幕末の群像



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10月6日に、ねず本を出版社さんにご注文いただきました皆様、ありがとうございました。
昨日、すべての発送を終えたとのことですので、今日明日くらいには、皆様のお手元に届くと思います。すごく読みやすいです。お楽しみになさってください。
なお、書店さんでの発売は11月7日以降となります。都市部の大手書店さんは店頭に並ぶと思いますが、地方などでは書店さんの店頭に行き渡るまでは、まだまだ日数がかかろうかと思います。その場合、直接書店さんにご注文いただくのがベストです。


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幕末異人警護のために集う幕府旗本


今日は、明治天皇のお誕生日です(旧暦:嘉永5年9月22日)。
今日は、文化の日で祝日となっていますが、残念ながら私には「文化の日」といわれても、それが「何の文化」の日なのかさっぱりわかりません。
ですが、明治天皇のお誕生日といわれれば、スッと納得できるし、国旗掲揚も、ごく自然な気持ちで行えます。
国民の祝日という以上、もっとわかりやすい祝日名に戻すべきではないかと私には思えます。

さて、明治天皇がお生まれになられた嘉永年間といえば江戸時代です。
その江戸時代は、実はとても治安の良かった時代です。

以前にも書きましたが、テレビドラマ「暴れん坊将軍」で有名な将軍吉宗の時代である享保年間の20年で、江戸の小伝馬町の牢屋に入れられた収監者は、まる20年間を通じて、0人です。

これは何も、お役人がさぼっていたわけではなくて、本当に、犯罪をする人自体がいなかった。
当時の江戸には、だいたい200万〜250万人が住んでいて、これは当時としては世界最大の大都市です。
それだけの大都市にあって、しかも地方からの流入人口がたくさんありながら、犯罪そのものがなかったというのは、まさに、驚異に値します。

こうした江戸やその他の日本の都市での異常なまでの犯罪率の低さや、治安の良さは、明治の初め頃に日本にやってきた外国人たちも、まさに驚嘆していて、そうした外国人からの質問に対し、初代東京市の市長であった後藤新平は、「民の徳性が高いから」と、その理由の説明をしています。
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江戸時代は、約270年続いた徳川の治政ですが、その270年間に発生した犯罪件数は、いまの日本の1年分にも満たないとさえ言われています。
それだけ治安の良い社会が、私たちの日本では、かつて営まれていたのです。

ところが、その江戸時代においても、殺人が横行した時代がありました。
それが幕末動乱の時代です。

とりわけ京の町に新撰組が創設された頃の文久年間(1861〜1864)頃は、京の町を中心として浪士達が互いに斬り合いを行い、天誅と称して敵方と見なされた浪士が殺害され、四条河原などで首を晒されたりしました。

なにもそこまで、と思ったりもするのですが、このように治安が極端に悪化した背景としては、もちろん、尊王攘夷とか佐幕開国派との争いなどが背景にあったのですが、もうひとつ、忘れてはならない理由があります。
それが「天保の飢饉」です。

天保年間の飢饉というのは、江戸時代後期の天保4(1833)年から天保10(1839)年まで、まる6年も続いた大飢饉です。
被災者数は、「徳川実記」によると当時の飢民数が全国で265万人、餓死者は97万人に達したと書かれており、その規模の大きさは、おそらくは我が国史上最大規模のものであったろうといわれています(諸説あり)。

当然のことながら、家そのものが食べれないという環境の中で、特に貧しい下級武士たちなどは、この時代、たいへんに苦しい生活を余儀なくされていました。
家自体が食うや食わずですから、教育もちゃんと受けれなかった子供たちが、この時期たくさん出たわけで、そういう意味では、比較的教養に乏しい、本来受けるべき教育を、幼いころに受けれなかった子供たちが、これはたいへんに残念なことですが、たくさん出てしまったのも、この天保年間であったわけです。

けれど、社会の中心が、しっかりとした教育を受けている世代が担っている間は、少々無教養な子供たちが現れたからといっても、世が乱れることはありません。
問題は、そういう、ちゃんとした教育を受けれなかった子供たちが成人し、社会の中心となって、新たな子供たちを教育する立場に立ったときに起こります。

天保年間に、いまでいうなら小学生時代を過ごした子供たちは、文久年間(1861〜1864)には20代の若者達です。
当時の社会は、20代から30代前半くらいの若者達が社会の中心層をなした社会ですから、本来なら、この子供たちが、まさにしっかりとした治政を引き継ぐ立場にあったわけです。

もちろん、立派な武士たちも、この時代、たくさんいたわけですが、残念なことに、十分な教育を受けることなく育ってしまった若者達も、文久年間にはたくさんいたわけです。

教育の根幹は、「人間としての品格を育てるということ」にあります。

昔の寺子屋教育というのは、いまの小学校と同じ、だいたい6歳で入学するのですが、そこで最初に習うのは、まず、寺子屋内での挨拶や礼儀作法です。
次いで習うのが、習字。
これには、漢数字の書き方を通じて、筆の使い方や、字を丁寧に書くこと、そして同時に算数を習っています。

そしてここからが実におもしろいのですが、寺子屋教育の次の柱が、方位(ほうい)と名頭(ながしら)です。

「方位」というのは、その寺子屋を中心として、四方八方の呼び名と、それぞれの方角にある地名を習うもので、実にユニークなのは、それぞれの地名の由来などを、お師匠さんが教えてくれたことです。
たとえば、元城町とか鍛冶町、麹町、人形町、紺屋町、伝馬町などという町名があれば、その名と、由来を教わる。

いまどきは、たとえば横浜市や神戸市に住んでいる人はたくさんいますけれど、自分の住んでいる町や市が、どうしてそういう名前になっているのかを知る人は、ほとんどいません。
考えてみると、これは実に恥ずかしいことです。
これを寺子屋では教わった。

もうひとつの「名頭」というのは、一緒に学ぶそれぞれの生徒の持っている名字を教え、その名字の由来を、ひとりひとりについて教えたわけです。
たとえば、伴(ばん)という姓の子供がいれば、「伴君のご先祖には、戦国時代に有名な伴団右衛門という人がいてね・・・」と、これをひとりひとりについて、全部、やる。
すると同級生同士が、まるで尊敬するご先祖のオンパレードになるわけで、子供たちはこれをたいへん誇りに思うわけです。
そして、そういう立派なご先祖に近づける自分になろうとするようになる。

この「方位」や「名頭」が、目指したものは、要するに子供たちのアイデンティティの育成です。
そういうアイデンティティを幼いころにしっかりと身に付けた子は、大人になっても、自然と自らを律し、より良い生き様をしていくようになる。
要は、自然と徳性が身に備わるわけです。

考えてみると、武士も町民も農民も、日本国中がそういう教育を受けて育つわけですから、そりゃあ、民度が高くなり、国民の徳性が高くもなるわけです。

ところが、残念なことに、天保の飢饉は、一部の子供たちから、そういう高いレベルの教育を受けるべき機会を奪ってしまったわけです。

アイデンティティが正常に獲得されないと、人は成人してから、たいへん不安になります。
自己の精神を帰属する先がみつからなくなるからです。
すると、人は、カルトにはまったり、極端な政治的偏向に走ったりするようになったりします。
これは勉強ができるとか、頭がいいとかいうこととは、まったく別次元のことです。
ひとつの例が、オウムの幹部たちでした。

同様に、天保期に、少年時代を迎え、ちゃんとしたアイデンティティを獲得できなかった一部の子供たちが、まさに成人したのが、実は文久年間でした。

ですから、その子供たちは、自己の帰属先がなく、結果として極端な攘夷思想や、天誅思想へと走りました。
そしてこれが時代を変えるエネルギーとなっていきました。

熱くなり、脱藩して京の都へ向かい、そこで仲間内での天誅騒ぎの刃傷沙汰を繰り返したわけです。
(天誅組の話とは異なります。いわゆる不逞浪士の話です)。
歴史というのは、マイナスの面ばかりではありません。
そういう過激さや激しさが、一定の思想の元に集約したとき、時代の流れが大きく変わるからです。

同じ世代でも、吉田松陰や武市半平太のように、しっかりとした思想を身につける人が出てきます。
そしてそういう人たちが、若者達を教導したときに、明治の維新が起こっています。

つまり、ちゃんとした人間教育を受けれなかった行動派と、しっかりとした教育を受たことによる行動派、この二つが重なった時代に、実は、日本では新幕府の成立や明治新政府の成立などの大きな政変がおきています。

私たちは、戦後の平和と高度成長、そして豊かな日本という社会のありがたさを享受した世代ですが、バブルの頃から、実は教育環境の二局分化が起こったと言われています。
その二局に育った若者たちと、戦前の日本の良い部分と、戦後日本の良い部分という二局の二つが、これからいよいよ高次元に融合され、新たな未来が拓ける、そういう時代にはいってきています。
日本は変る。
そういう端境期(はざかいき)に、いま、私たちは立っています。

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コメント

猫めでる婆

御本届きました
ねずさん

先ほど御本が届きました。
今夕食の準備中なので、食後にゆっくり拝見させていただきます。
中山成彬先生のご推薦のお言葉「日本人に生まれて本当によかったと思える本です」を見て、今年文化勲章を受章なさった高倉健氏も「日本人に生まれて本当によかった」とおっしゃっていたことを思い出しました。
日本国に日本人として生まれたのは、大変幸運なことです。
数年前、私は左手で老眼鏡のつるを持ち上げ右手に持ったティッシュペーパーで涙をぬぐいながら、ねずさんのブログを拝見しておりました。
泣いているのか、読んでいるのかわからない有様でした。
自虐史観に捕らわれていた自分が恥ずかしくて、靖国神社を軽んじていた馬鹿さ加減が悔しくて、マスゴミに騙されて左巻きな人生を歩んだことも切なくて、わんわん泣きました。
ご英霊に申し訳ないと12月8日に靖国参拝の計画したら、前日から涙がボロボロ流れる始末で、未だ大東亜戦争開戦記念日の参拝は果たせておりません。
末筆ながら、ねずさん、本当に日本人のためになる御本を上梓して下さってありがとうございます。
どうぞくれぐれもご自愛くださって、シリーズ化してくださいませ。

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No title
>戦前の日本の良い部分と、戦後日本の良い部分という二局の二つが、これからいよいよ高次元に融合され、新たな未来が拓ける、そういう時代にはいってきています。

保守系の方々によく見られるのが「戦前の日本への回帰」なんですね。
この部分に共感出来ないでいたのです。
戦前に生きていない人達が「戦前の日本」の、自分にとって都合の良い所だけを切り取って未来を築こうとしてはいないか?と。
戦後の日本を全否定したら、日本人の能力を馬鹿にしているのと同じです。
洗脳教育を受けていようと、人生の中で、自分で直接見て、経験して、感じて、考え、選択した結果が現在なのですから。戦後の日本の文化や慣習も次世代に受け継いで良い事もある筈ですよね。

別件ですが、お見知りおきください
沖縄ではイギリスのオーディション番組の沖縄版をやっているらしい その番組で、昨日、放映されたばかりの映像です。

沖縄で天才少女出現! 13歳です。中学1年生。
一見内気そうな少女がステージで豹変!

山田なづ Nazu Yamada STAGE2 - X Factor Okinawa Japan
http://www.youtube.com/watch?v=nSvLig7B5u0

一有権者

No title
社会の中心が、しっかりとした教育を受けている世代が担っている間は、少々無教養な子供たちが現れたからといっても、世が乱れることはありません。
問題は、そういう、ちゃんとした教育を受けれなかった子供たちが成人し、社会の中心となって、新たな子供たちを教育する立場に立ったときに起こります。

いままさにねずさんが仰ったような時代なのだと思います。
自国への敬愛がなわれないような教育を受けた者達が親になりそのような教育を行った者達にブーメランになって帰っていく。
モンペなどは典型的な例ではないでしょうか。

とにかく教育は大事であり本当の日本の歴史を教えシナ、朝鮮の捏造した主張を事実のように教える教師や教科書を使うべきではありません。

ひろし

更新ありがとうございます。
ねずさんの本アマゾンで注文しました。
もうすぐ読めるのですね。楽しみです。人はアイデンティティーに誇りを持てないと浮き草の様な人生に成ります。 どこに自分の存在価値を置くのか、よく見極めなければなりませんね。

terag3

昔の寺子屋教育の内容について
昔の寺子屋教育の有益性については最近、私たち仲間内でも良く論議されていますが、その内容については、挨拶、礼儀作法、習字、算数う(読み書きソロバン)だけだと思っていました。

それがねずさんのお話では、方位(自分の住んでいる)町の名前とその由来、そして名頭(生徒の名前)の由来、つまり、そのご先祖様のことまでも教えてくれて、それが、アイデンティティの育成になるのだというお話でした。

この2点については、恥ずかしながら、まったく知りませんでした。それにしてもそれを現代に当てはめてみると、通名などもあるため、生徒全員にまでは出来ない事だろうと思います。

それにしても、この確固たる、アイデンティティが育成され無くなったがために、現在は、カルトに嵌ったり、極端な政治的偏向に走ったりするのだと言う説に同感です。

今や、幼稚園時代から英語教育だのと、教育者づらして、とんでもないことを言うやつがいます。

まずは幼稚園~小学校低学年は、挨拶、礼儀作法、そして日本語の読み書き、そして算数を徹底的に教えるべきです。そのうえで小学校高学年から中学生には外国語を教えても良いと思っています。

幼稚園時代から英語をと言う人は、幼児の内に英語を教えた方が上達が早いと思っているのでしょうが、それは確かに言えるかもしれませんが、まずは日本の事を徹底的に教えて行かねば、日本人としてのアイデンティティが育成できないと言うことに気付かねばなりません。

ねずさんが、仰るように、戦前の良いところと戦後の良いところを合わせて新たな未来が拓けると言うことに心から期待したいと思っています。良いお話を有難うございました。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』
最新刊
『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』
『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』

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