鬼は外、福は内



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20170131 節分
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2月3日は節分の日です。
節分(せつぶん)というのは、「立春」の前の日のことを言います。
「立春」は春という字が含まれているために、なんとなく「春がやってくる日」というイメージを持たれる方が多いのですが、実際には「春が立つ」で、この日から気温の底がピークを過ぎて、徐々に春に向かっていく境目を示すことになります。

ちなみに、1〜3月生まれの人が、占いなどで自分は前年の干支なのか、今年の干支なのかと迷ったりすることが多かったりしますが、諸説ありますけれど一般には、節分の日までが前年の干支、立春の日以降が、今年の干支となるようです。

さて、その節分といえば、
「鬼は外、福は内」と言いながら豆まきをすることが、ひとつの行事となっています。
このことについて、先般、1月27日の「ねずさんのメールマガジン」ですこし論考を書きましたので、今日は、それをご紹介してみたいと思います。

なお、「ねずさんのメールマガジン」は有料ですが、そこだけの話などを書かせていただいているものです。

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節分のお話
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2月3日は節分の日です。
この日、豆まきが行われますが、そこでは、
「鬼は外、福は内」と言いながら、炒り豆が投げられます。
この炒り豆を投げるという行事は、
鬼神を追放する際に、鬼が、
「いつになったら帰してもらえますか?」
と問うたのに対して、
「この豆に芽が出る頃に帰っておいで」
と言いながら、炒り豆を渡したという故事からきているといわれています。

炒り豆は、芽は出ません。
ですからそれは、「二度と帰ってくるな」という意味であったのだということです。

ところが、実はここで追われた鬼神というのが問題なのです。

もともと節分は、宮中行事であって、季節の変わり目の邪気(鬼)を祓うという祭祀として、古くから行われた行事です。
具体的には、内裏の東西南北の各門に、「土牛童子」と呼ばれる彩色した土で作った牛と童子の人形を飾るという行事でした。
ちなみに、
 陽明門と待賢門には、青色の
 美福門と朱雀門には、赤色の
 郁芳門、皇嘉門、殷富門および達智門には、黄色の
 藻壁門と談天門には、白色の
 安嘉門と偉鑒門には、黒色の
「土牛童子」が立てられました。

ところがこの行事に、室町時代、臨済宗の僧侶が、仏は内、神は外という故事を結びつけて、いまの「鬼は外、福は内」にしてしまったのが、どうやら、豆まきの事始めのようです。
実は、これは巧妙なトラップで、ここで言われる「鬼」が、もともとの「邪気」から、「国つ神」に置き換えられてしまったのです。

我が国には、古来、
 高天原系の「天つ神」と、
 中つ国系の「国つ神」がいます。
天つ神は、慈愛の神々で、シラスを行います。
これに対し国つ神は、そのシラス国の中にあって、個々の秩序維持のためにウシハクを行います。

寛容と厳しさ
慈愛と厳正

この両者は、二つ揃ってはじめて、国の秩序を構築します。
そして、天つ神のもとに国つ神があるという、言い換えれば、シラス国の中にウシハクが内包されるという形が、実はもっとも大切なものとして扱われてきたのです。

この両者は、並立でも駄目ですし、片方だけでもだめですし、ウシハクのもとでシラスを実現することも不可能です。
シラスの中にウシハクを置く。
天つ神のもとに、国つ神がある。
このカタチが大事なのです。

ところが節分は、その室町時代、つまり御皇室の権威を否定して、将軍がChinaの冊封のもとに日本国王となるという、異常事態の中にあって、国つ神を追い、それによって天つ神も追うという目的のもとに、もともとあった節分の宮中行事と混同させて「鬼は外、福は内」と炒り豆を投げるようになりました。
さすがに「天つ神」である天皇を否定するわけにいかないから、「国つ神」を鬼として、炒り豆を投げて追い払おうというのです。

寛容だけ、慈愛だけでは、この世は治まりません。
厳しさや厳正が内容されなければならないのです。
つまり「天つ神」と「国つ神」は、本来表裏一体であり、「天つ神」の中に「国つ神」が内包されていなければならないのです。
そして、これが片方だけになり、人々が「国つ神」を追い払うようになれば、この世は混乱します。
案の定、戦国の世が到来しました。

日本的感覚からしたら、本当は、
「福はうち。鬼もうち。悪は外」
なのです。


お読み頂き、ありがとうございました。

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コメント

takechiyo1949

我家は「福は内、鬼も内」です。
『追儺の儀式』って大陸のものですよね。
そんなのを宮中に持ち込むなど…とんでもなく畏れ多いことだと思います。
宮内庁のHPを覗いてみましたが、そんな年中行事は見当たらなくてホッとしました。

「豆⇒魔滅⇒魔が滅す」と聞いたことはありますが「ねずブロ」の「炒り豆の芽が出るまで」説の方が面白くて好きです。

掛け声も色々あるようですね。
・鬼は内、福は外
⇒京都府福知山市大原神社
・福は内、鬼も内
⇒奈良県蔵王寺
・鬼は内
⇒岐阜県可児郡鬼岩福鬼祭
⇒鬼が姓の家庭

我家では落花生を使い、掛け声は「福は内、鬼も内」です。

-

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イラストがかわいいです。
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小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

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