水蛭子(ひるこ)

『ねずさんと語る古事記 壱』絶賛発売中!
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     20170226 古事記壱

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20170329 日本の神々
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古事記の初めの方に、国生み神話があります。
イザナキ、イザナミの二神が、淡路島、四国、隠岐之島、筑紫島(九州)、壱岐島、対馬、佐渡島、大倭豊秋津島をお生みになられたという神話です。
その国生み神話のはじめのところに、イザナキ、イザナミの二神が、先に水蛭子(ヒルコ)を生んだという物語が古事記に書かれています。

多くの古事記の解説書が水蛭子(ヒルコ)を、骨のない軟体動物のような人間と読み解いています。
しかし、この段における主題は「国生み」です。
水蛭子(ヒルコ)以外にお生まれになった神様が、どれも島なのに、どうして水蛭子(ヒルコ)だけが人のカタチをした軟体動物なのでしょうか。
名前が「蛭(ヒル)」だからでしょうか。
しかす水蛭子(ヒルコ)と一緒に淡島(あわしま)という、名前からして明らかに島が生まれています。




「神話なのだから」と、国生みであっても蛭(ヒル)が生まれた、軟体動物が生まれたと解釈することも、もちろん、それはそれで正しい読み方であると思うし、そのような読み方を否定しようとは思いません。
なぜならそれもひとつの読み方だからです。

しかし納得はできないのです。
国生み神話なのに、どうして水蛭子(ヒルコ)だけが「軟体動物」なのか。
なぜ、水蛭子(ヒルコ)以外はすべて島なのか。
そのように考えますと、そもそも水蛭子(ヒルコ)も、実は島だったのではなかろうか、という疑問が頭をよぎるのです。

古事記は全文漢字で書かれています。
そしてその漢字は、もともと表意文字であって、China国内においても、同じ漢字を使いながら北京語や広東語、上海語等があるように、読み方の音は様々です。
時代によっても、様々です。
けれど、声に出して読むときの読み方はそれぞれ違っていても、漢字で書かれていれば、互いに意思の疎通ができます。
なぜなら漢字は表意文字であるからです。

「悪」という漢字は、アク・オ(ヲ)・わる・ あし・にくむ・いずくんぞ等、様々な読み方があります。
しかし意味するものは、正しくない、よろしくないという意味です。
ですから「悪者」と書かれていれば、「アクシャ」と読もうが、「オシャ」と読もうが、正しくない者を意味するとわかります。

古事記が書かれたのは、そういう漢字を、大和言葉の表記のために用いたという時代です。
ですから、使われている漢字は、ひとつひとつ、その意味を採って使われています。
逆に、漢字そのものには意味がなくて、ただ、その音を用いただけの単語や熟語には、「以音(こえをもちいる)」と個別に注釈がなされています。

そこで水蛭子(ヒルコ)です。
なるほどヒルは軟体動物ですが、古事記は水蛭子に「以音」とは書いていません。
つまり「水蛭子」という漢字に、大和言葉との共通概念を織り込んでいるわけです。
そして、この記述がある場所は、国生み神話の冒頭です。

そのように読んだ時、果たして水蛭子(ヒルコ)だけが、本当に軟体動物だと言えるのだろうか、もっと異なる別な意味があるのではないだろうか、と疑問に思うのです。

そしてそのような、小さな矛盾を感じるようなところにこそ、古典は読み解きのヒントが隠されているということは、これは百人一首などの和歌を読み解く場合と同じです。

今回刊行させていただいた『ねずさんと語る古事記 壱』は、そういうひとつひとつの小さな疑問を、いちいち漢字の意味を紐解きながら、本当のところ、古事記にはいったい何が書かれているのかを読み解いていったものです。

内容は決して、断定や決めつけではありません。
ですから本のタイトルは、
「ねずさんは、このように読みました、
 みなさまはどのように読まれましたか?
 そして互いに感じたことを一緒に語り合いませんか?」
という趣旨で、
『ねずさんと語る』とさせていたいています。

日本を取り戻すためには、ただ世の中の不条理や他国を責めているだけでは駄目だと思うのです。
さりとて、ただ昔の日本をありがたがるだけでも、駄目だと思うのです。
日本そのものを、もういちど謙虚に学び直す。
日本を、もっと深く知り、学び、語り、広げていく。
それこそが、未来を託して散って行かれた英霊に答える、唯一の、遠回りに見えるけれど、一番の近道なのではないかと思います。

そして私たちが学ぶべき日本精神の根幹のすべてが、実は、古事記の中にあります。
かつての日本人が築こうとした日本のすべてがそこに込められています。
いまあらためて古事記を学び直すということは、まさにそういう意味があるのだと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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「お詫びと訂正」
第一巻八十三ページに「これは千葉の常若神社の渡邊宮司から教えていただいた話なのですが、聖徳太子の十七条憲法の各条文は、それぞれ創成の神々の神名と関連付けて書かれているからこそ、十七条なのです」とありますが、私が教わったことは古事記と聖徳太子に関するお話であり、聖徳太子の十七条憲法と神々の神名との関連付けは教えていただいたことではなく、私の考えであると、渡邊宮司をはじめ、関係各位に深くお詫びして訂正いたします。

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コメント

ネコ太郎

ホツマでは
いつもホツマツタヱのことばかり持ち出して申し訳ございません。
イザナキ様、イザナミ様の初めての子は早産(ヒヨルコ)で育ちませんでした。出産した場所は淡路でした。
本当の長子は長女ワカ姫様(ヒルコ姫)でした。重臣のカナサキにあずけられ西宮神社の場所で育てられました。歌の名人でワカ姫にちなんで和歌と呼ばれているそうです。
ヒルコ姫の次に産まれた子が長男のアマテル様です。次男がツクヨミ、三男がソサノヲです。
ちなみにイザナミ様のお父さんがトヨケで、アマテル様の教育係になりました。伊勢神宮外宮に祀られています。
記紀ではワカ姫様がなぜか無視されアマテル様が女性となっています。現在に至るまで男系天皇にこだわるほど男系が徹底されているのにアマテル様が女性では不自然だと思います。

にっぽんじん

マスコミが取り上げない証言
籠池氏の国会証人喚問で大事な証言がスルーされています。
野党4党との密室会談に関するものです。

籠池氏は「招いた会談ではない」と言っています。
それでは野党が押し掛けたのでしょうか。
会談には籠池氏の奥さんと長男も同席しています。

籠池氏と野党4党は何を話したのでしょうか。
詳細が全く分かりません。

籠池氏は証言の中で「国会証人喚問の話は議員からも、私からも発言していない。証人喚問はお互いの「阿吽の呼吸」と言いました。

これが信じられるでしょうか。
「阿吽の呼吸」ではなく「阿吽の取引」ではなかったのでしょうか。

大阪府の立ち入り調査を避けるための「取引」があったかも知れません。
福島議員、小池議員たち4人に真実を語って欲しいものです。

この会談後に「首相からの寄付問題」が出ました。
奥さんは、主人は「監獄に行く」と言っています。

マスコミは何故「阿吽の呼吸」を取り上げないのでしょうか。

敬天愛人

歴史学者が怪しいですよね
日本の歴史は戦後のGHQによる日本潰しの影響で古代から現代に至るまで捻じ曲げられているようですね。特に、そのお先棒を担いているのが名だたる大学の教授を名乗る歴史学者達です。本当の日本を知るには太古の昔から連綿と繋がる日本の本当の歴史を知るべきです。ブログ主様のおっしゃるようで我々は真実を見極める時に予断を持ってはいけませんよね。度を越した国粋主義や排外主義は我々の目を曇らせます。

-

いつもありがとうございます。
蛭子を祭っている神社で有名なのは
西宮神社ですね。兵庫神戸は蛭子信仰が盛んなのも、何か古事記の島産みと関係があるのかもしれません。
只一ついえる事は、流された蛭子(人間でいえば水子)を大切に祭る事は、繁栄に繋がるという事です。

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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』日本図書館協会推薦

『ねずさんと語る古事記 壱〜序文、創生の神々、伊耶那岐と伊耶那美』
『ねずさんと語る古事記・弐〜天照大御神と須佐之男命、八俣遠呂智、大国主神』
『誰も言わない ねずさんの世界一誇れる国 日本』
最新刊
『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』
近日発売
『日本書紀』(タイトル未定)

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