誇りと優越感



20161016 誇りと優越感
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国際派日本人養成講座の最新号で、
『「誇り」とは「優越感」とは違うもの』
がアップになりました。
『「根っこ」から生まれる「誇り」とは、他者との比較による「優越感」とは別物である』というのが主題です。
全文は↓のURLにあります。
http://blog.jog-net.jp/201610/article_5.html</u>">http://blog.jog-net.jp/201610/article_5.html

実は、今日、これをご紹介しようと思ったのは、伊勢さんが、
「日本国民は日本を大御宝の国と誇ることができる」
と書いていらしたことによります。
そしてこのことこそが、我々日本人の「誇り」だというのです。

伊勢さんは、「大御宝(おおみたから)」と漢字を使っておいででしたが、本来の大和言葉では、これは「おほみたから」です。
「おほみたから」は、漢字では「大御宝」の他に、「大御田族」とも書きます。
「田族」とかいて「たから」です。

稲作栽培を社会の中心に置いたから「田族」なのですけれど、「たから」が「宝」や「田族」などと書かれるということは、もともとはこれは「大御宝」や「大御田族」という漢字から始まった言葉ではないということを意味します。
先に「大和言葉」の「おほみたから」があり、それを、後から漢字を当てたということだからです。



20160810 目からウロコの日本の歴史


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第11回 2017/1/19(木)18:30〜20:30 第三研修室


大和言葉で、「たから」は「田から」です。
「田(た)」は、水田とすぐにわかります。
「から」は、「はらから」という言葉にあるように、血族、血縁関係、身内を意味します。
「から」は、「あの世から」のように接尾語として使われますが、基本的に「縁続き」であることを意味しているわけです。

「御」は「み」で、我が身です。

「大」は、カナで書いたら「おほ」ですが、漢字で「意富(おほ)」とも書かれます。
そこから「意富」は、「強い意思を豊かに保ち発揮する」といった意味が込められた言葉とわかります。

つまり「おほみたから」は、もともとは国家の中心に「おほ」、つまり「強い意思の存在」を置き、その強い意思の存在(天皇)が、田で働くひとたちを我が身、我がはらからとする、という意味であるとわかります。
強い意思というのは、最強かつ最大の大いなる意思が神々の御意思です。
つまり、神々とつながる存在(天皇)が、他のすべての人(民)を、我がはらからとする、というのが、我が国の古くからのカタチであり、それがシラスの意味でもあります。
大和言葉にちゃんと意味があるのです。


>他者との優劣で喜んだりするのは、
 単なる「優越感」であって、本当の「誇り」ではない。
>優越感とは、
 個人で言えば、有名大学を出たとか、一流企業で出世したとかで、
 上には上があるし、下の人を見下す事にもなりかねない。
 そこから他者の成功を妬み、不幸を喜ぶという心理につながる恐れもある。
 他者との比較で優越感を持つというのでは、精神的に豊かにはなれない。

指摘されているように、誇りを「優越感」と勘違いしている人は多いように感じます。
お金があるとか、立派な家に住んでいるとかが「誇り」という、これは勘違いです。
先日ご紹介した『童子教」は、

 貴者必不冨  貴(たつと)き者は必ず冨まず
 冨者未必貴  冨める者は未(いま)だ必ず貴からず
 雖冨心多欲  冨めりと雖(いへど)も心に欲多ければ
 是名為貧人  是(これ)を名づけて貧人(ひんじん)とす

とありました。
どんなに物質的に豊かであっても、心に欲が多ければ、それは貧乏人だということです。
たとえ貧乏でも、心に足るを持てば、富者だとあります。

同様に『実語教』でも、

 綾羅錦繍者  綾羅錦繍(りやうらきんしう)は
 全非冥途貯  全く冥途の貯えに非(あら)ず

と書いています。
金ピカの衣装や4頭立ての馬車に乗って飾っても、それは魂の蓄えにならないということです。
西郷隆盛も言っています。
「貫禄などというものは、4頭だての馬車に乗せて街中を何周か回らせればそれでつくものでごわす。それだけのものでごわす」(司馬遼太郎『坂の上の雲』)

どんなに貧しくても、心が豊かな人たちの国であれば、国は必ず豊かになります。
逆に、他所からお金を奪って豊かな国に見せかけても、その国の人の心は卑しければ必ず崩壊します。
企業も同じです。
技術を外国から奪っている間は、開発コストなしで大儲けができても、ひとたびそれを奪うことができなくなれば、バッテリーから火を噴くような製品しか作れなくなるのです。


>アメリカ国民は、自国が世界一豊かな国という優越感とは別の「誇り」を持っている。
 それはアメリカは「自由の国」だという意識である。
「自由な国」と言っても、何でも気ままにできる国という意味ではない。
 圧政や迫害からの自由という意味である。
 ヨーロッパでの宗教的迫害から逃れた清教徒が、
 自由を求めてこの地に辿り着いたのが国の始まりであり、
 また自由と自治を求めて英国軍と戦って独立を勝ち獲り、
 さらに黒人奴隷解放のために南北戦争を戦い、
 第二次大戦ではファシズムから自由世界を救った、という誇りである。

>アメリカの子供たちは小さい頃からこうした歴史施設に連れられて行って、
 アメリカ国民としての根っこを学んでいるのである。
 ここから生まれる誇りは、他国と比較しての優越感ではない。
 アメリカ国民の共同体という「根っこ」に自分もつながっている事を知り、
 それを残してくれた先人に感謝し、自分もまたその後に続こうという志につながる。
 誇りとはその感謝と志が融合したもの、と言っても良いだろう。

>優越感とは、現代の他者と比較する水平軸のものだが、
 誇りとは根っこを通じて先人から子孫につながる垂直軸のものである。

南北戦争の勝利で、米国が統一国家になったのは、わずか151年前のことです。
日本でいえば幕末の慶応元年、武田耕雲斎らが天狗党の乱を起こした頃のことです。
その僅かな歴史の中で、アメリカは、黒人問題を抱え、ヒスパニア移民問題、イスラム移民問題、中華移民問題を抱え、四苦八苦しながらも、圧政からの自由という歴史を大切にすることで、統一国家を現出しています。

日本は、もっとはるか古い時代から、ネアンデルタール系原人と、クロマニヨン人系を和合させ、さらに大陸系や、ユダヤ系、コーカソイド系などが和合し、つまり五色人と呼ばれる様々な人種がゆるやかに和合して混血し、いまの日本人を形成しています。
その意味では、何千年も何万年も前から、日本人は、異民族の融合体を形成してきたわけです。
そしてそれを可能ならしめたものが、人類社会が生んだ最高の統治システムである「シラス」です。
神を最高のものとするなら、「シラス」こそ神の統治です。


>物質的な豊かさなどという優越感に囚われていると、
 他国はライバルとなってしまうので、友好もありえない。

どこの国のことを指しているか、あまりにもわかりやすいことです。

>アメリカ国民が自国を「自由の国」と誇るなら、
 日本国民は日本を「大御宝(おおみたから)の国」と誇ることができる。
 わが国は国民を「大御宝」として、その安寧を神に祈る皇室を中心にしてきた。
 皇室の無私の祈りを実現すべく、
 我々の先人たちは同胞と子孫のために国を築き、護ってきた。
 この根っこから生まれるのは、他国との比較に基づく水平的な優越感ではなく、
 まさに先人への感謝と子孫への志を生む垂直的な誇りである。

歴史を学ぶ。歴史を知ることは、真実の日本を知ることです。
その日本の歴史は、国語で書かれています。
国語を大切にし、真実の日本の歴史を知ることが大事です。
日本の歴史は、19世紀的共産主義的コミンテルン史観などでは、決してはかれないものです。
コミンテルン史観や東京裁判史観、あるいはChina風正統化優越史観、韓国のファンタジー史観などで日本を測ることは不可能です。
なぜならそれは、細い管で天をみるようなものだからです。

お読みいただき、ありがとうございました。

20151208 倭塾・動画配信サービス2


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コメント

m.e

身近な反応
おはようございます、そしてお久し振りですm.eです。
コメントも書かないで何してたんだと言われれば、原チャリで夏を謳歌するという学生じみた行為に邁進していたわけですが、車のバッテリーが上がりJAFのお世話になってしまったのは手痛い出費でした。
さておき、日本の歴史についてあれこれ言及する事は、普段の生活において全くチャンスが無いのが現状ですよね。
となると友達との酒の席や、知人同士が集まるフリートークタイムしか無いのが現状です。彼女は聞いている振りが上手くなったなと感じます。
そんな時でもパチンコやスナックのおねえちゃんの話、カミさん、子供、会社の愚痴などがその話題の中心となるのが関の山なんですが
その中で、政治の話や歴史の話をぶっこむとなると、それ相応のスキルが必要となります、何しろ周りにそんな人、誰一人として居なかったので私が初挑戦者なわけでした。
起承転結を心掛け、話きった時、周りの反応は、ヘェ~そうだったのか、的な雰囲気でした。
内容は、新米を有り難がる昨今と、米貨経済の幕藩政治の比較をチョイスしました。
しかし納得した感に見えた友達も、裏ではあいつの歴史好きには困ったもんだとか、ついていけないと言っていたと忠告され、はぁと溜め息もつきましたね。
新米の美味しさを貶されたと感じたそうですが、そういう意味で話したわけでは無いですし、真意が伝えられ無かった私の力量不足だったわけです。
しかし、近代史を封印されてきた世代にとって、日本という国の話はどの国よりも遠い国の話なのかなと思わされた事柄でした。
負けませんけどね(笑)

くすのきのこ

No title
こんにちは。
これからは、メタンハイドレート(天然ガスの固体)でしょう。日本近海
で採掘できるのですから。核融合発電にも取り組んでいますね。核分裂の
利用は危険ですし、廃棄物処理の確立の研究が進まなければ終わりです。
湯を沸かして蒸気でタービン回しての発電えなく、プラズマエネルギーを
利用するような科学技術も考えなくては。人間はあまりにも物を知らない
ままなんですよ。

junn

No title
喧嘩をしらない日本人へ、喧嘩の仕方教えます
http://ameblo.jp/nakasugi-hiroshi/entry-12209588677.html

-

No title
◇◆北東アジア送電網構想◆◇
日本の近隣の核戦力状況を考慮すると、可否は別として、
日本の核抑止議論の緊急性と必要性が増大しています。
よって、いざと言う時になって核技術レベルが劣化して
いたなら、それは日本の危機を表すことになります。ま
た、廃炉などのためにも問題となります。そのため、核
技術者数とレベルの維持は、国防などに必須です。した
がって、原発全廃は最適解ではありません。ただし、原
発問題は、危険性の制約条件付き最適化問題なので、そ
の最適解としては、技術レベル維持に十分な規模の原子
力エネルギー利用がふさわしく、積極的すぎる利用は避
けるべきです。

原発反対派は、このような理性的主張がなく、虚偽を含
む感情論に終始しています。彼らは、IPCCを全面信用し
ており、いわば感情的な自然エネルギー信仰を保持し、
強制しようとしています。国土の制約から自然エネル
ギー利用は日本には不向きであり(農地とすべき土地が使
われ食料安全保障上問題あり)、FITの負担も負の要素で
す。さらに、自然環境破壊や、安定供給のため既存エネ
ルギー生成の、待機状態として継続の必要性などもあり、
巨視的には従来のエネルギー利用より大量のエントロ
ピー増大となり得ます。それなのに、感情論に洗脳され、
日本ではその信仰が主流となっています。このことに目
をつけ、日本への間接侵略拡大に利用する勢力があって
も、不思議ではありません。例えば、漢族のメガソー
ラー事業により、日本の国土が漢族所有となっています。
(FITも漢族に流出します。)これはエネルギーの外国依存
でもあり、国防上の問題です。

エネルギーの外国依存を決定的にするのが、
http://blog-imgs-60.fc2.com/k/i/m/kimuramasahiko/TKY201309100711.jpg
のような北東アジア送電網構想です。これは、モンゴル
で風力発電をし、それを周辺国、ひいては日本に送電す
るもので、送電が反日国経由となり、国防上大問題です。
この国は、レアアース禁輸の実績があり、さらに国防動
員法があり、無茶苦茶なことが可能です。

政治色が濃いIPCCは、完全に信用できるとはいいがたく、
ハイエイタス終了でのCO2による温暖化は、まだデータ的
に実証されていません。よって、日本としては優等生的
対処の必要がなく、エネルギーポートフォリオとして、
自然エネルギーよりも、石炭火力を重要視すべきです。
日本の技術は、
http://www.jpower.co.jp/bs/karyoku/sekitan/sekitan_q02.html
にあるように、
http://www.jpower.co.jp/bs/karyoku/sekitan/images/q02_img_01.png
のようにクリーンで、世界最高レベルです。
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

講演のご依頼について

最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
むすび大学事務局
E-mail info@musubi-ac.com
電話 072-807-7567
○受付時間 
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