あんぱんの開発と日本の発展



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偕行6月号あんぱん


上に掲げた写真は、偕行6月号に掲載された私の原稿です。
クリックすると大きくなりますので、お読みいただくことができます。

偕行は、旧、陸軍士官クラブである偕行社が発行する月刊誌です。
たいへん格調の高い本で、論者の方々も、読者の方々も、まさにホンモノの元帝国軍人の方々が集っておいでになります。
創刊は昭和26年にさかのぼり、あるいみ日本を代表するホンモノの保守の月刊誌ということができます。


ご購読は、偕行社の賛助会員となることで、できます。
会費は年間4000円(個人の場合)です。
お申し込みは↓コチラ↓からできます。
http://www.kaikosha.or.jp/nyuukai.html

さて、偕行社の会員の皆様のような立派な方々の機関誌に私のような一介の市井の者が原稿をご掲載いただくなど、まさにもったいないの一語につきることでほんとうに恐縮してしまうのですが、ご好意で、前々回の「インパールの戦い」に継いで、今回「あんぱんのお話」をご掲載いただきました。
たいへんありがたいことと、深く感謝いたします。

掲載された「あんぱん」のお話は、あんぱんが、西洋風のパンでなくて、実は純日本風のパンとして工夫を凝らされたものであること、そして明治のはじめに陸軍の軍用食となることで、いっきに全国に広がったことについて書いた短文です。

たいせつなことは、かつて日本に、どんな苦境に陥っても、何もかも失っても、それでもひとりでも多くの人に喜んでもらおうと、一生懸命にあんぱんの開発にいそしんだ人がいた、ということ。
そういう、人の苦心や苦労の末に生まれた甘く美味しいパンを、明治大帝が事情も知った上で、たいへんにお愛しくださったということ、そのことにより、あんぱんは、まさに日本を代表するパンとなったということです。

いま、大混乱する世相の中で、多くの日本人が、たいへん苦しい中、を生きるために戦っておいでになります。
なにがあってもくじけない心、なんとしても良いものを作ろうという日本人の心、そういうものを大切にしていきたいと思うのです。

先日、ある方から、ある大手家電メーカーの常務さんが口にされたお話を伺いました。
ちょっとまとめてみます。

~~~~~~~~~~
我々はどうしてスティーブ・ジョブスに負けたのか。
このことを真剣に考えないといけない。

無線電話にカメラをつけ、音楽をつけ、ワンセグをつけ、決済機能をつけと、お客様の声に耳を傾けてつみあげてきた。
しかしね、アップルの資料をみると、すでに1984年に今のiPodのようなものを構想してる。
かれらは愚直にずっと追求してきたんだ。

本当にお客さんにもたらさないといけないものは何なのか。
4年や6年で社長がかわるような日本の会社でこんなことができるか?

ものづくりを通して本当にもたらさないといけないことへの情熱、我々はこれで負けたんじゃないのか。
我々は、学校教育の現場から、この「情熱をもった人間」をそだてないといけないのじゃないのか。
要素技術はその後だろ。
~~~~~~~~~~

この言葉は、単にその大手家電メーカーの敗北という以上に、我々の日本という国の敗北を示唆しています。

なるほど戦後の我々は、業種を問わず、商品開発にあたってはアンケートなどで世論調査を行い、いま消費者が何を求めているかを把握し、数字化されたその資料に基づいて、開発計画を立て、新たな新製品の開発と当期売上と利益を確保してきました。

けれどこのことは、モノつくりという観点から見たら、「売れるものを<作る>」ための作業です。

これに対しアップルのジョブズさんらがやってきたことは、「新しい市場を<創る>こと」ではなかったかと思うのです。

ソニーが世界のソニーとなったのは、世界に先駆けたウォークマンの開発でした。
シャープが世界のシャープとなったのは、液晶画面の開発でした。
VTRにしても、DVDにしても、またこのブログで以前ご紹介した電卓やFAXの開発にしても、まさに新たな市場を<創る>ために、長年にわたる地道な研究開発を怠らなかったことが、まさに世界の市場を掘り起こす鍵となりました。

そこには企業の努力ばかりではなく、大学の研究室も、おおきな貢献を果たしてきたし、その研究開発を促進するための官民をあげた研究開発費の支給もありました。

昨今、やたらと「政治主導」なる言葉が蔓延していますが、こうした企業努力が可能だった背景にあるのは、決して「政治主導」ではありません。
むしろ「民間主導」で進められる夢や未来の創造のために、優秀な官僚が予算をとり、企業が資金を投じ、研究が促進され、その結果としてまったく新しい需要が喚起されて、巨大な市場が、そこに生まれたのです。

国会が左右の思想対立と称して、極端な言い方をすれば「政治ごっこ」に明け暮れている中で、民間の情熱と官僚の補佐が結果として、日本という国の高度経済の牽引役を果たして来ました。

日本が戦後大きな成長ができたのは、決して「政治主導」であったからではありません。
民間と官僚が互いに国家の発展のために智慧を出し切り、小さな努力を、情熱を持ってコツコツと積み重ねてきたからです。

そう。あんぱんと同じように、です。

とにかくサヨクの主張していることは、嘘ばかりです。
グローバリズムは結構な話だけれど、いち地域、同一文化圏にある欧州ですら、まとまらない。
ましてや、世界が統一政府になるなど、悪いけれどまだ数百年先の話です。

現代に生きる私達にとっては、家族あっての仕事だし、会社あっての生活だし、国家あっての日本社会です。
日本という国を大事にしないで粗末にするということは、会社を大事にしないで祖末にすること、家庭や家族を大事にしないで粗末にすることと同じです。

家族あっての仕事、会社あっての生活、国家あっての繁栄です。

目先のことももちろん大事です。
目先のニーズに応えることも大事でしょう。

売れるものを作って、目先の売上を上げる。
選挙民のニーズに応えて、票にする。
それはもちろん大切なことでしょう。

けれど企業活動において、新しい需要を創り出す、創造するという活動も、もっと大切なことです。
かつてシャープは創業時、日本で最初のラジオを創り、発売した。
ソニーも、もともとはトランジスタラジオが出発点でした。
トヨタは、豊田式自動織機の開発が、最初のきっかけです。

新たな需要の創造、新たな商品の創造は、開発も、販売もものすごく時間のかかる地味な作業の連続です。
それがうまく行くという保証さえありません。
99%ダメかもしれない。

けれど、そういう新たな市場の開発のための努力を、かつての日本は、本気になってやっていた。
そしてその集大成が、日本経済の大発展の原因となっていたという事実は、おそらく誰もが否定できない事実なのではないでしょうか。

政治も同じです。
人々の目先のニーズを満たすことも、もちろん大事なことだけれど、それ以上に、国家百年千年の大計をもって、未来の日本を築いて行く。

砂漠の真ん中に、行き先のわからない人々が、集まっていても、なにもできません。
人々は、砂漠の太陽に焼かれるだけです。何も産み出さない。
水や食料が不足したら、次々と死ぬしかなくなってしまいます。

その人々に、西に向かおう、東に向かおう!、積極的に水を求めて移動しようじゃないか、とリーダーシップを発揮するのが政治の本来の役割です。
そして人々が、一定の方向に進み出した時、集団としてのパワーが生まれる。集団内の助け合いも生まれる。
そして動けば、必ず結果が出る。

要するに、政治にとって最も大切なことは、未来の想像だと思うのです。

私達日本人は、あんぱんを食べます。
全部焼かれて、なにもかも失った中年のオヤジが、ただただ家族を養いたいと誠実に、毎日の研究開発に命を燃やした結実が、そこにあります。

そしてその大誠実が、天をも動かし、日本陸軍にあんぱんが採用となり、会社は大成長して、いまも存在する銘店となって、子孫たちを扶けています。

私達日本人は、人も企業も国も、あらためて原点に還るべきときにきているといえるのではないでしょうか。


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コメント

伝わる履歴書を書こう

No title
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

-

No title
>明治維新の真実:「薩長軍は、タリバンだった!?」
>2012/06/05(火) 12:29 | URL | 幌士 #Ul1qj5RM

なるほどいわゆる「ねずさん」と井口氏の論調は同一だったということですな。
 
>ねずさんのアンパンの記事がこんなところに
>このサイトは私がよく見るサイトですが
>2012/06/05(火) 17:31 | URL | masa

井口氏のサイトをよく見る時点で即にあなたは陰謀論者ということになります。まあ私個人的には日本を極めるという意味においては両方支持するのですが。

豊田 恵里子

No title
ねずさん、いつも元気がでるお話をありがとうございます。
私は、何か世の中が、おかしいな居心地悪いなと思って生きていました。
それが、ねずさんのブログを読みだしてから、これだっ
たんだなーと理解できました。
日本のために、どうぞこれからも、よろしくお願いします。
応援しています。署名もさせていただきました。方法を教えてくださって助かりました。

ハギノ

No title
ねずさんの「私達日本人は、人も企業も国も、あらためて原点に還るときにきている」の言葉に賛成します。日本の国柄を大切にすること、日本流で成功することも多々ありますものね。
rights008さん、ビデオレターありがとうございました。私も平沼さんの著書にて小泉元総理のポピュリズム、郵政改革を嫌っているのを知っていました。地元岡山の田舎の方のことを想う気持ち、国民を想う気持ちは半端ないです。日本の国柄を考え、政治生命をかけてお仕事されていて、私が最も尊敬できるところです。亀井さんも少しおしゃべりですが、創価が大嫌いで正義感が強い政治家です。石原知事といい、まだまだ日本はベテランの政治家が必要ですね。もっとメディアで取り上げられなければならない事が多すぎます。

masa

ねずさんのアンパンの記事がこんなところに
このサイトは私がよく見るサイトですが驚いたことに
今日のねずさんのアンパンの記事が載っておりました。
このサイトのブログ主とねずさんは知り合いですか?
でなければねずさんの記事を勝手に引用したことになります。
サイトはここです。  ↓

       http://quasimoto.exblog.jp/

ねずさんのアンパンの記事は一番最後に出てきます。

rights008

B層政治家たちの欺瞞を告発
郵政民営化改正の手柄を横取りした卑怯な政治家に関して、平沼赳夫先生がビデオレターで真実を証言しています。
http://www.youtube.com/watch?v=XIUwlgc0LsY

カミーユ

No title
パクって簡単に物を作り、売れればいい。っていう会社が多すぎ。
何年も何年も時間をかけて、開発し、やっと認知され売れるようになる。
その苦労を端折って、売れた物を真似て商品を簡単に作り、目先の売り上げに大喜び。
そういう会社は長くは続かないでしょう。
自分達はいちから物を作れないんだから。

-

若い潮流
【討論!】思想・論壇に新しい潮流は生まれたか?[桜H24/6/2]
パネリスト: 倉山満(国士舘大学講師) 佐藤健志(作家・評論家) 柴山桂太(滋賀大学准教授) 中野剛志(評論家) 古谷経衡(著述家) 三橋貴明(経済評論家・作家)渡邊哲也(作家・経済評論家)
司会:水島総
1/3 http://www.nicovideo.jp/watch/1338524321
2/3 http://www.nicovideo.jp/watch/1338524052
3/3 http://www.nicovideo.jp/watch/1338523732


元京都大学大学院准教授中野剛志氏「「秋の思想」に思いを馳せて…等身大で闘い続けた一年余を振り返る」
http://www.choujintairiku.com/nakano11.html

西田昌司X中野剛志対談「ギリシャ危機と日本経済について」
http://www.choujintairiku.com/nishidanakanotaidan.html


みやび

今、求められているもの。
いつも素晴らしいお話しをありがとうございます。

今日のブログの
<砂漠の真ん中に、行き先のわからない人々が、集まっていても、なにもできません。

から

そして人々が、一定の方向に進み出した時、集団としてのパワーが生まれる。集団内の助け合いも生まれる。
そして動けば、必ず結果が出る。>


という部分に大賛成です♪

ならば、ねずさん
保守ブロガーとして、私たちが迷子にならないように、よろしくお願いいたします。

<アップルのジョブズさんらがやってきたことは、「新しい市場を<創る>こと」>

のように
新しい保守層を開拓し、<創る>ブログをお願いいたします。

ねずさんなら、できます!

楽しみにしておりますね(^.^)V

-

No title
>我々はどうしてスティーブ・ジョブスに負けたのか。
>このことを真剣に考えないといけない。

 肝腎なことはソニーのネットウォークマンはコンテンツ企業となったソニーが著作権保護第一になり消費者の目を見ていなかったためにアップルに敗れたということです
 携帯電話もパソコンの辿った道からソフト主導のスマ-トフォンの天下になることは予測されていたことでそれができなかったのはメーカーが通信キャリアの下請けで先のソニーと同様すっかり官僚化してしまったためにできなかったのです、つまり官僚化の弊害から崩壊したソ連などの社会主義国の問題は今現在のなぜ失われた20年になってしまったかという日本の問題でもありサヨクを否定すればいいというものではないのです、家電、コンピューターだけではなく多くの業界でいえることで本日の記事はその肝腎な点について触れておらず不充分ではないでしょうか

>ものづくりを通して本当にもたらさないといけないことへ>
>の情熱、我々はこれで負けたんじゃないのか。

いくら個人が熱心に頑張ってもシステムがそれを駄目にしてしまうのが官僚化の弊害というもので誰もが真剣に考えて乗り越えなければならない問題です

しんじ

お礼
ねずさん
慰安婦碑の署名にご協力いただきありがとうございます。
現在25700で規程の数はクリア出来ているようです。
みなさまのおかげです。この場をお借りして御礼申し上げます。
ただ、これは第一歩です。これからも戦いはずっと続きます。
今後ともご支援ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。

幌士

明治維新の真実:「薩長軍は、タリバンだった!?」
明治維新の真実:「薩長軍は、タリバンだった!?」
http://quasimoto.exblog.jp/18119707/

↑のブログでねずきちさんの今日の記事紹介されています。
良かったら立ち寄ってみてください。

masa

No title
慰安婦の碑撤去の署名は現在あと170名程です。
昨日の時点で2000名ぐらいでしたから今日中に
達成できると思います。
ねずさんが呼びかけをし、皆さんが署名の仕方を
教え合い、協力し合った結果です。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』
最新刊
『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』
『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』

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