北朝鮮はなぜ日本海に向けてミサイルを撃つのか



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20160311 米空母


北朝鮮はなぜ日本海に向けてミサイルを撃つのか。
これは、北朝鮮の立場からすれば当然のことなのです。
別に北朝鮮を擁護しているのではありません。
朝鮮戦争(1950-1953)は、終わっていないのです。

なるほど朝鮮戦争は、昭和28(1953)年7月に、北朝鮮と米国との間で38度線を暫定的な国境線とするということで「休戦協定」が結ばれましたが、これはあくまでも「休戦」であって、戦争が終わったわけではありません。

戦争というのは交戦してドンパチすることだけではありません。
戦争終結のためには、当事国同士での平和条約が必要で、それがなされていない以上、戦争状態は継続します。

戦争には戦争当事国があります。
これは、味方国と敵国とに二分されます。
その他に中立国があります。

戦争には、敵か味方か中立かの3つしか区別はありません。
そして日本は中立国ではありません。
なぜなら日本は連合軍である米軍に基地提供しています。
日本が中立国なら、基地も武器もお金も食料も提供してはなりません。
日本がそうでないということは、日本は間違いなく戦争当事国です。

つまり日本は、北朝鮮から見たら明らかに敵国であり、戦争当事国だということです。
そして朝鮮戦争は、目下休戦中であり、戦争は終わっていません。
つまり、日本は、北朝鮮との間で、戦争中です。

このことは、日本が平和を望んでいるとか、憲法9条があるとか、一切関係ありません。
平和を望んでいるのは相手国も同じですし、その相手国にどのような憲法や法律があろうか、戦争の相手国にはまったく関係のないことです。
現実に戦争状態にあるのかないのか、それとも中立国なのか。
中立国でないのなら、敵なのか味方なのか。
敵ならば、戦争当事国であり、それ以外のポジションはありません。

つまり日本は、日本人や日本国政府が望むと望まざるとに関わらず、現実の国際法下において、北朝鮮と目下戦争中なのです。
ただし、その戦争は、ドンパチについては、目下休戦中です。
休戦中ですから、直接、北朝鮮からのミサイルが日本本土に飛んで来ることはありません。
しかし、休戦中であるということは、いつ再び戦端が開かれてもおかしくはないわけで、そのために北朝鮮は当然のごとく、いつドンパチが起きても良いように、入念に準備をするわけです。
そしてその相手国には、当然のことながら、中立国でなく、戦争相手国である日本もターゲットに含まれます。

こうした北朝鮮との戦争状態について、まったくお花畑でいるのは、日本人くらいなもので、現実には、日本に自衛隊があり、米軍基地があることが、ドンパチの抑止効果となっているだけの状態にあります。
そういうことをちゃんと理解しておけば、北朝鮮の工作員が日本国内で好き放題に工作活動を行うことに対して、日本国政府が何もしない、メディアが何の問題意識も持ち合わせない、大学の政治学の教授が、何も問題意識を持たないでいるということが、いかに馬鹿げた状態かということが理解できようかと思います。

なぜなら、いったんドンパチが起これば、日本国内の多くの大都市が火の海となることは目に見えて明らかだからです。
それだけではなく、中共が北朝鮮に呼応して、戦闘勃発と同時に、自国の安全保障のためにと東シナ海の海上封鎖を行えば、その瞬間から日本国内には石油がなくなります。
およそ一週間で、日本国内では、(原発が停止して火力発電に頼っていることもあって)まず、電力が止まり、ガソリンスタンドでのガソリンの販売が停止することになります。
このことが、どれだけ大きな経済的被害を生むのか、考えただけでも恐ろしいことですが、戦闘再開となれば、それだけではなくて、日本国内にミサイルが撃ち込まれることにもなるのです。

そのような事態になることは、おそらく日本人なら誰も望まないと思います。
だからこそ、米国は、自国にミサイルが撃ち込まれたり、自国の本土が戦場になることがないように、自国から遠くはなれたところに基地を置いて、国の防衛を図っています。

20151208 倭塾・動画配信サービス2


ところが日本は、日本国憲法上、あくまでも日本本土が戦場となったときにしか、自衛隊の出動ができないことになっています。
これは、自国の本土を戦場にしようという発想であって、自国内が戦場となることをむしろ希望している憲法ということになります。

だからこそ集団的自衛権、ということになるのですが、これを戦争法案だと馬鹿げた批判をしている政党や、日本国内に住む外国人がいます。
馬鹿げています。
日本は、すくなくとも、北朝鮮とは「戦争中」、もっといえば、目下「戦時下」にあるのです。
戦時下にありながら、戦争法案に反対するということは、降伏しろと言っているに等しいことです。

ここまで書いたので、もうひとつ添えておきます。

「日本は独立国」か、という問題です。
なるほど昭和27年のサンフランシスコ平和条約の締結によって、日本と連合国との戦争は、形式的には終結しました。
けれど、日本には米軍基地があり、そして占領統治下に押し付けられた日本国憲法という名の占領統治用の日本人服務規程が、そのまま生き残っています。
ということは、日本は、実質的には、いまだ占領下にあるということです。

占領下にあるということは、戦時中だということであり、いまだ、戦争は終わっていない状況にあるということになります。

この状態を終わらせ、日本が形式的だけでなく、実質的にも独立国となること。
そして、国土の安全保障を、自らの手でキチンと執り行えるようになることが、本来、いちばん必要なことです。

ただ、おもしろいことがひとつあります。
日本は、間違いなく、実質的にはいまだに占領下にあるわけです。
ところが、日本の通貨は、ドル、ユーロ、円の中で、もっとも安定した信用のある通貨となっています。
世界の歴史の中で、占領統治下にある国の通貨が、世界に通用する堂々たる通貨となった国というのは、おそらく、日本の円が、史上初めてのことであろうと思います。

日本は、底知れない強さを持った国です。
しかし、だからといって安全保障を疎かにしたら、日本の平和は失われます。

日本は北朝鮮との間において戦争当事国であると書かせていただきました。
だからといって、いまこの瞬間に、「米軍出てけ―」と言う気は毛頭ありません。
戦時下にある以上、今の時点で米軍に出て行かれたら困ります。
これは「現実」です。

その現実を変更し、未来に向けてわたしたちがどのような国になっていくのか。
どのような生活が望みなのか。
誰も日本が中共や韓国のような道徳観のない国になることなど望んでいないと思います。
ソマリアのような海賊が支配する暴力地域になりたいと思う人もいないと思います。
コソボのように、何百万の人が飢えてやせ細って死んでいく、そんな国にしたいと思う人もいないと思います。
けれど、現実に、そういう国も、いま存在しています。

では日本がどうなりたいのか。
答えはひとつだと思います。
誰もが豊かに、安心して、安全に暮らせる社会です。





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コメント

ムーミン親父

北朝鮮の暴走を許さない
 未だ日本人の殆んどの人は「お花畑」であると思います。
キム ジョンウンの1党独裁を傍観している「事実」があるからです。
日本政府が「遺憾の意」を発表しても、奴は歯牙にもかけません。
現金獲得の為、「弾道ミサイル」を反米国に売却するかもしれません
私達はもっと「現実」を見つめなければいけません
ねずさん ありがとう

いっちー

No title
>誰もが豊かに、安心して、安全に暮らせる社会です。
まったく、その通りですね。
そうで無ければ、「幸福で、生き甲斐の有る人生 」は送れませんからね。
それにしても、私は、敵味方 中立以外にもう一つ、強いて言えば、『謀略国』、孫子の兵法というか、徳川家康、毛沢東みたいに
、両方が戦って共倒れ・漁夫の利を狙っている国も有るかと思います。

誰も?

No title
誰もが豊かに、安心して、安全に暮らせる社会です。

この「誰も」という言葉は、とても危険だと思います。
誰もの中に、
息をするように嘘を吐く人たちも入れるのでしょうか?
天皇陛下のことを、ウリスト教徒はサタンと教えている。
そのような人もですか?

そのようにGHQに教えられて来ました。それこそが人権、
平等であると。
危険です、「誰もが」という言葉を安易に使うことは。

taigen

No title
墨子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A2%A8%E5%AD%90

逸話
楚の王は伝説的な大工公輸盤の開発した新兵器、雲梯(攻城用のはしご)を用いて、宋を併呑しようと画策する。それを聞きつけた墨子は早速楚に赴いて、公輸盤と楚王に宋を攻めないように迫る。宋を攻めることの非を責められ困った楚王は、「墨子先生が公輸盤と机上において模擬攻城戦を行い、墨子先生がそれで守りきったなら宋を攻めるのは白紙にしましょう」と提案する。机上模擬戦の結果、墨子は公輸盤の攻撃をことごとく撃退し、しかも手ごまにはまだまだ余裕が有った。王の面前で面子を潰された公輸盤は、「自分には更なる秘策が有るが、ここでは言わないでおきましょう」と意味深な言葉を口にする。すかさず墨子は「秘策とは、私をこの場で殺してしまおうということでしょうが、すでに秘策を授けた弟子300人を宋に派遣してあるので、私が殺されても弟子達が必ず宋を守ってみせます」と再び公輸盤をやりこめた。そのやりとりを見て感嘆した楚王は、宋を攻めないことを墨子に誓った。使命を終えた帰り道、宋の城門の軒先で雨宿りをしていた墨子は、乞食と勘違いされて城兵に追い払われてしまった。墨子の御技は、救われた宋人にもわからない程の素早さであった。この逸話から「自説を頑なに守る」という意味の「墨守」という故事成語が生まれた。

非攻

非攻とは一言で言えば、非戦論である。墨子直著と見られ、「人一人を殺せば死刑なのに、なぜ百万人を殺した将軍が勲章をもらうのか」と疑問を投げかけている。
>九条教徒のような現代日本の反戦論者は、墨子のように、ではどのように対応するかを考えていないんですよね。

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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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