勾玉(まがたま)



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20160211 勾玉


上の写真は「勾玉(まがたま)」です。
ご存知の方も多いことと思います。
「曲玉」とも書かれます。
古事記では「曲玉」と表記され、日本書紀では「勾玉」の文字がつかわれています。

勾玉は、一般には縄文初期の頃の耳飾りが原型といわれ、その後、古代日本の装身具か、祭祀に用いられたものとされています。
ですから古いものになると、1万年以上も前の縄文初期の遺跡から出土します。
三千年前には、倭国から朝鮮半島へも伝播した形跡もみられています。

その勾玉について、こんな話を聞いたことがあります。


いまから二千七百年前に、神武天皇が初代天皇として日本を開国なさいましたが、天皇家は、それ以前から上方様(うわかたさま)と呼ばれた時代が約六千年続いていたというのです。
その上方様の時代、天皇家は末子相続制で、子供たちの中でいちばんおとんぼ(最後に生まれた男の子)が、家を継いだのだそうです。

子だくさんの時代です。
たくさんいるお兄ちゃんお姉ちゃんたちは、民間に降りて婚姻し、人々と血縁関係を結びます。
そして人口が増えてくると、お兄ちゃん、お姉ちゃんたちの一部は、新しい土地を求めて、土地を去って行きました。

そして去って行くときに、上方様の血族であるという証に、勾玉をもらっていったというのです。
勾玉は、湾曲した石ですが、その湾曲した部分には、ご皇室の魂が宿るとされ、去って行ったそれぞれの家族は、それを我が身の係累の「証」として大事な折には身につけることを伝統としたのだそうです。

20151208 倭塾・動画配信サービス2


何世代かが経つと、それぞれ他国の土地に定着したお兄ちゃん、お姉ちゃんたちが、はじめはひとりふたりだったものが、幾世代を経て、何百人かの集落となります。
こうなると、同じ先祖を持つ親戚同士(村同士)でも、何百年も交流がなくなることがあり、そういう村同士が、ある日、なんらかのことでトラブルになる。
イクサが始まろうとするわけです。

村同士のイクサですから、これは村落国家の一大事です。
当然、村長であるリーダーは、胸にご先祖伝来の勾玉を下げてイクサの場に赴きます。
そこで相手の村国家の軍団と対峙してみると、なんと、相手の村長の胸にも、同じ勾玉が!

そこで、
「やあやあ、あなたも上方様のご一統ですか」
「ハイ、私は何代の○○様の時代にこの土地に来た者です」
「そうですか。私は何代の□□様の時代ですよ」
「それなら、お互い親戚ではありませんか。
 ならばイクサなどやめにして、
 一緒に酒でも酌み交わしましょう」
ということになって、流血事件が避けられたのみならず、互いの村落国家同士の交流が深まり、互いに発展することができた。
そんな「証」が、勾玉であった、というのです。

このお話を聞いたとき、「いがいとそういうことが真実であったのかもしれない」と思いました。
いまとなっては、記録もない遙か古代のお話です。
その時代に生きていた当事者などいませんから、実際のところはわかりません。

しかし神武天皇が、忽然とこの世に出現して日本で世界最古の王朝を築いたわけではなく、神武天皇の出自である天皇家は、それ以前の遙かな昔、ご先祖が神であった古い昔から、日本を統べる皇家であったというお話は、とてもリアルに感じます。

日本で出土された大平山元一遺跡の土器は、いまから1万6500年前という、とほうもない古代の土器です。これは、世界最古の土器でもあります。
一万年前という時代は、西洋はまだ旧石器時代です。
それよりも6500年もさかのぼった昔に、日本には土器があり、土器があるということは、そこに集落があり、火が使われ、言語があり、文化があったということを裏付けます。
つまり日本では、西欧がまだ原始時代で、石オノを持ってウッホウッホとやっていた時代に、それなりの社会的文化的生活が営まれていたのです。

縄文早期の人口は日本列島全域でおよそ2万人程度であったろうといわれています。
その人たちが、現代にまで延々と続いて日本人を形成しています。
計算上は、約700年で、ひと組のカップルから誕生した子孫が一億二千七百万人、つまり現代の人口になります。
縄文土器の一万六千五百年前からといわず、神武天皇の即位した2676年前からみても、日本人であれば、誰しもが三度や四度は、同じ胎内から生まれた計算になります。
つまり生粋の日本人はみんな、何十世代という尺度でみれば親戚です。

ちょっと古くて戦災で焼かれなかった旧家なら、どの家にもある家系図をずっと追っていくと、先祖はみんなご皇室にたどり着きます。
これは、「そう書くことで家の権威付けをした」というのではなく、実際にその通りだったのです。
鈴木さんも高橋さんも斉藤さんも田中さんも、ご先祖をずっとさかのぼって行くと、どの家もみんなご皇室にたどりつくきます。
ですからご皇室は日本人の本家の中の総本家です。

国を愛し、故郷を愛する心は、親兄弟を愛し、妻子や恋人、友人や仲間、そして我が子を愛する、あるいは友人や仲間たちを愛する気持ちと同じ延長線上にあります。
なぜならそれは愛だからです。

私たち日本人がいざというとき勇敢に戦い、互いに助け合う心をいかんなく発揮できるのは、そんな愛の心が私たちのDNAの中に深く刻まれているからなのです。


※この記事は2011年4月の記事のリニューアルです。

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コメント

takechiyo1949

勾玉の日
《購読メルマガから抜粋》
今日6月9日と9月6日は「勾玉の日」です。
数字の「6」と「9」は勾玉に似てますからね。
島根県松江市の「㈱めのや」さんの申請で制定されました。
「めのや」さんは「出雲型勾玉」を皇室や出雲大社に献上されている会社です。

勾玉には、健康を守り、魔除けとなり、幸運を招く力があると古来から言われています。

次の様な材料で造られます。
翡翠(ヒスイ)
瑪瑙(メノウ)
琥珀(コハク)
鼈甲(ベッコウ)
丸く膨らんだ玉部に穴を穿ち、紐を通して首飾りにしていたようです。

我国の縄文時代の遺跡から発見されたものが最も古く、古墳時代の古墳から権威や威厳を示す威信財として出土したり、奈良時代には仏像の装飾に使われることもありました。

・八尺瓊勾玉
(やさかにのまがたま)
・八咫鏡
(やたのかがみ)
・天叢雲剣
(あめのむらくものつるぎ)

これらは、ご存知「三種の神器」ですね。
皇居の御所「剣璽(けんじ)の間」と「賢所」に保管されています。

takechiyo1949

凄い技術力です。
勾玉の姿形は「太陽と月」を表しているのだそうです。
硬い石に孔を穿つ?
想像を絶する工法!
最先端技術を駆使しての物造りを生業にしています。
ですから、勾玉造りの様なハンドメイドの発想は難しいです。
今風に言えば、勾玉は正に「パワーストーン」ですよね。
古代のチャレンジ精神!
穿孔しながら注ぐ想い!
私達が忘れがちな原点!
誠に…恐れ入るしかありません。

-

No title
素晴らしいお話を有難うございます。
そうか皆ご講師室の家族か
すめらぎいさやか

あくび

No title
はじめまして

いつだったか忘れましたが、
日本人は皆、皇室(天皇)と繋がってると聞いたことがあります。

桐一葉

モドキの区別がついてきた
本日は日本の誕生日。
外出の折、神社に日頃の感謝と秋篠宮家の弥栄をお願いしてまいりました。

勾玉の形や色は素敵ですね。勾玉作りを体験できる歴史館で子供が作ってきたものさえ大切に感じられるのは、日本独特の感性でしょうか。

屁理屈を並べる事はナンセンスです。
愛国という言葉も日本人はあまり使いませんね。当たり前のことですから。

言葉を紡いで言祝ぐ。日本人で本当によかったなあとつくづく最近感じます。日本の建て直し、天の気も前倒しで進んでいるようですね。

 

No title
最近パトカーとか良くサイレンを鳴らしながら走り回っています
日本の治安を維持するために誠頭が下がります。
また円高の急進、なんだかおかしいなと思います。
この金がどこから来たのか不思議に思います。元が紙くずになる前にパヨク共が悪あがきしているのなら合点がいきます。
もう直ぐ爆買いも禁止されるでしょうからww
ここを訪問される方の何割かは余命殿も訪問されていると思います。
警告が発せられています。
良かれと思っていたCHANGE ORGが実はパヨクの巣窟。
だんだんと正体がバレテキタようです。
日本の心を大事にされている党も隠れパヨクとの縁を切って
真の保守政党の中央を歩んで頂きたいと心より願っております。
揚げ足取りに足を掬われるスキを見せないことが何より大切な事。
思っていた以上に経済の面では歩みが進んでいるようです。
護国。護皇室。護真の国民。
似非国民には言わずもがな。
ねず様、皆様の安全・健康・ご多幸を祈念いたします。
案外それは早まっているのかもしれません。
微力ながら真の日本人の皆様のお役に立てれば此れに勝る幸せはございません。
GOOD LUCK!!!!!

-

No title
私は実際に勾玉を作っていましたが、今は一旦止めてしまっています。
勾玉の意味するところなど、ほとんどの人が興味を持ちません。
一部のマニアにしか興味が無いようです。
勾玉の文化の背景には、日本そのものが関わっており、ある種日本人としての象徴そのものなのですが、残念な事に、これ程までに興味すら持たれないのは本当に残念で仕方ありません。
勾玉も知らず、翡翠が何かすらも知らないで、ただのガラス細工を有難がっている人が圧倒的というのは、大変悲しい事です。
三種の神器すら、いつ頭の中から消えたのか、それで日本人と言っているんですからねえ…。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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