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人類史のような数千年から数十万年という長い時間の経過を持つものを語るとき、現代の海岸線や気候、国境・人種・民族をもとに考えると、大きな間違いを犯します。
たとえば稲作がChinaから渡来したなどというのがその典型です。
地球環境は、温暖化や極端な寒冷化を繰り返していて、海岸線が大きく変化しているし、火山の大噴火もあるし、それによる生命体の大量死もあるし、そしてなにより、いまよりもはるかに人口の少なかった時代、そもそも国境なんて存在しなかったからです。大陸棚はかつて陸地だった。

Google Earthより先日ある方からご質問をいただきました。
ある著名な大学教授が書かれた本に、「弥生時代の始まり頃、日本は大陸や半島と比べて千年の文化の遅れがあった。このため日本は、海を渡ってやってきた呉や越の人々から、稲作や建築技術など、様々な文化を教わり、これによって、日本は弥生時代を迎えることになった」と書かれていたのです。
これについて意見を求められましたので、言下に否定させていただきました。
というか、DNAの解析や、稲作の水耕栽培跡など、様々な遺跡の発掘が進み、日本では縄文中期には稲作が行われていたし、穀物保存のために、その時代からすでに高床式住居が用いられていたことなどが、すでに考古学的にも明らかになっているわけです。
にも関わらず、そうした考古学上の明らかな発見を無視して、いまだに上にあるような珍説に固執する学者がいるということ自体が、信じられないことでした。
それは、いったい何が目的なのかと思ってしまうほどです
もっともこの教授の本にも、一点、見るべきものはありました。
それは「稲作が朝鮮半島を経由して日本に渡来した」という説が、全面的に否定されていたことです。
これは、あるわけがないのです。
なぜなら、呉や越(つまりいまのChinaの福建省のあたり)で稲作が行われていたとしても、山東半島のあたりから、遼東半島、そしていまの北朝鮮のあたり一帯までは、気象条件がまったく稲作に適さないのです。
つまり、稲作は、そのあたりでは行うことができなかったわけで、そうであれば稲作が山東半島や遼東半島を経由し、さらに北朝鮮のあたりを経由して南朝鮮に渡来し、そこからさらに日本に渡来したということは、完全に論理が破綻しているからです。
しかも古代の記録を見れば、いまの南朝鮮のあたり一帯は、倭国の一部であり、倭人たちが入植していたことも明らかになっています。
だから古墳も出土しているのです。
倭人たちが入植したから、南朝鮮のあたり一帯では稲作も行われるようになったのです。
そうであれば、稲作が朝鮮半島から渡来したとは、韓国の考古学者、古代史学者がどのようなファンタジーの夢を見ようが、彼らの夢は、夢でしかない。
おもしろいなと思ったのは、その本を書いた教授さんも、こうした事実から、さすがに「朝鮮半島経由で」という説は、どうやらひっこめたようなのです。
ところが、だからなのかは知りませんが、日本文化は稲作を含めて福建省から渡来したという説にこだわり、それどころか、「その頃の日本は、大陸と比べて文化に千年の遅れがあった」などと書いているわけです。
私などは人柄が悪いので、「先生、その千年というのは、具体的にどのような根拠に基づくのでしょうか」と思わず質問してしまいそうです。
というより、学術本のような体裁を取りながら、何の根拠もなく「千年の遅れ」という表現を使うほうが、学問をする人として、私から見たら、とても残念に思えます。
さて、ここからは、仮説になります。
現在把握されている考古学上の遺跡からわかっていることは、日本でおよそ8千年前の縄文中期には、水田があり、そして稲作が行われていたという事実です。
しかし、おそらく実はもっとはるかに古い時代から、日本では稲作が行われていたのであろうと思います。
というより、「日本では」というのではなくて、日本から台湾、フィリピン、インドネシアといった一帯で、稲が食に用いられていたであろうと思うのです。
というのは、地球上の最終氷河期のピークは、いまから1万8千年前のことです。
この頃の年間平均気温は、現代と比べると、▲10度以上も低いもので、このため南極や北極圏の氷河が発達し、海面の高さはいまより、150メートル以上も低かったことが、近年の研究で明らかになっています。
そして、その寒冷状態は、いまから約1万年前で続いています。
そうなると、現在大陸棚となっているところの多くは、海上に露出していたことになります。
そして、日本列島から琉球諸島、台湾、フィリピン、ボルネオ、スマトラをつなげる大陸棚は陸上にあって、そしてこのラインが、ユーラシア大陸の東の外れの海岸線になっていたことが明らかになっています。
ところがその寒冷化の時代から、およそ7千年前までの間に地球気温は+10度も上昇していきます。
すると何が起きるかというと、その陸地だった大陸棚が、海に沈むのです。
そしてその頃に山だったところの先端だけが海上に露出するようになっていきます。
こうして陸地として残ったのが、日本列島であり、琉球諸島であり、台湾であり、澎湖島であり、フィリピン、ボルネオ、スマトラであるわけです。
縄文時代の遺跡の多くが貝塚であることに明らかなように、そのあたり一帯に住んでいた人々は、海に面したところで、貝や海藻を採って暮らしていたことがわかっています。
こうした人々は、海岸線が後退すれば、いまのように土地の所有権や国の領有権などない時代ですから、当然、住まいを移動させていきます。
もともとは、血を分けた本家と分家のような関係を持つ村々であったとしても、こうして海岸線の後退によって、分断され、互いの住まいが海に隔てられて行くわけです。
そしていまから7千年前から5千年前にかけては、地球気温は急速に上昇し、この時期には日本列島の西日本一帯が熱帯地方になります。
熱帯であれば、稲は自生します。
縄文時代の遺跡の調査結果から、当時の人々が、木の実や粟、ヒエ、コメなどを採取して食べていたことは明らかになっています。
つまり、実の多い稲は、貴重な食料であったろうし、それが自生していれば、食べていないと考えるほうがどうかしています。
そして気象状態が、寒冷化に向かい、熱帯だった西日本が温帯に変われば、そのままでは稲は自生できません。
だから、熱帯だった当時にあった雨季と乾季を人工的に演出して、稲を騙して生育するようになったのが、水耕栽培です。
日本では、陸稲と水耕栽培の稲の両方が時代を変えて出土していますが、それにはそのような背景があったものといえようかと思うのです。
ちなみに少し時代を戻しますが、1万8千年前に、なぜ地球が大寒冷期を迎えたかというと、これにはシベリアの火山の連続した大噴火が原因であったといわれています。
この噴火で、火山灰が気流にのって世界中に広がり、地上を覆いました。
このため太陽光が十分に届かずに、地上が冷えて大寒冷期となったのです。
噴煙はたいへん多くのガラス質を含みます。
ですから噴煙を吸い込んだ動物は、もちろん人間もですが、肺にガラスが突き刺さり、命を失います。
つまりこのときに、東亜の人口は東亜全体でも、1万人程度、もしかすると千人くらいにまで減少したのではないかという説があります。
地球全体でも、人類は合計して1〜2万人になったと言われています。
そこから、生き残った人々が、いまの人口になったわけです。
このような地球環境変化の中に、東亜の人々が暮らしていたとするならば、まさに東亜の人々は、1万8千年遡れば、実は、みんな親戚ということにもなりそうです。
そしてその親戚同士が、地球の温暖化とともに分断されて、いまの東亜諸国を形成しているわけです。
このように考えると私には、稲作が福建省から渡来したとか、いやいや日本から渡ったのだとかいう議論自体が、馬鹿げているように思えます。
もともと発祥の地は、いまでは海にしずんでしまっている大陸棚にあったと考えたほうが合理的だからです。
また、縄文時代の遺跡が貝塚であるように、原始生活においては、山間部の陸中よりも、海に面した沿岸部の方が、食料を得やすく生活に適しています。
人類が「毛のない猿」であることも、森での生活ならどうみても体毛があったほうが合理的ですが、海で暮らすなら、体毛がないほうが、体が早く乾きますので、これまた合理的です。
人類はいまは沈んでしまっている大陸棚にかつて住んでいた。
そして、その海に沈んだ大陸棚で生活し、生まれた技術を持った人々が、Chinaに、台湾に、琉球諸島に、日本列島に、ボルネオに、フィリピンに、インドネシアに、ベトナムに分散して住むようになったのであろうと思います。
まさに、人類みな兄弟。
東亜の人はみな兄弟です。
共産主義などにかぶれて、互いの対立を煽るより、そのような発想のところから、本当の意味での対話や冷静な議論ができるようになるのではないかと思います。
そしてそれは、私たち日本人が、もっとも古い昔からの伝統を保持した民族であり、そこで生まれたシラスを東洋社会の常識にしなければならないことの重要性をも示唆しているように思います。
お読みいただき、ありがとうございました。

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コメント
くすのきのこ
に稲作などの農業文化もやって来たのでしょう。
新石器時代の姶良カルデラ、縄文時代の鬼界カルデラの破局噴火で、西日本は
火砕流、津波に加え火山灰降下と太陽光遮断による寒冷化で壊滅状態に陥り、
それによる民族移動もあったと推測されます・・東日本へ・・あるいは一部は
アメリカ大陸西海岸へ。縄文人の一部はラピタ人の末裔で海洋系であったろう
という話もありますし、また大陸系の古代人であったろうとも。遺伝子の研究
ではバイカル湖付近からとも・・wと~っくに混血してるw
時代が下って古代豪族の時代になりますと、大きな渡来の波が4つほどあるそ
うです。第一波・紀元前3世紀弥生時代前期、第二波・5世紀前半 秦氏(単
一血族・氏族ではない)、第三波・5世紀後半~6世紀 高句麗氏、漢氏、
第四波・7世紀後半38代天智天皇時代 百済滅亡により百済氏。他にも渡来
はあったろうが、江戸時代末まで大きな波は無しと。ちなみに明治時代以降は、海外から来て定着する人々を一般に帰化人と呼称すると。古代の渡来人達は日
本の歴史の大事な要素で、この天災国日本に土着しちまった~わけですw古代
豪族は、皇系の皇別氏族(300余)、土着の神別氏族(400余)、海外渡来の
諸蕃氏族(440余)その他に分けられると。秦氏と最後の百済系の人々は平安
京造営にも関与していますが、あまり政治の表舞台には出てきません。でも女
系で繋がってたりしますw縄文時代も引き続く弥生時代も多民族多文化多神教
だったのでしょう。その後の民族(遺伝子)海外流入の波は小さく、内部でか
き回されて歴史を辿るわけです。古代百済人の遺伝子は、どうやら現代のハン
トウの住人とはあまり重ならないであろうと・・モンゴルの遺伝子が入ってま
すし・・ハントウも王国の興亡が続き人種の混血が進んでいるので。
まだまだ古代遺跡は日本の国土に埋まっています。古事記と日本書紀は40年も
かけて編纂された謎の多い書物。そんなにも資料が多かったのか・・w
2017/09/24 URL 編集
禁多老
知識人わけても左翼系はこうした「男下げ女上げ」の詭弁を、北朝鮮が悪事を働く都度弄してきました(拉致発覚後の鬼嫁や核実験初成功時の草食男子など)。カリアゲ君がミサイルを発射した今回も奴等は必ず詭弁を弄してくるだろうと予想はしておりましたが、産経さん、あなたでしたか。てっきり朝日・毎日か頭狂辺りが出してくるものとばかり思ってましたよ。神出鬼没というか、意表を突かれたというか…。
本当に、油断も隙もない連中ですよ、マスコミは。
2017/09/21 URL 編集
古代
9月19日,12時5分から約15分間(現地時間。日本時間20日(火曜日)午前1時5分),第72回国連総会出席のためニューヨークを訪問中の安倍総理は,アントニオ・グテーレス国連事務総長(H.E. Mr. Antonio GUTERRES, Secretary General of the United Nations)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
冒頭,グテ-レス事務総長から,日本の国連に対する貢献に謝意を表明するとともに,北朝鮮問題を始めとする様々な課題について日本と協力していきたいと述べました。これに対して,安倍総理から,国際社会は多くの課題に直面しており,貴事務総長と連携しながら,しっかり対処していきたい,事務総長の早期訪日に期待をすると述べました。
北朝鮮については,安倍総理から,全会一致で採択された安保理決議第2375号の全加盟国による完全な履行が極めて重要,この点につき貴事務総長の発信に感謝と述べました。さらに,北朝鮮の過去の行動を踏まえれば,意味ある対話には,まずは北朝鮮の非核化に向けた真剣な意思と行動が必要である,今は一層の圧力により,北朝鮮から対話を求めてくる状況を作り出すことこそ重要である旨述べました。
さらに,拉致問題は安倍政権の最重要課題であり,理解と協力を期待する旨述べました。これに対して,グテ-レス事務総長からは,全ての加盟国による関連する安保理決議の完全な実施が重要である旨述べられ,さらに拉致問題について,連帯の表明があり,基本的人権の蹂躙であり,受け入れられない旨の発言がありました。双方は引き続き緊密に協力していくことを確認しました。
国連改革について,安倍総理から,事務総長の国連改革に向けた取組を支持,協力したい,ただ,安保理改革なしに国連改革は完結しない,今会期こそ目に見える前進を遂げたい,安保理改革の早期実現が国連改革に不可欠との発信を期待すると述べ,双方は国連改革について緊密に協力していくことを確認しました。
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東亜含めた人類の中で、トランプ大統領の日本人の拉致被害者言及に、驚きましたが、情報が、探さないと、得られないので、なかなか全体像が、見晴らせませんが、コメント欄にあった、チャンドラボーズゆかりのクリシュナさんのインパールへの言及、インドに北朝鮮への制裁に参加するよう交渉した、という青山議員の、国の交渉についての発言、スマートニュースに入れた日本政府のニュースから、上記、
植民地支配以前、あるいは古代アジアの民との繋がり、もっと広くの白人界隈との繋がりで、日本人は、古代の八紘一宇を、軛を抜けて、取り戻しているような気がします。
皆々様情報共有提供ありがとうございます。
外務省は、変わりつつある。発信できている。この英語日本語での情報に、注目したいと思います。
安倍政権、外務省、官僚、青山議員、他多数、皆さまのおかげで、
捏造の冤罪による、煙幕は、綻んできたような気がします。
2017/09/21 URL 編集