まえがきの一部をご紹介します。
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日本の未来をどうするのか。
護憲か改憲か平和憲法か、非武装か専守防衛か核武装か、自主防衛か軍事同盟か、脱原発か原発推進か、在日米軍基地はどうするのか。
敗戦で日本の内なる時間が止まってから、すでに70年が経過しています。これから日本はどこに向かって歩いていくのか。
「止まった時間を再び動かし、日本の未来に関して国民的な議論を巻き起こす。そしてしっかりと方向を定めて歩き出す。」 ・・・もうそろそろ、そんな時期が来たのかも知れません。
この絵本は、そんな議論の叩き台に出来ればと執筆したものです。 もしあなたも、日本を長い眠りから目覚めさせ、時計の針を前に進めたいと思われるなら、ぜひこの絵本の「拡散」にご協力頂ければとお願いいたします。
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この絵本でまず呼びかけていること。
それが
「日本は本当に独立国なのでしょうか」
という問いかけです。
私たちは学校で、「日本はサンフランシスコ講和条約によって、昭和27年に独立を回復した」と教わりました。
けれど、日本には全国で合計131箇所の米軍基地があります。
その総面積は、東京ドーム2万個分という途方も無い広さです。
米軍基地を抱えているのは、沖縄だけの問題では無いのです。
そしてこの米軍基地が、日本の領土領領空全部をカバーしています。
これは日本の防衛を米国がしてくれているという点においては、とってもありがたいことです。
ですが、同時に日本が戦争に巻き込まれれば、戦場が日本になる、ということでもあります。
そしてさらに大事なことは、「日本は米国に軍事的に占領された、米国の保護国となっている」ということです。
このことが何を意味しているかというと、ひとことで言うなら、
「日本は独立国ではない」ということです。
「保護国」というのは、植民地とは異なります。
簡単にご説明すると、独立色の強い順番に次のようになります。
「主権国」・・完全に独立した国家
「保護国」・・条約その他によって特定国の保護下にある国家
「付傭国」・・国家の一部に独立的地位が認められる国家
「植民地」・・宗主国によって支配されている国
「保護国」と「付庸国」の違いが少しわかりにくいかもしれませんが、最大の違いは、
宗主国が他国と条約等を締結しも直接には影響を受けないのが「保護国」。
宗主国が他国と締結した条約等に直接影響を受けるのが「付庸国」です。
ちなみに、かつての東洋には「冊封国」という概念がありましたが、これは「保護国」と「付庸国」の両方を含む概念です。
李氏朝鮮は、いまでいう「付庸国」です。
支那の王朝、たとえば清に付属している国です。
雑誌の付録と同じです。
雑誌がなくなれば、付録もない。
ですから、支那の王朝が李氏朝鮮に与えた印綬は、銅印でした。
支那王朝から与えられる国印には、金、銀、銅の序列があったのですが、李氏朝鮮王に与えられたのは、村の村長さんに与えられるのと同じ銅印だったわけです。
これに対し、古代の日本(倭国)は、支那王朝の冊法を受けていましたけれど、支那で戦乱が起きても、日本には何の関係もありません。
つまり今風にいえば、日本(倭国)は「保護国」であったということになります。
だから与えられた印も金印でした。
日本は、古代においてその支那の「冊法」からも完全に独立しました。
ここで「なぜ日本は支那の冊法を受けたのか」という疑問を持たれる方も多いかと思いますが、古代において倭国は朝鮮半島の南半分を支配下に置いていました。
つまり、当時の倭国は大陸と陸続きでした。
ですから、軍事大国である漢や魏や隋などと国交を結び、集団的自衛権を確立することは、我が国の安全保障上、必要なことであったのです。
ところがその後日本は、遣唐使の時代の白村江の戦い後、朝鮮半島の権益を放棄し、朝鮮海峡に国境を敷きました。
こうなると日本は、大陸とは海を隔てるわけですし、新羅と結んだ唐とは敵対関係となりますから、冊法国である必然性は皆無になります。
だから日本は、冊法国であることを辞めたのです。
ちなみに、朝鮮半島の南半分が倭国であった時代に、なぜ支那の魏などが日本と国交を持とうとしたのかには理由があります。
当時、朝鮮半島南部で、倭人たちは鉄を掘っていました。
そして「たたら製法」で倭人たちは、鉄を精錬し、これで農機具や食器を作っていました。
その鉄を、魏はさかんに輸入しました。
魏といえば、三国志で魏の曹操が「やたらに強い人物」として描かれますが、魏の曹操が強かったのは明確な理由があり、曹操は魏の軍隊に鉄製の剣や楯を持たせたのです。
呉や蜀は、青銅器の武器です。
そして青銅器の剣と、鉄の剣がぶつかれば、青銅製の剣は哀れなどあっさりと折れてしまいます。
強度があまりにも違うのです。
そして魏は鉄の輸入のため、倭国との交易を図ったし、鉄を持つ倭国との戦いは避けたし、倭国との交易は極秘事項ともしました。
三国志の中で、魏の曹操が憎らしいほど強かった理由がここにあります。
唐は、その鉄欲しさに新羅と結び、倭国を攻めました。
そして倭国から新羅を独立させ、鉄の産地とたたら工場を手中に収めました。
ところが哀れなことに、収奪国家である新羅は、鉄を精錬することができず、結果、朝鮮半島は以後、ずっと支那の属国(付傭国)の地位に置かれ続けたわけです。
古い話になりました。
現代に話を戻します。
いまの日本は、米国の軍事的保護下にあります。
しかし米国が自国の国益を優先し、日本のリーダーたちが臆病であれば、日本は米国に飲み込まれます。
大店法の廃止や、談合の廃止、TPP、BIS規制、小麦輸入、麻の栽培禁止など、戦後の実例は枚挙にいとまがありません。
だから自主憲法を制定して、我が国の独立自存を図るのだ、というのは、たいへん結構な議論です。
ところがここで東郷さんは、実におもしろい議論の展開をされています。
要するに「護憲派・改憲派の意見の違いは、ひとつの物事を違う角度から見ているだけであって、本来、対立する意見ではない」というのです。
引用します。
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まず日本が冷戦時代も含めて他国に侵略されずに済んだのは、(他国の友情と)自衛隊と安保条約/在日米軍が日本を守ってくれたからであり、平和憲法のおかげではありません。
しかしながら、日本が米国の保護国の身分でありながら米国の戦争(朝鮮戦争・ベトナム戦争・湾岸戦争・イラク戦争など)に派兵しないで済んだのは、平和憲法のおかげでしょう。
さらにこれについては、「米国に押し付けられた」ことがプラスになっている可能性があります。
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http://www.j15.org/Picturebook-Choice/29.htm******
つまり、護憲派も改憲派も、どちらも戦争をしたくない、戦争に巻き込まれたくないという国民的意思を反映したものであって、それを護憲派は、平和憲法重視というし、改憲派は独立自存を回復しなければ日本は戦争に巻き込まれるリスクがある、と述べているのです。
日本列島は、米軍基地によって何重にも守られています。
けれど、そのことは同時に「日本列島は米軍によって何重にも征圧されている」ということでもあるわけです。
それが良いこととか悪いこととかを言うつもりはまったくありません。
ただ、真に日本が平和を願い、戦争の惨禍を防ぎたいと思うなら、日本列島が戦場となる専守防衛や、武力の放棄では、まったく意味をなさないということを、私たちはもういちど再認識する必要があると思います。
なぜなら、
米軍の防衛LINEが日本列島をすっぽりと覆っている。
日本は専守防衛を是とする、
という議論は、「万一の際の戦場を日本列島にする」ということだからです。
つまり、日本列島が戦場となることを前提としている議論であるということです。
これこそ、戦争の惨禍を招く議論です。
いったいどこがどう戦争反対であり、戦争の惨禍を防ぐための議論なのか。
本気で日本列島が戦争に巻き込まれることを防ぎたいならば、防衛LINEは日本列島の外側になければならないし、そのために、これからの日本にとって何が必要なのかという視点が、すっぽりと抜けています。
みなさんにも、是非一度、この東郷さんの紙芝居をご欄いただきたいと思います。
ウヨクもサヨクもないのです。
平和を愛し、平和を希求するならば、対立や闘争の枠を出て、冷静に現実を見つめる知恵が大事であることを、この紙芝居は気づかせてくれます。

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コメント
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しかし、いるのは左翼がおりますね。
しかも、左翼はいない右翼を作って小汚い色の街宣車で暴力的な言葉を吐き散らして一般人に右翼と言うイメージを何十年にも渡って植え付け続けています。
それが、右翼の正体だと私は思っています。
そして、左翼による言葉狩りを通して、自分たち左翼が非難される言葉で最も痛い言葉をピックアップして排除して来ました。
気に入らない人を見つけると右翼だと大騒ぎして、これも排除して来ました。
最近では、同じ手法でネトウヨと言う言葉を作り上げ、全く同じ事をやっています。
どうでしょうね?、これでも右翼も左翼も無いのですと言えるのでしょうか?。
構図としてあるのは、一般国民VS左翼しかいないと私は思っています。
それに、左翼は日本国民の立場にはまったく立っていませんね。
要らないのは左翼だと思いますので、ここの所は御一考して欲しいなと思います。
米軍問題は重々承知です。
しかし、国民の声の一番の阻害要因は左翼です。
言いたい事が、左翼に脅されずにきちんとものが言える状態にする事の方が順として先ではないでしょうか。
左翼は国を混乱させ弱体化させるのが目的でもあるので、米軍問題も捻じ曲げて国民の意志を掻き回しています。
そうする事によって、まとまらなくさせているわけですから。
2015/10/17 URL 編集
コージ
右翼は左翼を帰化人や在日や売国奴とレッテルをはる
どちらも中にそういう構成要素があるのは事実かも知れませんが
純粋に主義や思想においては左右どちらも必要で
国家運営や安全保障上はどちらかの要素が欠如したら
内乱やテロやクーデターの原因にもなりますし
他国の付け入る隙にもなります。
今風でいえば愛国者に受ける番組作りも増えてきている気がします
日本の伝統や職人の技を紹介し、日本人本来の価値観を取り戻すことは素晴らしいことです。
それと同じくらい新しい価値観や外国の文化や生活習慣を紹介したり
学んだりすることも大事だと思います。
こういう事を「そんなに外国が好きなら日本から出ていけ。帰ってくるな」的な論調が最近は目立ちます。
例えるなら「よその家の子になれ」的な独善的・排他的・利己的な考えです。
でも今はそれでもいいのかも知れないとも思います
皆が国政や世界情勢に関心を持ち、自分の考えがどちらなのか
どの政党を支持するのかを、しばらくは待つ必要もあるからです。
そうすると次に「相手陣営は敵ではない」というところで調和が
生まれ協調することで、いずれは世界の国々とも調和していけるのではないかと期待します。
2015/10/17 URL 編集
m.e
ねず様の言うとおり、戦後、米国に防衛を委ねてきた我が国は、先達の死に物狂いの努力と、敗戦という悔恨を胸に押し込め、経済復興を遂げ、世界で稀に見る奇跡の国であったと思います。
しかし、それに伴って、数多くの日本古来の美徳、美点は影をひそめ、日々起こる凶悪犯罪、他国による日本史の改悪、日本人を辱めようとする様々な勢力によって、戦争で亡くなった英霊の皆様方が目も当てられない状況となった点も、数多くなってしまいましたが、それは他国の支配を受け入れねばならない敗戦国の常として、避けられない面もあったからだと思っております。
また、近代史を学校で教わらず、過去の負の面を強調した教育を主として教わった身としては、インターネットの発達によって、何となくそうなんだ…と思っていた事が間違いだらけ、嘘だらけであることを発見するたび、悲しい、悔しい思いがこみ上げてまいりますが、その後は、事実を知った後、日本が大好きな気持ちがこみ上げてくるという、痛し痒しな面もあります。
それに対し、日本を辱めてきた喧伝活動を信じてしまっていた自分に対し、不甲斐なさを自覚しますが、自虐史観から目覚めた私は、日本のメディアが流す情報が偽りだらけであることに気づいてからは、海外ニュースサイトで、グーグル翻訳で訳すなどといった昔からは信じられない趣味を持つようになりました。
騙された側が、二度と騙されないようにするには、騙されないように賢くなれば良いのです。
今、日本人に一番必要な点を申し上げるとすれば、知る努力を怠らないこと、これに尽きると思います。
情報を征するものが戦争を征す、如何に日本人が、平和を愛する希有な民族であっても、他国に戦争を仕掛けられれば、明日からでも戦争は始まります。
そうならない為にも、国民一人一人が情報収集に努め、メディアの嘘を見抜き、共産圏が撒き散らす欺瞞、妄言に惑わされないようにする事、日本を戦場にしない為にも、日本国民一人一人の覚醒は、必要な事だと思います。
タダより高いものはありません、嘘八百のデタラメニュースを鵜呑みにし、国を失ってしまえば、取り返しのつかない損失となります。
情報の精査、取捨選択は、国防の必須事項として、国民一人一人がしていかなければならないと思います。仮に戦争になったらなったで、馳せ参じるのは望む所でもありますが
2015/10/17 URL 編集
ポッポ
どこの国とも安全保障条約を結ばずに一国で国の安全を図ることは、日本の周囲の国々を見渡すとき、日本の国の領土を武力で占領した国と日本の領土を狙っている国ですから、これらの国とまともに渡り合う可能性のある兵力を準備することは、とうてい無理だと思いますし、そうでない場合には日本の国家予算では足りないでしょう。
それに、安全保障条約を結ぶ場合には、やはりアメリカしかありません。
アメリカ側から見るとき、日本は太平洋を挟んで隣国ですが、日本が中国に飲み込まれた場合には、アメリカと中国の間にアメリカ側の国がなくなりますから、アメリカは自衛のために日本を守らなければならないと思います。
ついでに、中国に飲み込まれた日本も悲惨でしかないと思います。
沖縄と異なり、日本の本土には尖閣の油田はありません。
しかしながら、専守防衛が良いのか、防衛ラインをどこに置くのが良いのかは分かりません。
現実的には、日本列島外の方が良いと思うのですが、日本列島外と発表したとたんに日本の国全体から非難にさらされるだろうと思います。もっとも、日本の国に攻め込まれたらそれまでとは変わって、なぜ攻め込まれたのかとの批判が急激に強くなるだろうとも思います。
国論を統一するには、一度は攻め込まれて痛い目に遭う必要があるのでしょう。
それからアメリカですが、日本が安全保障条約を破棄した場合は、日本の基地から出て行くと思います。
過去に、フィリピンから出て行ったことがありますし、その結果、中国は南シナ海を占拠しました。そして、今の状況を作り出しました。
ところで、中国が南京事件を世界記憶遺産に登録することに成功しました。腹立たしい限りです。
この件で、安倍首相は中国の外交担当のトップ・楊潔チ国務委員が表敬訪問した際に遺憾を表明したのですが、あった際に握手をする際に和やかな表情をされていました。
このときには、習近平の顔を真似してブスッとして欲しかったです。安倍首相は、拉致事件で北朝鮮をも訪問したときの小泉首相の態度をご存じのはずです。あのときの態度が必要だと思いました。
2015/10/16 URL 編集
のんべ安
先帝陛下のお言葉を送らせて貰います。
片山は予の革新思想を
側近が阻止していると思っておるらしい。
しかし、振り子の原理に順って
これを急がないので有る。
振り子の針を動かす事ばかりに拘泥しては全てを無に帰す
可能性も有るのです。
振り子の土台をえっちらおっちら地道に動かす努力こそ
大切なんだと思います。
教育をなんとしても取り戻し、10年、20年のスパンで取り組まねばならない問題なんです。
2015/10/16 URL 編集
ローマは防衛線の内にあることで貴族化した
東郷さんの描く独立には防衛予算の増額が不可欠です。今の予算では無理です。
大東亜戦争当時の帝国予算の五割から六割が充てられました。その他、朝鮮、満洲などのインフラ整備です。地方には回りません。身売り。貧困。それが226事件の引き金にとなりました。
実はお金の問題です。我が国一国では防衛できません。
もし、我が国が核を保持しても報復しません。ご存知ですよね。抑止力になりません。重要なのは核を打つことで世界中で悪のレッテルを張ることです。世界にその悲惨な情況を伝え続けることです。国連が本当に機能することで可能ですが、あの人ですから。
これからは連合体が重要でしょう。
2015/10/16 URL 編集
junn
2015/10/16 URL 編集
えっちゃん
紹介いただいた「日本の独立の選択」
<底の浅い左巻きを跳ね返しているだけでなく、右向きの中にある問題点も浮き彫り>という視点が素晴らしいとおもいます。
今日は、Facebookでシェアさせていただきました。いつも、ねずさんの画像が出るFacebook。お前はねずさんの何なんだというコメントが・・・来ませんが。
これから、小指のヒビのため接骨院に行きます。たかが1本でも痛みで全身に影響します。昨日、アイバンク啓発ミュージカル「パパからもらった宝もの」を東京めぐろパーシモンホールに観にいきました。痛みを庇うので帰宅して全身の疲労は、驚くほどでした。
戦病傷兵の方達の痛みはいかばかりだったかと思います。靖国神社参拝もありがたかったのですが、しょうけい館の見学もすばらしい経験でした。(ここでずっと立っていたので、右足の中指が痛み黒くなっていました。ずっとヒールの靴は履いていなかったのですが、神社参拝は正装のため仕方なく履いた中ヒール)脱線しました。
修学旅行にしょうけい館をぜひ見学コースに入れていただきたいと切に願ってやみません。「韓国に行ってどうするのだあ」と汚染された高校の学校長に言いたいです。
この件は、BBの覚醒日記に詳しく載っています。
2015/10/16 URL 編集