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(画像はクリックすると、お借りした当該画像の元ページに飛ぶようにしています)三宅寄斎(みやけきさい)は、戦国末期の1580年生まれで、宇多源氏を祖先に持つ佐々木秀義の第三子である佐々木盛綱の末裔です。
この家系には、5世に南朝の忠臣として後醍醐天皇に忠義を尽くして讃えられた児島高徳(こじまこうとく)がいます。
三宅寄斎は11歳で父を喪い、その後仕官しないで、京都の大徳寺で書を読み、学問を進めました。
この三宅寄斎には、師匠と呼べる人がいません。
自ら漢や唐の国の漢籍を学び、独自に注釈を施して子弟に教授していました。
その教授が、実に深いものであったため、門人となる子弟が後を絶たなかったといいます。
石田三成が、近くの佐和山城にあり、三宅寄斎の高名を聞いて、家臣の戸田某を差し向けて礼節をつくして三宅寄斎を招きました。
ところが三宅寄斎は、三成が天下の平穏よりも秀頼に固執して日夜謀議を凝らしている様子を見て、わずか三回請われて訪問しただけで、あとは病気と称して再び交わることがなかったそうです。
三成の家臣に、柏原某という人がいて、この人は三宅寄斎と友として親しくしていました。
主君思いの柏原某は、黄金15両を持参して、三宅寄斎に三成のもとに馳せ参じるように求めましたが、それでも三宅寄斎は、三成との面談を拒んだと言います。
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三宅寄斎は、日頃からきわめて謙虚な人柄で、自ら高名を得ようとか、自らを宣伝するということがありませんでした。
それでも三宅寄斎の高名を聞いて、その学を求めようとする人が後を絶たなかったといいます。
なかでも藤原惺窩(ふじわらのせいか)は、自身が名門の冷泉家の出であり、しかも年齢が三宅寄斎よりも15歳も年上であったのですけれど、よく三宅寄斎を敬愛し、三宅寄斎を日頃から「謙厚の君子」と呼んでいたといいます。
三宅寄斎が齢40歳を迎える頃には、近衛公や藤堂高虎、浅野長政、伊達秀宗など、なだたる大大名たちが、禄4〜500石をもって彼を招いたりもしましたが、三宅寄斎はこれらをすべて辞して応じませんでした。
三宅寄斎にとって、自分が高禄で召し抱えられることよりも、いまいる弟子たちに教授し、道を普遍にしていくことこそが望みだったからです。
ところがそういう三宅寄斎の行動は、ついに後陽成上皇や後水尾天皇のお耳にまで達し、ついには禁裏において御講義を行うまでに至ります。
三宅寄斎は、1649年、京の都の油小路の自宅で没しました。
齢70歳でした。(72歳という説もあり)
三宅寄斎は、自分の才に溺れることなく、生涯を通じて、自分の学問の道を極めようと努力し続けた人です。
「影響の輪、関心の輪」という言葉がありますが、自分で影響できることが「影響の輪」で、その周りに自分では影響することができないけれど、関心はあるという「関心の輪」があります。
その外側は、自分で影響もできないし、関心もない世界です。
生涯を「関心の輪」で過ごすことは、結果として自分で影響できる範囲を狭くします。
逆に生涯を自分で影響できる「影響の輪」の中で過ごすと、それはまるで筋肉が太くなるように、影響できる範囲が広がるのだそうです。
その意味で、三宅寄斎は、まさに「影響の輪」に生涯を捧げた人であるということができます。
三宅寄斎は、三成を早い段階で見切りましたが、それは三成が、才ある者でありながら、才におぼれて謙譲の心を持たなかったことによります。
三成の主君思いは、とても素晴らしいことです。
けれど、そのために盲となってしまっては、天下の政は見れません。
ここに、官僚として優秀であることと、天下人との資質の違いがあります。
おもしろいもので、人は自分に近い人と交わりを深めます。
自分が欲に駆られていたり、関心の輪に日々を埋没させていれば、自然と、同じような仲間が周囲にできてきます。
そうではなく、自分が真摯に影響の輪に集中していれば、途上にはたいへんなことが重なるかもしれないけれど、いずれ、その大誠意、大誠実は、世の中を動かす大きな力となっていきます。
そこに、日本が国を保持してきた大きな理由があると思います。
お読みいただき、ありがとうございました。

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コメント
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主に儒学だと想いますが、是非、その
講義を拝聴したいと想いました。
儒学といってもそれは、日本的倫理感を基本にした孔子の学問です。 教える人間の真心と徳によって、儒学は
生きた学問にもなるし、死んだ学問にもなる。 現代は三宅氏のような高徳(名誉、金銭に執着しない)な学者がいないのが残念です。
2017/01/29 URL 編集