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(それぞれの画像はクリックすると当該画像の元ページに飛ぶようにしています)ブルーノ・タウト

ブルーノ・タウト(Bruno Julius Florian Taut)は、ナチスの秘密警察の追跡の手をのがれて、来日した人です。
そのタウトは、大正13(1924)年から昭和6(1931)年までのわずか8年の間に、12,000軒もの住宅建築に関わっています。
また昭和5(1930)年には、ベルリン・シャルロッテンブルグ工科大学の教授に就任しています。
ヨーロッパを代表する世界的な建築家です。
そのタウトの本に『
日本美の再発見』という本があります。
岩波新書の赤本です。
桂離宮をはじめ,伊勢神宮,飛騨白川の農家および秋田の民家などの日本建築に「最大の単純の中の最大の芸術」の典型を見いだした、という内容の本です。
タウトのこの説は、「シンプル・モダン」という言葉となって、ヨーロッパや米国の建築を一新しました。
もともと西洋建築というのは、ローマのゴシック様式のように、外壁を彫刻などで飾り立てることが高級建築の定番でした。
それが、現代建築のような、シンプルな中に建築美を見出すような世界的潮流が生まれたのは、まさにタウトが世界に向けて日本建築を紹介したことによります。
昭和8(1933)年5月、彼は再び日本にやってきました。
建築家であるタクトは、来日するとすぐに、京都郊外にある桂離宮を訪れています。
桂離宮は、江戸初期に後陽成天皇の弟の八条(のち桂)宮、智仁親王が造営した別荘です。
源氏物語になぞらえた回遊式庭園や、書院、茶屋が、往時の姿のまま残っています。
桂離宮

タウトは、桂離宮の簡素で機能的な美しさにを
「実に涙ぐましいまでに美しい・・・」と言い表しました。
桂離宮を見た彼は、栃木県にある日光東照宮を訪れました。
タウトは、この二つの建物を比較して、次のように書いています。
「日光の大がかりな社寺の如きものなら世界にも沢山ある。
それが桂離宮となるとまるで違ってくる。
それは世界にも類例なきものである。」
東照宮のような建築物は他の国でも珍しくないけれど、桂離宮は比類のない傑作だというのです。
タウトは、桂離宮を「天皇趣味」と呼び、東照宮を「将軍趣味」と呼んで対比しました。
そして、桂離宮を高く評価したのです。
また伊勢神宮を観たタウトは、次のように語りました。
「桂離宮は、施工のみならずその精神から見ても、
最も日本的な建築である。
これは伊勢神宮の伝統を相承するものである。
この国の最も高貴な国民的な聖所である伊勢神宮の形は、
まだシナの影響を蒙らなかった悠遠の時代に由来する。
構造、材料および構成は、この上なく簡素明澄である。
一切は清純であり、それ故にまた限りなく美しい。」
そのとおりだと思います。
タウトは、更に続けます。
「純真な形式、清新な材料、
簡素の極致に達したな構造
これこそ伊勢神宮が日本人に対し、
またわれわれに対して顕示するところである。
原始日本の文化は、伊勢神宮においてその極地に達した。
まことに伊勢神宮は絶対に日本的なものであり、
日本においてさえ
これ以上日本的なものはどこにもない。
ここに在るところのものは、
真正の建築であって、
たんなる工学技師の手になる建造物ではない。
清楚な素木の社殿
やわらかな曲線の萱葺屋根
掘っ立て柱
反りのない軒・棟
天にむかって伸びる千木(ちぎ)
日本がこれまで世界に与えた一切のものの源泉、
あくまで独自な日本文化を開く鍵、
完成した形ゆえに全世界の賛美する日本の根源・・・
それは外宮内宮および荒祭宮をもつ伊勢神宮である。
原日本文化は伊勢神宮において、その極地に達した。」
伊勢神宮

タウトは、伊勢神宮を「最大の単純のなかに、最大の芸術がある」と記しました。
そして「日本固有の文化の精髄としての古典的天才的な創造建築を見た」としています。
タウトは、伊勢神宮に、日本文化の特徴を表す「簡素」と「清明」を感じとり、伊勢神宮から桂離宮につながる「天皇精神」に、日本固有の伝統の神髄を観ました。
神宮の建築様式というのは、奈良時代の仏教伝来による影響も受けず、また室町期に起こった「わび・さび」の建築様式にも影響されていません。
もちろん西洋文化の影響もありません。
日本美の源流である太古の面影を、そのまま今日に伝えています。
参道の清らかな玉砂利を踏んで、拝所に進み、御神前に三拝する。
西行法師は、次のように詠んでいます。
何事のおはしますかは知らねども
かたじけなさに涙こぼるる
いたづらに他国との友愛を言う前に、日本のもつ伝統・文化をきちんと見直し、子供たちにその精神を伝える。
そのことの方が、はるかにたいせつなことです。

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コメント
日本について勉強中
本殿は昨年遷宮があったばかりだからかとてもきれいで、屋根が印象的でした。萱(であってるのかな?)で雨を通さないためか分厚く、あちこちが微妙な曲線で丸みを帯びていました。なので社全体を見ると、頭でっかちで埴輪に似た印象もあり、どことなくかわいらしさが感じられる建物でした。
本殿は撮影してはいけないので、このページの写真もインターネット上の写真も本殿ではなく、本殿とはイメージが違う建物です。この点は誤解しそうですね。式年遷宮のある本殿こそが古来より続く純粋な神道形式なのでしょう。仏教伝来以降の美しい建物とは全然違います。
それにしても外国人は想像していたよりは少なかったのですが、友達同士で訪れている若い人が多いのに驚きました。正直、学生時代までの自分はこういう所はダサくてつまらないと思っており、修学旅行か親に連れられてしか行こうとしない場所だったのに…。
2015/11/21 URL 編集
カレワラ
西洋は、石と油の文化。
中韓も、色やデザインなど派手派手ゴテゴテ系で
日本と異なりますね。
2015/11/20 URL 編集
Gon
せっかくの神宮さんの写真が記事の中にある本殿
であるところの唯一神明造りの写真でなく、
敷地内に建っている神楽殿の写真なのが残念でなりません。
子供の頃から「何で伊勢神宮は建物も古くなく
(遷宮の影響です。形式は最古なんですけどね)
飾りも少なく、建てた人も無名の建物なのに有名なのだろう?」
と不思議に思っていました。
他所から訪れる人に問われて自分なりに「何でか?」
を考えているうちに辿り着いた答えが、
まんま今日のブログに載っていました。
そうなんです。「他国の影響がみあたらない。シンプル=美しい」なのです。
2015/11/20 URL 編集
ポッポ
特徴の一つに、建築物の床が高いものが多いのですけれど、その理由は、この桂離宮の近隣に桂川があるのです。この床の高いことは、桂川の氾濫に備えたものだと思います。
韓国では、旧日本軍の従軍慰安婦問題を扱った韓国の学術書「帝国の慰安婦-植民地支配と記憶の闘争」の著者、世宗大の朴裕河教授を名誉毀損罪で在宅起訴したそうです。
そして検察は、河野官房長官談話や国連の報告書などを根拠に、「元慰安婦は性奴隷に等しい被害者であり、日本軍に自ら協力したわけではない」と指摘したとのことです。
韓国では、朝日新聞が32年に渡る誤った報道を訂正したことに関係なく、河野官房長官談話や国連の報告書を根拠として、慰安婦問題に対する考え方を変える気がないようです。
おそらく韓国は、何を言っても慰安婦に対する態度を変えることがないと思いますが、日本は誤った慰安婦に対する認識を変えさせる努力は必要だと思います。
今の政府には、河野太郎衆議院議員が国家公安委員長及び行政改革担当大臣として入閣しておられますが、河野太郎氏から父親である河野洋平官房長官に説得でないのでしょうか?
河野太郎氏がこれまで父親である河野洋平氏の談話を擁護していることは分かっています。
先日も、河野洋平氏は、未だに慰安婦のいたことを主張していました。また、強制徴用も居ただろうとの発言もあったように思います。
しかし、韓国の主張は20万人の強制徴用です。中には居たとの微少な数字ではありません。 居たと強弁するのなら具体的な資料と調査の結果が必要と思いますが、河野洋平氏の主張は多分の範囲です。(私は慰安婦は居たが、強制徴用はなかったと考えます。)
河野太郎氏が慰安婦についての考え方を変えるのならば、韓国でこのような問題が起こった今が最も適切な時期ですし、河野洋平氏も又過去に韓国に騙されたことを、今もこれからも続けられることを考えると(慰安婦問題の出る都度、河野談話が根拠とされるのです。)、そろそろけりを付けておかないとご子息がこれの呪縛から逃れなくなることを考えないと、いけないと思うのです。
河野太郎氏は衆議院小選挙区では極めて強いのですが、河野談話を引きずっている場合、慰安婦の強制徴用があるとの主張をしている最後の一人になったとき、選挙に勝てると思っているのでしょうか。
その場合は、御自分の危機管理が全くできないことになり、政治家としてそのことが問われます。
2015/11/20 URL 編集
たまにはコメントしてみます。
それはバーミヤンの石仏爆破の事なのですが、今の日本では考えられない事が実際に有ったわけです。そして、移民受け入れなんて気安く言っている人たちは何を考えているんだろうと思います。現在でも油まき事件や神社仏閣の謎の火災が相次いでいます。軽々しく人権など口にする輩の勢力が本当に怖いと思うこの頃です。
日本独特の美しい様式を受け継ぐために何が出来るかを深く考えさあせられる内容でした。
敬具。
2015/11/20 URL 編集
えっちゃん
読み進めてゾクゾクしました。
「日本固有の文化の精髄としての古典的天才的な創造建築を見た」とはなんと素晴らしいことばでしょうか。
作った古代のかたが天に通じていたのだと思います。
2015/11/20 URL 編集
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伊勢神宮は日本人の心の拠り所です。
外宮が陰、内宮が陽を現すそうです。
中々伊勢神宮が遠くて行けない方達も多いと想いますが、近所の氏神神社は全て伊勢神宮の分神なので氏神様に日本で生かされている感謝を捧げれば伊勢神宮の神様に通じているそうです。また、伊勢神宮へ参拝させて頂きたくなりました。
2015/11/20 URL 編集
愛信
徒然草の中には時代を超えて心を揺さぶるメッセージがあった!(吉田先輩の熱いつぶやき)
https://youtu.be/jUj6WJifVII
(動画)
詳細は
【学校街の掲示板】
http://www.aixin.jp/gktj/sgk/sgk.cgi
2015/11/20 URL 編集
junn
2015/11/20 URL 編集