誰もが実語教を暗誦できた時代



20161011 実語教
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『実語教』は全部漢字で書かれているけれど、国産です。
平安末期にできあがり、鎌倉時代に普及が進み、江戸時代には寺子屋を通じて広く庶民の間に浸透して、江戸中期にはほぼ日本の常識となっていました。
どういうことかというと、誰もが暗誦できた。

福沢諭吉は明治時代に『学問のすゝめ』を書いて、その中で、
「実語教に、
 人学ばざれば智なし、
 智なき者は愚人なりとあり。
 されば賢人と愚人との別は、
 学ぶと学ばざるとに由て出来るものなり」
と書いていますが、この文の元が実語教です。
諭吉は当時、常識となっていた実語教をひいて、そこから個人が学ぶことによって一身の独立を果たせるのと同様、国家も学問によって独立を果たせるのだと書いています。

そこで今日は、あらためて『実語教』をみなさまとともに読んでみたいと思います。
はじめにいつものねず式の現代語訳を入れ、そのあとに原文と読み下し文を入れます。
また、若干の所感を末尾に記載します。


20160810 目からウロコの日本の歴史


【倭塾】(江東区文化センター)
第34回 2016/11/12(土)18:30〜20:30 第4/5研修室
第35回 2016/12/24(土)13:30〜16:30 第4/5研修室
第36回 2017/1/14(土)13:30〜16:30 第4/5研修室


【ねずさんと学ぶ百人一首】(江東区文化センター)
第8回 2016/10/20(木)18:30〜20:30 第三研修室
第9回 2016/11/24(木)18:30〜20:30 第三研修室
第10回 2016/12/8(木)18:30〜20:30 第三研修室
第11回 2017/1/19(木)18:30〜20:30 第三研修室


 ***
【実語教】
 
山は高いから貴(たっと)いのではありません。
樹(き)があればこそ、それが貴い存在となります。

人は、太っているから貴いのではありません。
智があればこそ、それが貴い存在となります。

冨は一生の財産ですが、死んだらそれで終わりです。
けれど智は、万代の財(たから)です。
なぜなら命が終わっても、魂に刻まれるからです。

玉(魂)は磨かなければ光りません。
光りがなければ、石や瓦(かわら)と同じです。
その智は、学ばなければ得ることができません。
智の無い人を愚人といいます。

倉(くら)の財(たから)は朽ちてしまうことがありますが、
心の財は朽ちることがありません。

たとえ千両の金(こがね)を積んでも、
一日(いちにち)の学に及びません。

血を分けた兄弟でも、志が何時も同じとは限りませんが、
智によって得られる慈悲の心は、天下の人々を兄弟とすることができます。

財物は、永遠のものではありません。
才智を財物とすれば、これは消えることはありません。

宇宙を成すのは地水火風の四大です。それは日に日に衰えます。
ほっておけば魂(心神)も衰えるものです。
幼いうちから勤学しなければ(老いるほどに衰え)、
歳をとってから悔いても遅いのです。

書に親しむことを倦(や)めてはいけません。
学文は、怠ってはなりません。
睡眠時間を削ってでも書を読み、
食べる時間を削ってでも、終日(ひめもす)学び習いなさい。

たとえ良い師に出会ったとしても、
自ら学ぶという姿勢がなければ
徒(いたづら)にご近所さんと交わるのと同じで、無益です。

学問するとは言っても、繰り返し読むのでなければ、
それは隣の家の財(たから)を数えるのと同じです。

君子(善人)は智者を愛します。
小人(悪人)は、カネを持つ者を愛します。

たとえ財があり、身分の高い人のに近づいて
カネを得ることがあったとしても、
それは霜に花が咲くようなまぼろしにすぎません。

たとえ貧しくて賤(いや)しい家の出であったとしても、
智の有る人は、
宛(あたか)も泥中の蓮(はす)です。

父母は天地と同じです。
師君は日月(じつげつ)と同じです。
親族は、たとえていえば葦(あし)と同じです。
夫妻は雨露をしのぐ丈夫な瓦と同じです。

父母には朝夕に孝しなさい。
師君には昼夜に仕えなさい。
友と諍(あらそ)ってはなりません。
自分より目上の者には礼節と敬意をつくし、
自分より格下の者は、たいせつに思って常にかえりみなさい。

人として智がないということは、
木や石に生まれたことと変わりません。
人として孝がない者は、畜生と同じです。

戒(いまし)めと定(さだ)めと恵(めぐみ)の三学(*1)のの友と交わらなければ、
どうして七学(正しい法・修行・真実・快さ・自由・集中・心)を持てましょう。
慈悲喜捨の四等(しとう)の船に乗らなくて、
誰か生老病死、愛別離苦、怨憎会苦、欲求不満、心身苦しみの八苦の海を渡れましょう。

注(*1)三学
三学の「定」は禅定に入ること、「恵」は「三慧」で聞慧・思慧・修慧で、聞慧は耳や目から入ってきた情報・知識、思慧はそれについて禅定をする中で繰返し考えてみること。修慧は思慧の結果得られる智恵。


仏の道は広いけれど、
殺生・偸盗・邪淫・妄語・綺語・悪口・両舌・貪欲・瞋恚・愚痴の十悪の人は道にすら入れません。
極楽浄土の都に楽しむといっても、
放縦の者は、そこに行くことはできません。

老人を敬うことは、父母を敬うことと同じです。
幼ない者を愛することは、子弟を愛することと同じです。

自分が他人を敬えば、他人もまた自分のことを敬ってくれます。
自分のの親を敬えば、人もまたそれぞれの親を敬うようになります。
自分が立身したいなら、まず他人を立てなさい。

他人の愁(うれ)いを見たら、ともに憂いなさい。
他人の嘉(よろこ)びを聞いたなら、ともに悦びなさい。

善を見たら速やかに行き、悪を見たらすぐに避けなさい。
悪を好む者は禍(わざわい)を招きます。
それは、鐘を打てば響くのと同じです。

善を修行すれば、福がやってきます。
それは、自分の影が、自分の身に随うのと同じです。

冨んだとしても、貧しかったことを忘れてはいけません。
始めは豊かでも、後には貧しくなることもあるのです。

地位を得ても、地位が低かったときのことを忘れてはなりません。
地位を得ても、それを失うこともあるのです。

芸事を極めることは難しく、しかも手を抜いたらすぐに技量が下がります。
書道もまた同じです。

食べものは身を養いますが、その根源には法があります。
身体があれば、そこには命があります。

常に百姓の辛苦を思いなさい。
そして必ず学問に努めなさい。

それゆえに初心の学者は、まずはこの実語教を暗誦しなさい。
それが学問の始めであり、終身まで忘れてはならないことです。

 ***

【実語教】

山高故不貴 山高きが故に貴(たつと)からず
以有樹為貴 樹(き)有るを以て貴しとす

人肥故不貴 人肥へたるが故に貴からず
以有智為貴 智有るを以て貴しとす

富是一生財 冨は是(これ)一生の財(ざい)
身滅即共滅 身滅すれば即ち共に滅す

智是万代財 智は是万代の財(たから)
命終即随行 命終はれば即ち随つて行く

玉不磨無光 玉磨かざれば光無し
無光為石瓦 光無きを石瓦(いしかわら)とす

人不学無智 人学ばざれば智なし
無智為愚人 智無きを愚人とす

倉内財有朽 倉の内の財は朽つること有り
身内才無朽 身の内の才は朽つること無し

雖積千両金 千両の金(こがね)を積むと雖も、
不如一日学 一日(いちにち)の学には如(し)かず

兄弟常不合 兄弟(けいてい)、常に合はず
慈悲為兄弟 慈悲を兄弟とす

財物永不存 財物、永く存せず
才智為財物 才智を財物とす

四大日々衰 四大、日々に衰へ、
心神夜々暗 心神(しんじん)、夜々(やや)に暗し
幼時不勤学 幼(いとけな)き時、勤学せざれば、
老後雖恨悔 老ひて後、恨み悔ゆと雖も、
尚無有所益 尚(なを)所益(しよゑき)有ること無し

故読書勿倦 かるが故に書を読んで倦むことなかれ
学文勿怠時 学文に怠る時なかれ
除眠通夜誦 眠りを除いて通夜(よもすがら)誦(じゆ)せよ
忍飢終日習 飢へを忍んで終日(ひめもす)習へ

雖会師不学 師に会ふと雖も、学ばざれば、
徒如向市人 徒(いたづら)に市人(いちびと)に向ふが如し
雖習読不復 習ひ読むと雖も、復せざれば、
只如計隣財 只隣の財(たから)を計ふるが如し

君子愛智者 君子は智者を愛す
小人愛福人 小人は福人を愛す
雖入冨貴家 冨貴の家に入ると雖も、
為無財人者 財(ざい)無き人の為には、
猶如霜下花 猶(なを)霜の下の花の如し

雖出貧賤門 貧賤の門を出づると雖も、
為有智人者 智有る人の為には、
宛如泥中蓮 宛(あたか)も泥中の蓮(はちす)の如し

父母如天地 父母は天地の如し
師君は日月(じつげつ)の如し
親族譬如葦 親族譬(たと)へば葦の如し
夫妻尚如瓦 夫妻は尚(なを)瓦の如し

父母孝朝夕 父母は朝夕に孝せよ
師君仕昼夜 師君は昼夜に仕へ、
交友勿諍事 友に交はつて諍(あらそ)ふ事なかれ

己兄尽礼敬 己(おのれ)より兄には礼敬(れいきやう)を尽くし、
己弟致愛顧 己(おのれより)弟(おとゝ)には愛顧を致し
人而無智者 人として智無きは、
不異於木石 木石に異ならず

人而無孝者 人として孝無きは、
不異於畜生 畜生に異ならず

不交三学友 三学の友に交はらずんば、
何遊七学林 何ぞ七学の林に遊ばん
不乗四等船 四等(しとう)の船に乗らずんば、
誰渡八苦海 誰か八苦の海を渡らん

八正道雖広 八正(はつしやう)の道は広しと雖も、
十悪人不往 十悪の人は往(ゆ)かず
無為都雖楽 無為(むゐ)の都に楽しむと雖も、
放逸輩不遊 放逸の輩(ともがら)は遊ばず

敬老如父母 老ひたるを敬ふは父母の如し
愛幼如子弟 幼(いとけな)きを愛するは子弟の如し

我敬他人者 我、他人を敬へば、
他人亦敬我 他人亦(また)我を敬ふ
己敬人親者 己(おのれ)人の親を敬へば、
人亦敬己親 人亦(また)己(おのれ)が親を敬ふ

欲達己身者 己(おのれ)が身を達せんと欲せば、
先令達他人 先づ他人を達せしめよ
見他人之愁 他人の愁ひを見ては、
即自共可患 即ち自ら共に患(うれ)ふべし
聞他人之嘉 他人の嘉(よろこ)びを聞いては、
則自共可悦 則ち自ら共に悦ぶべし

見善者速行 善を見ては速やかに行き、
見悪者忽避 悪を見ては忽ちに避(さ)け
好悪者招禍 悪を好む者は禍(わざはひ)を招く
譬如響応音 譬へば響きの音に応ずるが如し

修善者蒙福 善を修する者は福を蒙る
宛如随身影 宛(あたか)も身の影に随ふが如し
雖冨勿忘貧 冨むと雖も貧しきを忘るゝことなかれ

或始冨終貧 或ひは始め冨み終はり貧しく
雖貴勿忘賤 貴しと雖も賤しきを忘るることなかれ
或先貴後賤 或ひは先に貴く終(のち)に賤し

夫難習易忘 それ習ひ難く忘れ易きは、
音声之浮才 音声(おんじょう)の浮才
又易学難忘 又学び易く忘れ難きは、
書筆の博芸 書筆の博芸(はくげい)

但有食有法 但し食有れば法有り
亦有身有命 亦(また)身有れば命有り
猶不忘農業 猶(なを)農業を忘れざれ

必莫廃学文 必ず学文を廃することなかれ
故末代学者 故に末代の学者、
先可按此書 先づ此書を案ずべし
是学文之始 是(これ)学文の始め、
身終勿忘失 身終はるまで忘失することなかれ

 ***

一文ごとに、たいへんな含蓄のある言葉ですが、これを世間の常識として、誰もが心の財(たから)として、暗誦し、また、長じてはその意味を悟ったわけです。
いまどきの保育園や幼稚園では「い〜とまきまき、い〜とまきまき、ひいてひいて、とんとんとん」と歌を教えます。
だから大人になっても、誰でもこの歌を知っています。
それとまったく同じように、誰もが「山高きが故に貴(たつと)からず、樹(き)有るを以て貴しとす」と暗誦できたわけです。
戦国時代に日本にやってきたザビエルが、日本人の民度の高さを「これまで訪問した国の中で一番」と讃えていますが、さもありなんと思います。

いくつかの行について、補足しておきたいと思います。

「玉(魂)は磨かなければ光りません。」
(玉不磨無光 玉磨かざれば光無し)

宝石でも、原石を磨くから光るのです。原石のままではあの輝きはありません。
それと同様に、魂も、と述べているわけですが、日本の古くからの哲学というか日本的思想は、魂が本体、肉体はその魂の乗り物にすぎない、という考え方があります。
これは輪廻観とも違っていて、魂こそが人の本体とする思想です。
ちなみに私は、それは思想ではなく、事実だと思っていますが、
楠正成の有名な「七生報国」の言葉も、まさに魂こそが本体という考えから生まれています。

「倉(くら)の財(たから)は朽ちてしまうことがありますが、
 心の財は朽ちることがありません。
(倉内財有朽 倉の内の財は朽つること有り
 身内才無朽 身の内の才は朽つること無し)

日蓮は「蔵の財よりも身の財すぐれたり、身の財より心の財第一なり」という文を遺していますが、実は日蓮のこの言葉も、実語教からきていることがわかります。
鎌倉仏教というのは、渡来仏教と日本的思想(価値観)との融合によって、仏教の庶民への普及がはかられたものということができますが、その普及は、単にご利益云々や願いが叶うという以前に、庶民の間に広く哲学としての実語教が事前に広がっていたことが一因となっているということができるのではないかと思います。

「学問するとは言っても、繰り返し読むのでなければ、
 それは隣の家の財(たから)を数えるのと同じです」
(雖習読不復 習ひ読むと雖も、復せざれば、
 只如計隣財 只隣の財(たから)を計ふるが如し)

これは「行間を読む」には、繰り返し読むのでなければ、その真意はわからない、ということです。
通り一遍の読み方では、文にある心まで読むことができない。
どういう意味をもっているのか、一語一語をしっかりと読み取っていく、それも繰り返し行わなければ、智を得ることはできないということです。
たとえば「習読不復」とあれば、では「習う」とは何か、「読む」とは何かと、深く思考をめぐらし、それをまた繰り返す。
そこに、得るべき深い情報があるということであろうと思います。

「人として智がないということは、
 木や石に生まれたことと変わりません」
(人而無智者 人として智無きは、
 不異於木石 木石に異ならず)

動物だって頭を使います。まして人に生まれて頭が馬鹿では、人に生まれた値打ちがない。
最近では、どうも木石が、木石だけの小さな価値観だけで、国会でいつまでもくだらない言葉遊びを繰り返しているようです。

さて、倭塾や百人一首塾を主催したり、各地で講演をさせていただいたりしてみなさまと接するとき、いつも思うのは、「学ぶことには知的楽しさがある」
ということです。
これは本当に楽しいことで、そこには知的な悦びがあるし、「そうか、そうだったのか!」という感動があります。
そして知的な感動は、魂にまで響くものなのだと実感します。

生涯をかけて自分が「学び、知る」ことが、自分に何の影響力もない、芸人さんの噂さ話や、どこかの誰かの悪口ばかり、というのでは、人生があまりにももったいないと思います。
真実を伝えたり、あるいはあばいたりすることは、もちろん大切なことですが、そこに智を得る悦びと感動がなければ、人の心は動かない。
もちろん、同じレベルの一部の賛同者を得ることはできるでしょうけれど、世間には、様々なレベルの人たちがいるわけです。

だからこそ、実語教は「猶不忘農業(猶(なを)農業を忘れざれ)」と書いています。
これは、単に農業のことを言っているのではなくて、世間で下層と思われがちな庶民(民・百姓)こそが、国の宝なのだということを、常に忘れてはならないということであろうと思います。
ですのえ、現代語訳には「農業」ではなく、「百姓」と書かせていただきました。

自分も、この歳になると、ほんとうに毎日が早くて、こないだ年が明け、夏の猛暑がやってきたと思ったら、もう10月13日の肌寒い秋がやってきたように感じます。
まさに光陰矢の如しですが、人の一生というものも、そうしてみると、ほんの「束の間の出来事」という気がします。
そうしてみると、ずいぶんと無為の日々を過ごしてきてしまったようにも思います。
残された時間は短いですが、その限られた時間を、できるだけ無駄にしないよう、自分の魂を高めることができるように使いたいと思います。

昔の寺子屋では3〜7歳で実語教を繰り返し読んで暗誦させられたそうです。
なぜならそれくらいの年齢ですと、意味がわからなくても覚えが早いし、記憶したことは一生忘れないからです。
「い〜とまきまき、い〜とまきまき」の歌を、子供たちが意味をわからずに、暗誦して歌ってしまうのと同じです。
その上で、年齢が上がるにつれて、言葉の意味を学び、まさに智を得、長じてはそれを人生に役立てて行ったわけです。
昔の日本人の民度が高かったわけです。

お読みいただき、ありがとうございました。

20151208 倭塾・動画配信サービス2


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コメント

ネコ太郎

命終即随行
遅ればせの再コメントお許しください。

さっそく実語教に関する解説書を購入しました。一般向けは斎藤孝氏の子どもと声に出して読みたいシリーズの本しかなさそうなので買ってきて読み始めています。

ところが、
命終即随行
という実語教の最重要の要点になるような重要な語句の解説には、「智恵を子々孫々に伝え、子供に勉強させることが重要」という表面的な解説しかなされておらずガッカリしています。

命が終わっても魂にきざまれる、という日本文化の本質を踏まえた解説でなければ実語教の価値も半分以上薄まってしまいます。
次に出てくる玉磨かざればの玉を宝石のようなものとしか想像できなくなってきます。玉を魂のことも指しているという想像力がなくなってしまいます。玉磨かざれば器を成さずという礼記の言葉を引用しているなどという受験勉強的知識はこの際不要でしょう。

実語教のご紹介と素晴らしい解釈をありがとうございます。

花田良春

No title
山高故不貴 以有樹為貴
この言葉は存じておりましたが、実語教なるものの存在を初めて知りました。

雖習読不復 習ひ読むと雖も、復せざれば、
 只如計隣財 只隣の財(たから)を計ふるが如し)

この言葉は、骨身に応えました。

常に真理を追求すべく、読書は怠っていない積もりですが、いつしか、濫読となり、精読から遠くなっています。

心から反省し、良書を精読するよう努めたいと思います。

反省の機を与えていただき有難うございました。

82歳老翁

にっぽんじん

東京大停電
昨日東京で大停電が起きました。原因は「送電ケーブルの火災」です。電気は人間に例えれば「血液」です。電気なしでは生きていけないのが現代です。

設備の老朽化を防ぎ、トラブルが起きないようにするのが「メンテナンス」です。これは電気会社だけではありません。製造業全てが行っています。年度初めの「予算計画」時に「メンテナンス費用」が計上されます。

経営に余裕があれば十分な予算が取れるが、余裕が無くなれば真っ先に削られます。メンテナンスをしなくても「トラブル」が起きなければ問題は起きません。トラブルが起きると誰も断定できないから予算計上が難しいのです。

メンテナンス予算を削れば当然「トラブル発生リスク」が高くなります。原発再稼働に反対し、電気料金も下げろ、リストラしろと攻められれば減らすのは「安全対策」と「メンテナンス費用」です。

来年から「発送電が分離」されます。電気料金を下げるために「安全」と「トラブル」に目を瞑るような政策を何故進めるのか理解できません。

太陽光発電が増えれば安くなると言いながら実態は逆です。電気料金に占める「消費税」と「太陽光発電買取賦課金」の合計が17%なのを消費者は知っているのでしょうか。国家の詐欺とも言えます。

垂逸

No title
>一文ごとに、たいへんなうんちくのある言葉ですが、これを世間の常識として、誰もが心の財(たから)として、暗誦し、また、長じてはその意味を悟ったわけです。

うんちく、ではなくて、含蓄ではないでしょうか。

ネコ太郎

すごい教科書
小名木先生。本当にありがとうございます。

恥ずかしながら、この年まで実語教のことをまったく知りませんでした。
これほどすごい真理の書が日本にあったとは驚きです。
しかも鎌倉時代から明治まで日本人の常識だったとは。

今からでも遅くないので暗誦に努めます。
できれば小学生の教科書にも採用してほしいものです。

じょあ

No title
今日もためになるお話ありがとうございました。
自分自身もすごく勉強になりました。
この価値観を日本中の子供達が持ったらすばらしい国になるでしょうね。
想像しただけで鳥肌が立ちました。

私も来週にはこの事を忘れてしまいそうで怖いです。
やはり繰り返しというのは大切ですね。

小名木さんが文部科学大臣になって欲しいです。

junn

No title
朝鮮の「植民地にされた」というウソを論破せよ!
http://ameblo.jp/nakasugi-hiroshi/entry-12189682564.html
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

講演のご依頼について

最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
むすび大学事務局
E-mail info@musubi-ac.com
電話 072-807-7567
○受付時間 
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定休日  木曜日

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