100人いたら



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『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人! 第二巻: 「和」と「結い」の心と対等意識』
ねずさんの百人一首本は2015年3月発売予定です。
【CGS ねずさん】第5話 学校で教えてくれない百人一首


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鶴ケ城の冬


ちょっと生意気なことを書くことをお許し願いたいのですが、以前にも書いたことがあるのですが、私は人や事態や政策、企画などを考えるとき、
「その人が世の中に100人いたら」
「それを100年続けたら」
と考えます。

景気回復は大切なことですが、景気というのはお金の流れです。
お金の流れが活発なときは景気が良い、お金が流れなくなれば景気が悪い。
ではお金の流れを活発にするためには「どうすればよいか」という議論はたくさんなされていますが、そのどの対策をもってしても、平成になってからの四半世紀、日本の景気は悪くなる一方でした。

良くするための改革は必要です。
しかし、どんなに改革を進めたとしても、日本人の信頼が年々損なわれていけば、おそらくどこまで行っても日本は良くならない。
「良くなる」ということが、一部の特権者だけが、桁違いに良くなり、残りの大多数の国民が貧困の底に追い落とされても構わないという構図ならば、改革によってきっと「良くなる」ことでしょう。

けれど「みんなが良くなる」ためには、みんなの紐帯が切れてしまっていては「みんなが良くなりようがない」のです。
なぜなら、経済は信用を基礎にするし、信用を担っているのは、どこまでも人だからです。




発注しても、請負企業がちゃんとした仕事をするかどうかわからないような相手なら、そもそも発注自体がありえません。
そういう会社に意図的に発注するなら、それは「ちゃんとした工事をやりとげたい」ということではなくて、収賄かなにか、別なことが目的でしょう。
そして手抜き工事があれば、困るのは民衆です。

日本は、明治の初めの頃は、国家予算を組めないほどの超貧乏国でした。
それがわずか20年で、日清日露を戦い、世界の5強国になるほどの成長を遂げました。
それどころか日本は、国内で生産した富を、朝鮮半島や満州、台湾、サハリン、南洋諸島に惜しみなく注ぎ込み、それらの国々は、またたく間に豊かな国になりました。

その日本が、終戦で海外におけるすべての権益を失い、国内も焼け野原となり、GHQに復讐的な占領統治を受けることになりました。
それが少なくとも条約上は終わったのは昭和27年。
そのわずか12年後の昭和39年には、アジアで初めてのオリンピックが開催されるに至っています。
いま、東京都内には、首都高が走り、主な幹線道路は道幅も広く作られていますが、これらは東京オリンピックのために築かれたものです。

ところが平成日本では、東日本大震災からすでに4年が経過しようとしているのに、いまだ瓦礫の撤去すら進んでいません。
いまだ仮設住宅のままの人たちがいます。
いまだ、津波対策用の護岸工事さえ進んでいません。

この違いはどこにあるのでしょうか。
結局は「人」だと思うのです。

誰もが「騙す人と騙される人がいたら、騙すほうが悪い」と考え、誰もが「みんなのため」を優先した人たちが、まったく価値観の異なる敗戦利得者たちが政財界や報道各社に、あたかも日本人のような顔をして、自己の利益だけを測る。
そうなれば、一部には大金持ちが生まれるかもしれないけれど、残りの大多数は貧しくなります。
そしてその状況のもとで、キックバック目的で国内で生れた富を海外にばらまいて利得を得ようとする人たちがいれば、日本人の生活など、よくなるはずがありません。

あるいは在日外国人で経済人として大物となって、携帯電話会社のオーナー社長ともなっている人がいます。
たいへんな人気だし、たいへんな実力者ですし、きっと頭の良い人なのであろうと思います。
ではその人がこの日本にもし1000人いたら、あるいは1万人いたら、もっといえば100万人いたら、日本はどうなるのでしょうか。
おそらく富が偏在し、日本はかつて李氏朝鮮にいた両班のような特権階級の人たちだけが贅沢三昧の暮らしをし、他の多くの日本人は人としてさえもみなされない、貧民を形成することになってしまことでしょう。

あるいは「二位じゃダメなんですか?」と舌鋒鋭く事業仕分けをした女性政治家がいます。
党首戦に立候補する(この記事がアップされる頃には「した」)のだそうですが、党首戦では「二位じゃダメ」なんでしょうかという冗談はさておき、もしその女性が国政の場に100人いたら、日本はどうなるのでしょうか。

そんな人たちが所属するかつての政権与党は、あれだけ議席を減らしながら、党費のストックが250億円もあるのだそうです。
政権与党時代に、どれだけ稼いだのでしょうか。何をしてそんな大金を稼ぎだしたのでしょうか。
そして彼らは、党をこれからどんどん分裂させて、党にいる議員の数を減らそうとしています。
なぜでしょうか。
そういう人たちが100人いたら、1000人いたら、日本はどうなってしまうのでしょうか。

結局、人も組織も国も団体も、そして経済さえも、結局は「志(こころざし)」なのです。
「志」という漢字は、よく「士(さむらい)」の「心」という意味だと説く人がいますが、違います。
「士」の部分は、もとの字は「之」で、これは「行く」という意味の漢字です。
ですから「志」という漢字は、実は「行動する心」を意味します。

China語で「si」と読むこの漢字に、古代の日本人は「こころざし」という大和言葉を充てました。
「こころざし」は、文字通り「心の指し示す道」を意味します。
夢と違って、志には、そこに具体化しようとする意志があります。

ですからいまでは学校で先生が子どもたちに、「将来の夢はなんですか?」と聞きますが、昔は「君の将来の志は何ですか?」と問いかけました。
将来の「夢」なら、「お医者さんになりたい」でも通ります。それが実現しなくても、別にどうということはない。なぜなら、ただの夢だからです。夢ははかないものです。目が覚めたら消えてしまう。

けれども「志(こころざし)」ですと、そうはいきません。
「お医者さんになりたい」というのなら、ただ医者になるということではなくて、医療を通じてその子が何をしたいのかが問題になります。
そしてそのことを子どもたちが考えるということは、お医者さんを志すなら志すで、それを実現するための具体的行動が必要になります。
なぜなら「志」は、「行動する心」という字だからです。

戦前戦中まで、日本の社会では、若者たちは「志」を持つということが、あたりまえでした。
地方から東京に上京するに際しても、それは「青雲の志」を実現しようとする、そこに明確な意志があったのです。
そしてその志は、自分の命をかけるにふさわしいものと、若者たちに認識されました。
それが「覚悟」でした。

そしてその「覚悟」は、天皇の「おおみたから」である民衆を守るためのものと認識されました。
ひとりひとりの力は弱いかもしれない。
けれど「覚悟」を抱いた集団は強い。
なぜなら「覚悟」は「責任感」だからです。

昨今、テレビなどを観ていて、「覚悟を胸に抱いた日本人」を見かけることは少なくなりました。
けれど、ひとついえることは、日本では「覚悟」を抱いた「志」ある人は、強くて腰が低くて優しいということです。
諸外国と異なり、日本人で日本の心に目覚めた人は、人物ができてくるほど、腰が低くなります。

日本の心を取り戻していく。
それは、まだまだ先の長い戦いです。
自分自身、もういちど小学校に帰った気持ちで、謙虚に日本を学んでいきたいと思います。




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コメント

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No title
日本に必要なのは改革ではなく見直しだと思います。
こちらのブログで解釈される日本史や文化史などを読んで、こんないい時代があったのだなぁとか、素晴らしいなと思う事が度々あります。つまり過去の経験で正しい選択をしてた時期があるということです。だから今の日本に必要なのはちゃぶ台返しではなく、過去の自分達を見直す事だと思います。

渡辺

ねず先生、本当に大切なのは「日本の心」を日本人みんなが取り戻すことですね。
戦後日本は、GHQ(アメリカ)とその意を汲む共産主義者・中国・北朝鮮・韓国によって、内外から蝕まれてきました。民社党政権時代が臨界点とも言えると思います。
手法として巧みに「言葉のすり替え」や「印象操作」がなされ、日本人社会の基盤であった『常識』という社会通念(罰よりも、恥意識により抑制される)が絶滅しつつあるように思います。例えば(法の下の)「平等」は日本では『対等』『公平』だったはずですし、「自由」と「権利」には『ルール』と『義務』が必ずセットで語られたはずです。今の世の中、法で禁じられない事は何をしても良く、個人の倫理観がないがしろになっています。公的機関には、特に信賞必罰を厳正に行ってもらいたいところです。

ポッポ

No title
ねずさんが例えで出しておられる電話会社のオーナーが100人いたら、日本は潰れます。この社長、電話会社の他に太陽光発電も経営されていますが、太陽光発電の買い取りに絡む部分で菅元首相と、満面の笑みで彼と一緒に報道されたことがありました。

菅元首相は、国民全体が彼の退陣を願っているとき、彼は①第2次補正予算案の成立、②特例公債法案の成立、③「自然エネルギーによって発電した電気を固定価格で買い取る」という固定価格買い取り制度を定める法案の再生可能エネルギー特別措置法案の成立、と言う3法案が成立しないと退陣しないとの粘り腰を見せ(○社長はこれを来た核評価しました。)、これを成立させてやっと退陣したのですが、これこそ癒着だと思います。

○社長は、太陽光発電の固定買い取り価格によって加算される電力費が、一世帯あたりコーヒー一杯分程度と笑顔で言っていました。これは、今や贅沢なコーヒー杯の価格になっています。そして電力会社は、再生エネルギーが増えすぎて、安定した電力に不安を持つ位です。
これについては、太陽光発電の買い取り価格を不自然に高価格としたためで、このため再生エネルギーの新たな開発研究にも悪影響が出ていると思います。


東日本大震災に関わる工事が何故ここまで遅れるのか、不思議です。
阪神大震災のときには、1年経過した頃には復興住宅の工事に掛かっているところが幾つもありました。
あの時の首相は、村山氏で社会党でしたがここまで酷くはありませんでした。ただ、政府には自民党が連立で入っていましたから、その差だとしか考えられません。

日本の災害で初めて、大規模なボランティアが活動したのは阪神大震災だと思います。その後の災害ではボランティアは全体として経験を積んで有効な活動をしたと思うのですが、東日本大震災のときには政府はボランティア担当大臣まで任命しました。体制は十分だったと思います。
ところが、岩手県山田町でボランティア(NPO法人○雪りばぁねっと)による、不審な事件が起きたのです。この事件において、ボランティア担当大臣の発言や行動は全く聞いたことがありません。
これが、時の政府による能力を、象徴していたと思います。


若い方達が志を持っていないことは寂しいことですが、日本は戦後、若い方達が志を持とうとするような教育をしてきたのでしょうか? 自国はこんなに悪い国だとする自虐史観の中では、志など育つはずがありません。
よくて自分は悪いことをしないようにしようとの、自己防衛だけだと思います。

日本の歴史は古く永いので大変だと思いますが、西村文部科学大臣に期待しています。できれば日本の子供達だけでなく、外国にいる日本の子供達にも正しく誇りある日本の姿を知らせて欲しいと思います。

愛信

田母神氏は不正によって落選か!
田母神氏は不正によって落選か!
https://twitter.com/RX782_18/status/545381045088964609

【関連情報】
小選挙区東京12区の得票
http://www.aixin.jp/ssjh/sj94.cgi
比例代表選挙東京ブロックの得票
http://www.aixin.jp/ssjh/sj64.cgi
政党別比例代表ブロック別の小選挙区得票数と
比例代表選挙区得票数の割合(100%)
http://www.aixin.jp/ssjh/image/shwa.gif

次世代の党候補者の小選挙区得票が抜かれている証拠が確認できます。
共産党の小選挙区得票数が比例代表選挙の得票数よりも約5%多くなっています。

詳細は
【マスコミ隠蔽の掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj4.cgi
【マスコミ隠蔽のタイトル一覧】最新版はこちらをクリックして下さい。

-

No title
ねずさんのブログは噛み砕いた話で私の様な孫がいる「おばば」でも良く分かるので勝手にコピペさせて頂いております。上記で「鬼」さんがお話しされているように来年7月8日で在日の特権が全て無くなります。そういう時だからこそ日本人の力で日本人による日本の国を再生させたいと念じています。孫に日本人に産まれて良かったと言われる日本を取り戻しましょう

昔、頭脳労働に向かないなら職人になるとのもと弟子入りしていた若者が沢山いました。今でも皆無ではないでしようが、その割合は下降の一途ではないでしょうか。
ホワイトカラー、ブルーカラーともいわれました。
今、ブルーカラーにもならないで、フリーターで過ごす若者のなんとおおいことか。今はいいんです。コンビニや飲食店、遊技場のアルバイトでも何とかやっていけます。でも、時給なんかこの十年二十年ほとんどかわってない。40、50歳になっても時給なんか同じです。下手すればクビになって若い子を
とられる。
私はそんな若者が多い職場にいますが、いないと困る反面、本人の立場になればほんとにもったいないと思います。なぜ自分のスキルを上げないのか、今のうちに手に職を付けないのか、そうすれば収入だって上がってゆくだろうに。まして、今は建築業を中心に人手がないと言われているのに。昔はOLが結婚前の腰掛けとも言われましたが、今では20歳前後の男子がフリーターです。
ねずさんの読者の皆さんがあまり目にしないでしょうが、高校中退をなくし(バックレが非常に多くほぼ100%、決して本人のためになりません。途中で学業をやめたというところに起因しているとみています)、若者の意識が変わるような政策を出さないと、根底のところから日本の経済が崩れてゆく気がします。
決してエリートばかりでは日本は動かない、日々そんな気がしています。

junn

No title
北星学園大学を廃校に追い込もう!! ──従軍慰安婦捏造報道の朝日新聞の廃刊に向けての天王山の闘いに、糾弾の手を緩めてはならない
http://nakagawayatsuhiro.hatenablog.com/entry/2014/12/25/135411
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

講演のご依頼について

最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
むすび大学事務局
E-mail info@musubi-ac.com
電話 072-807-7567
○受付時間 
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