ソマリアの良心を引き出したすしざんまいの社長



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20160127 すしざんまい


1月18日にハーバー・ビジネス・オンラインで紹介された記事です。
すでに約3万人の「いいね」が付いていますから、もしかするとみなさまはもうご存知かもしれません。

********

すしざんまい社長が語る「築地市場移転問題」と「ソマリア海賊問題」
2016年01月18日 ビジネス
http://hbol.jp/77365

’01年に第1号店を東京・築地場外市場に「すしざんまい 本店」をオープン。
現在では北海道から九州まで、51店舗を展開。その多くが年中無休24時間営業で、本格的な寿司を手ごろな価格で楽しむことができるという、それまでの寿司屋の常識を覆したのが、株式会社喜代村の木村清社長だ。

──────────
「すしざんまい」が年間300件の海賊被害をゼロに
──────────


――「『すしざんまい』の社長が、アフリカのソマリアで、元海賊とマグロ漁をやっている……と話題になったことがありましたね。

木村:今でもやってますよ。
ソマリアの沖というのは、キハダマグロのいい漁場なんです。
ところが海賊が出るようになり、危なくてマグロを獲りに行けなくなってしまったんです。
しかし、聞いてみると誰も海賊とは話していないという。

おかしいじゃないですか。
海賊といったって相手は人間なんですから。
それでさっそく、伝手を頼ってソマリアの海賊たちに会いに行きました。

そこでわかったことは、彼らだってなにも好き好んで海賊をやっているわけじゃないということです。
だったらこの海で、マグロを獲ればいいじゃないか。
自分で稼いだ金で家族を養うという、誇りを持った人生にしなくちゃいかん――と、彼らと話し合ったんです。

――ソマリアの人たちは、内戦で国を失い、無法地帯となった彼らの海が荒らされたため、海賊になったと主張しているそうですが、自力では対抗できなかったのでしょうか……?

木村:口で言うのは簡単ですが……、まず彼らは、マグロ漁の技術をもっていないし、船もありません。
マグロを獲ってもそれを入れておく冷凍倉庫が使えなくなっている。
獲ったマグロは売らなければなりませんが、そのルートをもっていない。
IOTC(インド洋まぐろ類委員会)に加盟していないから、輸出ができなかったんです。

じゃあ、仕方がない。
うちの船を4隻もっていった。
漁の技術も教えましょう。
冷凍倉庫も使えるようにする。
ソマリア政府にはたらきかけてIOTCにも加盟する。
獲ったマグロをうちが買えば、販売ルートも確保できる。
こうやって一緒になってマグロ漁で生活ができるようにしていったんです。

――「民間外交」の枠を超えた貢献ですね。なぜそこまで?

木村:いろんな国や国際機関も援助をやっていますが、どれも上滑りのことばかりであまり役に立っていないことも少なくありません。
相手の視線に立って、相手の悩みに気がついてあげることが必要なんです。
ソマリア沖じゃ一時は年間300件、海賊による被害があったそうですが、うちが行くようになって、この3年間の海賊の被害はゼロだと聞いています。
よくやってくれたと、ジブチ政府から勲章までいただきました。

――そこまでして、事業として採算はとれるんですか。

木村:んー。まあ、正直言って今のところまだ採算はとれていませんね。
しかし、将来的にはきちんと利益が出る目論見はたっていますよ。
それに商売というのは、目の前の利益、儲けのことを第一に考えていたんではうまくいかないものなんです。
まず考えなくてはならないのは、どうやったら喜んでもらえるか、何を求められているかということ。
それに応える算段をするのが「商売」なのではないですか。

********

たいへんな功績だと思います。
ソマリアといえば海賊、海賊といえば討伐、気に入らないものはひたすら武力で押さえ込むというのが米国および米国の影響下にある「United Nations(連合国・国連)流のやり方です。
相手の立場を尊重し、相手の立場に立って、相手が自立してちゃんと食べて行かれるように第三の道を探そうとするのが日本流です。

さらに、みんなが食えるようにすること。
この精神は、日本の建国神話そのものでもあります。

初代天皇である神武天皇は、「天下の政を看(み)る」ことを目的に中山成彬先生の地元である宮崎の高千穂宮を発ち、畿内へと向かいました。
その「天下の政」の「政」という漢字は「正しいことを行う」という意味の漢字なのですけれど、では、天下における天下万民にとっての正しいこととはなにかと言えば、「みんなが食える世の中」を築くことだと、これはなんと『古事記』に書いてあります。

もちろん、どうしようもない相手は斬り捨てます。
そうしなければ、みんなが困るからです。

宗教でもない。正義でもない。もちろん利権でもない。
どこまでも「みんかが食えるように」していく。
それが日本の流儀です。
かつての満洲経営も、台湾経営も全部同じです。

日本のこころを大切にする党(通称:日コロ党)の中山恭子代表が、ウズベキスタンでタリバン過激派に拉致された日本人鉱山技師4人を取り返すために単身、武装タリバンの本拠に乗り込んだのも、その精神があればこそです。

私たちは、政治も経済も外交も、日本人であることをいま以上に学ぶ必要があると思いますが、みなさんはいかがでしょうか。

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コメント

takechiyo1949

優れた実業家とは。
『人は一人では生きていけない…人の喜びに依って生かされている』
株式会社喜代村社長の木村さん。
口癖だそうです。
また、こうも仰っています。
『すしざんまいが寿司としてお客様に提供するマグロは、感覚的なものではありますが、98点以上のものだけです』

どこから仕入れようが、高額であろうが、マグロの仕入れ品質は感覚的なもの。
寿司に出来ないマグロを買ったことも稀にはあるでしょう。
そんなマグロは廃棄する?
と思いきや…とんでもない!
焼物?煮物?佃煮?
使い途は沢山あると言います。
木村さんは優れた実業家です。
とても良いお話でした。

くすのきのこ

No title
こんにちは・・~っと複雑な問題のようですが・・。
元々、ソマリアという国は1960年に独立はしたものの、北は英国、南は
伊国の影響でいざこざがあり1969年に統一したが、1991年には政権
崩壊。以来、暫定政権の国際的承認はなく内戦中。政権崩壊後、領海に欧州、
次いでチャイナ、東南アジアの大型漁船による乱獲が始まり、地元漁民を圧
迫し殺傷事件も。また仏・伊企業によりイタリアのマフィアが絡んだ産業廃
棄物の投棄(放射性物質、カドニウム、鉛、水銀などの重金属など)が行わ
れ、これが2004年のインド洋地震による津波でソマリア海岸に打ち上げ
られ地域汚染し、村民300名程が死亡~数万人?が被爆したとも。
これらの内戦と漁業不可能状況から1992年には漁民の一部が海賊行為へ
と走り、2004年の海洋~海岸汚染がそれに拍車をかけたたとされてはい
るが、実は全てが地元民というわけではないと。海賊の一部は、英国の民間
軍事企業に訓練された私設海上警備隊が大元で、アフガニスタン~ソマリア
経由~アフリカ諸国への麻薬と小武器の密輸を担っていたのが海賊化したと
も。ここが元の密輸業に戻れば、後はあまりたいした勢力は・・。つまり元々、
地元民も参加はしていたが、この密輸団のからむ政治的な武器売買集団に政
治的圧力がかかり、状況は変化してきていると見る事もできますね。
・・それもあるが、海底に産廃がゴロゴロしている海域の魚って・・大丈夫
なのか??欧州もチャイナも気にせず乱獲し続けている・・・。生簀では無
いからとか・・汚染した海岸に水揚げしないからとか・・かな?
アフリカの人の言葉は風が吹けばコロコロ変わる・・ケニア・ナッツカンパ
ニーの創業者である佐藤芳之さんの言葉にこういうのがありました。
彼の地の暫定政権に変化があれば、ソマリア状況は変わる。(内戦中です)
日本の自衛隊はいわゆる殺傷武器を使わずに船の護衛をしていますし(指向
性大音響装置を使うそう)空からのP-3C哨戒機は海賊の早期発見で、他
国軍と連携しているそうです。露は容赦なく見せしめに実弾を使って沈めま
すし・・。地道な?こういう努力があってこその海賊集団へのプレッシャー
となっているのでは?アフリカもまた欧米同様に”力”の無い正義は意味を持
たない地であり”力”の誇示も必要なのでしょう。その上で、お寿司やさんの
前向きな行動提起が実を結びつつあるのかな?採算がとれればいいですね。
日本の輸出入物の重量割合99パーセント以上が海上輸送により行われてい
ます。シーレーンをないがしろにはできません。海賊問題へのいろんな方向
からの取り組みは大事でありましょうね。ただし・・風が吹けば変わるかも
しれないのを覚悟でね。


ポッポ

No title
ソマリアでの海賊による被害は、ゼロだということに驚きました。
そして、海賊による被害のなくなったのは、ソマリア人によるマグロ業が始まってからと言うことに、もう一度驚きました。

誰だって海賊をするよりも、まともな仕事をする方が良いことは判っているのですが、まともな仕事が完全に無くなってしまったときのことは想像できません。

食うがためには何をやっても良いとは思いませんが、食べる方法の見つかったときには、これを選択することはすばらしいです。(貧しくて、難民になることもできなかったと言えば、考え込むほかありません。)

シリアをはじめとして、難民と称してよりよい生活を目指して海外を目指す集団よりも、自国に留まって頑張る方が応援できます。

ソマリアの人が仕事で頑張り、日本人はその成果を頂くことは、両方にとって良いことだと思います。もちろん、日本人はおいしいマグロを食べた後、日本の得意分野で頑張ることが大切です。

えっちゃん

No title
今日もありがとうございます。

この記事は、他のところで読みました。感激しました。

先人でも、ブータンでダショー・ニシオカと呼ばれた西岡京治さん、杉原千畝さん、八田ダムの八田與一さんなど枚挙にいとまありません。ねずさんのブログで知ることができました。

相手の立場を考えて、有効な手段を考えることができるのは、日本人ならではと思います。

シェアさせて頂きます。

cocoa

No title
これこそ飢えた人に釣りや農耕を教えるということですね。

同じ投資の仕方でも人材を育てながらのなやり方は、すぐには結果を出せないジレンマはありますが、結局”急がば回れ”で、お互いの信頼関係も構築できる訳ですから素晴らしい経営哲学です。

経団連の諸氏に聞かせたいです。
このやり方を忘れた日本企業はいずれグローバル化の波にのまれて消え去るだけですが、国内の従業員にもこのような眼差しで人材育成のできる経営者が増えることを願わずにはいられません。
大切にされた従業員はそれを会社のために仕事で返す>>会社の繁栄>>という至極当たり前の正のスパイラルがかつての日本の会社だったはずですから。


愛信

【恩義を忘れないフィリピン人】
【恩義を忘れないフィリピン人】
https://twitter.com/ooi16530482/status/692842646390214656

反日売国テレビ局・マスコミが天皇陛下フ
ィリピン訪問を報道しない自由を行使して日
本国民に真相を知らせないばかりか、捏造番
組を作り視聴者を騙す犯罪行為を行っていま
す。

詳細は
【マスコミ隠蔽の掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj4.cgi
【マスコミ隠蔽のタイトル一覧】最新版はこちらをクリックして下さい。

キョウリュウジャー

テレビでもやってた心温まる話ですね。
台湾統治と同じ手法でこれぞ日本という歴史に残る偉業です。

サッカー小僧

とてもいい話ですが、ソマリア沖の海賊退治には、自衛隊も派遣されていたんじゃないですか?本当に海賊行為が収まったならいいですが、各国が軍隊を出すほど激しかった海賊行為が民間人の話し合いで解決したら、日本の税金の節約になり、取れたマグロも食べられて、ソマリア人も生活出来て言うことないです。でも、アメリカ政府とかは、こういう事がなぜ出来ないんでしょうか。日本以外でアメリカが統治に成功した国が無いのはなぜでしょうね。

愛信

テレビでも流しっぱなしです。日本のメディアも見習えや!
テレビでも流しっぱなしです。日本のメディアも見習えや!
http://twitter.com/HARUHIKOBOY/status/692367209486651393

天皇陛下のフィリピンご訪問は靖国に眠る
英霊の慰問と日比国交回復60周年を記念し
て国賓としてご招待されたものである。
それなのに反日売国テレビ局・マスコミが
天皇陛下のお言葉を改竄して、現地住民の反
日的な話をする老婆の動画を挿入して日本国
民視聴者に印象操作を行う犯罪行為を行って
いる。 気付きましょう。 反日売国テレビ
局・マスコミの悪意に満ちた異常な行為を、
そして日本からこの様な反日売国テレビ局・
マスコミを追放しましょう。

詳細は
【マスコミ隠蔽の掲示板】最新版
http://www.aixin.jp/axbbs/kzsj/kzsj4.cgi
【マスコミ隠蔽のタイトル一覧】最新版はこちらをクリックして下さい。

junn

No title

junn

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拡散希望です)大陸に出征した軍医さんへの命令書(未公開)2016.1.26
http://bouzup.blog.jp/archives/1050713273.html
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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