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ロシア・血の日曜日事件(明治38(1905)年1月22日)

(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています)昨日の記事で、特高必携を取り上げたのですが、この特高警察が取り調べにあたった対象の多くは、共産主義者でした。
共産主義思想は、ロシア正教にもともとあった「ユートピア」に由来しています。
根っこのところに、ロシアの宗教的伝統文化があるのです。
だからこそ、世界初の共産主義国はロシアで育まれました。
ユートピアというのは、ロシア正教が太古の昔に「あった」とする貧富の差のない理想郷です。
人類は社会の発展にともなって貧富の差や格差を産んだけれど、未来には人類発展の理想型として神によってユートピアが人々に与えられるというものです。
これは日本でいうなら、さしずめ極楽浄土です。
ただし極楽浄土が死後の世界であるのに対し、ユートピアは今生の未来社会であるという点が異なります。
もとが宗教的理想郷ですから、そのユートピアなる社会が、どのような刑事、民事、商事等に関する社会構造があるのかといった具体像はありません。
極楽浄土の社会構造や、立法、司法、行政の仕組みに具体的解説がないのと同じです。
あろうがなかろうが「ある」と信じるのが信仰です。
ですからこれだけなら、共産主義はただの宗教的空想論に終わったはずです。
ところが、現実の貧富の差のある中で、このユートピア思想に当時流行したダーウインの進化論が加わりました。
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ロシアという国の名前の由来は「船を漕ぐ人」です。
内陸部にあるロシアが、どうして「船を漕ぐ人」なのかというと、もともとロシアはスラブ系の人々の住むエリアだったのですが、そこにバイキングたちがやってきて、武力で王朝を築くわけです。
これがロシア王朝です。
同様にヨーロッパ各地の王朝も、このバイキングの海賊たちによって形成されました。
ある意味、ヨーロッパの田舎であるロシアでは、このためバイキングの王族や貴族たちは、地元のスラブ系の人々と血がまじることを嫌いました。
ですから王族や貴族たちは、同じバイキングの血筋を引く者としか結婚が許されませんでした。
そして長い年月、スラブ系の人々はロシア王朝によって搾取をされ続けました。
この搾取されている側の人々に、ユートピアを迎えることができるという共産主義思想が入り込みました。
そして社会は、進化するものだと説かれました。
進化論は、すべての生物は進化するものであり、進化に乗り遅れたものは淘汰されると説きます。
自然淘汰の原則です。
ですからユートピアに向かうことが人類の進化です。
そしてこれを阻害する者はすべて淘汰の対象となります。
たとえ相手が君主や貴族や雇い主、親兄弟であっても、あるいは同じ共産主義の仲間であっても、対立する者は敵です。
つまり淘汰の原則に従って、進化した人類は、古い未進化の人類から、殺したり奪ったりして構わないというのです。
これは強盗や殺人鬼、権力主義者などには、まことにもって都合の良い政治思想です。
なぜなら彼らの悪辣な趣味嗜好が「科学的に」正当化されるからです。
どれだけ凶悪な悪事を働いても、進化のためだという一言ですべて愛国無罪です。
おかげで共産主義によって殺害された人の数は、共産主義誕生以来おそらく10億人を下らないであろうと言われています。
とんでもない暴力主義です。
けれど、もともとユートピアを希求していたロシアのスラブ系の人々は、共産主義のユートピア思想にコロっと騙されてしまいました。
さて、それぞれの国には、その国に根ざした歴史、文化、伝統があります。
良いところは学び、そうでないところは切り捨てて、我が国なら我が国の国風にあった形に改善・改良しながら、学び、取り入れていくことが大事なのですが、文化の違いは、たまに観光に行くぶんには楽しくて良いものですが、一緒に住むとなると、これは難しい問題をはらむことになります。
日本人は、古代の中国で生まれた儒教も、インドで生まれた仏教も、日本国内で長い年月をかけて神道的思想と一体化し、国風化しました。
なぜ国風化したのかといえば、儒教や仏教でさえも、我が国の国風にあった形にならなければ、我が国内で一般化し、常識化することはなかったからです。
けれど、その融合のためには、たとえば仏教についていうならば、仏教伝来以降、約千年の歳月を要しています。
外来文化が土着の文化に同化するには、実はそれだけの歳月がかかるのです。
その意味からすれば、欧米生まれの自由主義、民主主義、資本主義といった思想さえも、やはり我が国の歴史、伝統、文化に即して、良い部分は取り入れ、良くないところは切り捨てる、そういう国風化していく努力が必要です。
ただ舶来モノだからと、ありがたがるのは、バカのすることです。
そういえば、たしか大学生くらいの頃だったと思います。
英語の成績が芳しくなかった負け惜しみで、
「なんで南蛮毛唐のヤカラの言葉を日本男児が学ばなければならないのだ」
と言ったら、母が、
「そしたら、あなたの好きな自動車が日本になくても良いの?」
ガツンとやられたひとことでした(笑)。
ちなみに英国生まれの高級スコッチ、ジョニ黒は、昭和40年代のサラリーマンの初任給が1〜2万円だった時代に、国内での販売価格が1万円でした。
いまで言ったら一本15万円くらいといった感覚ですから、まさに高級酒だったわけです。
ところが当時のジョニ黒は、英国から船で日本に運んできていました。
船は、アフリカ南端の喜望峰をまわり、はるばるインド洋を経由して日本にやってきます。
まだ船内に冷蔵設備がなかった時代です。
船は赤道を通過しますが、すると船内でウイスキーが沸騰しました。
このため日本に着く頃にはもともと英国で売られているときとは全然別な味に変わってしまっていました。
そのジョニ黒が、当時の日本では「庶民に手が届かない高級酒」として贈答用にたいへん喜ばれていたわけです。何をいいたいのかといいますと、「味より値段が高いことが重要だった」ということです。
いまでは冷蔵して輸入されますから、英国で売られているジョニ黒も、日本で売られているそれも、味は同じです。
かつては北朝鮮が人類の理想国家として、北朝鮮への移民が奨励された時代もありました。
日本は世界最悪のひどい国であり、北朝鮮には、人類が理想とすべき素晴らしい楽園が建設されているから、こんな日本は捨てて北朝鮮に移り住もうというわけです。
けれど、現実の北朝鮮がどういうものであったか、いまでは誰でも知っています。
ただ、このとき移民を斡旋した連中は、大儲けしています。
要するに、思想であれ品物であれ、なんでもかんでも舶来品をありがたがるのは、なんらかの下心や邪心のもたらす悪徳商法や、利権集団の悪事の宣伝によるダマシでしかないということです。
ほんとうに我が国民のためを思うのならば、北朝鮮を理想郷としてそこに逃げ出すのではなく、よくないと思うのであれば、そのよくない日本を、いかにして住み良い国に変えていくか、そのために世界中の様々な習俗や思想を学び、それをいかにして日本の国風に調和させていくか、そういうことをまじめに考え実行することが大事だと思います。
そのためには、舶来品や舶来思想をありがたがる前に、まず日本という国の持つ歴史、文化、伝統、国風をしっかりと学ぶ必要があると思います。
基礎という土台があって、はじめて建物は建つのです。
基礎がなければ、砂上の楼閣です。
基礎の上に外来モノは取捨選択して、より良い日本を築いていくしかないのです。
もちろんそこには膨大な時間もかかることでしょうし、損な役回りをする人も出ることでしょうし、途中で何度も大きな失敗があるかもしれません。
けれど、本当にそれがいいものだと思うならば、なんどでもあきらめずに、謙虚に学び行動していく、その覚悟と行動が大事なのだと思います。
戦後の日本は、否定してはいけないものを否定し、肯定しなければならないものを否定し、否定しなければならないものを肯定し、ただただ経済優先で、やってきて、その歪みが、いまやピークに達してきています。
そろそろ日本人は冷静さを取り戻し、戦前の日本を再評価して、より良い、ほんとうに日本人が日本人として、豊かに生きれる社会について、本気で考えるべき時代がきていると思います。
お読みいただき、ありがとうございました。

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コメント
伸之助
現在の日本では何か問題が起きると、直ぐに海外(特にアメリカ、ヨーロッパ)ではこうだから日本はそれに合わせなければならないと言った風潮があります。
まずは過去の日本の歴史で同じような問題にどう対処したのか、ご先祖様の知恵を学ぶ姿勢が弱い気がします。
その意味でねずさんのブログではいつも目から鱗が落ちる事が多く感謝しています
2016/12/25 URL 編集