善悪二元論国、一元論国



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私たち日本人には、本来、善悪二元論はなじまないのではないでしょうか。
悪の中にも善があり、善の中にも悪があると考える。
ですから芥川龍之介の『蜘蛛の糸』に出てくるカンタダがいくら極悪人であっても、お釈迦様がこれを助けようとしたと聞けば、「ああ、なるほど」と素直にその物語に納得します。
ところが善悪二元論のもとでは、そうはならない。
悪はどこまで行っても悪です。
そこに情けはありません。


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 *****

月刊誌「玉響」は、毎月愛読させていただいている雑誌です。
その「玉響」の2017年10月号(今月号)に、日本弥栄の会の中矢代表と、オノマ・A・ソテリアさんという、ギリシャ生まれで、イタリア、インド、イスラエル、アラブ首長国連邦、アメリカ、スイス、フランス、そして日本で育った、まさに国際人そのものの人物との対談が掲載されています。
このオノマさんは、なんと日本語、英語、フランス語、ヘブライ語、ラテン語、ギリシャ語の読み書きに通じ、日本語では、何と古典まで読破されるという、いわば超人です。

対談の内容は、キリスト教から水戸学、古事記、日本書紀、お香など多岐に渡るのですが、そのなかで、ひとつ、なるほどと注目した視点が、
「善悪二元論か一元論か」という論考です。

ペルシャのゾロアスター教では、善と悪の二元論を用います。
そこから発展して、キリスト教もまた二元論となったわけで、その結果、現代においても彼らは常に善と悪とを区別しようとする傾向があります。

これについて中矢代表が次のように述べています。
「日本人の場合、どこか敵に対して憐憫の情を抱いたり、敵の立場を慮(おもんばか)ったり、二元論というより、一元論的に考えます。(中略)
すべてにおいて二元論的思考が西洋人の考え方にあって、例えば神の世界とこの地上界というのも、二元論的な感じで考える。
日本人は一元論的に見るから、自然と私たち人間の境があまりないというか、一体化しているところもあると思うのです。」






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古事記3の一部



と、ここから思うのですが、日本の国旗は日の丸です。
中央に描かれたひとつの丸は、まさに一体化すること、ひとつになることを示しています。
これに対し、西洋諸国の国旗は、直線で色分けがされています。
かつては、たとえば三色旗ならば、その中央に王の紋章が描かれていて、対立する三者をも統合していましたが、王権が倒されてからは、単に三色が直線で区分されるようになりました。
そして三つの色は、それぞれが自己主張をしているかのように見えます。
そういえば米国の国旗も、青と赤と白が直線で区分されています。

ちなみにChinaの国旗は、赤字に星が描かれていますが、これはすべての民衆を黄色の支配者が支配している姿であるかのようです。
あくまでも、そのようにも見えるという意味です。

良い悪いということではありません。
やはり国旗には、それぞれの国ごとの価値観の相違が象徴されているように思います。

大切なことは、私たち日本人には、本来、善悪二元論はなじまないのではないでしょうか。
悪の中にも善があり、善の中にも悪があると考える。
ですから芥川龍之介の『蜘蛛の糸』に出てくるカンタダがいくら極悪人であっても、お釈迦様がこれを助けようとしたと聞けば、「ああ、なるほど」と素直にその物語に納得します。
ところが善悪二元論のもとでは、そうはならない。
悪はどこまで行っても悪です。
そこに情けはありません。

先だってトランプ氏が、国連改革を提言しました。
前任の事務総長の時代に、国連は事務官僚が2倍になり、真実ではなく都合で国連から様々な通達が各国に出されるようになりました。
このままでは米国としては、国連経費(分担金)の2割もの負担をしているわけで、その改革が国連にできないのなら、米国は国連に経費を出すわけにいかないというわけです。

米国は善悪二元論の国です。
ですからその米国がこれを云い出したということは、国連は「悪」だと言われたに等しいわけです。
こういうところが善悪二元論国の怖いところです。

その問題を起こした側の国もまた、善悪二元論国です。
民族性かもしれません。
その国は「2%もの分担金を国連に収めている」と豪語しますが、毎年の支払いは滞りがちで、未払い状態が続いています。
払うものも払わずに、権利だけを主張し、世界中に害毒を撒き散らしているのですからたいしたものですが、それでいて自分たちは常に善だというのですから、これまた善悪二元論の怖さです。

一方、日本人は一元論ですから、こういう点についても実に曖昧です。
国連に米国に次いで世界第二位の分担金を毎年、一日の遅れもなくキチンと支払い続けています。
米国は、主張が通らないとすぐに支払いを滞らせるので、実質負担金は日本が一番になっていさえます。
それでいて日本は国連で敵国扱いされているし、常任理事国でもないし、職員採用国籍割合も少ないし、GDP比率でいえば、EU各国の合計やChinaの倍以上の分担金を、これまた遅れなく、キチンと支払い続けています。
そしてそのことについて、日本国政府も文句を言わないし、国民も文句を云いません。

善と悪の境目を明確に持たない日本人は、まずは自分たちがやるべきことをキチンとしようとするし、敵国とみなされていたとしても、そうでないと考えてくれる国もあるに違いないと考えます。
常任理事国に、誰がどう考えても第二次世界大戦のときには国家の片鱗さえもなかった国が就任して、あたかも United Nationsの戦勝国のような顔をしていても、そのことを特に問題にしようともしない。
馬鹿にされても、相手の中の誠意を信じようとするところがあったりするわけです。

そしてその日本は、これまた「玉響」からの受け売りですが、「最古の文明シュメールよりも古い日本の縄文」文明を持っています。
ほんとうの意味で、まさに世界最古の国であるわけです。

では、私たちはこれからの国際社会において、何をしていくことが必要なのでしょうか。
それは私たちが善悪二元論の国や民族に生まれ変わることなのでしょうか。
私は、それは無理だろうと思います。
どこの国も、どの民族も、その国や民族の歴史文化伝統の上に成り立っています。
いま、善悪二元論の国に、一元論の国に生まれ変わりなさいといったところで、そうなることはまずありえないし、日本が日本人が善悪二元論者になることも、およそ不可能なことです。

ただ、できることがひとつあります。
それは、日本が日本人が、世界最古の文明を持つ国として、世界に向けて堂々と、私たちの国の文化をわかりやすく説明していくことです。
説明のためには、私達自身が、私たちの国の成り立ちや、国の歴伝統文化を知ることが大事であると思います。
それは、他国や多民族に、日本の持つ一元論を振りかざしたり、ゴリ押ししたりすることではありません。
日本人は、こう考え、このように行動するということを、相手にわかるように説明していくことなのではないかと思います。

フジヤマ、ゲイシャ、スキヤキだけが日本の文化ではないのです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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20160810 目からウロコの日本の歴史


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コメント

 ヒメコになってやる さま

No title
本当にありがとうございます。
ねずさんのひとりごとは、ほぼ全て、気づいた日から、赤とんぼとか、題別で、リンク先の載っていない頃から、過去に遡って拝読させて頂いています。

占守島のところも、蛍の話も、皇后陛下のインドでの絵本の話でも、
たくさん泣きました。特攻の方の話も。おかげさまで、伊勢神宮と、靖国神社は、参拝する事が出来ました。沖縄、真珠湾はまだです。

本当に、ここがなかったら、日本を知ることはできなくなっていました。
とはいえ、意図せぬ大ミスを犯して、ご指摘を別角度から、気がつき、大慌てで修正しています。本当にありがとうございます。

周囲全て、反日も愛国者も、それぞれに繋がっていると思えば、もはや、開き直って適当にしようとも思いますが、表には出たくない身、修正をかけています。

ねずさんの言葉に、輻輳?公の場でも、自分の意見を言うことというのが有りましたが、これは、自分の頭が回っておらねばならず、また、状況判断を仕切っておらねばならず、かといって、一人一人の国民が、議論するべき時でもあり、しかしながら、ここに来られるようなよくわかっている方は、まだ少なく、全く、子育てのことしか話題にしていない同窓に、お話しすべきか、もし、目の前にいらっしゃったならば、お話しが伺えるのに、と、残念に思いました。ネットでは、限界がある。

また、ネットだから、半匿名で、話せた。匿名希望でした。
もちろん、周囲の方々には、一生懸命喋っていますし、周囲が教えてくれました。ごく一部ではありますが。

適当な返事でごめんなさい。この選挙が、日本再生の要なので、テレビしか見ない層、テレビすら見ない子育て層、どうしたら、事実が伝わるんだろうって、10日公示。

テレビ とネットのあまりに大きな乖離に、
自分が理解してるだけじゃあ、祈っているだけじゃあだめだなあと、
もっと友人知人親戚、濃厚に関わっていたら、即意見伝達できるのに、
あの、映画のサマーウォーズのように、問題解決できる人脈が、作っていたらよかったなあと、思いました。

あるいは、すでに知己となった人が、救世主であると認識し、伝道に入るのか?戯言失礼しました。

楠山秀樹

善悪二元論で片付くほど世の中は単純ではない
こんにちは。
善悪二元論とは結局のところ、対立を意味しています。そして、争って勝った方が善、負けたほうが悪となります。つまり、自分に対立する側を悪と見なします。
一方、東洋思想には陰陽五行説があり、陰が極まれば陽転し、陽も極まれば陰転します。これは、陰陽が一つの融合体で連続して変化するということです。また、五行の木火土金水は相克相乗があり、相性が良いか悪いかの問題です。諸行無常の変化の中で友ができ敵が生まれるという事です。
ところで、無法者、法を守らないということが普通の場合、悪とされます。そうすると、お隣の国はまさしく悪となります。平気でミサイルを打つ国や、ここは俺っちのものだと領土を侵す、超限戦という無法の戦いを仕掛けてくる、嘘や捏造も平気、歴史も都合のいいように改ざんします。
法を守らないのが悪ならば、グローバリズムも悪です。全ての規制を撤廃させて、自由に無法地帯にしましょうと言っているからです。無法地帯となれば、それはカオス(混沌)です。混乱し争いとなり、強者生存の法則となります。そんな環境ではたまらんのでロウ(法)ができ秩序ができます。しかし、法で縛られすぎると息苦しくて堪らんとなり自由を求めます。そして、一番心地よいところで落ち着きます。これが中庸です。
このように、善悪二元論で片付かないものが世の中とゆうものだと思いませんか。

-

少し自分で反芻してからだしてよ!
  先生の読者の中に、

 「語りたい、とにかく語りたい」という方がいらっしゃるようです。
  博覧強記もけっこうですが、あまり感心できません。ネタの提供には
  なるのでしょうが、ねずさんブログを、もう少し読み込まれることを  
  お勧めします。
  ヒメコになってやる !とまで言ったかどうかは、知りませんが、今度の選挙におでになるつもりなのでしょうか。それとも、、、?
 雑炊かビフテキか、あたし、ビフテキだ、か、ら、としかきこえません。

くすのきのこ

No title
こんにちは。善悪二元論だけでは、地球上での生存・繁栄は難しい。
善悪二元論だけではウマクいかないので、今度はその上に実用主義・プラグ
マティズムというあくまでも現場に役立つ主張を持ってきているわけでw
ですから必要悪と認めて、英国は国外追放していたユダヤ人達を呼び戻し、
通商を興進して大英帝国を築いた。アメリカはキリスト教者(善?)
土着民(不善?)粛正の後、必要悪のクロやシロのどれい、シ~ナの苦力を
働かせて興産した。プラグマティズムとは苦しい言訳でw勿体つけてぶって
るわけでww・・・しか~し因果応報というか・・必要悪で取り込み利用し
たはずが、現代に至っては国の一部勢力となり問題を起こしてたりします。
欧州の移民達もいずれ欧州体制破壊の萌芽の可能性を十分秘めている。
このプラグママティズムの考え方は面白いwキタが何故潰されないか?アメ
とシ~ナの腐れ縁が続くのは何故か?などが・・薄々ながら浮かぶwまた、
どれだけグローバリズム~と喚いても、各国の存在なしにグローバリズムの
旨味はないのです。全てが単一化したらヒト・カネ・モノの移動は必要ない。
善も悪もありはしない。必要悪こそ必要なんですww
古来、庶民は〇✖方式の二元論で洗脳しておいた方が支配しやすいというわ
けで一神教が利用された。宗教は本来、個々人を救うためのものであろうも
のなのに、支配のための洗脳に利用されてしまったりしているわけで・・
マトモな支配ならば容認できたりしますが、例えば植民地支配は民族浄化で
あり人類文明の多様性を多大に失わせてしまいました。例えばハワイの言語
は廃れ、大学で教えていると。各々の民族には辿る道があり、言語にかい間
見える古代史もあるのに。人類は多様化しないとこの地球上では拡散生存で
きなかった。人類同士の諍いとなった時に二元論が利用されたわけで、いつ
までもそれに捕らわれていてはちょっと・・共存共栄できませんw
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ねずさんのプロフィール

小名木善行(おなぎぜんこう)

Author:小名木善行(おなぎぜんこう)
連絡先: info@musubi-ac.com
昭和31年1月生まれ
国司啓蒙家
静岡県浜松市出身。上場信販会社を経て現在は執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」を運営。
ブログ「ねずさんの学ぼう日本」を毎日配信。Youtubeの「むすび大学」では、100万再生の動画他、1年でチャンネル登録者数を25万人越えにしている。
他にCGS「目からウロコシリーズ」、ひらめきTV「明治150年 真の日本の姿シリーズ」など多数の動画あり。

《著書》 日本図書館協会推薦『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』、『ねずさんと語る古事記1~3巻』、『ねずさんの奇跡の国 日本がわかる万葉集』、『ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀』、『ねずさんの知っておきたい日本のすごい秘密』、『日本建国史』、『庶民の日本史』、『金融経済の裏側』、『子供たちに伝えたい 美しき日本人たち』その他執筆多数。

《動画》 「むすび大学シリーズ」、「ゆにわ塾シリーズ」「CGS目からウロコの日本の歴史シリーズ」、「明治150年 真の日本の姿シリーズ」、「優しい子を育てる小名木塾シリーズ」など多数。

講演のご依頼について

最低3週間程度の余裕をもって、以下のアドレスからメールでお申し込みください。
むすび大学事務局
E-mail info@musubi-ac.com
電話 072-807-7567
○受付時間 
9:00~12:00
15:00~19:00
定休日  木曜日

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