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日本では、「安かろう、悪かろう」では、平時にはなんとかなったとしても、非常時に役に立たないのです。
常に日本は、国をあげて、「高くても、良いモノを」という姿勢を貫かなければ、あっという間に、建物は水に流され、道路は冠水し、地震で家屋や公共建築物が倒壊します。
日本国内におけるインフラは、常に、価格で競争するのではなく、品質で競争するという社会の仕組みが不可欠なのです。
✗・・・価格競争
○・・・品質競争です。崩落したパラオKBブリッジ

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公共工事について、「箱物行政はいけない」とか、「業者との癒着」とか、「安く入札して税金の無駄遣いをするな」とかいう論説が、この数十年の我が国の主流の意見となっています。
しかし本当にそうでしょうか。
だいぶ以前のことになりますが、パラオで空港から首都を繋ぐ橋が、国際入札によって建設されました。
日本はだいぶ頑張ったのですが、結局韓国企業がその橋梁工事を落札しました。
ところができあがった橋は、完工当時からグラグラと揺れ、通行するクルマで通行中も何故か恐ろしい。
そして完成工事のわずか半年後、橋は真っ二つに折れて崩壊しました。
韓国の落札価格は日本と比べて大変に安いものでした。
だから韓国企業が工事を落札したのですが、そもそもの設計から重量計算もデタラメなら、工事自体も手抜きのオンパレードでした。
ただでさえ構造設計に無理があるところへもってきて、安い受注価格のために、機材等は仕様に問題のある安物ばかり、加えて工事費用の中抜きのために、必要な部品がちゃんと使われない。
これではそもそもできあがった橋梁が落下しないほうが、おかしかったのです。
結局、落ちた橋梁は日本のODAで撤去され、日本企業があらためて工事を行いました。
今架かっている橋は、ですから、とても完成度の高い、何の不安も心配もない橋です。
同様の話は、ほかにもたくさんあります。
ただ笑えないのは、戦後の日本の、特に民間工事において、同様のケースが多々あったことです。
マンション建築等において、値引きによる安さばかりが求められる民間工事では、やはり工事の手抜きがありました。
ある戦後に急成長したマンション業者のマンションでは、外壁にレンガ調のパネルが貼ってあったのですが、それが地震で崩落しました。
すると中から見えたのは、コンクリートの打ちっぱなしと思いきや、発泡スチロールでした。
コンクリート費用を浮かすために、見えないところに思い切り手抜き工事がされていたわけです。
あるいは公共工事でも、地震がやってきたときに、特定の高速道路の橋脚だけが崩落したことがありました。
それは○日系の業者が担当したところであったことは、地元では有名な話です。
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大陸や半島には、あまり地震はありません。
ですから少々手抜きをしても、建物などが崩落することは基本的にはないはずです。
けれど彼の国で作られた高層建築物や高架道路や橋梁の崩壊事故は後を断ちません。
実はこのことは、世界遺産になった1400年前の建築物、法隆寺五重塔によっても証明されています。
ChinaやKoreaにも古い塔建築はあったようです(記録にはありますが現存していません。戦乱ですべて消失しています)が、それらはただマッチ箱を積み重ねただけの構造です。
これに対し法隆寺五重塔は、釘さえも使わない木造軸組で地震の揺れのエネルギーを軸で受けて崩落しない構造になっています。
また法隆寺五重塔は、大きく張り出した軒(のき)に土が仕込まれていて、万一出火した場合でも、軒の土爆弾が上から降ってきて自動で消火ができるように設計されています。
これらの工夫のある建築物は、他に類例がなく、まさに我が国のはるか太古の昔から続く日本のモノづくり国家としての実力を発揮したものです。
このような建築物が日本で生まれた背景には、私たちの祖先が、常により良いものを造ろうとする努力を欠かさず、また、社会構造としても、いくら儲かるかではなく、いかに良いモノを築くかを大切にすることが肝要とされてきたことを示しています。
江戸時代のお大名は、江戸幕府成立の頃は、みんなお金持ちでした。
けれど幕末ころになると、どの藩も借金まみれであったということは、公知の事実です。
なぜ諸藩は貧乏になったのでしょうか。
これには明確な理由があります。
日本が、天然災害の宝庫であったからです。
我が国のお大名にとって、領民は私的財産ではなく、天子様(天皇)の大切な「おほみたから」を預かる立場です。
ですから領民が災害で苦しんでいるなら、大名は自分で借金をしてでも、領民のために財を投げ打って、復興を行いました。
そんなことが度重なれば、これはお大名が貧乏になって当然です。
けれども、そのお大名は、災害復興にあたって、人夫さんたちの給金を、いっさいケチったり、安く買い叩いたりすることはありませんでした。
むしろ、非常時の人足費用というのは、2割増しが相場で、通常よりも多めの賃金を払うことで、復興を促進していたのです。
そしてこのときに、絶対的に要求されたことが、「一切工事に手抜きをしないこと」です。
金儲けのために意図して手抜き工事をすれば、これは「お手打ち」といって、現行犯なら即時斬り殺されます。
あとでバレたなら、その業者はすべての財産を没収の上、良くて追放、悪くすれば死罪、最悪の場合、獄門晒し首です。
それだけ厳しかったのです。
しかし厳しくなければ、ただでさえ天然災害の多い日本では、常に出来る限りの精一杯の技術を用いて努力してインフラを整備しなければ、これは人命問題になってしまうのです。
ついでにいえば、大名が手抜きをすれば、その大名家は良くて改易、悪くすればお取り潰しでした。
要するに日本では、「安かろう、悪かろう」では、平時にはなんとかなったとしても、非常時に役に立たないのです。
常に日本は、国をあげて、「高くても、良いモノを」という姿勢を貫かなければ、あっという間に、建物は水に流され、道路は冠水し、地震で家屋や公共建築物が倒壊します。
日本国内におけるインフラは、常に、価格で競争するのではなく、品質で競争するという社会の仕組みが不可欠なのです。
✗・・・価格競争
○・・・品質競争です。
逆にいえば、冒頭に記した「箱物行政はいけない」とか、「業者との癒着」とか、「安く入札して税金の無駄遣いをするな」とかいう論説は、日本の国情を無視した、ただのデマゴーグであると断言できることであると思います。
そんなことを云い出したら、自然災害の前に、日本はひとたまりもないからです。
ですから私は、日頃から「箱物行政はいけない」とか、「業者との癒着」とか、「安く入札して税金の無駄遣いをするな」とかいうことを口にする人たちは、たとえそれが政治家であれ、評論家であれ、全員が国賊であると断じたいと思います。
なぜなら、そこには常に人の命がかかっているからです。
お読みいただき、ありがとうございました。

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コメント
神無月
企業はグローバル化し、コスト重視で株主の為に利益を上げます。
企業の役員も大株主の一人です。
顧客が日本人だけなら高品質を求められますが、中国人レベルならば並の品質で充分です。
そこには、儲かればよい「ウシハク」人と、責任を持つ「シラス」人の違いなのかも知れません。
日本企業も株主優先、成果主義に走った為に、ウシハク経営者が増えてしまったようです。
東芝やシャープの凋落。日産の人員削減による不正検査などが目に見える形で現れています。
「風が吹けば桶屋が儲かる」ではありませんが、「100円ショップを使えば年収が減る」に繋がります。
一見、得したように見えますが、価格勝負で国内産業は疲弊し、デフレになり給料は下がります。
また、昔に比べ物が溢れるますから、生活費もかかります。
昭和40年代の暮らしをすれば、出費は今の半分以下で済むでしょうね。
また、大量生産大量消費は地球への負荷が大きいことも、先進国は理解しているはずです。
しかし、資本主義では制御は難しいようです。
そのように考えますと、シラス型社会主義の様な形が理想なのかなと感じます。
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2017/10/05 URL 編集
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2017/10/05 URL 編集
左右差
ただ、地方行政が疲弊している事を指摘されている方もいらっしゃいますがそれも、談合が無くなった事にも要因があると私は、考えています。
地元の企業が落札すればそのお金は、企業や社員の家族が地元で使い行政に帰って来ます。
ところが大手企業が落札すると利益は、都市部に集中します。
日本は、昔から一つの仕事を地域で分業しみんなが潤う事を大切にしてきたのだと思います。
このような事例が昔から有りましたらお教え頂けたらと思います。
宜しくお願い致します。
2017/10/04 URL 編集
k
2017/10/04 URL 編集
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職人立国のドイツは、職人さんはマイスターと呼ばれ社会的地位も高く給与も高いです。 日本は昔からもの作りを尊重してきた国柄です。韓国朝鮮は職人は卑しい仕事と蔑まして差別しますが、日本は職人を尊敬する国柄です。今の職人さんの給与が安く不安定な身分に置かれているのは、韓国朝鮮的な思考が日本を汚しているからです。日本は日本です。 ドイツのような職人立国を取り戻すべきです。
2017/10/04 URL 編集
岡 義雄
仰る通りだと思います。突貫工事や休日作業が発生して休日返上の時など手当の上乗せがあって、皆出たがりました。また、休日振替も当然ありました。談合が犯罪扱いされるようになって、とある所の奥座敷と言われた観光地の観光旅館が全滅しました。観光協会は辛うじて存続しています。原因は官公庁や企業が使わなくなったからです。使えなくなったという方が正しいですが、接待以外でも昔は企業や官公庁がよく使っていました。忘年会や新年会、歓送迎会などなど。しかし談合批判が始まって、観光旅館のイメージが一気に悪化し、お得意様だった官公庁や企業が引いていきました。これも影響を受けた悲しい実例です。
2017/10/04 URL 編集
楠山秀樹
まず、公共事業ですが、これは国や地方の投資と考える必要があります。インフラなどの整備による経済波及効果、教育による人的投資で優秀な人材確保で国民や住民の収入が増えれば税収の増加が期待できます。また、公共事業の予算は国民や住民の収入です。ケチってはいけません。と、ここまでが前提で、問題は入札制です。
金儲けしか頭にない連中の制度はそもそも災害大国の我が国には合いません。
そうです、ネヅさんの仰られる通り、価格競争でなく品質競争とすべきなのです。まず、発注者が品質の提示をして話し合いをして最高品質のものを求める。次に限られた予算ですから価格の交渉に入る。複数の業者が手を上げれば全員に仕事を割り振る(全員が潤うように)。そして仕事の結果を見て、その業者の技術や得意分野が判断できるようにして、後々に活かす。業者も技術力の勝負です。競うところは価格ではなく技術力。これが我が国本来の姿ですよね。
2017/10/04 URL 編集
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全国の自治体の殆どが自らの資産のマネージメントが出来ていないのが現状です。よって、政治家による箱物の建設が未だに横行しています。合併による約束による箱物建設など…
不要な箱物、類似建築物を建築してきたため、保守管理に多額の予算が必要です。我が自治体では、今やっと資産のマネージメントを実施し、優先順位をつけて、改修等を実施していくような状況です。
よって、しっかりと資産マネージメントされた箱物行政であれば、良いのかと。公共工事も日本国の技術力を牽引するものと考え、手抜きすること無く(してないし、させていませんが)、指導して参ります。
ただ、今や、どの自治体も財政的に余裕が無いため、PFI等で民間に、悪く言えば丸投げ、の手法が多くなってきました。技術力、施工管理に不安が残ります。自治体職員も監理する技術力の維持、向上が必要ですね。
2017/10/04 URL 編集
takechiyo1949
お早うございます。
物造りに携わる者として共感致します。
但し『品質は最高で当然!コストは限りなくゼロ円で!』という要求が当たり前になっています。
これらの注文者も国賊だと私は思っています。
2017/10/04 URL 編集