日本は自然災害の多い国



20160906 台風被害
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梅雨時には降雨量が少なくて取水制限まで行われたのに、8月から9月にかけては、台風が連続的に押しかけてきています。
このため甚大な被害が発生しています。

台風だけではありません。
日本は、地震、津波、火災、大水、土砂災害、凶作、噴火、干魃、落雷、竜巻、大風、大雪等々、まるで天然の災害大国と言って良いほど、自然災害の多い国です。

その災害は、身分の上下を問わずに襲ってきます。
お金持ちだから、災害に襲われないなどということはないのです。
そしてひとたび、災害に襲われれば、そのあとの復興は、喫緊の課題になります。

国土の狭い日本では、ときに大陸で見かけるように、街ごと捨てて、他に移住するという選択肢はないのです。
いまいる場所を復興し、再び住みよい豊かな街に変えていかなければならないのです。

では、その災害からの復興は、誰がやるのでしょうか。
庶民です。
庶民の持つ労働力が、災害からの復興事業の足がかりです。
これは、大昔からそうです。

20160810 目からウロコの日本の歴史


いざというときに、災害復興のための労働力が確保されていないと、日本という国も、地域社会も成り立たないのです。
ですから日頃から、お上(かみ)がすることは、民間に余力を保ち、民間に豊かさが保たれるようにしていくことが、施政の必要条件だったのです。

大陸のように、人の上に立つ者が、民から激しい収奪を行い、自分だけが豊かな金満生活、酒池肉林生活を送っていたとします。
けれど、そんな富者にも、日本では、自然災害が別け隔てなく襲いかかるのです。
それで大金持ちの屋敷が倒壊する、あるいは土砂に埋まってしまう。
そんなとき、民衆に武器を突きつけて、自分の家屋だけの復興をしようとしても、ひとりの富のために、他の大勢の富が日頃から犠牲になっていれば、民は働くことができません。
無理に徴用しようとすれば、民は逃散するだけです。

このことは、先般あった広島の土砂災害が象徴しています。
戦後の談合廃止以降、土木作業員の労働力を激減させたいまの日本では、土砂を取り除くための人出の確保ができない。
結局は、地域社会で力を合わせて、土砂の取り除き作業をみんなでしなければならないのです。

台風の影響で、北海道でも、大規模な水害が起こりました。
道路には土砂が堆積し、アスファルトは土石流によって押し上げられ、破壊されました。
災害からの復興には、もちろん行政による、つまり政府の緊急対策援助による土木作業員の確保が必要となると思います。
けれど、それ以上に、地域民間に活力がなければ、災害の傷跡は、いつまでも残ることになります。

天然災害のことを、天譴(てんけん)といいます。
天の神様による天罰という語です。
もともとは、Chinaの言葉で、Chinaでは天帝という神様がいて、天帝が皇帝を選ぶとされていますから、皇帝の政治がえげつないものであれば、天帝がこれを咎める。それが天による譴とされてきました。

私は、天譴という見方は、あまり好きになれません。
三次元の世の中のことは、三次元の世界に住む我々に責任があるのです。
そして天災は、起きるものです。
ならば、日頃から天災に備える。
そのためには、たとえば堤防工事、震災補強、橋梁補強、避難誘導の取り決め、避難場所や備蓄食料の確保などに加え、民間に富と活力が確保されていなければなりません。

日本に新しくやってきた人たちには、これがわかりません。
いま、この瞬間に自分たちが良い思いができることだけしか考えない。
何十年という長いスパンでみれば、ひとにぎりの人が富を独占したら、結果として天然災害時の対応がとれずに、自滅することになってしまう。
このことがわからない。
しかも、外国からやってくる人々に、日本人がこれをあまりにも「あたりまえのこと」と思っていて、教えることをしない。
結果、災害時に、ただオタオタと混乱するばかりで、対策が採られない。

それぞれの国には、それぞれの国の風土にあった歴史、文化の蓄積があります。
いたずらにグローバリズムを唱える人は、そこがわからない。
これを「欲ボケ」と言います。
目先の欲に目がくらんで、たいせつなことを見落としてしまう。

このところ天然の災害が連続していますが、このことは、私たちが、私たちの国である日本について、もういちどしっかりと考えなおす、良い機会なのではないかと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

20151208 倭塾・動画配信サービス2


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コメント

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No title
「水害は人災です」の処と重複した書込みしてしまい、申し訳ありませんでした。取消して貰おうかとも悩みましたが、兎に角多くの人に見て頂きたいと考え直し、敢て直しません。「談合」の正の部分を語る場はありませんでしたので。

他スレで重国籍問題が出てますが、炎上してる本質は火急の災害の時に腹を括れるのかという意味でも「日本人」いう言葉が出てる気がします。
今回の事で、人知を超えた状況の時、またその後の復旧するまでの長い時間、
周りの人間が取り合えず信頼できるかという根源のセンサーが作動して
表面化したのでは、と思えるのです。

どんなに優秀でもいざ現場に対応できる精神力・能力は別なものです。
その面で「多国籍でも優秀な人を」という意見は違うと肌で感じてしまう。
重国籍の方は何時でも逃げ出せますからね。
つい安易に「日本人」と言いがちですが、災害国という説明は世界に向けて、
又、国籍選択、帰化手続きの際も重要なポイントになると思います。

-

No title
>戦後の談合廃止以降、土木作業員の労働力を激減させたいまの日本では、
>土砂を取り除くための人出の確保ができない。

「談合」の事、取り上げて頂いてありがとうございます。
地方のインフラは、これからガタガタになると思いますよ。
札幌市でさえ除雪に必要な重機等が足りないと2年前から声高に騒がれるようになりました。
加えて時間の制限の受ける材料のプラントも、そろそろ建替えの時期が近い。
ただその費用を新規で持てる会社はどれ程あるかといえば心許ない所です。
地元優先で大手は指名入札に入れませんし、新規業者の乱立で
単価が安くなってます。現状、過去の遺産で食い繋いでる状態です。
時間制限のない材料が安価で出来ることを願ってますが、流石に無理でしょう。
日本の物流はどうなるか、非常に案じております。

rintosite310

No title
震災復興支援活動で気仙沼と石巻に行った時のことを思い出しました。
一面瓦礫に覆われた田んぼには、まだ、ところどこと遺体があることを示す旗が立っていました。私たちは今、国家の一大事だったあの災害について、どれだけ記憶しているのでしょうか?
ところで、あの時、世界を驚かせたのが、あんな絶望的な惨状の中でも他人を思いやり、規律正しく行動する被災者の姿でした。世界の常識では、暴動・略奪が起きるものだからです。
あの災害で日本は大きく傷ついた反面、日本人の本質を知らしめ、世界の人々に感動を与えました。まさに身が傷つきつつも崇高な道徳感を世界中に伝えたのでした。
日本を貶めたい人たちは焦ったことでしょう。なぜなら、人類史上もっとも残酷で非道なのが日本人だと宣伝しているのに、その日本人が自分たちより人間性で優っていることが明白となってしまったのですから。
日本人の遺伝子というか、民族の本質など百年や二百年でそう簡単に変わるものではないことから、他人の悪口を大声で言いふらしている奴ほど信用できないことを、世界の常識ある人は理解したはずです。
しかし、だから尚更「世界の常識」に日本を溶け込ませて「日本人的価値観」を薄めようとする輩が増えるのかもしれません。
十分警戒すべきだと思います。
日本人の主体性を守るためにはどうしたらいいのでしょうか?
難しい問題です。

-

No title
「いま、この瞬間に自分たちが良い思いができることだけしか考えない。何十年という長いスパンでみれば、ひとにぎりの人が富を独占したら、結果として天然災害時の対応がとれずに、自滅することになってしまう」というのは、目先の利権と結びついた政治家と一部の土建屋への批判ですね。ところで先の震災でも、近々の台風でも、自衛隊の尽力の姿は、真に国民を守る姿を示したと思います。そして全国から駆けつけたのボランティアの力にも頭が下がります。ブログの言うとおり、世界各地域にそれぞれの自然災害があり一律の対策が取れないのは事実でありますが、東日本大震災の時にさまざまな国から救援隊が派遣され、逆に日本からも他の地域の災害に救援隊を送る例を見ると、災害の違いはあっても助け合おうというヒューマニズムは世界共通のものと言えるのではないでしょうか。知り合いの自衛隊員は、海外の支援に行って地元の一般人と仲良くなってきました。苦しい人を見たら助ける気持ちが世界の宥和につながるのではないかと思います。願わくば、それが戦争による「人災」である世の中ではなくなりますよう。

愛信

● 日本政府、パチンコのマルハン・韓昌祐会長に『紺綬褒章』を授与
● 日本政府、パチンコのマルハン・韓昌祐会長に『紺綬褒章』を授与

安倍晋三総理の日本国民を愚弄する行であ。
詳細は
http://aixin.jp/lbaxjh/chapter38.htm … …
拡げよう共有の輪
【愛信情報市場逆リツィート・ランキング】
http://aixin.jp/grtrnk.cgi

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更新ありがとうございます。

悠仁親王殿下が、昨日十歳のお誕生日を迎えられました。 心より御祝い申し上げます。赤坂御所のお庭に悠仁さまご自身で稲を植えられ畑を作りイナゴまで放して畑作りと虫達の観察を楽しんでおられるとの事、日本人の原点である米を中心とする稲作文化 を身をもって誰に言われるでもなく、経験されている悠仁親王殿下に十歳とは思えない精神性の高さを感じます。
縄文土器にも関心をお待ちで、創造性が豊かな悠仁親王殿下が立派な皇族になられるのが楽しみです。土木天皇と言われた位、治水や公共工事に尽力された仁徳天皇や自然を深く愛された曾祖父の昭和天皇を
悠仁親王殿下に感じるのは私だけではないと想います。ありがとうございます。
弥栄

junn

No title
パチンコ店から北朝鮮への送金は実際にあるのか?
http://www.continue-is-power.com/entry/2015/10/11/090000
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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