国史と地名の教育

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尋常小学国史


戦前戦中まであって、戦後なくなったもの「国史(こくし)」の授業があります。
戦後は、これが「日本史」と名前が変わったのですが、実は、名前が変わっただけではなくて、そこで教える内容も180度違うものになってしまいました。

戦後の日本史は、みなさまよくご存知の通り、ただの暗記科目になっています。
似たような暗記科目に「地理」があります。こちらも、戦後になって大きく変わってしまった授業のひとつです。

さてまず「国史」ですが、戦前戦中(以下、単に戦前と書きます)の国史の授業は、日本書紀が中心でした。
「日本書紀なんて、ただの神話じゃないか」などという人がいますが、実はこの日本書紀こそが、日本人として、何が大切かを学ぶ、最大にして最良の教科書だったのです。
しかもこれが、ものすごく面白い。

なぜ面白いかというと、そこに書かれた歴史に、ストーリーがあり、ドラマがある。
それも、感覚として、ものすごく理解しやすい大和心が、随所に描かれているのです。
当時の子どもたちにとって、試験の成績の良し悪し以上に、実はこのドラマがとてつもなくおもしろくて、学校で国史の授業があると、子どもたちのほうが、むしろ先生から「続きを聞きたい!」と思わせるものが、そこにあったのです。

ですから「バンカラ」などといって気取っていても、その精神の根幹には、たとえ成績の悪い生徒であっても、やはりしっかりと国史で学ぶ日本精神がはいっていて、だから誰もが「いいこと、わるいこと」の区別がちゃんとついたのです。

たとえば、日本書紀の一番最後が持統天皇なのですが、そこに、持統天皇が、一平民である大伴部博麻に「汝(うまし)」と呼びかけるシーンがあります。
そこに「朕、嘉厥尊朝愛國、賣己顯忠」という言葉が出てくるのですが、教科書ではこれがちゃんと読み下し文になっていて、漢字にもふりがながふってあるわけです。

で、なんと書いてあるかというと、
=======
朕(われ)、その朝(みかど)を尊(とうと)び、国を愛(おも)い、己(おのれ)を売りて忠(まめなるこころ)を顕(あらわ)せることを嘉(よみ)とす。
=======
とあります。

見てください。ここで、
「愛」という漢字に「おもい」、
「忠」という漢字に「まめなるこころ」
とカナがふられています。

こういうことで生徒たちは気がつくわけです。
「そうか。愛(あい)というのは、相手を思うことなんだな。」
「なるほど、忠ってひとことでいうけれど、それは人のために、みんなのために、まめなる心を発揮して、自分にできる精一杯を尽くすことなんだな」
こういうことを、そこで覚える(学ぶ)わけです。

試験に出るからと教師に脅迫されて、無理やり覚えたくもない年号や事件名を暗記し、試験が終わったら、あっさりすっきり忘れてしまうだけの教育と、
その背景にある大和心、日本人としての挟持を学ぶことでは、同じ教育でも天地の開きがあります。

簡単な話、「愛」って何なのか、いまどきの人で、説明の出来る人なんているのでしょうか。
英語の「LOVE」のことだろう、くらいはわかっても、ではその「LOVE」って何なの?男が女を愛する、女が男を愛する、親が子を愛する、それはわかるけれど、じゃあ「愛」って何?
聞かれてさっと答えれる人は、世間でこれだけ愛だ愛だと騒がれていながら、おそらくいまの日本の中年以下の人には、ほとんど誰もいないのではないかとさえ思ってしまいます。

ところが戦前の旧制中学で教育を受けたお年寄りは、
「うん、それは、相手を思うことじゃよ」と、あっさりとお答えになります。
人が人を思う。妻を思い、子を思い、恋人を思う。熱くやさしく、大切に思う。思い続ける。もう頭のなかはその人のことでいっぱいなくらい、思うこと。それが、大和言葉、日本語にとっての、あるいは日本人にとっての「愛」だと、誰もが知っています。
なぜなら、国史の授業を受けているからです。

「忠」も同じです。
「忠」とは何かと聞かれても、さっと答えれる人はいまではすくないけれど、日本書紀を学べばそこに「まめなる心」と書いてあります。
「まめ」というのは、まごころをもって面倒がらずに、自分の持っているすべてを使って行き届くように、できることを全部することです。それが「まめ」です。
では、何のために「すべてを尽くしぬく」のかといえば、天皇のおおみたからである民衆を守るためです。
それが「まめなる心=忠」です。

そういうことが、ただ歴史の史実を並べただけでなく、生きた学問として、身に付ける。そのために学ぶ。
日教組が否定しているそういう教育が、実は、教える側にとっても、学ぶ生徒たちにとっても、生徒の親御さんにとっても、社会全体にとっても、まさに一番楽しくて実りがあり、意義のある教育なのではないかと思います。

そしてそういう授業が面白かったからこそ、生徒たちは自分から「もっと学びたい」と思い、遠く離れた東京の大学や師範学校、あるいは士官学校にまで行って、勉強したいと思ったのです。
なぜなら、自分が学ぶことが、そのまま社会の役に立つ、自分の人生を意義あるものにすることができるということを、実感できたからです。

もうひとつの「地理」の話もしておきます。
現代の中学、高校における地理は、単に地名の暗記と、都道府県の名産品や特産物を暗記することになってしまっています。
地理の授業が好きだという生徒も、「なぜ好きなの?」と問われれば、「ただの暗記科目なので試験で点を取りやすいから」くらいにしか誰もが思っていません。

けれど戦前の地理は、全然違いました。
国内と海外で、その意義は異なったのですが、国内に関していえば、
「なぜそこにそういう地名がついているか」
という由来、由緒が地理教育の中心核をなしていました。

ですから、たとえば東京に、目黒とか杉並とか練馬とかの地名がありますが、そこがどうして目黒なのか、どうして杉並と呼ばれているのか、なぜ馬を練るのかを授業で教えていたのです。
同様に大阪なら、浪速、天満、船場、淀、今宮、天王寺などの地名がありますけれど、なぜそういう地名になっているのか。
山の名前、川の名前、湖の名前、名前がついているということは、そこには必ずその名前がついた由来があるのです。それを学んだ。

早い話が自分の名前を考えてみてください。
日本全国、誰もが太郎とか花子といった、名前を持っています。
その名前が、どうしてついたのか。
すでに、親御さんになっておいでの方なら、我が子が生まれたとき、なんていう名前にしようか、きっとみなさん、真剣に考えられたであろうと思います。
その思いを、その気持を、子の幸せな人生を願った、そのときの思いは、やはり子に伝えるべきことです。

ましてや、大勢の人が暮らす地名となれば、そこには必ず、多くの人の思いがある。
その思いを共有するということは、地域共同体として、みんなの気持ちをひとつにする意味だってあるのです。

そういう教育を施されていないから、いまでは誰もが「自分が現にそこに住んでいながら」、その場所の地名が、どうしてそういう名前になっているか誰もしらない。
東京の麻布、青山、赤坂、高輪といえば、お金持ちが住んでいる街ランキングの筆頭らしいけれど、そもそもそこに住んでいる人たちは、そこがなぜ麻布なのか、どうして赤い坂なのかご存知なのだろうか。
世田谷の成城学園、深沢、等々力、奥沢、代田、
渋谷の広尾、松濤、三多摩の田園調布、目黒の八雲、柿の木、碑文谷、青葉台、杉並の永福、荻窪などなどの地名、交差点名、河川など、全部、名前がついています。
それを知る。学ぶ。

そういうことが、地域社会への愛情、郷土への愛を育むのです。
逆にいえば、地名の由来に関する教育を否定するということは、郷土への愛を否定している。もっというなら、それは実は、「愛そのものを否定する行為」なのです。
なるほど、「日教組教育の本質は、まさに愛の否定にあったのか」と、納得できることかと思います。

こういう教育が、なんと戦前は尋常小学校から、ちゃんと行われていました。
よく「ワシは小学校しか出ていないんだよ」と言いながら、人生を大成した社長さんとかがおいでになりますが、いまどきの大学院を出たって、人生の成功など覚束ない、それどころか就職さえないというのに、どうして戦前の教育では小学校しか出ていなくて、彼らは人生を成功できたのでしょうか。
こたえは簡単です。
戦前は、学ぶべきことがちゃんと教えられていたからです。

日本はシラス国です。
そういう、愛を否定し民族の愚民化を促進しようとしたとんでも教組の実態を、どんどん世間に晒すべきです。
その良し悪しの判断は、日本の民衆がします。

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コメント

あらみたま

地名とともに地域の名字も教えたそうです
地域にはその地域独特の名字や、
同じ名字の一族などがいますが、
昔はその名字の由来や一族、
つまり地域の名士の話も教えたそうです。

そうすることで地域を知り
地域愛も育んだそうです。
考えてみたらそれを広域でまとめられたのが
古事記です。

やはり地域に根差した教育が必要だと思います。
そういう教育が続いていれば都会に人工が集中することも
もっと防げていたはずだと思います。

ねず

冬眠様
もちろんOKです。

冬眠

こんな授業を受けたかった…


ねずさんこんばんは。
お久し振りで御座いますm(__)m


ねずブロは欠かさず拝見させて頂いているのですが、なかなかコメントする余裕迄無く申し訳ない限りです…


この記事を拝見し、両親を思い出しました。


別段『国史』だとか『教育勅語』と言葉に出しては云わなかった両親でしたが、共に戦前生まれの親でしたので、その判断だったりがまんまこうした教育の賜物なのでしょうね。


私に対する躾は『こう言う事だったのね』と、胸にストンと落ちる心地好さを、今回の記事にて感じられまして、仕事の休憩中だったのですが涙が出てしまいました(苦笑)


是非、この記事をリンクさせて頂きたいと思うのですが、宜しいでしょうか?


one

No title
愛とは”相手を思うこと。”核心ついてますね。
私、皇室の素晴らしさや、先の戦争の正当性については、まだまだ勉強不足で分かりませんが、戦前の教育は、根本から理解する、心を大切にした生きた教育で、非常に素晴らしかったと思います。
それが、台湾・パラオ・韓国においても行われていたのだから、日本の先人たちを非常に誇りに思います。
今後の教育として、白人の植民地政策との違いを、何としても後世に伝えるべきだと思います。

ポッポ

No title
国史と歴史は、似ているようだけど意味合いが異なる。
義務教育のときに国史を学べば、今よりもう少し日本のことが好きで、身の回りが見えている人間になっていたかも知れないと、思いました。
また、自分の住んでいる近隣の地名の意味が分かれば、その土地にまつわる様々なことが理解出来ると思います。

先日、広島で大雨による土砂災害がありましたけれど、その土地に由来する地名ならば、災害の起こりえる場所であることが想像できたかも知れないと思いました。
近年、地名は土地区画整理などによって変更されることがあり、○○町何丁目という地名が増えているそうです。
こうなると、古来の地名が変更されて、その土地にまつわる由来が消されていきます。
古来からの地名は、歴史的ないわれだけでなく、その土地が持つ地形による危険性を表しているものもありますから、便利だから変更するという安易なことで変更するものではないと思います。



先日、日韓議員連盟の議員が韓国に行って、本来日本の国会議員がせねばならないことを忘れて、韓国が主張する慰安婦問題の解決を共同声明に入れたりしていました。(日本の政治家であることを、忘れた集団としか思えない恥をさらしました。)

韓国には親日処罰法という、親日韓国人を弾圧する法律が存在するのですけれど日韓議員連盟の韓国人議員の場合、これに抵触しないように行動すれば反日活動になりますし、この韓国人議員と協力する日本人議員は売国活動をすると表明しているに等しい行動になります。

これに参加する日本の国会議員は、与野党関係なく多数いますから選挙で落選するよう、考えなければならないと思います。
ところで、安倍首相は今回の訪韓議員に含まれていませんが、日韓議員連盟には入っておられます。
日本の首相が、反日活動をする組織に入っているのは、困ると思います。
隣国との有効のためという建前は判りますが、親日処罰法を前提に行動する韓国議員と協力するのは、日本の首相として、あってはならないことではないでしょうか。

ケイシ

神宮参拝
いつもありがとうございます。
お陰さまで伊勢神宮の外宮、内宮に参拝させて頂きました。内宮では御垣内参拝をさせて頂き、日本国の平和と国民の平安を言上して感謝を捧げました。 平日に係わらず老若男女問わず多く参拝されていましたが、 参拝された皆様のお顔は、晴れやかな良いお顔をされていました。
伊勢神宮にまします天照大御神様は、ご皇室の祖先神だけではなく、日本人全ての親神さまだと感じさせて頂きました。 神宮に伺うとあたたかい、優しい気持ちに自然に成ります。大和心の原点は神宮なんだと想います。 お陰さまで、ありがとうございます。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: nezu3344@gmail.com
電話:080-4358-3739
出身:静岡県浜松市
住所:千葉県野田市
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「明治150年真の日本の姿」、「日本と台湾の絆」、「奇跡の将軍樋口季一郎」、「南京事件は4度あった」、などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。
日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
《著書》
『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』
『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』
『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦
『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』
最新刊
『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』
『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』

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