ブロードウェイのサムライ

ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!第二巻「和」と「結い」の心と対等意識
2014/04/12発売 ISBN: 978-4-434-18995-1 Cコード:C0021 本体価格:1350円+税 判型:四六 著者:小名木善行 出版社:彩雲出版 注文書はコチラをクリックしてください。
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ブロードウェイの行進


1860年(万延元年)6月16日、米国ニューヨークのブロードウェイに、日本の武士たちが現れました。
日米修好通商条約の批准書交換のために江戸幕府によって派遣された外国奉行、新見正興ら80余名が、ブロードウェイを馬車で行進したのです。

このときの様子を見た米国の詩人ウォルター・ホイットマン (Walter Whitman)が、その武士たちの姿に感動して書いた詩が、「ブロードウェイの行進(A Broadway Pagent)」です。

==========
西方の海を越えて
此方へ
日本から渡米した
謙虚にして
色浅黒く
両刀を差した使節たちは
無帽にして臆せず
無蓋の四輪車に反りかえり
今日
マンハッタンを
練って行く
言葉の巣窟、詩賦(しふ)を伝えた人
往古の民族が来た
芳香馥郁(ふくいく)として
寛(ゆる)やかに流れる衣装の
日に焦(や)けた容貌(ようぼう)の
不屈の魂の
炯々(けいけい)たる眼光の
婆羅摩(ブラーマ)の
民族がやってきた

注)「詩賦」=韻文詩のこと、「馥郁」=よい香りがただよっているさま、「婆羅摩」=Bramah、バラモン教の最高支配神
==========


詩の中でホイットマンは、日本の武士たちを、「婆羅摩(ブラーマ)の民族」と表現していますが、これは彼が日本を、「インドなどを含む東洋全体の象徴」として受け止めたことを示します。

そしてさらに詩は続くのですが、その中でホイットマンは、「忍耐強く、熟慮断行の、不屈の魂の、炯々たる眼光の」と、日本の武士たちに、最上級の賛辞を送っています。
このホイットマンの詩の感動は、当時の多くの米国人が共有した日本のサムライへの感動であり賛辞でした。

司馬遼太郎は、この詩に次のような文を寄せています。
==========
かれらを見るために、ワシントンの街と周辺は、家々が空き家になってしまうほどで、新聞・雑誌の記者は、その印象記の取材のために駆け回っていました。だれもがこの使節に感心した。
頭の内容ではなく、その挙措動作(きょそどうさ)、品のよさ、毅然とした姿にです。
(『明治という国家』)
==========

司馬遼太郎は好きな作家ですが、この上の文章に関しては、ちょっと舌足らずな印象を受けます。
なぜかというと、実は、この詩のなかでホイットマンが、繰り返し「自由よ!(リベラルタード!)」と呼びかけていることによります。
なぜ「自由よ!」なのでしょうか。

この時代の白人社会の一般的通念として、有色人種(カラード)は、薄汚くて無教養で、人でさえない未開の蛮族であったはずです。ところが日本からやってきた武士たちは、あまりにも毅然としていて凛々しい。
そこに感動があったということは、司馬遼太郎の通りでしょう。

けれどよく考えれば、その頃の米国は、まだ独立して84年、時代的には南北戦争が始まる一年前にあたる頃です。
つまり、当時の米国は、西欧社会においては、実は欧米全体からみた東洋社会に近いものがあります。
米国人は、西ヨーロッパ人でありながら、故国を捨てて出て行った新教徒たちの、言葉は悪いですが「流民の群れ」でしかなかったのです。

そんな当時の米国白人たちにとっての唯一の誇りは、「俺たちは自由だ!」ということ、つまりヨーロッパの中世的な束縛から解き放たれた「俺たちは自由だ!」というところにこそ、彼らにとっての「誇り」がありました。

そしてその誇りを彼ら自身が守り抜くためには、ヨーロッパに根を置く西欧社会において、まさに新しく登場した米国民自身が、「忍耐強く、熟慮断行の、不屈の魂の、炯々たる眼光の、そして毅然として凛々しい、新しい米国民の姿を身につけていく」、そのことこそが、彼ら自身にとっての「自由」であり「誇り」であったわけです。

ですから、そのような出来て間もない米国民の前に、「薄汚くて無教養で、人でさえない未開の蛮族」であるはずの東洋人が、毅然としてブロードウェイを馬車に乗って行進する姿は、それ自体が、まさに彼ら自身の理想であったし、そのことにホイットマンは感動したし、その感動を詩にしたし、米国民の理想を日本からやってきた武士の中に投影したからこそ、「自由よ!」と詩の中で繰り返しているのです。

そしてそのことに多くの米国民が共感したから、ホイットマンのこの詩は、いまにいたるも、名作として米国社会に生残っているのです。

その武士たちが、新しい明治という国家を築き、そして戦後の復興を築きました。

最近、日本人の男性のことを、草食系男子とか、肉食系男子とかいう呼び方をする向きがあるのだそうです。
けれど、思うのです。
日本男児は、草食系男子でもなければ、肉食系男子でもない。
眼光炯々、凛として不屈の魂を持ち、忍耐強くて熟慮断行。それこそが、日本男児の姿です。

=========
トロイアの遺跡の発掘で知られるシェリーマンが、幕末の1865年、約一ヶ月間、日本を訪れ旅行記を遺している。
入国の際の荷物検査を免除してもらうために、税管理二人に一分(2.5フラン)ずつ出したところ、彼らはそのような"心づけ"の受け取りを断固拒んだのである。

これに対し、シェリーマンは、
「日本男児たるもの、心づけにつられて義務をないがしろにするのは尊厳にもとる、というのである。
おかげで私は荷物を開けなければならかったが、彼らは言いがかりをつけるどころか、ほんの上辺だけの検査で満足してくれた。
一言で言えば、たいへん好意的で親切な対応だった」と書いてある。

また自分たちを警護してくれる役人たちの精勤ぶりに驚かされ、
「彼らに対する最大の侮辱は、たとえ感謝の気持ちでも、現金を送ることであり、また彼らのほうも現金を受け取るくらいなら『切腹』を選ぶのである」とも記している。

(『いま「武士道」を読む』志村史夫著、丸善ライブラリー)
=========

日本を取り戻す。
それは、単に経済力や景気回復だけを意味するものではありません。
日本人が日本的精神を取り戻すこと。
そこにこそ、「日本を取り戻す」ことの意義があるものと思います。


※ホイットマンの訳詩は『教科書が教えない歴史』(藤岡信勝・自由主義史観研究会)によりました。



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コメント

No title
それから150年以上経ってもアメリカにはフォーマルな衣装がない。それどころか作業着や野良着を日常の街着として広めてしまった。
そんなだから、大使が皇居の親任式に平服で出かけるような、恥をかいてしまう。
江戸時代の武士が、外国に対して堂々としていて、国際感覚も洗練されていたという証拠はたくさんあるように思います。
日本人が取り戻すべきものは、この気概です。経済力ではありません。
武士は食わねど高楊枝
私が政治を知るようになってからは、一貫して政治のお題目は経済で、国民にぬくぬくとした生活をさせるというのが最強の選挙公約になっているし、そうでなければ選挙に受からない。そのような国になってしまった。
私は、国体を維持するためには、少々腹が減ってもしょうがないと思っている。
そんなバカなことを考える日本人が増えることを、アメリカは恐れているのでは。

偽キョウさん

メディアで言われてる草食系男子は、女性が作った言葉であり、自分に従順な男願望が作り出したものです。
そして九州男児という言葉は逆に我儘したい幼稚な男の願望が生み出した言葉です。
何が言いたいかというと、草食男子なんてクラスに無数あるグループのひとつくらいの割合で居るか居ないか程度です。
声がでかいと一般化されがちな今の世の中、情報判断が昔より大事ですね。

かけだしの愛国者

いつも感銘
ねずさんのブログは、忙しい時は、読めないと思いつつも、読み終えると読んで良かった、読み損なわなくて良かったと思えます。
いつも、ありがとうございます。
一人でも多くの方が、本ブログに出合えることを祈り、応援しています。

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ひろし

無知なアメリカ在住韓国人
いつもありがとうございます。
ワシントン近郊にまた慰安婦像を設置したとの事。旧日本軍が、中国、韓国、ベトナム女性、約20万人を性奴隷にしたと書かれています。中国、韓国女性云々に関してはいつもの虚言ですが、ベトナム女性に関して、一体戦前の日本軍が何の関わりがあるのか?
それって、おまえの国の軍人がベトナム戦争の時に犯した罪だろう! とつい叫んでしまいました。 ベトナムの方達は、韓国陸軍がベトナム戦争時に、多くのベトナム女性を性的に犯し、多くの無抵抗な子供達と一緒に殺害した蛮行は決して忘れていません。だから韓国政府の謝罪も賠償も全て断って、恨みを胸にしまっていることを、無知な韓国人は確り肝に命じるべきです。 しかし、アメリカ在住の韓国人は、歴史を知らな過ぎます。断固
日本政府は抗議して貰いたい!

ポッポ

No title
江戸時代にアメリカに行っても、日本人は堂々としていた。
素晴らしいことです。
当時のアメリカ人にすれば、アメリカの文明度に日本人が腰を抜かす程のショックを受けることを期待していたのでしょうが、日本人は驚かずに平然としていたそうです。
その理由は、日本でも様々な文明の利器を作っていたからで、日本には彼等の想像以上の知識があったのです。

日本人の堂々とした態度に、アメリカ人の法が驚いたと思います。



今年の3月20日に、トヨタは2009年~10年に米国で起きた大規模リコール問題を巡る情報開示に関して、刑事捜査を進めていたアメリカ司法省に12億ドルの制裁金を支払うことに合意しました。

その後の5月16日に、GMは大規模なリコールでアメリカ運輸省は3,500万ドルの罰金と関し要件を要求したそうです。

トヨタの大規模リコールは発生当時、アメリカで多くの訴訟が起こされていますが、まだ決着の付いていないものが沢山あるでしょうけれど、ラフード長官が娘にトヨタの車を買ったことで車に欠陥はなかったことで落ち着いています。
しかし、その後に発覚したGMのリコールは、トヨタのリコール騒動よりも大規模で悪質な内容となっています。

アメリカがフェアーな国であるならば、アメリカはGMに対して最終的にどのような制裁金を課すことになるかと、見守っていく必要があると思っています。(アメリカの運輸省の罰金は終わりましたが、司法省の調査はまだです。)

-

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次郎左衛門

SAMURAI!
 ねず先生、失礼致します^^

 今回のお話、序盤の御三方の凛々しさ極まるお写真の時点で、既に目頭が熱くなりました!
 やはり日本のサムライは、武士道精神は、世界に誇るべきものであると思います。
今日も自分は、それほどに美しい先輩方を持った喜びに包まれ、朝から幸せな心持ちになっております^^!

 因みにご存知かとは思いますが、御写真の一番左の新見正興殿は、その凛々しさ極まる容姿からアメリカの婦女子達の心を鷲掴みにしてしまっていた模様ですよ^^(笑)

 ねず先生、今日も勉強になる嬉しい素晴らしいお話、誠にありがとうございます!
自分は毎日、先生のお話から多くを学ばせて頂き、日本人であることの喜びを強く感じながら日々を生きております^^

では!

-

No title
http://quasimoto.exblog.jp/22042414/

アイラブとてつもない日本:「嫌日家から親日家へ」の道へまっしぐらの外人たち
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』
最新刊
『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』
『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』

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