縄文の女神



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遮光器土偶-1


「土偶(どぐう)」と聞くと、多くの方がすぐに思い浮かべるのが、上の写真にある遮光器土偶(しゃこうきどぐう)ではないかと思います。
この土偶は、眼玉が横線になっていたり、着衣が妙に膨らんでいて細かな絵柄が描かれていることから、宇宙人飛来の痕跡なのではないかとか、中には頭頂部が空いているタイプの土偶もあって、これはガンダムのような古代ロボットにちがいないとか、いろんなことがいろいろな人によって言われていて、とてもおもしろいです。

この土偶は発見も早くて、江戸時代の初期(1622年)に、たまたま津軽藩の2代目藩主が城をそこに築こうとしたとき、丘から大量の土偶や土器、甕(かめ)などが出土したときのものです。
そこで岡(丘)から甕(亀)が発見されたので、そこらへん一帯が「亀ヶ岡遺跡」と呼ばれるようになりました。場所は青森県つがる市です。

遺跡の遺物の保存や保管が大切なものとは、あまりされていなかった時代のことです。
このため発掘された遺物の多くが持ち出されてしまいました。
遠くオランダにまで売られて行ったものも多数あるそうです。
散逸した遺物は、1万点を超えるともいわれています。残念なことです。
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書 名:ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人!
著 者:小名木善行
出版社:彩雲出版
価 格:1,470円
発売日:2013/11/10(予定)
ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人!101

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実は土偶というのは、他にもたくさんの種類があります。
びっくりする土偶に、「縄文の女神」と呼ばれる土偶があります。
女神は2種類あり、どちらも縄文中期(4000〜4700年前)のものです。
ミロのビーナスは、2000年ほど前のものですから、その倍以上古いものです。
ちなみに冒頭の遮光器土偶よりも、さらに1000年以上古いものです。

縄文の女神のうちひとつは、妊婦のような姿をしています。
長野県茅野市の棚畑遺跡のものです。
高さは27cmです。

縄文の女神(1)棚畑遺跡
棚畑遺跡


もうひとつの女神は、実は、これがすごいのですが、山形県舟形町西ノ前遺跡から発掘された高さ45cmの大型の縄文の女神です。
実に美しいカタチをしています。
いまから4700年前のものです。

縄文の女神(2)西ノ前遺跡
西ノ前遺跡


縄文時代の土偶は、実は日本全国で15000体ほど出土しています。
なかでももっとも古い土偶は、三重県松阪市飯南町粥見井尻(かゆみいじり)遺跡で見つかった縄文時代草創期(約1万2,000年)のものです。
同タイプで、こちらも2点あります。

最古の土偶(粥見井尻遺跡)
粥見井尻


たまたまネットを見ていたら、昔の新聞に掲載された「土偶の変遷」という絵がありましたので、ご参考に掲載しておきます。
土偶の変遷
土偶の変遷
(クリックすると大きくなります)


縄文時代につくられた土偶総数は、約3千万個にもなるといわれています。
何のために作られたのか、どういう用途に使われていたのか、おそらくは何か意味のあるものであったろうし、さまざまな説があります。
そもそも土偶は男なのか女なのかという議論もあります。
土偶は女性であるという学者さんもいれば、そうとは限らないという学者さんもいて、それぞれの論説はたいへんおもしろいものです。

土偶が完全な形で発見されることは、まずありません。
常に、バラバラで、発見されます。
そんなことから、私は、土偶女性説を採っています。

もちろん、土偶に乳房があったり、お尻が張っていたり、女性性器が刻まれていたりするから、ということあります。
けれど土偶は、ただの女性ではなく、どの土偶も、顔より、むしろお腹や乳房や性器などが強調して作られているように見えます。
つまり土偶は、妊婦なのではないかと思えるのです。

女性の妊娠、出産は、昔はとてもたいへんなことでした。
子供が無事に生まれるということだけでなく、母体も危なかった.。
その両方が無事であることは、なによりも切な願いであったろうと思います。
そして土偶は、ほぼすべての土偶が、破壊された状態で見つかっているわけです。

ということは土偶は、女性が妊娠した際に、無事な出産を願って、身代わり人形として作られたのではないか。そんな気がするのです。
つまり、女性が妊娠する。
するとその女性を型どった土偶(人形)を一体用意し、出産の際や、妊娠悪露などで母体が危なくなったときなどに、その土偶を破壊して、身代わりに神様のもとに行ってもらう。
つまり、身代わり本尊のようなことに土偶は作られ、使われていたのではないかと思うのです。

実際、いまでもある「お守り札」などは、中に板が仕込まれていて、何かのときに身代わりに割れることで、それを所持する人の命を守ります。
まして、妊娠出産となれば、これは一生の一大事です。
身代わりのために土偶が作られ、身代わりに破壊されたとしても、おかしくないし、ほぼすべての土偶が破壊された状態でしか発掘されていないという事実、土偶が女性の乳房や性器を明確に描き、しかも全身がまるで神様への捧げものであるかのように、装飾されていることを考えれば、土偶身代わり説は、否定できないものであるように思えます。

そして、女性の妊娠、出産のために、これだけたくさんの土偶が作られていたということは、子を産むという、神秘的能力を持つ女性が、古来日本ではとても大切にされていたということでもあります。

縄文時代というのは、前にも書きましたが、武器が出土されない時代です。
日本全国に縄文時代の遺跡は、お近くのなんとか貝塚を含めて、全国に数万カ所という途方もない数がありますが、いまだかつて、対人用の武器はひとつも発見されていません。

なるほど、矢じりや石斧は、たくさん発掘されていますが、いずれもカタチが小さく、どうみても小動物を射たり、加工用の道具として使用した斧でしかなく、大型動物である人が、人を殺すため、戦いの道具としての土器や石器、木片は、いまだかつてただのひとつも見つかっていないのです。

その一方で、馬に食わせるほどたくさん見つかっているのが、ブレスレットとかアームリング、ネックなどの女性用の装身具です。
古来、貝殻や石などの固いものを加工するのは男性の役目であり、女性は布や花冠などのやわらかなものを加工し、身を飾るのが得意です。

そして、縄文時代の平均寿命が24歳くらいだったということなどを考え合わせると、おそらくは、男性が好きな女性をゲットするために、一生懸命貝殻などを加工して、「私の妻になってください」と、それを女性にプレゼントする。
女性は、それを受け取って、男性の妻になる。
そして子をもうけ、24歳くらいといえば、まだまだ夫婦ともラブラブの状態で、永遠の別れが訪れる。
だから、不思議なことに、縄文時代の女性の人骨は、ことごとく、装身具をまとったままで発掘されています。
つまり「私、永遠にあなたのものよ」というわけです。

まえにご紹介しましたが、足形付き土器なるものも発掘されています。
土で幼な子の足形や手形をとって、焼いて土器にしたものです。
これなども、おそらくは(昔は子供はよく死んだので)失った子供を偲んで、その思い出をたいせつにとっておいたものなのであろうと考えられています。

そういう、女性や子供をとても大切にした社会が、実は日本では、縄文時代という2万年近く続いた長い長い時代の中で、綿々と育まれてきたわけです。

最近では、結婚したカップルのことを「夫婦(ふうふ)」といいますが、これなども、戦後の言葉です。
戦前までは、「めおと」と言いました。
漢字で書いたら「めおと」は「妻夫」です。妻が先です。

男性は、妻のことを「かみさん」と呼びます。
家の神様だからです。
そしてなぜ神様なのかというのは、縄文時代の土偶をみたらわかります。
子を産む力は、女性にしか備わっていないからです。
命を産み出す力は、神様の力です。

ところがいまから1400年ほど前に渡来した仏教では、女人五障説などというものがあって、女性は穢れていて精神的向上ができず、成仏も悟りを開くこともできない、などと説かれたりしているそうです。
そうでなく、女性が悟ったときには男性より高みに登れるという宗派もあるのだそうです。

キリスト教では、イブは、アダムの肋骨の一本から生まれたもので、神の戒めを破ってリンゴの実をかじり、エデン追放の原罪をつくり、さらに有名なマルチン・ルターは、「女児は男児より成長が早いが、それは有益な植物より雑草の方が成長が早いのと同じである」という言葉を残しているのだとか。
よく西洋では、レディー・ファーストといって、女性をとても大切にするなどという人がいますが、その哲学の根源になっている宗教観では、明らかに女性蔑視の思想があるように見受けられます。

イスラムでは、コーランに、「女は男の所有物である」と書かれているのだそうで、仏教、キリスト教、イスラム教のいずれにおいても、不思議なことに男女は「対立的な存在」として描かれているようです。

ところが日本には古来、こうした「対立」という概念がありません。
男女は「対立」するものではなく、「対等」な関係であり、共存し、共に励んで栄える存在です。

女性には子を産む力が備わり、男性には体力があります。
女性が安心して子を産み育てることができるよう、外で一生懸命働いて、産屋を建て、食料を生産し、互いに役割分担して共存し協力して、たいせつな子孫を産み育む。
ですから現代日本においてもなお、日本人の家庭にあっては、夫も妻も、互いに相手の尊厳を認め合い、助け合い、支え合う対等な存在と、現実には一般に認識されています。

だいたいキミマロ漫談でないけれど、結婚前には「俺は亭主関白になる」などと大見得をきっていた旦那も、頭に白いものが混じるくらいの年代になると、その間に外でした色々な失敗が全部女房にバレていて、次第に頭が上がらなくなり、定年退職して家にいるようになると、多くの場合、出しても誰も持ってってくれない粗大ゴミになる。
世界中どこの国でも同じ態様です。

要するに、男女とも、同じ人です。
ただ、性差から来る役割が違う。
互いの違いをきちんとわきまえて、互いにできることを最大限活かし、助け合って生きる。
それが「対等」ということだし、人としてあたりまえのことです。

男尊女卑だとか、女尊男卑だとか、あるいはジェンダーフリーだとか、基本的に「対立」がその発想のもとになっています。
けれど、そもそも「対立」と考えること自体が間違っているわけで、たいせつなことは、互いの違いをしっかりとわきまえ、お互いにできることできないことを区別して、互いの良い点を活かしていく。
根っこのところに、そういう「対等」という観念がないから、話がおかしな方向にすすむのだと思います。

一万年以上もの昔から、女性にある種の神秘を感じてきた日本人。
男女とも互いに対等であり、互いの違いをきちんと踏まえて、お互いにできる役割をこなしていくことで、共同体としての日々を重ねてきた日本人。

日本人の知恵は、この何十年かに外来でけたたましくおこっている女性差別云々などよりも、はるかに深くて温かいものなのではないかと思います。

これからの日本は、単に「外国でこう言っているから」という、外来文化をただ無批判に受け入れるだけではなく、日本的文化や価値観を、逆に世界に向けて堂々と発信していくことが必要なのではないかと思います。
これからの時代、ますますそういう姿勢が、日本には求められる。
そのように思います。

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西の前遺跡


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