうか。

      かつて私をあやしてくれた優しい母親のため、
      我が子を抱き乳をやる妻のため、
      永遠の炎を燃やす清き乙女たちのため、
      恥ずべき悪党セクストゥスから
      皆を守るため以上の死に方があるだろうか。

      執政官どの、
      なるべく早く橋を落としてくれ
      私は、二人の仲間とともにここで敵を食い止める。

      路にひしめく一千の敵は
      この三人によって食い止められるであろう。
      さあ、私の横に立ち橋を守るのは誰だ?」


    ホラティウスは、いってみれば「ただの門番の兵士」です。
    とるに足らない存在かもしれない。
    しかしその「ただの門番の兵士」が、悪党から皆を守るために死ぬことを名誉だと言っています。
    なぜならそれは、先祖ためであり、神々のためであり、母のためであり、妻のためであり、清き乙女たちのために戦って死ぬ名誉だからと述べています。

    誰しも戦いは嫌です。
    平和に安心して安全に暮らしていたい。
    けれど、その平和が、安心が、安全がおびやかされたときには、勇気を持って戦うことの大切さを、英国人のマコーリーは書いています。

    暴力には反対です。
    しかし理不尽な暴力に対して武力を用いて戦うことは、暴力ではありません。

    ある学校のクラスで、一部の生徒による他の生徒へのイジメが問題になりました。
    父兄が集められました。
    一部の親から、非行に走る子供に対して、
    「先生から厳しく体罰を与えてもらいたい」
    との要求が出されました。
    多くの父兄がそれに賛同しました。

    ところが、
    「体罰はいけない。
     ウチでは子供に体罰を与えたことなど一度もない。」
    と強硬に主張する一部の親がいました。

    このとき出席したあるお父さんは、帰宅後、奥さんにその話をしました。
    すると奥さんいわく、
    「その反対した親って、
     ◯◯君と◯◯君のお母さんたちでしょ?」
    「うん。どうしてわかるの?」
    「その子達がイジメの犯人なのよ」

    私たち日本人にとっては、しっかりした良い子に育てることが大事です。
    どの子も平等に厳しくしつけるのは、あたりまえのことです。
    我々日本人がしっかりしなければならないのです。

    ケネディ大統領の甥に、マックスウェル・T・ケネディという人がいます。
    彼は『特攻-空母バンカーヒルと二人のカミカゼ--米軍兵士が見た沖縄特攻戦の真実』という本を出し、その著書の中で次のように書いています。

    「彼らの最後の望みは、
     未来の日本人が特攻隊の精神を受け継いで、
     強い心を持ち、苦難に耐えてくれることだった。
     わたしたちは神風特攻隊という存在を、
     ただ理解できないと拒絶するのではなく、
     人々の心を強く引きつけ、
     尊ばれるような側面もあったのだということを、
     今こそ理解すべきではないだろうか。」

    「未来の日本人」とは誰のことでしょうか。
    私たちのことではないでしょうか。
    そして特攻隊として散華された二十歳前後の若者たちは、いまを生きている私たちに、

    「強い心を持て。
     苦難に耐え、
     尊ばれる生き方をせよ」

    と呼びかけてくださっているのではないでしょうか。


    ※この記事は2011年1月のねずブロ記事のリニューアルです。
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
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昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

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